【シトロエンDS4】アヴァンギャルドを纏ったおしゃれなSUV

“シトロエンってわかる?”って聞くと“知らな~い”と“あの変わった車?”に分かれます。ごく一部のコアなファンを除けば大多数の人たちはこんな反応ではないでしょうか。大多数の人たちとコアなファン、どちらも大切にしたいシトロエンは、2010年に新たな試みに出ました。シトロエン色を抑えた一般向けの“Cライン”と、コアなファン向けの“DSライン”の2本立てラインナップにしたのです。

とにかくDS4を見てみましょう

DS4のデビューは2011年3月のジュネーブショーのことです。その年の9月には日本へ導入されました。デビューから半年での導入は異例の早さですね。シトロエンの本気度がうかがえます。欧州風に言えば“Cセグメント”にあたるサイズで、ハッチバック構造ながらクーペのようなデザインに仕上げられています。リアドアのアウターハンドルをCピラーに隠して、2ドア風に見せるあたりがシトロエンらしい拘りではないでしょうか。

出典:http://ds4.citroen.jp/

スペックなど

DS4シック ※()内はスポーツシック
ボディタイプ:ハッチバック
ドア数:5ドア
乗員定員:5名
型式:ABA-B7C5F03S
全長×全幅×全高:4,275×1,810×1,535mm
ホイールベース:2,610mm
トレッド前/後:1,530/1,525mm
車両重量:1,360kg(1,400kg)
エンジン型式:5F03
最高出力:156ps/6,000rpm(200ps/5,800rpm)
最大トルク:24.5kgm/1,400~3,50rpm(28.0kgm/1,700rpm)
種類:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1,598cc
内径×行程:77.0mm×85.8mm
過給機:ターボ
燃料供給装置:電子制御コモンレール式筒内直接噴射
燃料タンク容量:60リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
JC08モード燃費:11.7km/L(12.9km/L)
ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前):マクファーソンストラット式
サスペンション形式(後):トーションビーム式
ブレーキ形式(前):ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後):ディスク
タイヤサイズ(前):215/55R17(225/45R18)
タイヤサイズ(後):215/55R17(225/45R18)
最小回転半径:5.3m
駆動方式:FF
トランスミッション:6速セミA/T(6速M/T)

そのSUVは、パリから来た。

出典:http://ds4.citroen.jp/

“そのSUVは、パリから来た。”これは、シトロエンジャポンが使っているキャッチコピーです。実はこのコピーを見て“これはSUVか?”という議論をしたことがあります。個人的には、“SUV”と言うともう少し腰高で軽快なイメージなのですが、みなさんの印象はどうでしょうか。
シトロエン流に言えば、屋根があるモデルはすべて“クーペ”なんです。過去のモデルもそう呼ばれていました。このDS4も、てっきり“5ドアハッチバック・クーペ”と呼ぶのかと思いきや違いましたね。リアドアの存在を隠して2ドア風に見せたり、屋根を思い切って丸めてクーペ色を強調しているのですが、“実は5ドアハッチバックでどんなシチュエーションでも便利なんです”という腹の中を見せてしまう魂胆なのかもしれませんね。

不満点が改善されて魅力的なモデルに

出典:http://www.gooworld.jp/catalog/CITROEN/DS4/10078660/index.html

2012年9月に一部変更がありました。“シック”には6速のセミオートマチック、“スポーツシック”には6速のマニュアルトランスミッションという設定だったのですが、このセミオートマチックが日本人にはなじみがないせいか不評だったのです。
マニュアルトランスミッションのクラッチ操作とシフトチェンジ操作を車がやってくれる機構なのですが、シフトタイミングがこちらの意図とずれているとギクシャクしてしまうのです。トルクコンバータ型のオートマチックトランスミッションに慣れている日本人には不向きなのでしょう。
この不満がフランス本国へ届き、なんとフルオートマチックのトランスミッションが設定されたのです。エンジンもパワーアップされて、最高出力:162馬力6,000rpm、最大トルク:24.5kgm/1,400rpmになりました。JC08モード燃費は11.3km/Lです。

