【HID】ってどうなの?明るいの?眩しくないの?もろもろの疑問、解決します!

ヘッドライトのグレードアップとしては定番になった感のあるHID。最近はLEDを採用するケースが増えてきましたが、消費電力は抑えられるものの明るさや汎用性ではまだHIDに分があります。純正装着の車はもちろん、そうでなくても利用できるHIDは、さまざまなメリットがあるんです。従来のハロゲンバルブの明るさに不満のある方、純正でHIDなんだけど色や明るさを変えたい方。みなさんの疑問にお答えします。

そもそもH.I.D.ってなんでしょう?

“HIDランプ (エイチ・アイ・ディ・ランプ)High Intensity Discharge lamp”は、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源のことです。高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプの総称のことで、高輝度放電ランプとも言います。
体育館や工場など、大空間の天井からぶら下がっている大きな照明が高圧水銀ランプと呼ばれるもので、一般的には“水銀灯”と呼ばれています。スイッチを入れるとほのかに点灯して、徐々に明るくなってくるあれです。最終的には直視できないほど明るく(と言うか眩しく)なりますよね。完全点灯までに少し時間を要しますが、とても明るい光源です。
電極間の放電を利用しているため、一般的な電球のようなフィラメントがありません。おかげで白熱電球に比べると長寿命・高効率と言えます。その高輝度、高効率、太陽光と色温度が近い、などの特徴を活かして、テレビや映画などの演出照明分野でも、ロケーション照明の主力として利用されています。
近年では、シールドビームやハロゲンランプに代わって、自動車や鉄道車両などのヘッドライトに用いられるようになってきています。

メタルハライドランプなどのHIDランプを使った照明の中でも、自動車や鉄道車両の前照灯として使う物を“ディスチャージヘッドランプ(Discharge headlight、放電式ヘッドライト)”と呼びますが、メーカーによってはそのまま“HIDライト”だったり“キセノンヘッドランプ”など呼び方はさまざまあるようです。
自動車用として世界で最初に実用化されたのは、1991年に登場したBMW・7シリーズでした。日本車で初めて採用した車種は、1996年8月に三菱ふそうの大型トラック“スーパーグレート”、乗用車としては1996年9月に日産自動車のテラノで採用されています。
鉄道車両では、1996年に登場した“東武鉄道30000系”やJR東日本“485系3000番台(リニューアル改造車)”から本格的に採用されるようになりました。

原理

従来型ランプは、ハロゲンランプも含めていわゆる“白熱電球”と同様にバルブ内のフィラメントへ通電することで発光するのに対し、ディスチャージヘッドランプはキセノンガス、水銀、ヨウ化金属などを封入したバルブ内の電極間の放電で発光します。
おおまかな仕組みとしては、そのほかのガスを使うネオン管や家庭用の蛍光灯と同じで、メタルハライドランプの一種です。このため、従来型ランプとディスチャージランプでは、それぞれが白熱灯と蛍光灯に近い特徴を持っています。
蛍光灯は点灯時にスターターと呼ばれる器具で初期点灯をさせるのに対して、ディスジャージランプはキセノンによる放電、発熱を利用して瞬間点灯を実現しています。 点灯直後はヨウ化金属が固形で発光することはなく、始動用のキセノン、アルゴン、水銀のみの発光なので光は青白くなりますが、時間の経過と共に白色に変化・安定します。
通常のメタルハライドランプのヨウ化金属(スカンジウム、インジウム、ナトリウムなどのヨウ化物)を使っただけでは、安定後も道路運送車両法で定められた“白色”の範囲を外れてしまうため、成分編組を工夫して白色に安定するようになっています。
HIDバルブを用いた前照灯は、白熱バルブに比べて明るいだけでなく消費電力が低く発熱も少ない傾向にあります。フィラメントを使用していないため消耗と突入電流や振動による断線の心配がなく、フィラメント型のランプに比べて寿命が長いのも特徴です。
放電灯の特性上、バラストと呼ばれる安定器が必要なので部品点数がふえてコストもかかります。また点灯直後は色温度が高いため明るさが得られず、安定した光色や光束になるまでに数秒から数十秒の時間が必要になります。

