ETC領収書の出し方は?利用証明書とどう違う?マイレージやレンタカーでの出し方なども

ETCによる料金徴収によって、料金所の通過は間違いなくスムースになっています。利用者の立場からも実感できるはずです。データによればすでに9割ほどの車はETCによって料金を支払っています。ところでETCを利用するとそれまで料金所で貰っていた領収書をその場で受け取る機会がないですよね。これは困る人がいると思います。ETC利用時の領収書と経費精算のあれこれをちょっとまとめてみます。

ETCの領収書ってあるの?

ETCで料金を支払ったとき、料金所は自動的に通過する訳ですから領収書をその場で貰うことはできません。会社の仕事で高速道路を使ったときだけでなく、高速道路をよく利用するのは運送関連の方などを筆頭に自営業の方などもいる訳ですが、支払いを証するものが欲しいというのは当然です。

民法の規定によってちゃんとあります。

今回はこのような費用を経費として扱う場合の考え方なども整理してみたいと思いますが、まずはETCの領収書ってあるのかという疑問について考えてみます。答えは当然なのですがあります。

民法には次のように定められています。

民法第486条
弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。

これについてものちほど少し解説しますが、要するに代金を支払った場合にはそれを証明するものを発行するように求められるということです。求められた場合にはこの法律を根拠に拒否することはできません。民法の中では拒否された場合には代金を支払わなくてよいとも書かれているのです。

ETCの領収書みたことありますか?

「ETCの領収書ってあるの?」と思われている方がいたとして、領収書というものがどのようなものを指すのかはっきりと明確に定義されている方はいらっしゃるでしょうか。

ほんとうの定義や意味を知らなかったとしても、会社員の方などでしたら会社が精算を認めてくれれば、それでいいのでしょうし、商売をされている方であれば税務署が支払いを事実として認めてくれればいいことだと思います。ぜひどのようなものをどのような理由で会社や税務署が経費として認めているのか考え方にも触れてみたいと思います。ちなみに会社のほうでも結局は税務署で経費として認めてもらえるのかどうかが重要なことです。

いずれにせよETCの領収書はあります。求めれば必ず発行してもらえます。それは法律に定められた義務だからです。また実際に徴収されたETC料金を高速道路会社が受け取るときには受取証書に値するものを残しているはずです。

ところでみなさんはETCで支払った料金の道路会社の領収書をみたことがありますか? 領収書というか領収書と書いてなくても受取証書に値するようなものでもいいのですが、見たことがあるかたがいたらちょっとうらやましく思います。実は実際にそれをみたことはないからです。ただ見たことはありませんが仕組みとしてあるのは間違いないです。

せっかくだから何故そう断言するのかもご説明したいと思います。ちょっと面白い事実もあると思いますのでよろしかったら少しおつきあいください。

ETCは利用明細書もしくは利用証明書なら簡単

実はETC料金の領収書を自動的に道路会社から送ってもらっている人がいます。みなさんはどうですか? 多くの人と同じだと思うのですが、道路会社の領収書やその類のものは見たことがないと書きました。自動的に領収書を送ってもらっている人は特別なケースであまり多くないようです。果たして何が違うのでしょうか。

多くの人が簡単に手に入るものは利用証明書もしくは利用明細書です。ただしこれは領収書ではありません。多くの場合は領収書ではありえないのです。それでも諸々の事情によって便宜的に精算に使われています。会社からの指示でこれを入手するように求められている方もいると思います。自営の方でも税務署に経費として認めてもらうための有力な材料になりますから入手したい方も多いと思います。

いろいろな疑問にお答えする前に手っ取り早く役に立つETCの利用証明書、もしくは利用明細書の入手のしかたから解説していきたいと思います。その上で入手したからといって安心しない方がいい理由や領収書を自動的に送ってもらう方法などをお話して行きたいと思います。

利用証明書、利用明細書の出し方

ETC利用照会サービスを利用する

利用証明書を入手できるのがETC利用照会サービスです。これはインターネットのサービスで専用サイトに登録をしてETCカードごとの利用履歴を確認できるサービスです。確認した利用履歴はさかのぼって15ヵ月分のデータを出力できます。利用証明書の形で出力して印刷することもできます。CSV形式のデジタルデータでも出力できます。

つまり業務の遂行のために使った高速道路料金を個人のクレジットカードに付随したETCカードで支払った時にはこの利用証明書もしくは利用明細データを利用して会社に精算を求めるという使い方ができる訳です。

もちろん個人事業の方が税務署への申告の時にも有力な材料になります。そのためには重要なこともありますからこの後ご説明していくことにします。

ETC利用照会サービスは、過去15か月間の全走行明細(ETCカード利用)を確認できるサービスです。利用証明書を印刷したり、pdfやcsvファイルでのダウンロードもできます。

ETC利用履歴発行プリンターを利用する

ETCサービスを利用したことを示すものには利用明細書というものもあります。これは主にサービスエリアやパーキングエリアに設置された専用プリンターにETCカードを差し込んで発行してもらうものです。名称が違うように印字される内容には少しだけ違いがあります。

ETC利用照会サービスによって発行される利用証明書には自動で通過した料金所と到着した料金所、日付、時間、車種、割引前料金と割引額の明細のついた通行料金が表示されてETCクレジットカード利用の場合にはその旨印字されます。さらに利用番号が書かれていますからどのETCカードを利用したのかきっちり紐づいています。

これに対して利用明細書には日時と料金所と車種のほかにはシンプルに支払った通行料金のみが書かれています。クレジットカードを特定する表示もありません。この違いはオンラインなのかオフラインなのかの違いです。ETC利用照会サービスはETCサービスのサービス履歴にアクセスした結果ですし、ETC利用履歴発行プリンターはカード内部のメモリーにアクセスしているに過ぎません。ですからETC利用履歴発行プリンターから印刷できるのはカードに記録できる限界の20件になります。

プリンターは最近では高速道路内(料金所事務所などにもある)だけなく外部のガソリンスタンドなどにも稀に設置されるようになってきました。首都高速道路ではプリンター自体も販売しています。利用に際してはカードをいれたままにしがちですから利用の時にはご注意ください。

利用証明書、利用明細書があれば領収書はいらない?