エディション・ルージュ

出典:http://www.gooworld.jp/catalog/CITROEN/DS4/10083120/index.html

初めての限定車“エディション・ルージュ”です。2013年5月に限定100台で販売されました。インテリアでは、ツートンルージュレザーシートを採用しています。エクステリアには大径の18インチアロイホイールを装着し、クロームドアミラーカバーやブラックサイドモールディングなどを装備しています。ボディカラーには赤いシートとマッチする“ブラン・ナクレ(パールホワイト:限定数60台)”と“ノアール ペルラネラ(ブラック:限定数40台)”の2色が設定されました。

エレクトロショット

出典:http://www.gooworld.jp/catalog/CITROEN/DS4/10084869/index.html

DS4初のツートーンカラーを取り入れた限定車“エレクトロショット(Electro Shot)”です。2013年10月に70台限定で販売されました。ブラックのツートーンアロイホイールとオリジナルSSDナビゲーションを標準装備しています。ボディカラーには“ブラン・ナクレ”とインパクトある“ルージュ・バビロン”の2色を設定して、ルーフは光沢のある“ノアール ペルラネラ”を合わせてツートーンコントラストを強調しています。

フォーブール・アディクト

出典:http://www.gooworld.jp/catalog/CITROEN/DS4/10091050/index.html

DSモノグラムを配したラグジュアリーモデルの限定車“フォーブール・アディクト(Faubourg Addict)”です。2014年6月に80台限定で販売されました。フランス・パリの高級ブランドが立ち並ぶ“フォーブール・サントノレ通り”からネーミングされました。ハイセンスで洗練された人々をAddict〈夢中にさせる〉このモデルは、コンセプトカー“Numero9”からインスピレーションされた素材とカラーリングが採用されています。エクステリアではDSモノグラムのルーフステッカー、ドアミラーにはレーザー彫刻による精巧なDSモノグラムのグラデーションが施されています。インテリアには最高級レザーを使用したクラブレーザーシートを初採用しました。“クリオロ(Criollo)”と呼ばれるしっとりとしたダークブラウンカラーも専用色です。ボディカラーにも、専用色となる深紫色の“ウィスパー”が用意されました。

エディション1955

出典:http://www.gooworld.jp/catalog/CITROEN/DS4/10100819/index.html

新しく立ち上げられたフランス・パリ発祥のブランド“DS Automobiles”のブランド誕生60周年を記念した限定車“エディション1955”です(2015年10月・限定10台)。DS Automobilesのコンセプト“アヴァンギャルドの精神(SPIRIT OF AVANT‐GARDE)”が細部に散りばめられ、最高級の素材と今年だけの特別感を演出したラグジュアリーな限定車です。シートに、最高級グレードのセミアニリンレザーシートを装備しています。エクステリアでは大径18インチアロイホイールを装着し、深みのある濃紺の専用ボディカラー“ブルー・アンクル”と、ゴールド基調とした60周年ロゴやエンブレム、シリアルプレートなど特別感満載です。ボディカラーは当時の “DS21(1968)”を再現したカラーリングです。

“Spirit of Avant-Garde”のもとに

1955年にデビューした“シトロエンDS”という車があります。独走と革新、まさにアヴァンギャルドを具現化したような車でした。このDSの思想を現代によみがえらせたのが“DS Autobobiles”です。DSラインが生まれたきっかけでもあります。

DSラインのトップバッターはDS3

そんなDS AutomobilesブランドのトップバッターはDS4の弟分、DS3でした。一回り小さなBセグメントに属する3ドアハッチバック車です。後にカブリオが追加されています。もちろん、DS4同様に“アヴァンギャルド”満載のスモールハッチに仕上がっています。

シトロエンC4と兄弟です。

初めに幅広い層を狙った“Cライン”とコアなファンのための“DSライン”と書きましたね。DS4はC4と同時に開発されています。プラットフォームとコンポーネントを共有しながら、趣向の違う“ふたつ”に仕上げられているのです。

乗り味はいかに?

