「小型特殊免許」の取得情報まとめ★みんなが知りたい【費用、条件、乗れる車、問題例を教えます】

小型特殊免許は、トラクターやコンバインなど、農耕車に代表される特殊車両を運転できる免許です。通常、普通自動車運転免許を持っていれば、おまけのようについてくる小型特殊免許ですが、あえてこの免許だけのニーズもあるものです。そんな小型特殊免許について、詳しく紹介してみましょう!

小型特殊免許とは

よく「小型特殊免許」という言葉を耳にします。普段は意識しませんが、いざというとき、またはあえてこの小型特殊免許が必要となった時に困らないよう、あらためて小型特殊免許について紹介します。

小型特殊免許とは、小型特殊自動車を運転するための免許です。ではこの「小型特殊自動車」とはどの様な車両をいうのでしょうか? 小型特殊免許をとる前に、小型特殊車両について知っておきましょう。

小型特殊自動車と新小型特殊自動車

小型特殊自動車には、「小型特殊自動車」と「新小型特殊自動車」があります。「新」が付くか付かないかで、運転できる免許が変わってくるので注意が必要です。

■小型特殊自動車
小型特殊自動車とは、特殊自動車のうち最高速度が15km/h以下かつ、長さ4.7m幅1.7m高さが2.8m以下、総排気量1,500cc以下の車両です。ただし、農業用の車両は規制緩和で、最高速度が35km/h未満であれば寸法の制限はありません。
車検は不要ですが、国土交通省の型式認定を受けている必要があり、その認定番号のプレート(例]国土交通省型式認定 特○○号や農○○号)が最初から車体に貼られています。課税の為に発行されるナンバーは、市町村が窓口になっています。ただ、構造に関係によるものなのか、田植え機では型式認定がとれておらず、市町村発行のナンバーをとりつけていても公道の走行は違法となります。(4輪バギーと同じ)


■新小型特殊自動車
小型特殊自動車の定義である、「最高速度が15km/h以下かつ、長さ幅高さの寸法が4.7m×1.7m×2.8m以下のもの」、農耕作業車はこれらの要素に制限がなく、最高速度も35km/h未満、排気量も制限がなく、車検もありません。これが「新小型特殊自動車」となり、公道を走る場合は大型特殊免許あるいは大型特殊二種免許が必要になります。外来の大型トラクターなどは、速度を35km/h未満に調整・設定し、車検の不要な新小型特殊自動車としているようです。

小型特殊自動車の車両

以下に挙げる車両のうち、最高速度が15km/h以下、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.8m以下のものは「小型特殊自動車」になります。

例をあげると、ショベル・ローダ、タイヤ・ローラ、ロード・ローラ、グレーダ、ロード・スタビライザ、スクレーパ、ロータリ除雪自動車、アスファルト・フィニッシャ、タイヤ・ドーザ、モータ・スイーパ、ダンパ、ホイール・ハンマ、ホイール・ブレーカ、フォーク・リフト、フォーク・ローダ、ホイール・クレーン、ストラドル・キャリヤ、ターレット式構内運搬自動車、自動車の車台が屈折して操向する構造の自動車、国土交通大臣の指定する構造のカタピラを有する自動車及び国土交通大臣の指定する特殊な構造を有する自動車。

さらに以下に挙げる車両のうち、最高速度が35km/h以下のものは、小型特殊自動車になります。
農耕トラクタ、農業用薬剤散布車、刈取脱穀作業車(コンバイン)、田植機及び国土交通大臣の指定する農耕作業用自動車。

小型特殊免許の必要な小型特殊車両は、理解いただけましたでしょうか?
では次に、具体的な小型特殊免許の取得条件をみてみましょう。

小型特殊免許の取得条件とは?

小型特殊免許は、16才以上であれば、学科試験を受け合格するだけで取得できます。
非常にシンプルですが、取得条件は以上です。一応学科試験がありますが、原付免許と同レベルのものです。もちろん学科試験の内容は原付免許とは違い、小型特殊自動車の定義など、小型特殊自動車に関することも勉強しておく必要があります。「な~んだ、楽勝じゃん」とナメてかかると、痛い目にあいます。90パーセント以上の正解率を出さないと合格になりません。

それでは、小型特殊免許は、どこでどうやって取得すればよいのでしょうか。

つづいて小型特殊免許の取得方法を説明!

