【日産 ブルーバード】SSS(スーパースポーツセダン)としての50年

「日産 ブルーバード」と言えば、「SSS(スーパースポーツセダン)」として「510型」「サメブル」「910型」「SSS-R」などモータースポーツで活躍した「セダン」です。半世紀も愛されたモデルの魅力に迫ってみたいと思います。

「ブルーバード」デビュー

「ダットサン・ブルーバード」の名称で、1959年8月にデビューしました。1960年代から1970年代にかけては、「トヨタ コロナ」と販売競争が「BC戦争」といわれるほどのライバル関係でした。

1th「310型系」(1959年-1963年)

1959年8月に「ダットサン・ブルーバード」の名称でデビューしました。ボディタイプは、4ドアセダンのみでした。グレードは、1,000cc(988cc 水冷 直列4気筒 OHV「C1型」34PS/4,400rpm)は「STD」1,200ccは(1,189cc 水冷 直列4気筒 OHV「E1型」43PS/4,400rpm)「STD」と「DX」です。セミモノコックボディと低床式ラダーフレームとを組合せて軽量化と強度確保を図っていました。パーツはダットサントラックとの共用が多くありました。乗車定員は当初4名でだったものを1959年10月に変更して5名にしています。1960年10月にMCで、1,000cc「C1型」43PS、1,200cc「E1型」は55PS/4,800rpmに変更されました。同時にトランスミッションが日本初のフルシンクロメッシュとなりフロントグリルに専用エンブレムが装備されました。

310型系(1959年-1963年)主要諸元

エンジン:1,189cc 水冷 直列4気筒 OHV(E1型)
最高出力:55PS/4,800rpm
トランスミッション:3速CMT
駆動方式:FR
サスペンション:F ダブルウィッシュボーン R リジッド半楕円リーフ
ブレーキ:F/R ドラム
全長:3,915mm 
全幅:1,496mm 
全高:1,470mm 

2th「410型系」(1963年-1967年)

1963年9月に2th「410型系」が登場しました。日産初のフル・モノコック構造のシャシーを採用し、当初のボディタイプは、4ドアのセダンとエステートワゴンのみでしたが、後に2ドアセダンが追加され、1965年に1300バン、「2ドア1200SS」「1300SS」「1600SSS」などを追加しています。また「1600SSS」、1,600cc SUツインキャブ付き「R型」エンジンで90PSを発生させ、ポルシェシンクロの4段ミッションを装備していました。専用フロントグリルに前輪ディスクブレーキも装備しています。

モータースポーツ

1965年3月に「第4回ナショナルストックカーレース」に参戦し、スポーツマンクラスにて「1200SS」が優勝しています。ドライバーは長谷見昌弘でした。1966年4月には「第14回東アフリカサファリラリー」にに参戦し、5位で完走し、クラス優勝を飾っています。

「410型系」(1963年-1967年)主要諸元

エンジン:1,189cc 水冷 直列4気筒 OHV
最高出力:55PS/4,800rpm
トランスミッション:3速MT
駆動方式:FR
サスペンション:F ダブルウィッシュボーン R リジッド半楕円リーフ
ブレーキ:F/R ドラム
全長:3,995mm 
全幅:1,490mm 
全高:1,415mm 
ホイールベース:2,380mm
車両重量:915kg

3th「510型系」(1967年-1972年)

1967年8月に「510型系」がデビューしました。ボディタイプは、2ドア/4ドアセダン、4ドアワゴン/4ドアバンの4種類でした。「スーパーソニックライン」と称する、直線的で彫りの深いシャープなボディデザインとなりました。またフロントドアガラスの三角窓は、換気装置の強化により省略されました。エンジンは、水冷直列4気筒 SOHCの「L型」エンジン搭載し、1,300ccの「L13型」、1,600cc「L16型」を積んだ「SSS(スーパー・スポーツ・セダン)」でした。1970年9月には1,770cc 直列4気筒 SOHC 「L18型」を搭載した「1800SSS」を追加しています。サスペンションは、日産初の四輪独立懸架(F マクファーソン・ストラット、R セミトレーリングアーム)を採用しています。日本国外では、「プアマンズ・BMW」と呼ばれ、史上初めて北米市場でヒットした日本車となりました。

