【アルファロメオ159】評価が分かれた大ヒットモデルの後継車

大ヒットセールスとなったアルファロメオ156の後を受けて登場した159。ワルテル・デ・シルヴァの流麗なデザインから一変、ジウジアーロの直線的でシャープな顔つきでデビューしました。“ヒットモデルの次期モデルは苦労する”のジンクスを崩すことができずに、セールスとしては成功と言える状況ではありませんでした。でも、車としてのできの良さは文句なしのレベルに達しています。そんな159の中身を覗いてみましょう。

アルファロメオ159とは

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BB159

2005年、大ヒット作“アルファロメオ・156”の後継車としてジュネーブ・モーターショーで発表された159です。外観デザインはジョルジェット・ジウジアーロとアルファロメオ・デザインセンターとの共同作業で、フロントフェイスは先にデビューした“アルファロメオ・ブレラ”のイメージをほぼそのまま踏襲しています。
GMと共同開発された“GM/フィアット・プレミアムプラットフォーム”を使ってつくられていますが、これはブレラも同様です。

日本仕様車スペック
2.2L JTSエンジン搭載車(5速セミA/T)
全長:4,690mm
全幅:1,830mm
全高:1,430mm
ホイールベース:2,705mm
トレッド前/後:1,595/1,575mm
車両重量:1,570kg
エンジン型式:939A5
最高出力:185ps/6,500rpm
最大トルク:23.4kg・m/4,500rpm
種類:直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:2198cc
内径×行程:86.0mm×94.6mm
圧縮比:11.3
過給機:なし
燃料供給装置:電子制御燃料噴射(直噴式)
燃料タンク容量:70リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費:9.3km/L
サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン(コイルスプリング)
サスペンション形式(後):マルチリンク(コイルスプリング)
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
タイヤサイズ(前):215/55R16
タイヤサイズ(後):215/55R16

3.2L JTSエンジン搭載車(6速M/T)
全長:4,690mm
全幅:1,830mm
全高:1,445mm
ホイールベース:2,705mm
トレッド前/後:1,580/1,560mm
車両重量:1,740kg
エンジン型式:939A
最高出力:260ps/6,300rpm
最大トルク:32.8kg・m/4,500rpm
種類:V型6気筒DOHC24バルブ
総排気量:3,195cc
内径×行程:89.0mm×85.6mm
圧縮比:11.25
過給機:なし
燃料供給装置:電子制御燃料噴射(直噴式)
燃料タンク容量:69リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
サスペンション形式(前):ダブルウィッシュボーン(コイルスプリング)
サスペンション形式(後):マルチリンク(コイルスプリング)
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前):235/45R18
タイヤサイズ(後):235/45R18

2011年、親会社であるフィアットが2013年に登場するパンダの第3世代モデルの生産に向けてナポリにある工場のアルファロメオ159の生産ラインをパンダ用に改修しました。日本やイギリスなど左側通行諸国向けへの販売を終了し、左ハンドル仕様車も在庫部品を使って生産が続けられたのみでまもなく生産終了しました。

パワートレーン

当初設定されたエンジンは、ガソリン仕様の直列4気筒1.8L、1.9L、2.2LとV型6気筒3.2L、ディーゼル仕様は、直列4気筒1.9Lと直列5気筒2.4Lです。
このうち日本仕様車は直列4気筒2.2LとV型6気筒3.2Lの2種類のみです。
駆動方式はフロントエンジン・フロントドライブを基本とし、Q4と呼ばれる四輪駆動も設定されました。M/T車と2.2Lセレスピード(セミA/T)装着車には、坂道発進をスムーズにする“ヒルホールドシステム”が搭載されています。

公用車としても

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AA

カラビニエリ(イタリアの国歌憲兵)のパトカーや、在外公館(大使館)、官庁の専用車としても多く使用されています。アルファロメオがトリノオリンピックのオフィシャルスポンサーとして参画した際には、数十台のアルファロメオ159が組織委員会のオフィシャルカーとして提供されました。

photo by Tetsurrow

これは友人が撮影した写真ですが、ローマの街中で見かけたそうです。ロールスロイスファントムの路上駐車を取り締まっていたのか、それともVIPの警護なのか...

