【サスペンション形式の違いや構造】ショックアブソーバーやスプリングだけではなく、カタチから知ろう!

自分のクルマのサスペンションを意識したことはあるでしょうか? 普段、なんとなく乗っているとあまり気にしないかもしれませんが、乗り心地はもちろん、接地性や操縦性を保つためにいろいろな工夫がされている部分です。まさしくクルマの足元をささえているサスペンションについてちょっと見ていきましょう。

サスペンション形式の違いや構造について知ろう

サスペンションとは?

サスペンションはボディを支える。

サスペンションには主に3つの役割があります。一番わかりやすいのが、路面からの衝撃を吸収し乗り心地を良くすることです。これはこれから解説するサスペンション形式も関わってきますが、サスペンションを構成する重要パーツであるスプリングとショックアブソーバー、サスペンションアームの連結部に用いられるゴムブッシュによる影響も大きいといえます。2つ目は、タイヤが路面からなるべく離れないようにする(追従性を保つ)ことです。4輪がしっかり地面と接していなければ良い操縦性も望めません。駆動輪の場合は、1輪が地面から離れてしまうと、デフの作用によってもう1輪にも駆動力がかからなくなってしまいます。そうするとクルマは前に進みません。こうしたことを起こさないようにするのもサスペンションの追従性の役割です。

そして3つ目はボディを支えることです。現代の乗用車は軽くても1tはありますから、1輪あたりだと250kg以上の重さを支えることになります。その上で乗り心地やタイヤの路面への追従性を確保しなければならないわけです。基本的にはこの3つと言えますが、もちろん操縦性やコーナリング性能といった他車と差をつける部分で重要な部位となります。ここで各自動車メーカーは、より優秀なサスペンションを世にだそうと工夫しているわけです。サスペンション自体は、どのように装着されているでしょうか? まず基本としてフレームに取り付けられることになります。トラックなどの大型車はラダーフレームといって、ボディとフレームが別体になっていてわかりやすいですが、乗用車の場合にはモノコックフレームというボディと一体型になったフレームが用いられます。サスペンションの取り付け部もモノコックフレームに直接取り付けられたり、サブフレームなどが介される場合があります。

サスペンションはモノコックフレームやサブフレームとともにボディに取り付けられる。

スプリング、ショックアブソーバーなど、サスペンションを構成する基本パーツは?

サスペンション形式は違っても共通する重要パーツ。

タイヤの衝撃はスプリングが受け止める。

サスペンションというと、どうしてもダブルウイッシュボーンとかマルチリンクとか形式の話になりがちですが、どのサスペンション形式にも共通して使われるパーツがあります。これらをここで簡単に説明しておきます。代表的なものがスプリングとショックアブソーバーでしょう。サスペンションのスプリングは目にしたことのある方が多いかもしれません。これがあることでタイヤからの衝撃をボディに直接入力しないようにしているわけです。ただし、それだけでは十分ではありません。というのは、スプリングは一度入力するとビヨンビヨンと伸び縮みを繰り返すからです。この繰り返しを止める役割をするのがショックアブソーバーです。ショックアブソーバーは、円筒状のパーツでピストンロッドが上下するようになっています。円筒の中にはオイル室があり、ピストンロッドはそのオイルが行き来することによる抵抗でスプリングの伸縮を減衰する働きを持っています。もう一つ大事なのがブッシュです。これは目立たないパーツですが、サスペンションの可動部の要所要所に使われ、適度な柔らかさで衝撃を受け止めます。この3つのパーツについては、あらためて解説する機会を設けたいと考えています。

ショックアブソーバーだけでなく、ブッシュ、アッパーマウントなどゴム製の部品も重要になる。

サスペンション形式の種類及び構造 乗り心地の違いは?