自動車への転用

もともとは夜間も高速で走り続ける耐久レースで試用されたのが始まりでした。初期は趣味性の高いスポーツタイプの車や、大型トラックの一部に採用されるのみでした。 当初は高額なオプション装着品でしたが、夜間走行の多いトラック事業者や夜間高速バス事業者が安全性の向上のために採用するようになりました。こうした量産効果によってコストダウンが進み、近年では軽自動車やワンボックスバンといった実用車にも広く普及するようになりました。多くの車で夜間の視認性、安全性の向上に寄与しています。
その一方で、寒冷地のユーザーでは従来のハロゲンランプ仕様を選択する人も少なくありません。ディスチャージヘッドランプはハロゲンバルブに比べて発熱量が少ないので、降雪時や積雪時にヘッドライトのレンズ面に付着した雪が溶けにくいのです。レンズ面に付いた雪は、外気温と走行風によって氷結してしまい、照射範囲が狭まって夜間走行の妨げとなる場合があるからです。これは最近採用されるようになったLEDヘッドランプにも同じ事が言えます。
欧州車には前照灯に洗浄装置(ヘッドランプウォッシャー)が付いている車種がありますが、日本の保安基準上でも一定以上の光束を持つ可変配光型前照灯には洗浄装置の装備が義務化されています。ただ、可変配光型前照灯の普及がきわめて限定的であることに加えて、洗浄装置自体が除氷を主目的とした装備でないので、雪氷による減光や照射範囲の低下を完全に解消することはできません。根本的な解決のためには除氷装置の装着を義務化する必要があるなど、まだまだ課題も多く残されています。

ハロゲンランプのフィラメントに比べディスチャージランプのアークは点光源に近いので、配光制御が容易で指向性の高い照射が可能です。その結果、従来のランプに比べて遠くまで照らすことができます。ただ、ハロゲンランプよりも配光が不安定になりやすいので、配光範囲に明るいところと暗いところのいわゆる“ムラ”が生じることがあります。
また、点灯直後は明るくなるまでに時間がかかるため、より光量を必要とするハイビームには使い勝手が悪いというデメリットもあります。ロービームだけをHIDにして、ハイビームはハロゲンのまま使用するとか、常時点灯させたHIDバルブに対して反射板の方向を機械的に切り替えたり、発光点をスライドさせててHi/Loの切り替えに利用する場合がほとんどです。
キセノンガス、水銀、ヨウ化金属などなどの配合を調節することで、アーク発光の色温度を変更できる特性を活かして、様々な種類の色がつくり出せます。一般的には、4,000ケルビンを超えるあたりから雨、雪、霧などの悪天候時の視認性が低下して、6,000ケルビンくらいからは体感上の明るさ(光量)が減少するように感じます。

専用から汎用へ

純正採用にあたっては、リフレクター設計やバラストの組み込みなどヘッドライト自体をHIDランプ用に開発する必要があるので、一部の車種や上級グレードにしか採用されていませんでした。最近では、ハロゲンランプ用に開発されたヘッドライトにも流用できるように改良されていて、ハロゲンバルブの固定金具と互換性をもたせ、発光点もハロゲンバルブに合わせる事で、ハロゲンバルブと入れ替えて利用できる汎用品がつくられるようになりました。
ただ、ハロゲンランプからHIDランプへのコンバートでは、純正のライトリフレクターがハロゲンランプの特性を活かす設計になっているためHIDに最適とはならず、乱反射によるフレアや明暗のムラが発生しやすい傾向にあります。

取り付け

上述したとおり、ハロゲンバルブ用につくられたヘッドライトにHIDバルブを適合させることは容易ではなく、バルブの固定位置のわずかなズレから光軸が大きくずれてしまったり安定した光束が得られないなどのトラブルも考えられます。
また高電圧を発生させるバラストの取り付けや配線の加工には、車両構造に関してある程度の技能と知識が必要とされるためユーザーレベルでの取り付けはオススメできません。

光軸の調整は?