小型特殊免許の取得方法としては、大きく分けて2通りあります。

【1】普通自動車の運転免許を取得する

まずは、小型特殊免許の取得のひとつ目の方法です。

その前に、今お持ちの運転免許証をご覧ください。免許証表面の下部中央付近に「種類」という欄がありますが、この種類欄の右上に「小特」という文字が入っていれば、小型特殊免許を所持しているということになります。ただ、運転免許を持っているほとんどの方が、この欄には「-」(ハイフン)となっていると思います。ということは、小型特殊車両には乗れない・とり扱えないということになってしまいますね。

そこで、前述の種類欄の他の項目を見てください。多くの方が、上段の左から2つめに「普通」となっていると思います。これは普通自動車の運転免許取得の証しですよね。種類欄下段のいちばん左に「原付」と記してあり他の項目に文字のない方、この方は原動機付き自転車つまり原付免許のみをもっている方
になります。これから普通自動車の免許をとりにいくまたは将来的にとりたい方は、「原付」と印字されていると思います。前置きが長くなりましたが、小型特殊免許の話に戻ります。

じつはこの「原付免許しかもっていない方=公道を原付でしか運転してはいけない方」以外の、運転免許所持者の方は、小型特殊免許の資格が含まれているんです。ようするに小型特殊車両に乗れる=とり扱うことができるということになります。

小型特殊免許のひとつ目の取得方法、それは「原付以外の項目が印字された運転免許証をもっている」ということになります。あえて取得方法という見地からいえば、「普通自動車の運転免許を取得する」ことで、おまけでついてくるということになります。

【2】免許センターで試験を受け合格する

小型特殊免許のふたつ目の取得方法、それは免許センターで「小型特殊免許の試験を受け合格する」ということになります。当たり前のようですが、じつはこの「小型特殊免許のみを受験する」ということは、免許センターでも凄くまれなことなんです。

というのも、小型特殊免許を必要とする多くの場合、おもに農耕車やエンジン運搬車を使用する農林漁業や土木関連の従事者ということになるのですが、多くの方が普通自動車の運転免許を持っており、小型特殊免許はこれに含まれるため、あえて単独で免許をとりに行くということが不要なのです。

かといって例えば、
・16才以上で家業である農業を手伝いたいが、トラクタやコンバインの運転の際に小型得免許が必要。
・ある理由で普通自動車の免許を失効してしまったが、農家であるため、やはり農耕車の運転は必須。一定の期間を経て普通自動車の免許をとりにいけばよいが、時間も費用もかかるので、とりいそぎ小型特殊免許だけ取得したい。
・フルビット(すべての区分の免許を取得すること)をめざしていて、免許証の「免許の種類」欄のすべての項目に記載したい。先に普通自動車免許等上位の免許をとると、それより下位の免許の項目は記載されないので、下位の免許から順番にとっていかなければならない。
・何らかの、国が発行した身分証明書が必要。原付免許は実地試験があるので、いちばん手っ取り早くとれる小型特殊免許を取得したい。

等々、十人十色といわれるように、個々にさまざまな自由があり、あえて小型特殊免許取得のみをめざすということになるわけです。

というわけで、2つ目の小型特殊免許の取得方法は、「免許センターで小型特殊免許の学科試験を受け合格する」ということになるわけです。

どんな問題が出る?

ではここで、過去の小型特殊免許の学科試験内容の一部を見てみましょう。以下は、過去の小型特殊免許の学科試験出題例の抜粋です。○×式で答えてみてください。

06.信号機のある交差点で、警察官が交通整理を行っていたので信号機とは異なったが、警察官の指示に従った。
07.夜間は周囲が暗いこともあり、同じ速度であっても昼間より速く感じる。
08.徐行する時と停止する時の手による合図はともに同じである。
09.運転中ブレーキが効かなくなっても、あきらめずに草むらなどにつっこませて止めようとすることが大事である。
10.速度が半分になると遠心力も半分になる。
13.運転免許証を自宅において自動車を運転した場合は、無免許運転とはならない。
14.小型特殊自動車の法定速度は原付と同じ時速30kmである。
15.自分の車が追い越されようとしているときは速度を下げ、相手が追い越しやすいようにしなくてはならない。
16.信号機のある踏切で信号が青の灯火の時は、一時停止をしないで踏切を通過することができる。
20.前方を走行している自転車がふらふらしていたので、注意を促すため警音機を鳴らした。

この辺りは、通常の原付免許と同じ内容です。
回答は、06- ○ 07-×08-○09-○10-×13-○14-×15-×16-○20-×

いかがですか? 初歩的な問題ですが、つい考えてしまう問題もありますよね。

試験後半の問題は難解に

これが、徐々に難しくなります。

21.雨が降っているときは摩擦係数が少ないので空走距離が長くなる。
22.信号機のある踏切では信号が青であれば一時停止をせずに進行しても構わない。
26.疲れているときは判断、動作が遅れるので運転は避けた方がよい。
27.信号機がなく停止線もない交差点では交差点の1m手前で停止するようにする。
28.車通りの少ない見通しの利く道路で、他に車がいないことが明らかでも方向指示機は付けなくてはならない。
30.交通整理の行われていない道幅が同じような道路では、左方から来る車の進行を妨げてはならない。これをキープレフトの原則という。
31.携帯電話を使用しながらの運転は思わぬ事故につながる危険性があるので、できるだけ避けるようにする。
39.曲がり角付近では見通しが良く、車通りが少なくても追い越しは禁止されている。
40.踏切では遮断機が上がった直後であれば左右を確認しなくても通過することができる。
41.大地震等でやむを得ず車を置いて避難する時は、道路の左側に寄せて停車し、エンジンを止めエンジンキーはつけたままにする。