ここからはサスペンション形式にわけて、どういう構造になっていて、どんなパーツが使われているのかを解説していきたいと思います。ただし、現在使われているサスペンションというのは、自動車の長い歴史の中で生き残ってきたもので、一概にどの形式が優れていて、どの形式が劣っているといえるものではありません。要は適材適所やかけられるコストによって決まってきていると言えます。また、メーカーによっては独自のサスペンションもあり、ここに掲載されている以外のサスペンションもありますので、あくまでも代表的なものとしてとらえていただければと思います。

マクファーソン・ストラット式

低コストで高性能。フロントにもリアにも使える優等生。

現在、乗用車のフロントにもっともよく使用されるのがマクファーソン・ストラット式だ。

現在、フロントサスペンションに用いられるサスペンション形式では、一番ポピュラーなものといえます。もちろんリヤにも用いられることがあります。前後に用いられると典型的な4輪独立サスペンションとなります。マクファーソン・ストラットは、サスペンションを構成する主な部品がショックアブソーバーとスプリングを一体にした「ストラット」と、「ロワアーム」だけとなりパーツも少ない特徴があります。後述するダブルウイッシュボーンはサスペンション形式を成立させるために、アッパーアームが必要になりますが、ストラットの場合はそれがタイヤハウス上部(フードリッジ)に代用させます。ストラットのショックアブソーバーの最上部はアッパーマウントブッシュを介してタイヤハウスの頂点に接合されています。

マクファーソン・ストラットはロワーアームとショック、スプリングで成り立つ。

ちなみに、この他のサスペンション形式も同じですが、アームの取り付け部(可動部)は金属同士が直接フレームに取り付けられるのではありません。可動部の中にはブッシュというゴム製の中間物を入れ、そこにボルト&ナットで取り付けられるのが一般的です。ただ、一部の車種やレーシングカーなどはブッシュを使わずにピローボールという金属のジョイントが用いられることもあります。マクファーソン・ストラットに話を戻すと、「ストラット」というのは、ショックアブソーバーがサスペンションの支柱(ストラット)になっていることから名付けられました。「マクファーソン」は考案者のアール・マクファーソンからとっています。

この形式のサスペンションはフロントに採用された場合、ショックアブソーバーの下側は、タイヤが装着されるアップライト部上部にボルト・ナットで結合されることが一般的です。一方のナックル下部は、ロワアームとボールジョイントを介して結合されており、アップライトがステアリングと繋がるタイロッドエンドとボールジョイントでつながっていることによりステアリングが可能になっています。フロントサスペンションに採用される場合には、ストラット(ショックアブソーバー+スプリング)が車軸の向きが変わるときの中心軸(キングピン)となります。リヤに採用される場合には、ステアリング機構が基本的に不要であることから、トー角度を決めるトーコントロールリンクで固定されます。

ショックアブソーバーがサスペンションアームとなるために、ピストンに負担がかかる面もある。

ストラット式のメリットはその合理性の高さと言えます。アッパーアームがないことも含め、部品の点数が少なく、コストも低くなります。後に解説するダブルウイッシュボーンと違い、ストラット上部を結合することからスペース効率もよく、サスペンションストロークも大きく取れます。デメリットはショックアブソーバーがサスペンションを構成する部品の一つとなっていて、その部分がコーナリング中にタイヤからの横力をうけてしまうことによって、ショックアブソーバーのピストンの動きが鈍くなる場合があることです。

ショックアブソーバーは、ピストンロッドがスライドすることによって、スプリングに減衰力を伝えるので、強い横力を受けると、どうしても動きが鈍くなる傾向となります。そうすると能力が十分に発揮できません。その対策として、外力を打ち消すためにスプリングをストラットの中心軸を外側にオフセットさせることとなどで対策しています。このような対策も含め、全体的にはシンプルでありながら、乗り心地や操縦性に優れた形式であるといえます。