ハロゲンバルブなどの従来型バルブに比べて光束が大きい(光りがまっすぐ届く)ので、車両の姿勢によっては対向車への眩惑も大きくなります。具体的には、リアシートへの乗車や荷室の重量増加によって車輌後部が沈み込むことで、相対的に車輌が上を向いてしまうことでヘッドライトの光軸も上を向いてしまいます。そのため、光軸調節機能と併用することが望ましいと言えます。
ヨーロッパでは、ディスチャージの認可にあたって“オートレベライザー(自動光軸補正機能)”の装着が要件とされたほどです。 日本でも2006年以降生産車には、レベライザー(光軸補正機能)が義務づけられています。自動調整ではないものもありますが、運転者が手元で調整できるようになっています。

車検は大丈夫?

HIDバルブの色温度は、純正採用されているものはおおむね4,000-4,500ケルビンです。ハロゲンバルブと入れ替えて使う汎用品では、3,000ケルビン(黄色)程度から20,000ケルビン(水色)を超えるような色温度まで、様々な光色の商品が販売されています。
一般的に色温度が高いほど青い光になるので、見た目のイメージを大きく変えることができます。ただ、色温度が高いほどライトの明るさは減少しますし人間の目の感度も落ちますので、視認性向上の目的でHIDバルブに変更する場合は色温度が高すぎない方が賢明です。そのため、自動車メーカー純正装着のHIDヘッドランプでは、最も運転中の視認性が高いとされる4,000~4,500ケルビン程度に設定されています。
また、蛍光灯程度の白色の場合は、晴天時には路面の白線も見やすく視認性が高まりますが、雨天時や悪天候時では色温度低い方が視認性は高まる傾向が強いと言えます。かつては雨や霧、雪などの悪天候の中での視認性に優れるイエローバルブが市販されていましたが、2006年1月以降生産された車はイエローバルブでは車検不適合になります。
保安基準にはディスチャージバルブの色温度についての明確な記述はありませんので、製品の差や検査官の判断によって合否がわかれることになりますが、おおむね6,000ケルビンまでが車検対応とされています。
10,000ケルビンを超えた極端に青いヘッドランプは、純粋に暗く視認性が悪いので大変危険と言わざるを得ませんが、公道での使用を目的としない競技車仕様の製品には色温度の高いものも存在しますので、製品選びは慎重に行う必要があります。

Hi/Loの切り替えはできる?

すれ違い時やパッシングなど、ハイビームは点灯・消灯を繰り返す利用シーンが多いことから、点灯に時間を要するディスチャージランプは適していないと言えます。ヘッドライトの構造や種別によって対応が異なっていますので、以下にまとめてみます。

●4灯式ヘッドライトの場合
ハイビームとロービームが別になっている4灯式の場合は、ハイビームにはハロゲンバルブなどの通常の電球を使用し、ディスチャージランプはロービームにのみ用いる事が一般的です。 “道路運送車両の保安基準の細目を定める告示”第120条第7項七において“放電灯光源を備えるすれ違い用前照灯は、走行用前照灯が点灯している場合に消灯できない構造であること”と規定されているので、ディスチャージヘッドライトを装備した車両ではハイビームを点灯操作した場合でもロービームは点灯したままの仕様になっています。

●2灯式ヘッドライトの場合
ハイビーム・ロービームに同一の灯体を使用する2灯式の場合は切替方式が2種類あります。メーカー純正装着品では、“バイキセノンヘッドランプ(ディスチャージランプHi/Loなどと記載)”と呼ばれる構造のもので、ロービームの時にはハイビーム側の光軸を遮る遮光板が付いていて、ハイビーム時には遮光板をソレノイドで駆動して移動させ、ロービーム側の光軸を維持したままでハイビーム側の光軸も出せるような構造になっています。マルチリフレクター、プロジェクターのいずれのレンズ方式でも利用できるので汎用性が高いと言えます。
対してH4バルブ互換品では、発光部自体がソレノイドにより機械的に可動する構造で、ロービームとハイビームの配光を切り替えるようになっているのが一般的です。発光点の位置をハロゲンバルブのフィラメント位置と合わせることで、疑似的にハロゲンバルブ使用時と同一の光軸や配光特性を維持できるようになっています。いずれにしても、二灯式の場合はヘッドランプ内部に可動部品が存在するので、Hi/Loの切り替え時には動作音が聞こえます。