モータースポーツ

1969年に「メキシカン1000マイルラリー」で総合4位入賞しています。1970年は、「第18回東アフリカサファリラリー」にて総合・チーム優勝を達成しています。

「510型系」(1967年-1972年)主要諸元

エンジン:1,770cc 水冷 直列4気筒 SOHC SUツインキャブ(L18型)
最高出力:115PS/6,000rpm
最高トルク:15,5kgm/4,000rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FR
サスペンション:F ストラット R セミトレーリングアーム
ブレーキ:F ディスク R ドラム
全長:4,095mm 
全幅:1,560mm 
全高:1,420mm 
ホイールベース:2,420mm
車両重量:945kg

4th「610型系」(1971年-1976年)

1971年8月に4th「610型系」が登場しました。車名は「U」のサブネームが付いた「ブルーバードU」となりました。ボディタイプは、4ドアセダン、2ドアハードトップ、ワゴン、バンです。セダン、ハードトップはサイドウインドウ下の「Jライン」と呼ばれるガーニッシュが特徴でした。

「サメブル」

2000GTシリーズが設定され、直列6気筒 2,000ccの「L20型」を搭載し、ホイールベースを150mm延長し、フロントオーバーハングを55mm延長したロングノーズの2000GTシリーズがありました。「GT」「GT-E」「GT-X」「GT-XE」が追加設定されました。デザインは、フロント周りはアメ車のポンティアックを思わせるフロントフェイスに、スカットル部のエアアウトレット風のデザインが特徴でサメのエラを連想させるため「サメブル」と呼ばれました。

「610型系」(1971年-1976年)主要諸元

エンジン:1,998cc 水冷 直列6気筒 SOHC SUツインキャブ(L20型)
最高出力:125PS/6,000rpm
最高トルク:17,0kgm/4,400rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FR
サスペンション:F ストラット R セミトレーリングアーム
ブレーキ:F ディスク R ドラム
全長:4,215mm 
全幅:1,600mm 
全高:1,415mm 
ホイールベース:2,500mm

5th「810型系」(1976年-1979年)

5th「810型系」は、1976年7月に登場しました。 ボディタイプはセダン、2ドアハードトップ、バンで、輸出用にワゴンを設定しています。ロングノーズの6気筒2,000ccモデルは「G6」シリーズになりました。エンジンは、直列4気筒の「L16型」「 L18型」と直列6気筒の「L20型」です。1978年9月にMCで「811」型となり、角型4灯ヘッドランプを採用しました。また、ロングノーズで4気筒エンジン搭載の「G4」シリーズ(リアサスペンションはGL系と同じ4リンク式)が追加されました。1979年3月にブルーバード20周年記念車の「スピリット20」ではブルーバード史上初のサンルーフを設定していました。

「810型系」(1976年-1979年)主要諸元

エンジン:1,998cc 水冷 直列6気筒 SOHC SUツインキャブ(L20型)
最高出力:125PS/6,000rpm
最高トルク:17,0kgm/4,400rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FR
サスペンション:F ストラット R セミトレーリングアーム
ブレーキ:F ディスク R ドラム
全長:4,260mm 
全幅:1,630mm 
全高:1,390mm 
ホイールベース:2,500mm

6th「910型系」(1979年-1983年)