ダブルウイッシュボーン式

アームが上下2本で支える。高剛性でスポーツカーにも使用。

スポーツカーによく使われるイメージのあるサスペンション形式です。ボディの横から上下2本のアームが、タイヤの取り付けられるアップライト(ナックルアーム)の上下にそれぞれつなげられているカタチになります。ただし、上下アームでアップライトを支えただけだと、ジョイント部で回転してしまいます。ですからフロントに採用される場合は、この部分がステアリングでコントロールされるタイロッドエンドとつながり転舵が可能となります。リヤに採用される場合はロッドで固定されますが、ここにトーコントロール機能を持たせることができます。ダブルウイッシュボーンの名前の由来ですが、「ウイッシュボーン」とは鳥の胸骨のことで、アーム(Aアーム)のカタチがこれに似ていることから名付けられましたといわれています。

このサスペンション形式は、上下のアームを平行等長にすると、サスペンションが上下に動いてもキャンバー変化ありません。これは一見メリットのようにも思いますが、難しい問題もあります。こうするとタイヤが左右方向(トレッド方向)に動いてしまい、路面とタイヤが横に擦れることになり、摩耗を早めることになってしまいます。操縦性を考えても好ましくありません。その対策として、一般的にはロアアームよりもアッパーアームを短くして、アームも2本を平行にしないで、上下すると若干キャンバー変化がおきてもトレッドの変化を小さくするようにしています。

ショックアブソーバーに負担がかからず、設計通りに動くことができる。

ダブルウイッシュボーンのメリットは剛性を高くできることです。アッパーアームとロワアームでナックルとしっかりと保持していることから、スプリングやショックアブソーバーなど、乗り心地や走行性能への影響が大きいパーツが干渉されずに、動きやすいのが特徴です。先述のストラットがショックアブソーバーが外力によりショックアブソーバーの動きが鈍くなる場合があることに比べると、上下アームで支えられているためにスムーズに動くことや、基本的には設計の自由度が高いことがあげられます。ただし、自由度は性能だけを求めればいいレーシングカーなどに限ったことで、居住性も考えた場合にはおのずと制限されます。これがデメリットにもつながります。

ショックアブソーバーが自由に動けるということで、乗り心地が良い傾向はあります。サスペンション剛性が高いということは、良い操縦性にもつながります。ただし、乗用車に採用する場合は、マクファーソン・ストラットに比べるとサスペンションストロークが短くなりがちで、そういう面ではあまり荒れた道には向いていないといえます。先ほど自由度の制限にも触れましたが、このサスペンション形式をフロントエンジンの乗用車に採用する場合、エンジンのスペースが大きくなってしまいますから、アッパーアームが設置しにくいことがあります。これはデメリットです。特にFF車などの横置きエンジンの場合、スペースの問題が大きくなります。対策としては、アッパーアームを短くできるハイマウントアッパーアーム型ダブルウイッシュボーン式が採用されることもあります。どうしてもダブルウイッシュボーンを採用したいときの苦肉の策ともいえるでしょう。他のデメリットとしては、軽量で剛性の高い素材が求められることなどや、パーツ点数が多くなることからコスト的には高くなりがちです。

マルチリンク式

アライメント変化を防ぐために、複数のリンクを工夫して構成する。

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S15シルビアのマルチリンク式リヤサスペンションの動き。

サスペンション形式の中では、最近出てきたこともあって、一番高級感? のある形式かもしれません。マルチリンクはダブルウイッシュボーンの発展型と言われることもありますが、「これがマルチリンクだ」という定義はありません。大雑把にいうとダブルウイッシュボーンは上下のAアームによって構成されますが、その上下アームを分割して5本、または4本のリンクで構成されているものが多いです。なぜわざわざそんなことをするのかというとダブルウイッシュボーンで解決しきれない部分を補うように自由度を増すためといえるでしょう。

ちなみに先鞭をつけたのはメルセデス・ベンツで、190のリヤサスペンションに採用しました。これを具体的に解説してみます。ダブルウイッシュボーンは上下2本のアームと1本のトーコントロールロッドで車輪をガイドしますが、ベンツは上下のアームをそれぞれ分割したサスペンションを190のリヤに採用しました。これは5本のリンクによって構成されていますが、それぞれのリンク配置は不規則なものとなっています。