多くのメーカーからリリースされています

純正装着車用の交換バルブはもちろん、ハロゲンバルブからグレードアップするための汎用品まで、たくさんの製品があります。

ランプ業界最大手 PIAA

ヘッドライトのみならず、フォグライト、ポジションランプ、ナンバー灯、デイタイムランプ、ロームランプなどなど、とにかく車にまつわるランプならなんでもござれのPIAAです。古くはハロゲンバルブのパワーアップキットなども手がけてきた老舗です。ライティングのみならず、ルーフボックス、ホイールワイパー、ホーンなどほぼすべてのパーツを開発していて、自動車のアフターマーケットにおいては1大ブランドに成長しています。
そんなPIAAからは、6,600ケルビンのコバルトブルー光が自慢の“スーパーコバルト”と名付けられ製品をご紹介します。6,000ケルビンまでと言われた車検通過ラインを、ギリギリの6,600ケルビンまで引き上げ、しかも“車検対応品”のお墨付きにしています。さすがは老舗PIAAですね。

PIAA ( ピア ) HIDオールインワンキット 【スーパーコバルト 6600K】 ヘッドライトH4用 HH91SA

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車種別専用コンプリートキットもオススメです。バラストを固定するステーから配線を束ねる結束バンドまで、取り付けに必要なものすべてがひとつになったコンプリートキットなら、いざ取り付け作業にかかってから“○○が無い!”なんてことにはなりません。しかも、取り付けに最適な位置も考慮されていますので、専門知識がなくても取り付けできるのがうれしいですね。

PIAA ( ピア ) HIDコンプリートキット 【アルスター 6000K トヨタ アクア専用】 ヘッドライトH11用 HH261A

¥45,900

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ユーザーレビュー第1位 fcl

クルマ好きが集うSNS“みんカラ”の2015年上半期カーパーツオブザイヤーのヘッドライト部門で1位,2位を受賞。2014年間大賞2位、2015年間大賞1位を受賞した実力派メーカーです。高い品質に加えて中間マージンを廃した低価格、取り付け易さを重視した商品構成が人気の秘密のようです。
人気商品の“リレーレスキット”は、“わずらわしいリレー配線作業は一切なし。らくらくかんたん取付。”が受けています。アースやバッテリーへの接続が不要で、シンプルな構成でメンテナンス性をアップしています。結果的に取付け時間を大幅に短縮できますので、シングルバルブと変わらない時間で作業を完了できます。
取り付けに不安がある人のために、“取付協力店制度”を全国展開していますので、fcl社製のHIDキットを知り尽くしたプロの作業を割安に受けられます。

fcl 55W H4 Hi/Lo 6000K HIDコンバージョンキットFHID-554206S

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みんカラで2015年1位を獲得!3,000社以上の専門業者と取引実績。口コミでの購入、リピート購入は年々急増中。 高品質で低価格なHIDはfcl.(エフシーエル)にお任せください。全国送料無料!ポイント還元!

お値打ち&長期保証がうれしい ユアーズGTXシリーズ

業界最安値ともいえる価格を実現しながら、製品にはよほど自信があるのでしょう。大手メーカーにひけをとらない3年保証を実現していますから、購入する側としても安心ですね。バラストの厚さが10mmという超薄型にして超小型・超軽量を実現“AIRシリーズ”なら、取り付け位置に困ることはないでしょう。さらに“-37.5℃”という極寒条件下でも作動テストを行っていますので、冬の北海道でも問題なく点灯することは間違いありません。独自設計のデジタルバラストで、電源ONから発光までが1秒というスピード起動を実現しています。

