「違反者講習」概要まとめ★受ければ天国!受けなければ地獄…【内容・通知・点数・料金・日程変更など】

うっかり一時停止を怠った、信号が変わったのに気づかず交差点にうっかり侵入してしまった、右折禁止の道路でうっかり右折してしまった...など、運転免許証を取得したての運転初心者や長いことペーパードライバーだった方などは、うっかり違反点数3未満の軽微な交通違反を犯してしまいがちです。累積点数が6になると免停処分となりますが、そこに登場する救世主が違反者講習です。受講するとどんないい事があるのでしょう?

【What's 違反者講習?】免許停止処分にならないための講習です

「違反者講習」とは、道路交通法第108条の2第1項第13号に定められている講習です。

●道路交通法第108条の2
公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる講習を行うものとする。

●第1項第13号
免許を受けた者又は国際運転免許証等を所持する者で軽微違反行為をし、当該行為が道路交通法第102条の2の政令で定める基準に該当することとなったものに対する講習

道路交通法第102条の2で定められている基準は後述します。つまり、「違反者講習」とは、

「軽い交通違反を繰り返し起こして、点数の残りがヤバくなったら公安委員会から連絡するから、そしたら講習を受けてね。」

というものです。かったるいですね(笑)
でも受講すると豪華特典があります。それは、

●軽い交通違反でチャージした違反点数が(見かけ上)チャラになる!
●違反点数がチャラになるということは、(見かけ上)処分前歴になりません!
●違反点数がチャラになるのだから、免停ナシ! です。

なんだか、ラッキーですね。だからと言って、軽い交通違反を繰り返しても良いわけではありませんので、念のため。軽い交通違反が、やがて大きな交通違反となり、しまいには人命を奪いかねない大事故へとつながることを心しておいてくださいね。

「違反者講習」とは、軽微な交通違反を繰り返してしまい、免許取消基準に達した運転者に受講してもらい、安全運転を心がけるきっかけとする代わりに免許停止を行わないための講習です。言ってみれば、免停にならないためのラストチャンスです。

ちなみに、公安委員会からのせっかくのお誘いをお断りして、違反者講習を受講しないとどうなるのか? というと、

●30日間の免許停止処分になります。
●受講すると免許停止期間が短縮される「停止処分者講習」受講の資格をはく奪されます。
●もし、違反者講習の対象になった違反以外にも何か違反してたら、行政処分が重くなります。

「違反者講習」を受講するのとしないのとでは、待遇面で雲泥の差がありますね。まさに天国と地獄です。軽微な違反が重なっただけ、と油断しないで公安委員会から「違反者講習」受講のお誘いがあったら、大人しくスケジュールを空けて受講した方がよさそうです。

【要注意!!】名前は似てても全く違う「違反運転者講習」

「違反者講習」と「違反運転者講習」。名前がすごく似ていますね。でも、中身は全く違いますので、間違えないようにしてくださいね。どのように違うのか、というと、

●「違反運転者講習」は運転免許証の更新時に行われます。
●「違反運転者講習」を受講しても、違反点数が(見かけ上)チャラにならない!
●ということは、受講しても処分歴は残るし、免許停止にだってなります。

名前が似ている「違反運転者講習」ですが、普通なら運転免許証の更新時以外には、受講することはありません。厄介なのは、都道府県警のホームページで「違反運転者講習」を「違反者講習」と表記しているものが散見されることです。「違反者講習」について調べようと最寄りの都道府県警のホームページを検索してみたら、免許更新の手続きも併記してある場合があります。これは「違反者講習」ではなく「違反運転者講習」のことです。重ね重ね、お間違えの無いようお気をつけください。

【要注意!!】内容が似ててもやっぱり違う「停止処分者講習」

「違反者講習」は免停にならないための講習ですが、世の中には免停期間を短縮するという、また良く似た講習があるのです。それが「停止処分者講習」です。もちろん、「違反者講習」と「停止処分者講習」は名前も内容も全く違いますので、お間違えのないように。では、どう違うのか、というと、

●「停止処分者講習」は、免許停止日数を短縮するための講習です。
●「停止処分者講習」は、免許停止という行政処分を受けた運転者のみ受講できます。

「違反者講習」は、免許停止という行政処分を免除してもらうための講習です。従って受講すれば、行政処分を受けなくて済みますので、「停止処分者講習」と出会うチャンスはないのです。さらに言えば、公安委員会からの「違反者講習」受講のお誘いを受けたにも関わらずお断りして免許停止になったら、先述したように「停止処分者講習」を受講することはできないのです。免許停止期間は短縮できません! この場合、駄々をこねずに潔く行政処分を受け入れ、処分を全うしましょう。

【誰が受けるの?】違反者講習の対象者は?

「違反者講習」を受講しなければならない運転者は、道路交通法第102条の2で定められている基準に抵触した方です。では、道路交通法第102条の2で規定されている内容とは?