「マルチリンク」とは言っても、メーカーによって微妙に構造が違う。

どうしてこんな配置にしたかというと、サスペンションブッシュの変形を利用して乗り心地をよくすることと、変形量のバランスをとることにより、タイヤのアライメントの変化を最小限に留めようと考えたからです。ひとくちに言えば、いろいろ解析した結果、このリンク配置が良いとなった……ということです。特に外力によってトーが変化しないように設計したところがキモとなっています。乗り心地を良くするには、前後の方向の位置決めをするブッシュを柔らかくすることが有利です。というのは道路の突起を乗り越えるときにはタイヤが後退します。前後方向のブッシュを柔らかくするということは、ボディへの入力を軽減するということです。ただし、それでアライメント(特にトー)が変化してしまうと、車体が不安定になりますから、リンクの配置を工夫することによってそれを防いでいるわけです。

その後、日産、三菱なども独自のサスペンションを設計し、マルチリンクと名づけています。いずれも、サスペンションの動きによりトーやキャンバーなどの変化を抑えることを目的としています。この工夫によりよい乗り心地を確保したままで優れた操縦安定性を得ることができています。一般的には計算し尽くした複雑なリンク構造でサスペンションを構成して、コーナリング中、加減速中とどのような条件下でも常にベストな状態を保てることがメリットです。デメリットは構造が複雑で重量が重くなること、パーツ点数が多くなりコスト高になることなどがあげられます。

トレーリングアーム(セミトレーリングアーム)

リヤサスペンションとして、FR車のリヤに多く使われた。

純粋なこの形式のサスペンションはあまり見なくなりました。主にリヤサスペンションに用いられます。基本的には独立サスペンションの一種で、自動車の前進方向に対してひきずる(トレーリング)方向にサスペンションアームが取り付けられているために、このように呼ばれています。トレーリングアームが車体に対して取り付けられている角度によって、「トレーリングアーム式」「セミトレーリングアーム式」に分類されます。

トレーリングアーム式、セミトレーリングアーム式ともにブッシュが前にあり、後方にアーム(トレーリングアーム)が出て後端にタイヤが付いています。ブッシュが車輪と平行に配置されているタイプをトレーリング、平行ではなく角度がついているものをセミトレーリングと呼んでいます。それぞれの違いは、ホイールアライメントに及ぼす影響が大きいです。トレーリングアーム式はタイヤが上下する場合、キャンバーとトーの変化はありませんが、キャスターが大きく変化するので、ノーズダイブやテールスコートが大きくなります。セミトレーリングアーム式は、アームに角度をつけることにより、キャンバーやトー変化はしますが、ノーズダイブやテールスコートをある程度抑えられます。こちらは80年代くらいまでのFR車のリヤに多く使われてきました。昔、思い切りネガティブキャンバーがついたシャコタン車を見た人もいるかもしれませんが、あれはセミトレ―リングアーム式で車高を極端に下げたためということもあります。

トレーリングアームはシンプルな構造で柔軟に動く。

トレーリングアーム方式は現在は独立サスペンションとしてだけでなく、トーションビームと合わせることによって、FF車のリヤサスペンションとしても使用されることがあります。これをトーションビーム式サスペンションとも言います。この場合は、左右のトレーリングアームをトーションビームで結合されることになり、後述するリジッド式となります。だからトレーリングアームを使っているとはいっても、そのまま独立式とは限りません。これに関しては後述します。

双方ともメリットは、左右に独立したアームが設けられていて、路面状況に応じた動きをすることです。シンプルで部品点数も少なく、コスト的にも有利です。デメリットは、特にセミトレーリングアームはアライメントの変化が大きいことです。トレーリングアームはトーションビーム式としてFFのリヤに使う分にはデメリットが少ないと言えます。

リジッド式(5リンク式、板バネ式)