Photo by Tetsurrow

なかなか凄い光景ですね。

スポーツワゴン

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%BB159

アルファロメオ156と同様にリアエンドを延長してステーションワゴン化した“スポーツワゴン”もあります。156スポーツワゴンに比べると、リアの足回りが変更されているおかげかラゲッジスペースの横方向が広くなっています(出っ張りが少ない)。156スポーツワゴンでは唯一の不評点(ゴルフバッグが乗らないワゴンとして有名)でもありましたので、改善したのでしょう。
ステーションワゴンにすると“おしりでっかち”になりがちですが、前後のボリュームバランスが綺麗にまとめられていますし、精悍な顔つきと相まって美しいプロポーションに仕上がっています。

スポーツワゴン日本仕様車スペック(セダンとの相違点のみ)
2.2L JTSエンジン搭載車
全高:1,440mm
トレッド前/後:1,580/1,560mm
車両重量:1,630kg
10モード/10・15モード燃費:8.8km/L
タイヤサイズ(前):225/50R17
タイヤサイズ(後):225/50R17

3.2L JTSエンジン搭載車
全高:1,465mm
車両重量:1,830kg

市場での159

そんな159の実際をみてみましょう。

熟成されたできのよさで高評価を得る

出典:http://bestcarmag.com/makes/Alfa-Romeo/159

すでに先代の156でアルファロメオのミドルサルーンに対する評価の植え換えは完了していたと言って良いでしょう。それまでのアルファロメオの“一部のマニア向け偏屈車”といったマイナスなイメージは一蹴され、洗練されながらもかしこまりすぎない、まさに“伊達男”というイメージになりました。
159ではさらに磨きがかかった印象で、ボディの剛性感や操作系統のしっかり感はもう一つランクアップした印象です。このあたりは名だたる評論家の先生方もご意見は一致しています。156世代までのフィアット系プラットフォームから、GMとの共同開発によるプレミアムプラットフォームになったことも大きな変化をもたらした要因でしょう。

市場の評判は意見が分かれるところ

事前の高評価とは裏腹に、市場での評判はいまひとつと言わざるを得ませんでした。これは、156世代までのアルファロメオを知っているかどうかが分かれ目になっているように思います。それまでのアルファロメオを好む人からは、159は受け入れられていませんでした。一番の要因は、なんといっても一回り以上大きくなったボディサイズでしょう。GMと共同開発した新プラットフォームは、アメリカ市場も踏まえたロングツアラーのサイズで、156までのアルファらしい軽快さを損なっていました。加えてエコ時代に対応すべく導入した新エンジンも小気味よいという印象からはほど遠く、アルファらしさを欠く助けになってしまっています。兄貴分にあたる166の後継車という立場も兼任していますから仕方がないのかもしれませんが、147・156世代の楽しさは薄れていることは否めません。
対してアルファロメオに対する先入観を持たない人たちにとっては、広々とした室内やエコ時代に対応できているエンジンは高評価の対象でしょう。それでいてイタリア特有のおしゃれさとしっかりとつくり込まれた内装などは、ありきたりな輸入車では満足できない向きには所有欲をくすぐられるはずです。

中古車相場はバロメーター

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某中古車サイトを覗いて見ても、156の登録台数110台に対して159の登録台数は49台と半分以下です。もちろん世代が違いますから新しい車種の方が中古車の数が少ないのはうなずけますが、今なお156が市場にこれだけいることは人気の裏付けと言えます。つまり販売台数の差と、人気の差が中古車登録台数に反映されているということです。
ですが、156に比べると年式に対する値落ちが少ないように思います。これは、156の初期ロットに見られた不具合によるものだと思われます。156初期のセレスピードシステムではトラブルが続発しました。もちろん、改善されていますが、これが156の評価を下げてしまったのでしょう。熟成が進んだ159ではトラブルらしいトラブルは聞いていませんし、その分中古車市場でも高評価を得ているのではないでしょうか。

