【ダイハツ・ミライース】原点であり新しい!第3のエコカー「 ミライース」

クルマ「走る・曲がる・止まる」というのは当たり前。今のクルマはそれ以上のものが求められ、「エコ」の要素が重要に。一般のクルマはもちろん、モータースポーツにおいても、給油の回数が少ないというのは良いこと。その点、軽自動車は良くも悪くも昔から「エコ」。そんな軽自動車を見直して、第3のエコカーとして登場した「ミライース」は、どのようなクルマなのでしょうか?

そもそも「エコ」とはなんなのか

実は「エコ」というのは和製英語

普段から「エコカー」と言っていますが、それってどういう基準で言ってるんでしょうか?

Q.ハイブリッドカーは「エコ」なのか? A.NO
Q.電気自動車は「エコ」なのか? A.NO
Q.水素を用いた燃料電池車は「エコ」なのか? A.NO

全て「NO」です。これらはエコカーでありながら、エコではないのです。「エコ」という言葉の意味を知らないと、正しい「エコカー」というのは作れないのです。

じゃぁ、「エコってなんだ?」ってなりますよね。エコというのは、「2つの英単語」を略した和製英語。「2つの英単語」と言うのがキーワードです。

・エコロジー:「生態学」「環境問題対策」の意味
・エコノミー:「経済」「コストが安い(=経済的)」の意味

だから、「電気か石油燃料か水素か」「燃費が良いか」でエコを語っていたら、片手落ちになるんです。何せ2つの意味を持ち合わせた和製英語なんですから。

水素を燃料とする 燃料電池自動車「トヨタ ミライ」
お値段 7,236,000円(消費税込み)

まだ手頃な値段と言える電気自動車やハイブリッドカー。しかし、充電をするには電圧がAC200Vで、なおかつEV・PHVの充電を想定したコンセントが推奨。通常のAC100Vでは時間は掛かるし、電気回線工事には工事費がかかる。

バッテリーであれば経年劣化も心配。

日産リーフの公式サイト 100%電気自動車 EVのパワートレインに相当する"電気自動車特有部品"の保証についてご覧いただけます。

リーフの場合
・30kWh駆動用バッテリー搭載車では「8年or16万キロ」
・24kWh駆動用バッテリー搭載車では「5年or10万キロ」

それぞれ年数か走行距離でどちらか早いタイミングにおいてバッテリーの劣化が見られた場合は交換保証となっています。しかし24kWh駆動用バッテリーの場合は5年までしか保証されていません。新車購入してから2回目の車検を迎える時期ですが、それ以降は交換する場合は有料。

その交換費用はユーザーが言うには60万円程度とのことですが、5年以上経過したクルマへの維持費としてバッテリー交換代金60万円と言うのは経済的といえるでしょうか? それにこの手の駆動用バッテリーというのはリチウムなどを用いており、製造するにも処分するにも環境への負荷が懸念されています。

本当の「エコカー」と言うのは、「製造」「販売」「維持費」「廃車」の全てのタイミングにおいてお財布にも環境にも優しくなければなりません。いくら燃費が良くても、その製造や廃車の段階で環境にとって有害であってはならないのです。

軽自動車はとにかく「エコ」だった

軽自動車は「エコカー」そのものでした。

・小さな車体ゆえに材料は少ない。調達コストや販売価格が安くなる。お財布にも環境にも優しい。
・小さな車体は軽い。だから、燃費も良くなる。お財布にも環境にも優しい。
・消耗部品のオイル類も少なくて済む。お財布にも環境にも優しい。
・税金が安い。小さくて軽いから道路を傷めにくいからだ。お財布にも環境にも優しい。

とにかくお財布にも環境にも優しい「エコノミー&エコロジー」

車内空間もエコノミークラス! …いや、流石に「ピール P50」程ではありませんが…。
私が保育園~小学生の頃、母のクルマが「ダイハツ・ミラ」でしたが…小学生の身であっても狭かったと言うのは覚えています。今の大きな軽自動車と比較してではなく、その身体であっても窮屈だったんです。まだ「エコノミークラス症候群」なんて言葉すらありませんでしたが…少なくとも、あの座席で長時間ドライブというのは苦痛でした。

軽自動車は確かにエコノミーでエコロジーなエコカーです。ただし、座席もエコノミー。普通に考えれば「小さな車体で大きな室内空間を求める」と言うのが間違いなのかもしれません。軽自動車というのは「安かろう悪かろう」だったということです。