5リンク式リジッドはAE86など古典的なFRに使用された。

乗用車ではあまり使われなくなりましたが、かつてのFR車の多くがリジッド式サスペンションを使っていました。名車といわれる「AE86レビン・トレノ」もリヤサスペンションは5リンクリジッドです。リジッド式は左右の車輪を一本の頑丈な軸(アクスル)で結合したサスペンションのことです。駆動輪のサスペンションに採用される場合、この部分は一般的にデフとドライブシャフトを内部に一体化したホーシングという部分になります。5リンクは、トレーリングリンクが左右2本ずつあり、これが前後方向の位置を決めています。もう一本はラテラルロッド(リンク)で、これが横方向の位置決めをしています。その他にも3リンク、4リンクという形式もありますが、リジッド式ということではかわりがありません。

現在、乗用車ではみられなくなりましたが、トラックなどで健在なのが板バネ式です。これを「リーフスプリングリジッド式」とも言います。これにも触れておきましょう。これは、フレームに取り付けられた板バネがホーシングを支えるという非常にシンプルな構造をしています。リンク式ではデフの位置を固定するために上下に複数本のリンクが必要になりますが、リーフリジッドではリーフスプリングにホーシングを固定するだけで済むので非常にシンプルになります。トラックに使われていることからも分かるように上部です。ただし、コイルスプリングに比べると乗り心地や操縦性という面では劣ることなどで姿を消していきました。

リーフスプリングリジッド式サスペンション。

リジッド式の弱点の克服を目指したド・ディオン式もある。

リジッド式の中にはド・ディオン式と呼ばれるものがあります。ちょっとマニアック? なので解説しておきます。リジッド式ではリヤアクスルであるホーシングにはデフがあります。これがサスペンションの動きとともに上下動するのは、走行性能にとってマイナスになります。「バネ下が重い」などといいますが、スプリングとショックアブソーバーに余計な負担をかけることになるのです。そこで、デフはボディ側に固定してしまい、デフを除いたアクスルのみで左右をつなぎます。ただし、これではサスペンションが動かなくなってしまうので、可動性のあるジョイントを持ったドライブシャフトで左右輪をつなぎます。そうすることによってリジッド式でありながら、路面への追従性の良い性能を持たせることができます。かつてのスポーツカーや高性能車に用いられました。

特にホーシングを持つリジッド式のメリットは構造が簡単でコストがかからず耐久性に優れることです。タイヤの直立性、トレッド変化、アライメント変化に優れるという面もあります。悪路を走行中にも最低地上高をほぼ一定に保つことができるために、ボディの下回りをヒットしにくい面もあります。オフロードを走る人には現在でも支持されているサスペンション形式となります。デメリットは左右輪の動きが連動してしまうために、乗り心地や操縦安定性のうえで不利になることや、先にも解説したようにバネ下の重量が増えることがあります。

トーションビーム式

トーションビームで左右のトレーリングアームを結合した形式。

トーションビーム式サスペンション。

先にもちょっと触れましたが、FF車のリヤサスペンションに多く使われ、形式的にはリジッド式に分類されます。ただホーシングでがっちりと固められるより完全なリジッド式よりも柔軟性をもったサスペンションといえます。トーションビームというのは、リジッド式の車軸にあたるものです。これをトレーリングアームと組み合わせたサスペンション形式を一般にトーションビーム式と呼んでいます。構造は左右それぞれのホイールが、トレーリングアームと呼ばれるリンクにつがなれていて、それぞれのトレーリングアームはトーションビームと名付けられたパーツに連結されています。

それにショックアブソーバーとスプリングが付いてサスペンションの働きをするわけですが、けっこういい仕事をします。トーションビーム式のメリットは、シンプルで軽量に作れ、コストも低いことです。左右をつなぐトーションビームがあるので、左右のホイールが異なった動きをするときには、トレーリングアームとトーションビームにねじりが発生して受け止め、早期にホイールの動きを安定させる働きをします。リジッドアクスルの簡便さと独立懸架方式の柔軟性をある程度併せ持つといえるでしょう。

デメリットはサスペンション自体の剛性が低いために、重量級のクルマには適さないことや、サスペンションが一体化して作られていることが多いので、縁石などに強くヒットするとアライメント調整ができずサスペンションごと交換しなければならないことなどがあります。

サスペンションの寿命は?