出典:http://www.goo-net.com/usedcar/spread/goo/15/700920035330151217001/gallery.html

もちろん乗りましたよ。しかも6速A/Tになったシックです。本音を言えばスポーツシックに載りたかったのですが、試乗車がありませんでした。あとから聞いた話なのですが、このA/TはアイシンAWと共同開発したんだそうです。これを聞いたらシックに乗れて良かったと思いました。外から眺めると、大きさと全体のフォルムこそC4に近いものの、各部の仕上げやデザインは全く違います。昔よくあったヘッドライトとテールランプの意匠を変えただけのバッジエンジニアリングとは違って、明らかにつくり分けているのがわかります。
室内の設えもC4とはあきらかに違います。DS4の方が高級感と言いますか、落ち着いた雰囲気になっていますね。これも、オールマイティなC4とDSかくありきのDS4との違いなのでしょう。では、いざ発進といきましょう。走り出すと全く別の車ですね。C4は1.2Lダウンサイジングターボを搭載していますから、方向性が全くちがいます。DS4は十分なトルクと回すほどに盛り上がるパワーで走りを楽しむ車です。

足回りはさすが

やはりフランス車に乗ると落ち着きますね。往年のフランス車ほど“ふわふわ”な足回りではありませんが、硬めに締まった中にも十分な懐がある感じが好きです。路面からの入力に対しても突き上げることなく状況説明をしてくれます。大きめのロールもあるところまでいくと“ピタ”っととまって踏ん張りに徹します。ただ硬いだけではこうはいきません。合わせて後ろ足はいつまでも路面を掴まえていてくれますから、破綻することがないんです。ブラインドコーナーの先で思わぬ障害物に出くわしても、ハンドルを切り足すことに不安を感じない、そんな素晴らしいセッティングなんです。

面白い装備

出典:http://luckystream.blog.so-net.ne.jp/2011-09-11

DS4には“パノラミックフロントウィンド”が装備されています。サンバイザーの取り付け部がスライドして、頭上までフロントガラスが広がるんです。実は兄弟車C4にはオプションで屋根全体がガラスになる仕様があるのでそれを期待していたのですが、まあ無いよりは断然開放感が増えます。

DS4の維持費

なかなか優等生のDS4ですが、維持費はどれくらいかかるのでしょうか。年間の走行距離を10,000kmと仮定、燃費はカタログ値の70%、ガソリン代(もちろんハイオクです)は80円(ガソリン税・消費税抜)くらいいにしましょう。
すると...
自動車税/年:39,500円
自賠責保険/年:16,350円
重量税/年:15,000円
ガソリン代/年:101,138円
ガソリン税/年:68,015円
ガソリン代とガソリン税にかかる消費税/年:5,057円
自動車取得税/年(自動車5%):16,350円
任意保険/年:96,000円
車検代(1年・保険税抜き):48,650円
1年でかかる費用はざっとこれくらいです。年間維持費は389,710円ですね。なかなかの好カウントだと思います。あとここにオイル交換が2回必要ですね。1回10,000円、2回目はエレメントも交換して12,000円としても合計で411,710円です。

トラブルは?

知り合いの現役フレンチメカニックに聞いても、DS4のトラブルは無いそうです。実際にオイル交換やカスタム以外で入庫しているのを見たことがありません。ネットでオーナーさんの書き込みを探してみても、トラブルらしいものはみあたりませんね。
ひとつ見つけたのは“始動できなくなった”というもの。ここ10年くらいのフランス車には、バッテリーの上にヒューズと定電圧装置が付いています。この部品のトラブルで、スターターモーターが回らなくなったそうです。バッテリーは元気なのに、始動できない...ということのようですね。
これに関連するトラブルなのですが、最近増えている電気式のパーキングブレーキです。エンジンを切ると自動的に電気でサイドブレーキをかけてくれるのですが、この解除はエンジンを始動してギアを入れたときが一般的です。エンジン始動できないとパーキングブレーキが解除されないので、押して移動することができません。万一路上で起きてしまうと少々やっかいな現象ですね。

最後にまとめ

DSラインのファミリーサイズ、DS4。いかがでしたか。トラブルらしいトラブルもなく、維持費も車検代まで見込んで3,500円/月くらいですし、安全装備も満載でこのルックス、この高級感です。これで310万円はバーゲンプライスだと思います。中古市場では、アイシン製のA/Tモデルでも200万円程度で見つかりますから、気になっている方は試乗してみてくださいね。