1979年11月に6th「910型系」が登場しました。「510型」のような直線基調の機能的でクリーンなデザインが好感を呼び、小型車クラスで27か月連続新車登録台数第1位を記録しました。エンジンは全車直列4気筒の「Z型」エンジンに統一されました。「LD20型」「LD20T型」ディーゼルエンジンも設定されていました。足回りは、フロントサスペンションが日本製FR車初のゼロスクラブと、ハイキャスターにセッティングされた、マクファーソンストラットコイル、リアは、SSS系にはセミトレーリングアームコイルが装備されていました。SSSシリーズには開発当初、スカイラインRS用の4バルブDOHCの「FJ20E型」エンジンの搭載も企画されましたが、販売サイドの意向で実現しませんでした。

モータースポーツ「スーパーシルエット」

1982年5月は当時のグループ5規定に合わせたレーシングカー「ブルーバード・ターボ」が登場しました。2ドアハードトップ(KY910型)をベースに車体の一部をパイプフレームとするノバ・エンジニアリング製のシャシーに、大型のフロント、リアスポイラーを備えるムーンクラフト製のカウルが装着されました。エンジンは直列4気筒DOHCの「LZ20B型」にエアリサーチ製T05Bターボチャージャーとルーカス製メカニカルインジェクションシステムを組合わせた「LZ20B/T型(2,082cc 570PS/7,600rpm、55kgm/6,400rpm)」を搭載していました。この車両は当初は、シルビアの兄弟車ガゼールのカウルを装着していました。また近年レストアを受け、現在は座間事業所内にある日産座間記念車庫に保管されています。

「910型系」(1979年-1983年)主要諸元

エンジン:1,770cc 水冷 直列4気筒 SOHC ターボ(Z18ET型)
最高出力:135PS/6,000rpm
最高トルク:20,0kgm/3,600rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FR
サスペンション:F ストラット R セミトレーリングアーム
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク
全長:4,510mm 
全幅:1,655mm 
全高:1,370mm 
ホイールベース:2,525mm
車両重量:1,115kg

7th「U11型系」(1983年-1990年)

1983年10月に7th「U11型系」が登場しました。FF化し前輪駆動車となりました。先代の「910型系」までの正式車名であった「ダットサン・ブルーバード」から、「U11型」へのモデルチェンジを機に、正式車名が「日産・ブルーバード」へと改められました。ボディデザインは、4ドアセダン、4ドアハードトップ、ステーションワゴン、バンの4タイプです。エンジンは、「CA型」エンジンとなりました。1984年10月には、V6エンジン搭載の「ブルーバードマキシマ」が登場しました。1985年8月にMCを行なっています。SSSシリーズに直列4気筒DOHC 1,809ccターボを採用し、145PSを発生する「CA18DET型」エンジン搭載モデルが追加されました。

「U11型系」(1983年-1990年)主要諸元

エンジン:1,809cc 水冷 直列4気筒 DOHC ターボ(CA18DET型)
最高出力:145PS/6,400rpm
最高トルク:20,5kgm/4,000rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FF
サスペンション:F/R ストラット
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク
全長:4,550mm 
全幅:1,690mm 
全高:1,370mm 
ホイールベース:2,550mm

8th「U12型系」(1987年-1991年)

1987年9月に8th「U12型系」が登場しました。ブルーバード初の4WDが登場。ボディタイプは、4ドアセダンと4ドアハードトップで丸みを持たせたデザイン、H/Tはセンターピラーレス構造を先代に引き続いて採用したスタイルでした。エンジンは「CA型」です。「1800ツインカムターボSSS ATTESA LIMITED」に搭載されたDOHCターボの「CA18DET」は、インタークーラーの装着やプレミアムガソリン仕様化が行われたことで最高出力が175PSでした。「ATTESA」は、センターデフ式フルタイム4WDシステムです。1989年10月にマイナーチェンジし、「SR型」エンジン(SR20DET/SR20DE/SR18Di)になりました。