サスペンションの寿命というと、それ自体というよりも主要パーツであるショックアブソーバーの寿命を一番気にする必要があるでしょう。これはサスペンションが動くことによってピストンが動きますが、そのピストン自体はショックアブソーバー内部でのオイルによって減衰力(スプリングの動きを安定させる力)を得ています。このオイルはショックアブソーバーのピストンが動くことにより熱をもちますからどうしても劣化します。また、オイルをもれないようにしているシールも経年劣化するので、オイル漏れなどとなれば、ショックアブソーバーの交換が必要になります。

交換時期は使いかたによってまちまちですが、普通に使っていて3年から5年程度と考えていればいいでしょう。個体差もありますから、乗っていて段差などを乗り越えたときになかなか上下動が収まらなかったり、強い衝撃がボディに入るようになったりしたらショックアブソーバーの劣化を疑ってみるといいでしょう。もうひとつの重要部品といえるスプリングは基本的には交換は必要ないと考えて大丈夫です。ただ、もし「最近車高が下がってきた」というようなときはスプリングの劣化が考えられます。サスペンション本体は、強い衝撃が入った場合には曲がることがありますが、その他の寿命というのはクルマ本体の寿命と考えていいと思います。

サスペンショントラブル

足回りからきしみ音や異音がする時は?

きしみ音はまずブッシュから、がたがた音がする場合はショックアブソーバーの可能性もある。

足回りのきしみ音というのは、サスペンションを構成するブッシュから発生している場合が多いです。これは基本的にはゴム製なので、劣化すると硬化したり亀裂が入る場合があります。そのためギシギシと音を立てる場合があります。ブッシュは単体で入手できるものもありますので、整備工場などでチェックしてもらい、劣化が確認できれば交換することで治ることが多いと言えます。

ガタガタなどの異音はショックアブソーバーである場合が多いです。これは劣化して内部のオイルが完全に抜けてしまうと、単に金属のピストンが動くだけになりますので、異音の発生源となりやすいです。これも基本的にはショックアブソーバーの交換で治ります。また、アーム類などのボルト&ナットが何らかの原因で緩んでいると異音が発生する場合があります。そのままで走っていると非常に危険ですので、専門家にチェック&修理してもらうようにしましょう。

交換の費用はいくら?

サスペンション交換といってまず最初に考えられるのはショックアブソーバーでしょう。実はノーマルパーツならば1本あたり数千円だったりして、比較的安いと言えます。ただし、モータースポーツ用などのになると上限はありません。セットで10万円~30万円程度のものも普通です。最近はこうしたものは車高調整機能が付いていることが多いです。スプリングもピンきりですが1本あたり数千円から数万円。ショックアブソーバーよりは割安になります。交換工賃もいろいろですが、1万円~2万円程度というところだと思います。あとはアライメント調整も必要になりますから、余裕を見ておいた方がいいと思います。

まとめ

あくまでもざっとですが、サスペンション形式を中心に見てきました。もちろん、これだけですべてが語れたわけではありません。サスペンションを学ぶということはクルマの走りを学ぶというのと同じ意味です。もし、他の人よりも上手にクルマを操りたいと思えば、一度サスペンションについてじっくり考えてみる必要があります。そうすればおのずと走りも変わってきます!

スプリングとショックアブソーバーは、サスペンションの中で最重要パーツともいえるものです。スプリングは路面からの衝撃を受け止めますが、それだけでは十分ではありません。それをサポートするショックアブソーバーとのコンビネーションが走行性能には重要になってきます。これらの基本的な動きや簡単なセッティングについて説明します。