●道路交通法第102条の2(一部抜粋)
免許を受けた者は、自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をし、当該行為が政令で定める基準に該当することとなつた場合において、第百八条の三の二の規定による通知を受けたときは、当該通知を受けた日の翌日から起算した期間が通算して一月を超えることとなるまでの間に第百八条の二第一項第十三号に掲げる講習を受けなければならない。

さっぱりわかりませんね(笑)そこで警視庁のホームページを見てみますと、

交通違反等の基礎点数が3点以下の軽微違反により、その累積点数が6点になった方です。
ただし、過去3年以内に違反者講習や停止処分等の対象となった方は受講できません。

出典:www.keishicho.metro.tokyo.jp

とあります。注目すべきは

●過去3年以内に違反者講習や停止処分の対象となっていたら、違反者講習は受けられませんよ!

という点です。当然ですね。違反者講習は、言ってみればそれまでの軽微な違反をチャラにする「徳政令」です。これを何度も何度も使われたら、道路交通の秩序も何もなくなります。違反者講習は、あくまでも初心者やペーパードライバーなど運転に不慣れな方たちが、誤って犯してしまった軽微な違反を再教育と引き換えに免責するもの、と考えた方が良さそうです。くれぐれも悪用はやめましょう。

公安からのお誘い「違反者講習通知書」と「受講期間」の濃ゆい関係

「違反者講習」を受けないと免停になり、場合によっては行政処分も重くなる、ということはお分かりいただけたかと思います。では、肝心の公安委員会からのお誘いである「違反者講習通知書」はどうやって届くのでしょうか?

答えは、「配達証明郵便」で郵送される、です。

配達証明郵便ですので、いつ配達されたか、いつ受け取ったかが記録に残ります。これを基準として「違反者講習」の受講可能期間が決まります。それは、

「違反者講習通知書」を受け取った次の日から1ヶ月以内

です。
ただし、公安委員会も鬼ではありません。その1ヵ月にどうしても海外渡航や天災や病気などやむを得ない理由があって受講できない場合もあります。そんな時は、通知書に記載されているお問合せ先に相談してみましょう。どのように対応すればよいか、ご指導いただけるはずです。

【参考】海外旅行でやむを得ず受講できない場合【東京都】

出典:http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/kousyuu/kousyuu05.htm

参考までに警視庁が管轄する東京都の場合ですが、「違反者講習」受講可能期間に海外旅行に行かねばならず、受講期限後に受講する場合には出入国記録を証明できるものが必要です。パスポートに出入国記録のスタンプが押してあれば話は早いのですが、最近では押印の手間を省いた自動化ゲートもあります。そんな時は法務省から出入国記録を取り寄せる必要があります。
少し手間がかかりますね。もし「違反者講習通知書」を受け取ったら、ただちにスケジュールを見直して期間内に受講するようにするのが一番無難ですね。

また、どうしても受講期間内に違反者講習を受講できない場合は、違反者講習通知書に記載されているお問合せ先に連絡して、指示を仰ぎましょう。自分自身の判断で行動はしないでください。

あなたも体験してみる?違反者講習の内容と各所要時間

【注意!!】「違反者講習」と「違反運転者講習」を間違えない!

先述していますが、都道府県警のホームページで「違反運転者講習」を「違反者講習」と表記してあるものが散見されます。「違反者講習」を検索して運転免許証の更新手続きの一環として表記されていたら、それは「違反運転者講習」です。お間違えのないようお気を付けください。

違反者講習の内容と各講習の所要時間【東京都の場合】

違反者講習の内容は、主に2コースに分かれます。その2コースとは「交通安全活動コース」と「実車コース」です。「交通安全活動コース」は都道府県により、「社会参加コース」と呼ばれることもあります。通常は1日で講習は修了するのですが、東京都の一部のコースのように2日間にかけて行われる場合もあります。

実際に街中で実施!交通安全活動コース【東京都の場合】

交通安全活動コースは、「交通安全活動」、「座学」、「考査」から成ります。全所要時間はおよそ6時間です。

●交通安全活動の内容(所要時間:2時間30分)
まずは交通安全活動の内容ですが、交差点での歩行者の保護誘導などを行います。受講体験者のお話によれば、実際に街に出掛けて行うようで、気恥ずかしく感じるとともに、実際に走行している車が誘導を無視して横断歩道に侵入してくるなどで惨めな気持ちにもなるようです。しかし、歩行者を横断させるために交通誘導をしているのに、それを無視して突っ込んでくる運転者は一体何なのでしょう? これは違反点数2の「歩行者用道路徐行違反」に該当し、結構悪質ですよね。
交通安全活動の所要時間は2時間30分です。その時間内に活動の説明と現地への往復時間も含まれているので、実際に街頭で交通安全活動を行う時間はかなり短いようです。

●座学の内容(所要時間:3時間)
座学では主に点数制度、道路交通法、安全運転の心構えなどが中心のようです。どれも眠くなりそうな内容ですね。もし居眠りをすると教官から起こされるのは当たり前ですが、あまりにひどいと退場させられることもあります。この違反者講習は法令を遵守していれば受講しなくても良い講習です。どうして受講しなければならないのかを自覚していれば、居眠りなどしようもないはずです。座学の所要時間はおよそ3時間です。

