Q:「和」と「ハイテク」の融合? A=「インフィニティ Q45」

日本伝統の「七宝焼き」「漆」「金粉」などデザインに「和」のテイストを取り入れ、世界初の最新技術も搭載していた「インフィニティ Q45」の魅力に迫ってみたいと思います。

車のネーミングが「社名」

「インフィニティ Q45」の誕生のきっかけは、1985年からコンセプトとして掲げた、「従来の日本車の売りを踏襲するものに付加価値を高めた高級車の開発、生産」というものです。「インフィニティ」は日産のアメリカブランド名、「45」は排気量を表しています。1989年に日産は最高級車として「インフィニティQ45」を登場させました。

ユニークなボディデザイン

デザインのテーマは「ジャパン・オリジナル」というものでした。それで、「インフィニティエンブレム」がつくものの、リヤガーニッシュ下部中央にNISSANの文字が目立たなく配されています。またボディデザインは、フロントが大型フロントグリルを備えることなく、グリルレスの薄いマスクが採用されています。フロントマスク中央には「七宝焼きのエンブレム」が取り付けられて日本ならではの伝統工芸の味わいを表現した「和」を演出しています。ボディサイズは全長:5,090mm、全幅:1,800mm以上のかなり大きなサイズのボディで、ホイールベースは2,875mmとなっています。さらにドアハンドルはダイキャスト製を採用し、サイドウインドーモールはアルミ製が採用されており重厚感が増した雰囲気になっています。ボディカラーにも独自の拘りが採用され、見る角度によって色が変化して見える特殊な塗装となっています。

インテリア

一般的な高級車では木目パネルが使用されていることが多いですが「インフィニティ Q45」は木目を一切使用していません。「ジャパン・オリジナル」の「和」の象徴として「漆塗り(金粉蒔絵)」のインストルメント・パネル(KOKONインスト)がオプション設定されています。また「18金製のゴールドキー(価格52万円)」がディーラーオプションで設定されていました。実際に見本として現物が銀座の日産本社ギャラリーに展示されていました。また高級車らしい静粛性の追求がされていました。室内周辺のピラーの内部に「高密度硬質発砲ウレタン」を注入することによって、騒音の侵入を抑制し静粛性を向上させています。そしてエンジン組み立ての精度を高めて振動を低減させることによっても静粛性が高められていました。さらに安全面の向上も図られています。スポット溶接の打点を増やすことによって剛性の高いボディに仕上げています。クオリティを一定に保つために出荷前には生産していた栃木工場に併設されているテストコースを使い、高速走行を含めた約40分の走行検査を実施し高品質なクルマとしてのレベルを維持していました。

パワーユニット

「インフィニティ Q45」のボンネットに収まっているパワーユニットは、4494cc V型8気筒 DOHC 32バルブ NAエンジン(VH45DE型)が搭載されています。最高出力280PS/6,000rpm、最大トルク
40,8kgm/4,000rpmを発生させています。日本国内では自主規制によって280PSに抑えられていますが、北米仕様は300PSを発生させており、日本車として初の300PS以上で生産しています。

トランスミッション

組み合わされているトランスミッションは電子制御式の4速ATが採用されています。この4速ATは、エンジンとATを総合制御する「デュエット-EA」が採用されて変速時にシフトチェンジに起きるショックを軽減しています。

世界初のサスペンションシステム

サスペンションシステムは当時日産社内で盛り上がっていた「足回り性能世界一を90年までに目指す」という通称「901活動」によって開発された前後ともマルチリンク式サスペンションを採用してます。市販車としては世界初となる「電子制御油圧式アクティブサスペンション」が装着されていました。このサスペンションによって高次元の操縦安定性としなやかな乗り心地を可能にしていました。

ブレーキシステム

世界一の足回りとされていた「電子制御油圧式アクティブサスペンション」とともに路面状況に応じて正確に制動させるためにブレーキシステムはフロントにベンチレーテッドディスクを採用し、リアにディスクを採用しています。

MCでの変更

「インフィニティ Q45」の特徴として印象的なグリルレスデザインは、残念ながら大多数のユーザーやその予備軍には不評だったため、アフターマーケットで販売されていた「ホシノインパル製」などの社外フェイクグリルを装着するユーザーが多く、MCで見直されることになりました。1993年6月に行われたマイナーチェンジで「七宝焼きエンブレム」とグリスレスが変更になり大型フロントグリルになりました。またインテリアにも変更が加えられました。「漆インパネ」が廃止され、一般的な高級車と同じように「木目パネル」が取り付けられることになり、テーマとしていた「ジャパン・オリジナル」や「和」が影を潜めるMCになりました。

「インフィニティ Q45」主要諸元

エンジン:4494cc V型8気筒 DOHC 32バルブ NAエンジン(VH45DE型)
最高出力:280PS/6,000rpm
最大トルク:40,8kgm/4,000rpm
トランスミッション:4速AT
駆動方式:FR
サスペンション:F マルチリンク R マルチリンク (電子制御油圧式アクティブサスペンション)
ブレーキ:F ベンチレーテッドディスク R ディスク
全長:5,090mm
全幅:1,825mm
全高:1,425mm
ホイールベース:2,880mm
車両重量:1,830kg

まとめ

「インフィニティ Q45」は、テーマとしていた「ジャパン・オリジナル」や「和」のテイストを取り入れ「七宝焼きのエンブレム」「漆塗り(金粉蒔絵)」のインストルメント・パネル(KOKONインスト)などのデザインに加え、世界初や日本初の技術も盛り込まれたスペシャルモデルでした。