第3のエコカー「ミラ イース」

原点にして新しい

私が小学生時代にミラで窮屈な思いをしてから15年ほど経ってから「第3のエコカー」として登場したのが同じ車名を持つ「ミラ イース」でした。これも何かの縁なのか…私は自動車整備士資格を取得し、その後は自動車販売店に勤めていたので、販売に先立っての説明会にて目にしました。

「第3のエコカー」と言うことなので、当然「第1」と「第2」があります。既に述べた「電気自動車(EV)」と「ハイブリッドカー(HV)」のことです。電気自動車そのものはかなり以前からありましたが、市販車として登場・普及したのはハイブリッドカーのほうが早い気がします。まぁ、どっちが第1か第2なのかはともかく、ミラ イースが第3であることは間違いありません。

しかし「第3のエコカー」でありながら、「次世代のクルマ」というわけではありません。

そもそもミラ イースのコンセプトからしてそうなのです。画像を見てもらってもわかりますが、ミラ イースでは特別な技術をつぎ込んだということは言っていません。「いまある技術」別の言い方をすれば「枯れた技術」です。それを「磨きぬこう」というのがミラ イースなのです。

しかし、「枯れた技術」と言うのは、どんな分野においても蔑ろに出来ないもの。「枯れた技術の水平思考」なんて言葉もあります。任天堂に在籍していた故・横井軍平氏の言葉です。そんな枯れた技術を元にしたミラ イースとはどのような仕上がりなのでしょうか?

燃費性能

「エコカー」はお財布にも環境にも優しくないとダメ…なんですが、やっぱり「エコカー」っていう響きから気になってくるのは燃費性能かと思います。
ミラ イースでは走行用モーターを用いていません。あるのは「アイドリングストップ」「回生エネルギー回収機能」「車体の軽量化」「各種抵抗の軽減」です。アイドリングストップと回生エネルギーは、ハイブリッドカーでは当たり前。車体の軽量化なんて、ミニ四駆でも当たり前のことでしたよ…。これらを総合してダイハツでは「イーステクノロジー」と言います。

まさに枯れた技術による燃費性能の追求ですが、その数値は…

2WD 35.2km/L
4WD 32.2km/L

共にJC08モードによる数値です。初代プリウスの31.0km/L(10・15モード)よりも良い数値です。ちなみに一般的にJC08モードのほうが10・15モードよりも厳しい測定方法で、1割程低い計測値となります。この燃費性能は「エコカー」として十分な性能です。

車両価格

燃費性能というのは、ランニングコストを考える上での要素になります。では、イニシャルコストとなる販売価格はどうなのか?
ミラ イースでは「手に届くクルマ」であるということも考えられています。枯れた技術というのは、この天では大きな利点。なにしろ既存の技術なので「開発費は低く」「生産コストも抑え易く」「信頼性も高い」のです。

その結果がこの車両価格です。
一番安価なグレードDの2WDで766,286円(税込み)であり、一番高価なグレードGf(4WDモデルにはfが付きます)にスマートアシスト(SA)を付けても1,316,572円(税込み)です。

その他のグレードに関しては以下の画像の通りです。

最近の軽自動車というのは、車体が大型化し、装備品も豊富になりました。その為、車両価格は小型自動車並みの車両価格と言うのも珍しくなくなりました。価格面で見れば「エコノミー」では無くなっていました。その点、ミラ イースは価格面でもエコなクルマとして仕上がりました。車両価格だけでなく、その燃費性能の高さから4WDも含めた全てのグレードにおいて取得税・重量税が免除になり、軽自動車税も50%減税。

イニシャルコストにおいても、ランニングコストにおいても、ミラ イースというのはコストパフォーマンスに優れています。

環境への配慮

クルマでの環境問題と言うと「排気ガスの排出」を思い浮かべる人が多いかと思います。
「火の無い所に煙は立たぬ」なんて諺があります。諺の意味はともかくとして、大抵の物を燃やせば煙が発生します。そして、その煙と言うのは多くの場合において有害物質を含んでいます。タバコもそうですし、火事の時は炎ではなく煙から逃げ遅れて亡くなるということも珍しくありません。

クルマから排出される排気ガスにも有害な成分が含まれています。なので、これを少なくしようというわけです。しかし、「排気ガス0の電気自動車は環境に優しい」と言うのは、あまりにも安易な考えです。