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元祖小型バラスト クルーズ

クルーズでは、2006年に世界最小・最軽量のバラストの開発に成功し、元祖小型バラストとして発売を開始しました。その後も常に進化を求め、品質・開発力・技術力の向上を進めることで従来のスタンダード価格帯にて超小型化に成功しています。
世界各国で品質が認められ、世界30ヶ国以上に70の拠点を持つグローバル企業「HELLA」や、北米に拠点を持つ世界最大級のVWやAudiのパーツメーカーの「ECS Tuning」へ製品の一部供給を行っています。
また、極寒の地ロシアや灼熱の地サウジアラビアでも販売実績があり、その厳しい環境下で鍛え上げられた品質が認められて、イギリス・ドイツ・スイス・ギリシャ・オランダ・マルタ・ポルトガル・アメリカ・マレーシア・中国・韓国・オーストラリアでも販売実績があります。
クルーズHID(キセノンガス封入ディスチャージランプ)システムは、安定性、耐久性、防水性等に優れていて、取り付け場所の自由度が高いだけでなくヒューズBOXに至るまで完全防水仕様ですので水の掛かる場所でも安心して取り付けできます。ヘッドライトだけでなく、バンパー装着のフォグランプにも流用できますよ。

出典:http://www.heartnet.info/car/html/hid_point.php

HIDバルブの通販サイト。HIDのクルーズHIDはH4 Hi/Lo 切換えキットをはじめアメリカ車のフォグなどに多い“台座タイプ800番シリーズ”“純正交換用D2C”を取扱い!! 全8色イエロー,3500K,4300K,6000K,8000K,10000K,12000Kをラインナップ!

トラブル

基本的に、HIDゆえのトラブルというのはありません。もちろん、点灯するまでにわずかながら時間を要することは事実ですが、ヘッドライトを点灯して1、2秒で走り出すことはないでしょうから、実用上のデメリットにはならないと思います。
それよりも、爆発的な需要の増大に合わせて価格競争が生まれ、結果的には粗悪な製品やコピー商品が出回っていることの方が問題でしょう。製品の完成度の低さによるトラブルはとても多いと言わざるを得ません。
アフターマーケット商品の中には、さまざまな不具合があるにもかかわらず、ネットオークションなどで堂々と販売されているケースが少なくありません。有名製品のコピー商品も存在しますので、商品の選択には注意が必要です。
ランプ部分の石英ガラスに紫外線カット処理が行われておらず、リフレクターや前部のプラスチックが紫外線焼け(黄変、反射率・透過率の低下)してしまうものや、バラストやコントローラー・配線が、雨からの防水・エンジン熱に対する耐熱・高電圧に対する耐圧・エンジン振動や車両動静に対する耐振性能を満たしていない、入力電圧・電流に対する安定性が乏しく不点灯やちらつきが発生するなんてことも。
H4型のランプでロービームとハイビームを切り替える機構に、電磁石(ソレノイド)を使用しているもので、その切り替え機構が動かなくなってハイビームで固定されてしまう、色温度が厳密に管理されていないために左右のランプの色が違うケースも。
有名ブランドの製品や部品を使用していると言いながら、実際にはそのブランドの部品を使用していないとか、○○年保証をうたっておきながら故障時の対応窓口が日本国内になかったり連絡先すらないこともあります。
よく中国製品がやり玉にあがりますが、中国製品でも不具合が発生しない商品は無論ありますし、逆に日本国内メーカー・日本国内製造品でも不具合が多いメーカー・商品は存在します。

バルブ交換

HIDはフィラメントを使用した従来型バルブに比べて長寿命ですが、永久的に使えるわけではありません。ご家庭で使っている蛍光灯がいつか点灯しなくなるように、HIDバルブもいつかは寿命を迎えます。
自動車メーカーが純正採用しているHIDシステムは、“D1”、“D2”、“D4”と呼ばれる規格品が使われていますので、適合するバルブと交換することができます。同時に色温度を変更する人も少なくありません。D1規格は初期のHIDに使われていて、今でも一部のドイツ車に装着されています。日本にHIDが導入された頃にはすでにD2規格が標準的でしたので、日本車のHIDシステムはほとんどがD2規格です。最近になって水銀が使われていないD4規格が導入されました。
それぞれの互換性はありませんので、愛車のバルブがどの規格なのかを確認しましょう。