アルファロメオ159で遊ぶ

156の爆発的なヒット以降、アルファロメオのアフターパーツマーケットはとても盛況になりました。以前はマフラーを交換しようにも、本国仕様やドイツ仕様などに合わせた製品を輸入していましたし、日本仕様にはそのまま使えず改変を要するものばかりでした。
日本でもアルファロメオ車が売れ出したことで、アフターパーツの分野でも大きな市場になったということでしょうね。実にたくさんの商品がリリースされています。

ルックスを大きく左右するホイール

アルファロメオ159に限った話ではありませんが、見た目を左右する一番の決め手と言えるのではないでしょうか。国内、海外を問わず、アルファロメオ用のホイールは実にたくさんあります。定番のGTAデザインも良いですが、ジウジアーロデザインのボディですから、線の細い直線デザインのホイールも似合いそうですね。フィアット系列の車種はP.C.D.が特殊ですから気を付けて下さいね。159の場合は98mmで5穴です。

Partire ホイール 18×8.0JJ ET38 5H/110 Mat Black (マットブラック) for Alfa RomeoGiulietta/159/Brera/Brera Spaider

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サウンドと後ろ姿を引き締めるマフラー

アルファロメオは、マフラーの出口までデザインに拘りますから、純正品でもとても綺麗なフィニッシュです。でも、個性を押し出すためにはここも換えておきたいポイントですね。テールデザインもさることながら、サウンドにも拘りたいところです。

TEZZO プレミアムマフラー <スパイラルVer.>(for 159 2.2L/3.2L)

¥183,708

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故障は大丈夫?

輸入車に乗るとなるとどうしても心配になるのが故障ですよね。特にイタリア車となると気になってしまいます。上述した通り、156の初期モデルではトラブルがありましたが、改善されてからはトラブルというほどのことは聞いた事がありません。
ただセレスピードモデルに関しては、気を付けなければいけないことがあります。それはバッテリーの管理です。どんな車でも気を付けなければいけないことですが、特にセレスピードは注意が必要です。バッテリーに十分な蓄えがなくなると、セミオートマを動かすためのポンプが作動しなくなってギヤセレクトが出来なくなってしまいます。駐車するときにギアを“1”や“R”に入れて停めるクセがある人は要注意ですね。押しても動かなくなってしまいます。
同じくバッテリーが弱るとイモビライザーが反応しなくなることがあるようです。故障を気にするというよりも、バッテリー管理をしっかりとすることが重要なようです。

バッテリーについて

159というかアルファロメオに限ったことではありません。すべての車に言えることです。バッテリーの消耗は仕方がないことですが、少なくとも寿命を縮める行為を避ける努力はしましょう。具体的には、できるだけ満充電の状態を保ってあげることです。
例えば朝出かけるときにエンジンを掛けます。このときにセルモーターを回しますから、わりと多めに電力を消費しました。家を出てすぐにコンビニに寄りました。エンジンを切って買い物を済ませて、またエンジンを始動して出発します。程なくして勤め先に到着というケースだと、消費した分を補う時間がありません。バッテリーは、放電は一瞬ですが充電はゆっくりとしかできません。
梅雨時などはもっと過酷です。雨が降っていますのでワイパーを動かしますよね。曇りますからエアコンも作動させます。暗いからヘッドライトも付けましょう。これだけで充電機が作り出す電力のほとんどを消費していますので、バッテリーの充電まで手が回りません。
出来るだけ消費電力を少なくする工夫と、ちょっと回り道して長い時間走ることを心がけましょう。自宅で充電が可能でしたら、時々補充電してあげると寿命が大きく変わります。

ACデルコバッテリー for アルファロメオ159・Brera・Spider 2.2/3.2

¥30,492

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最後にまとめ

ジョルジオット・ジウジアーロの美しいデザインは文句なしですし、イタリア車の中でもアルファロメオはスポーティなイメージで伊達男を演出するにはもってこいの車です。決めすぎずしゃれた普段着で乗りこなすのがアルファ乗りの粋ではないかと思います。