その電気自動車を動かす電気を作るために火力発電所があります。バッテリーを製造するためにもエネルギーを使い、原料を鉱山から掘り出すのにもエネルギーを使いますし、廃棄処分するときの環境負荷も問題視されています。

この辺に関してはこちらの記事でも紹介させてもらいました。

ついつい目の前のクルマの排気ガスばかり気にしてしまいますが、クルマにおける環境問題というのはそれだけではありません。もちろん、目の前のクルマの排気ガスを減らすための取り組みをユーザーが行うと言うのは良いことです。
問題はユーザーでは関与できない製造段階・廃車段階での環境問題。これは自動車メーカーも含めた関連企業での取り組みに任せるしかない状態です。

ミラ イースは燃費性能だけでなく、この点でも優れています。
LCAとは「ライフ・サイクル・アセスメント」の略で、環境影響評価の手法。つまりはクルマが作られてから廃車になるまでの一連の流れを通しての環境に対してどれだけ影響が出ているか…それを数値化したものです。
走行中に排気される物質はもちろんのこと、製造段階や排気の段階でも低減されていることがわかります。ここでも枯れた技術であることが重要となります。電気自動車やハイブリッドカーに搭載される走行用バッテリーと言うのは、生産・廃棄時の環境負荷が高く、そのリサイクル技術の更なる進歩が急がれています。それに対してミラ イースで使用されている材料は、以前から使われているものばかり。それをリサイクル技術も確立されています。

ミラ イースはユーザーの目に届かない場所においても、環境に配慮されたクルマとなっているのです。

車内空間

さて…ミラ イースの原型はミラなわけです。私自身がミラの座席に座ったこともあり…正直、それほど室内空間に関しては期待していませんでした。座席もエコノミークラスなんだろうと思っていたのです。

プリウスに搭載されたハイブリッドシステムというのは、プリウスという空力などを考えられたエコカーの車体に搭載されてこそ、その燃費性能が発揮されます。他の車体に搭載しても、プリウスを超える燃費は得られません。
なので、第3のエコカーの車体も、それに見合うものでなければなりません。ダイハツであればそれがミラだったというわけです。

販売前説明会でも、その点は納得していました。「まぁ、エコカーとしてのイメージを追求するならミラの車体をベースにする」と。その一方で「車体重量を少しでも削りたいエコカーで、車内空間は期待するもんじゃないな」と思っていたわけです。

正直一番驚いたのは、この車内空間でした。
自動車整備士としての立場から見れば「アイドリングストップ」だとか「空力」だとか「軽量化」だとか…枯れた技術であるこれらのことは、技術者からすればイヤと言うほど耳に入ってくる言葉。それどころか、ユーザーからしても当たり前の言葉かもしれません。

かつてのミラのイメージのままで、私はミラ イースの後部座席に乗ったわけです。はっきり言って、セールスポイントにするなら「後部座席の広さ」ではないかと思ったほど。
私も含めて、かつてのミラに乗ったことがあるユーザーに対して、ミラ イースの違いを理解してもらうには、後部座席に座らせた方が手っ取り早いです。セールストークしなくて良い…というより、口頭で説明しても理解してもらえるものではないです。

この後にダイハツは、ミラ イースだけでなく他のクルマにも「イーステクノロジー」を搭載。これらに関しても高い燃費性能を持たせました。
ミラ イースというのは「イーステクノロジーの宣伝を兼ねたクルマ」であり、それほど高い販売台数は期待できないのではないかと思っていました。ユーザーの多くが後発のイーステクノロジー搭載車の販売を待つだけで、ミラ イースの役目はそれで終わりだと思ってました。しかし、実際にはミラシリーズの販売台数を押し上げて、販売台数に大きく貢献しています。

ミラ イースはただ燃費が良いだけではありません。多くの人の手に届くために必要な快適な室内空間が備わっています。座席に関しては、かつてのエコノミークラスでは無くなっています。

まとめ

いかがでしたか?

ミラ イースの登場によって、軽自動車はよりエコなクルマとして普及し始めました。それまでは良くも悪くもエコカーだった軽自動車ですが、悪いところは取り除かれ、良いところは更に良くなりました。また、まだまだエコカーというのは改良の余地があると言うことも実証しました。

ミラ イースでの「第3のエコカー」という考えは、ひたすら新技術だけに注目されていたエコカーに一石を投じるものでした。エコカーはミラ イースの登場で原点に立ち返り、再びスタートラインに立ったのではないでしょうか。