汎用品の場合

従来型バルブと入れ替えて使える汎用品の場合も、バルブのみで購入できます。バラストを含めてすべてを買い直さなければならない、なんてことにはありませんから大丈夫です。むしろHIDシステムの構成部品の中で高額なのはバラストですし、よほどのことがなければバラストは壊れませんので、バルブだけで交換できなければメリットがありませんね。
使用している製品が現行機種の場合は、補修部品としてバルブのみで購入しましょう。もし新型がリリースされていて、使用している製品が廃盤品の場合は、メーカーに確認することが大切です。基本的には、使用電圧と消費電力が同等でしたら問題なく作動するはずですが、配線のカプラーなどが改良されていて、そのままでは使えないということも考えられますし、製品自体が進化していて互換性がない場合も考えられます。
上述したとおり、バルブの固定位置のわずかなズレから光軸が大きくずれてしまったり安定した光束が得られないなどのトラブルも考えられますし、高電圧を発生させるバラストの取り付けや配線の加工には、技能と知識が必要ですので、できればプロにまかせてください。

バイクにも使える?

もちろんバイクにも使えます。むしろバイクの方がHIDシステムを導入するメリットがあると思います。最近は2灯ヘッドライトのバイクも多くありますが、1灯のモデルが大多数ですよね。左右にヘッドライトがある自動車に比べると、もともと持っている光量は半分程度しかありません。当然ライダーの視認性が下がりますし、まわりから見つけてもらう視認性も下がります。
この、“まわりから見つけてもらう視認性”がとても重要だと思います。夜間は、他の車にまぎれてしまって、“そこにバイクがいる”ことが見落とされがちになります。これは、ドライバーの目線からも、自転車や歩行者の目線からも同じです。
私もバイクで自動車と接触する事故を経験していますが、やはり相手のドライバーから“ぜんぜん見えてなかった”といわれました。もちろん、ヘッドライトを点灯して走っていましたが、後続車のヘッドライトに紛れてしまうと見落としてしまうことがあるんですね。
そういう観点から考えると、バイクにはより明るく自己主張できるライティングが必須なのではないでしょうか。ありがたいことに最近の新型車には、結構な割合で純正装着されているようです。

2/2=1ではなく、1/1=1を

私がメカニックだった頃は、バイク用のHIDシステムはほとんど販売されておらず、どうしても装着したい場合は自動車用の製品を片方だけ使っていました。仮に同じ規格のヘッドライトが使われているバイクを2台所有していれば、自動車用を購入して2台のバイクに付けたくなりますよね。そうでなくてもお友だちと半分ずつ使おうと考えるでしょう。最近のHIDシステムは小型化されていて、バイクへの取り付けが楽になりましたからそうしたくなるのも無理はありません。
ですが、これはあまりオススメできません。バイクには車にはない事情があるのです。圧倒的な違いは振動です。車に比べてバイクのホイールベースは短く、ピッチングが大きく車体を揺らします。ヘッドライトの揺れ方は自動車の比ではありません。この振動に対する対策がなされていないと、極端に寿命が短くなることがあります。結果的に出費がかさんでしまいますので、バイク用に設計されたHIDシステムを使われることをオススメします。
私はあまり夜間にバイクに乗らないのですが、渋滞などで帰りが遅くなってしまったりトンネルの中などでは、明るいヘッドライトに助けられています。自分の見やすさもさることながら、見つけてもらいやすさも倍増していると思います。

最後にまとめ

いかがでしたか。まだHIDシステムを導入されていないかたの一助になったでしょうか。随分と値段もこなれてきて、ハロゲンの高効率バルブとたいして変わらない金額のものもありますよね。この機会に、愛車のヘッドライトをグレードアップされてはいかがでしょうか。
運転していてもよく見える方が楽ですし、車もまわりから見つけてもらいやすい方が事故に繋がる確率が下がるはずです。ドライバビリティの向上と事故防止で、素敵なカーライフを楽しんでください。