回答は、21- ×22-○ 26-○ 27-× 28-○ 30-× 31-× 39-○ 40-× 41-○
となります。

いかがですか? あくまで抜粋ですが、先の初歩的な問題が10問、少々難解な問題が10問、計20問のうち9割以上の正解がないと、原付免許すら合格できないということになります。

小型特殊免許に特化した出題

では、小型特殊免許に特化した問題を抜粋してみましょう。

01.火災報知器の3m手前に小型特殊自動車を止めて休憩した。
02.小型特殊自動車を運転する前、日常点検を必ず行わなくてはならない。
14.小型特殊自動車の法定速度は原付と同じ時速30kmである。
17.「人力車通行不可」の標識がある場所であっても、小型特殊自動車は通行することができる。
19.バス専用と書かれている路線であっても小型特殊自動車は走行することができる。
34.普通二輪の免許では小型特殊自動車は運転することはできない。
37.交通整理の行われていない片側三車線以上ある道路では、小型特殊自動車は二段階右折をする必要はない。
47.小型特殊自動車の最大積載量は500キログラムまでなので、体重60キログラムの人間の場合は8人まで荷台に載ることが出来る。
48.車庫入れするときはバックで入れ、頭から出す方が良い。
49.小型特殊自動車に運転者用以外の座席があった場合、そこに荷物を積んだりしてはいけない。

さて、原付免許の学科試験の内容に、小型特殊免許の要素が含まれてくると、このような出題が含まれます。

回答は、01-○ 02-× 14-× 17-○ 19-○ 34-× 37-○ 47-× 48-○ 49-×

となりますが、いかがですか? 思わず「ひっかけ問題?」、「この問題の解釈は?」と、問いただしたくなるようなものもありますが、試験中は質問できません。抜粋の10問中、9問以上正解しましたか? 意外と難しいという感想になると思います。となると、答え方を含めて事前の予習は必要となってきますよね。

教習所では教えてくれない小型特殊免許の受験対策

じつは全国津々浦々、ほとんどの自動車教習所で、小型特殊免許の取得コースがありません。さらに原付免許のように、学科試験合格後の講習もありません。ようするに小型特殊免許は、免許センター(試験場)での一発勝負ということになります。

となると、自分自身または周囲の人に協力してもらい、学習するしかありません。また悪いことに、本屋さんに行っても、小型特殊免許の教本はほとんど扱っていないのが現状です。それだけ小型特殊免許を単独で取得するというニーズがなくなっているということなのですが。それでも前述のような難解な問題にスイスイ答えられるようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

小型特殊免許の受験対策としては、ネットで「過去の出題例を見て予習する」、これに尽きます。幸い国家資格というものは、あながち前例を若干アレンジしたものがほとんど。しかも「どうにでも解釈できる問題をどう判断し回答するか」と、出題の意図まで疑ってしまうような問題が多く存在します。過去の出題例を参考に、答え方を覚えておくことが、もっとも効率の良い予習・受験対策となり、小型特殊免許合格へといざなってくれることでしょう。

小型特殊免許で運転できる車は?

先に少しふれましたが、小型特殊免許で運転できる車で、日常わりとよくみかけるものは、次のような車両です。

■トラクター
おのずと知れた耕運機ですね。まだまだ農耕に携わる人が多いわが国では、大活躍の働き者です。

■コンバイン
よほどの狭い田んぼや棚田でない限り、稲作農家では必須の稲刈り作業用車両です。

■農業用運搬車
農場などの未舗装地、公道以外で大活躍の運搬車両です。

■ターレット
フォークリフトにしていますが、運転席と荷台のみの運搬車で、フォークはありません。通路の狭い市場などで大活躍です。

まだまだ他にもありますが、小型特殊免許で運転できる代表的な車両です。

まとめ

原付以外の自動車免許をもっていれば、おのずと付いてくる「小型特殊免許」。現代においてはレアな免許と言えますが、それでもニーズはあります。まるで「おまけ」のような免許ですが、あえて小型特殊免許の取得を目指される方は、今回の記事を参考にチャレンジしてみてください。