●考査の内容(所要時間:30分)
最後に考査です。所要時間はおよそ30分。内容はというと、与えられたテーマについて、受講内容を踏まえた上で感想を書きます。どのようなテーマがあるかというと、

●自分の犯した違反は何だったのか
●今後、どのようなことに心掛けて運転をするか
●講習全体の感想

などのようです。

教習所内で開催!実車コース【東京都の場合】

実車コースは「座学」、「実車講習」、「考査」から成ります。所要時間は全部で6時間ほどです。「座学」と「考査」の内容は「交通安全活動コース」と同じですので、こちらでは「実車講習」についてご紹介します。

●実車講習の内容(所要時間:2時間30分)
受講者数名が1グループとなり、教習所のコースで教習車を使用して行われます。坂道発進、S字、方向転換、一時停止などの基本的な運転技術を確認します。受講人数や講習の進捗具合により、1グループ全員でコースを均等に分割して走行する場合や、各人がコースを全て走る場合があります。

【注意!!】受講時にこんな行動はNG!

非常に残念なお知らせがあります。「違反車講習」は受講者全員が、必ず、合格するものではありません。考査の結果、基準点に満たない方は不合格となり、免許停止処分が執行されます。また、以下のようなことをしてしますと、考査点数から減点されますので、気を付けましょう!

●教官の指示を守らない
●反抗的な態度をとる
●受講態度が悪い
●無用な私語
●講習時間を守らない(体調などやむを得ない場合は除く)

など、です。他にも、講習の進行を妨げるなどの行為で教官の心証を悪くすると、減点されるようです。教官も人間ですから、仕方ないですね。
とはいえ、真摯に真面目にきちんと自分の犯した違反を反省し、二度と過ちを繰り返さないための講習です。「違反者講習」の本来の意義を考えた上で、受講しましょう。

【How much?】講習手数料はおいくら?どちらを選べばいいの?

東京都の場合、「違反者講習」は4コース用意されています。1日コース2種類と2日コース2種類です。2日コースは事前予約が必要なため、一般的ではありません。ここでは、1日コースの2種類についてご案内します。1日コースでは「実車(Aコース)」と「交通安全活動(Bコース)」が用意されています。名称は様々ですが、大抵の都道府県で用意されているのが、この2つのコースです。

●手数料の納入方法
 収入証紙を受付書類に貼付します。収入証紙は講習会場で購入できる場合がほとんどですが、万が一の場合もありますので、お手元に届く「違反者講習通知書」をよくご確認ください。

●ご注意ください!!
※一部都道府県では「収入証紙」はすでに廃止されている地域もありますl詳しくは「違反者講習通知書」でご確認ください。

※一部都道府県では、講習料に加えて通知手数料(おおむね1,000円程度)を請求する場合があります。詳しくは「違反者講習通知書」でご確認ください。

交通安全活動コースの費用は?どんな人に向いている?

●講習手数料 9,950円

実車コースと比べると5,000円ほど割安です。苦しい家計において5,000円の差は大きいですね。しかし、交通安全活動コースは、実際に街の中で交通補導員などの活動を行います。見慣れた地域住民の方からは「あの人たち、交通違反者よ。いやねぇ~!」などと言われかねません。そんなリスクと引き換えにした5,000円割安な設定なのです。

●講習費用はなるべく安く済ませたい
●人と触れ合うことが好きな方
●人に親切にしたい方
●周囲からの陰口を気にしないメンタルの強い方

などは、交通安全活動コースを選ぶと良いですね。

実車コースの費用は?どんな人に向いている?

●講習手数料 14,100円(東京都の場)

実車コースは、最初から最後まで教習所で行います。使用機材も教習者やシミュレーターなど多岐に渡る場合があるので、割高なのかもしれません。

●割高な費用が苦にならない方
●人前に出るのが苦手な方
●内向的な方

などは、実車コースを選択すると良いですね。

【まとめ】違反者講習を受講しないために

違反者講習のまとめ、いかがでしたでしょうか?違反者講習を受講することで、累積点数を見かけ上、チャラにしてくれて免停処分も棒引きにしてくれる徳政令のような講習、と読者の皆さんの興味を引くため、筆者は面白おかしく書きました。

しかし、本当はその内容は正しくありません!

累積点数は本当にチャラにはできません。そのため、違反者講習を受講しても免許証はゴールドにはならず、青のままです。免停処分も、実は棒引きされません。講習を受ける当日は自動車運転禁止です。受講日に自動車運転をしたら、無免許での運転とみなされて免停処分となります。

違反者講習は、決して徳政令ではありません。運転に不慣れな方に与えられたやり直しのチャンスなのです。本当なら、交通ルールを遵守していれば受講しなくても良い講習です。ドライバーの皆さん、くれぐれも受講しないように、安全運転を心掛けてくださいね。