「BMW 3.0CS」一度見てしまうと魅了されるBMW流ボディライン

「BMW 3.0CS」は、デザインとして美しさとカッコ良さを備え、ホモロゲーションモデルが追加されるなど動力性能も優れていました。一度見てしまうと魅了される「BMW 3.0CS」の魅力に迫ってみたいと思います。

「BMW 3.0CS」の登場

「BMW 3.0CS」は、1971年に「BMW 2800CS」でビッグシックス・エンジンによるGT(グラントゥーリズモ)を確立したBMW社が「BMW 2800CS」にボアアップした2,985ccエンジンを搭載し登場しました。

パワートレイン

エンジンには、2基の「ゼニス社製」キャブレター35/40INATが採用されています。圧縮比は9.0:1と「BMW 2800CS」と同スペックですが、最高出力は180PS/6,000rpm、最高トルクは26,0kgm/3,700rpmを発生させています。最高速度は「BMW 2800CS」と同ギアレシオのトランスミッションを搭載して、4速M/Tでは213km/h、3速A/Tでは209km/hを記録しています。

ボディパッケージ

ボディは車両重量が、M/T仕様で1,400kg、A/T仕様で1,420kgです。サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット/コイル、リアはセミトレーリングアーム/コイルを採用しています。ブレーキはフロントにディスクブレーキ、リアにインナードラム・タイプのパーキング・ブレーキが付いたディスク・ブレーキが採用されています。

「BMW 3.0CSI(インジェクション)」

2,985ccのエンジンに電子制御式のボッシュ製Dジェトロニックを採用した「BMW 3.0CSI」というインジェクションモデルが追加されています。

インジェクションモデルのポテンシャル

ボッシュ製Dジェトロニックを採用した「BMW 3.0CSI」は圧縮比を9.5:1にチューニングされ最高出力は210PS/6,000rpm、最高トルク27,2kgm/3,500rpmを発生させてパワーアップしています。ギアボックスは、5速M/Tが採用されてギアレシオは低い方から3.764/2.020/1.424/1.252/1.000となっています。これに伴い最高速度220km/hへと向上しています。

「BMW 3.0CSL(Leicht)」

ツーリングカー選手権への参戦のため「BMW 3.0CS」車両各部を軽量化したホモロゲーションモデルが「BMW 3.0CSL」です。モデル名の「L」は、ドイツ語の「Leicht(軽量)」の意味です。軽量化は左右のドアをアルミ製に、リアウインドウをアクリル製にし、パワーウィンドウモーターを廃止にしています。ノーマルバージョンの1,400kgから200kgも軽量になっています。

1thバージョン(1971)

1971年に発売された1thバージョンは、ノーマルバージョンのツインキャブレータエンジンと4速M/Tのギアボックスが搭載されて、最高速度215km/hを記録していました。71年に登場した1thモデルの特徴は、軽量化で「ボンネットフード」、「トランクリッド」、「ドア」などにアルミパネルを使用し、装備を最小限にして車両重量1,200kgになっています。パワートレーンはノーマルの「BMW 3.0CS」と同スペックです。

2thバージョン(1972)

1972年の2thバージョンはエンジンがボアアップされ排気量を3,003ccとなり、「ボッシュ社製」Dジェトロニックを装備されました。最高出力は200PS/5,500rpm、最高トルクは27,7kgm/4,300rpmを発生しています。ボディには「モートルシュポルトGmbh」の協力による風洞実験によって、大型のエアダムスカートやテールスポイラー、ボンネット上の整流板などの空力性能の向上のためにエアロパーツが装備されています。その結果、最高速度は220km/hを記録しています。このモデルは、純粋にレース用ホモロゲーション取得のためのモデルで、このクルマをベース車両にしてレース用車両が製作されました。

「BMW 3.0CSL(1972)」主要諸元

エンジン:3,003㏄ 直列6気筒 OHC NAエンジン
最高出力:200PS/5,500rpm
最大トルク:27,7kgm/4,300rpm
トランスミッション:5MT
速駆動方式:FR
サスペンション:F マクファーソンストラット/コイル R セミトレーリングアーム/コイル
ブレーキ:F/R ディスクブレーキ
全長:4,630mm
車幅:1,730mm
全高:1,370mm
ホイールベース:2,625mm
車輌重量:1,270kg

モータースポーツ

1972年のスパ・フランコルシャン24時間耐久レースでは優勝を果たしている。

3thバージョン(1973)

1973年に3thバージョンが登場しています。 エンジンのボアはそのままでストロークを84,0mmに伸ばし、排気量を3,153ccにアップさせています。最高出力は206PS/5,600rpm、最高トルクは29,2kgm/4,200rpmを発生させています。ギアボックスはノーマルのCSiと共通の4速MTで、LSD(リミテッドスリップデフ)が標準装備でした。最高速度はCSiと同様220km/hですが、0-100km/h加速は7.1秒、0-400m加速も15.0秒で上回っていました。外装としては、大型リアスポイラーは廃され、FRP製のフロントエアダムとステンレス製リアオーバーフェンダー、トランクリッド上のリアスポイラーを装備しています。

まとめ

「BMW 3.0CS」は、デザインとして美しさとカッコ良さを備え、ホモロゲーションモデルが追加されるほど、動力性能も優れていました。モータースポーツでの活躍など歴史に残る「名車」といえるでしょう。