「SSS-R」

競技用として、ラリーバージョンの「SSS-R」が生産されました。オーテックジャパンが開発し、日産自動車で製造、NISMOで販売されました。「ATTESA」を搭載した「フルタイム4WD セダン1800ツインカムターボSSS ATTESA LIMITED」をベースとし、エアインテークが設けられた専用エンジンフードが外観上の特徴です。国内JAF競技用ベース車という性格からロールバーが標準装備で、トランスミッションもクロスギヤレシオ化され、様々なラリー用オプションがNISMOから用意されていました。エンジンは、ベースとなったCA18DETにチューニングを施した「CA18DET-R」を搭載しています。「CA18DET-R」は、A/Rを標準車の0.64から0.89の高速高出力型としたギャレット製T25型タービンを採用、圧縮比を標準8.5から8.0に下げて最大過給圧を600mmHg(レギュラー使用時500mmHg)から690mmHgまで上昇させることで、標準175PS/23,0kgmに対して185PS/24,5kgmを発生しています。また、カムのオーバーラップ増やステンレスエキゾーストマニホールド、コスワース社製の専用鍛造アルミピストンの採用など、スペシャルエンジンです。ボディタイプは4ドアセダンのみで定員2名(後に定員4名仕様追加)でした。

「U12型系」(1987年-1991年)主要諸元

エンジン:1,998cc 水冷 直列4気筒 DOHC 16バルブ(SR20DE型)
最高出力:140PS/6,400rpm
最高トルク:18,2kgm/4,800rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FF
サスペンション:F/R ストラット
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク
全長:4,520mm 
全幅:1,690mm 
全高:1,345mm 
ホイールベース:2,550mm
車両重量:1,160kg

9th「U13型系」(1991年-1995年)

1991年9月に9th「U13型系」が登場しました。ボディタイプは4ドアハードトップと4ドアセダンでハードトップは側面衝突における安全性を考慮してセンターピラーが付けられました。駆動方式はFFと4WDのATTESAが設定されました。エンジンは「SR20DET」「SR20DE」を搭載し、リアLSDにもビスカスカップリングを用いており、「SSSリミテッドアテーサ」にはフロントにもビスカスカップリングを用いた新システムの「トリプルビスカス」が採用されていました。

「U13型系」(1991年-1995年)主要諸元

エンジン:1,998cc 水冷 直列4気筒 DOHC 16バルブ ICターボ(SR20DET型)
最高出力:210PS/6,000rpm
最高トルク:28,0kgm/4,000rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:4WD
サスペンション:F/R ストラット
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク
全長:4,605mm 
全幅:1,695mm 
全高:1,420mm 
ホイールベース:2,620mm
車両重量:1,380kg

10th「U14型系」(1996年-2001年)

1996年1月に10th「U14型系」が登場しました。ボディタイプはセダンのみで、長年ラインナップされていた4ドアハードトップは消滅し箱型のオーソドックスなスタイルになりました。1997年9月にパルサーで採用されたNEO VVLエンジンの2L版の190PSの「SR20VE型」を搭載したホットモデル「2.0 SSS-Z」が設定されました。トランスミッションはマニュアルモード付きのハイパーCVT-M6のみでした。1998年9月MCを施しています。NEO Di直噴ガソリンエンジン、「QG18DD型」にハイパーCVTを組み合わせたモデルも「1.8SSS/ルグラン」に設定されました。1999年10にブルーバード生誕40周年記念車「1.8L 40th ANNIVERSARY」「2.0L 40th ANNIVERSARY」を発表しました。2001年8月に生産終了しました。

「U14型系」(1996年-2001年)主要諸元

エンジン:1,998cc 水冷 直列4気筒 DOHC 16バルブ(SR20DE型)
最高出力:145PS/6,400rpm
最高トルク:18,2kgm/4,800rpm
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FF
サスペンション:F/R マルチリンク
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク
全長:4,565mm 
全幅:1,695mm 
全高:1,395mm 
ホイールベース:2,600mm
車両重量:1,210kg

まとめ

「日産 ブルーバード」は1thモデルから日本初採用のシステム、続くシリーズではモータースポーツで活躍し半世紀も国産の「SSS スーパースポーツセダン」として支持を得ていたモデルです。