利用証明書、利用明細書ならこんなふうに入手することができます。このような証書にこだわるのならばETCゲートでなく通常のゲートでETCカードを提示すれば割引も受けられますし証書も手渡されます。ただそれではETCの意味が無くなってしまいます。

さて、ここで営業や個人事業主の方が個人のクレジットカードで決済を行った場合のことを通して、クレジット会社から送られてくる明細というものを考えてみます。

法人として活動しているのでなければ法人のクレジットカードを作ることはできませんから、もちろん個人のクレジットカードを使うことになると思いますが、税務署からは個人で利用するカードと業務で利用するカードは分けるように指導されることになると思います。本来個人事業の営業活動の場合、自家使用というものを厳密に考えなければならないからです。そして、こうすれば後ほどクレジットカード会社から送られてくる利用明細も業務用のカードの分は業務用の明細だけになって明確なものになります。これもあとからまとめて言及していきますが、利用の明細はある意味大切な役割を果たします。

個人のカードで料金を支払って経費を清算した場合には、個人のカードの利用明細を会社に提出するのは嫌ですよね? 厳密な決済を表すものはこの明細がそのものです。クレジットカード利用日に未払金(場合によっては買掛金となりますがETC料金の場合は未払金が適切)が発生したと捉えることが経理的には厳密な処理なのですが、個人のカードで支払った場合には会社が精算したお金を支払った事実、その精算が会社が求めた業務に基づいて行ったことで現金のやり取りとして、帳簿上も現金取引としての処理となるだけのことなのです。

クレジットカードの明細も大切ですし、場合によっては会社的には業務日報なども意味を持ってきます。この点に関連することものちほどまとめてみましょう。

レンタカーの利用証明書はどうするか

なかにはレンタカーで利用した時の利用証明書はどうしたらいいのだろうかと迷う方がいるようです。恐らく登録に際して車両情報を入力するから勘違いしてしまうのだと思います。ETC利用照会サービスでは登録するのはあくまでETCカードです。
ところがサイトで最初に利用のための新規登録をするときに車両情報(利用時のETC車載器管理番号と車両のナンバープレートの数字下4桁)の登録を求められるのです。サイトへの新規登録の手順は次の通りになっています。

【ETC利用照会サービスの新規登録手順】
1.新規登録をクリック

2.「はじめに」と書かれた注意書きを読む

3.利用規約に同意する

4.パソコンで利用できるメールアドレスを入力する

5.仮登録をするとメールアドレスに仮登録完了のメールが届きます。

6.メールに記載されたURLをクリック

7.本登録画面が表示されるので次の事項を入力します。
・ユーザーID(任意で指定文字から作成)
・パスワード
・ETCカード番号
・登録するETCカードでの過去の利用年月日
・車載器番号
・利用した時の車両番号
・秘密の質問と答え

8.これで確認画面のうえ登録が完了します

このように最初に車両情報が必要なのです。ところがこの最初に登録する車両と違う車の車載器での利用でも利用履歴は出てきます。ですからレンタカーで利用しても、その時使ったETCカードを照会すれば履歴が見れて利用証明書も出力できるのです。新規登録では使用した車両の情報もありますから、利用した実績がなければ登録を開始できません。それでも登録後の利用にはどの車両を使うのかは全く関係ないのですから、ちょっと不思議な制度ではあります。

ちなみに追加のETCカードはどんどん登録できます。ひとつのIDで10枚まとめて管理できます。10枚のカードの利用証明書を発行できるということです。

【番外編】ETCカードはないのだけれどレンタカーでETCを使いたい

そもそもETCカードは持っていないのだという場合もありますね。レンタカー会社によってはETCカードもレンタルしてくれる会社もあるようです。ご希望の方はレンタルする前に確認してください。

自動的に送られてくる領収書?ETCカードの種類による違い

経費の精算などのために事実上、領収書の代わりに使われている利用証明書、利用明細書があるということ、入手の方法をお伝えしました。利用証明書、利用明細書を領収書の代わりに使うときにご注意して頂きたいことをお話する前に領収書が道路会社から自動的に贈られてくる仕組みについてお話します。

このお話をする前にETCカードにはどんな種類があるのかをご理解頂く必要があります。領収書の発行はこのカードの種類の違いに密接に関係しています。3つの種類のETCカードについてみてみます。

ETCパーソナルカード

領収書が自動的に贈られてくるETCカードは実はこのETCパーソナルカードです。あまり多くの人が使っていない種類のカードでもあります。それではこのカードはなんなのか、自動的に領収書が送られてくるのだからプレミアムなVIPカードなのだろうかというとそういう訳ではないのです。プレミアムカードという意味ではむしろ後からご説明するコーポレートカードのほうが該当するように思います。

ETCパーソナルカードはクレジットカードは使いたくないとか事情があってクレジットカードは使わないといった人がETCを利用するためのものです。多くの人が利用しているETCカードはクレジットカードに付帯するETCカードですから、発行してくれているのはクレジットカード会社です。それに対してETCパーソナルカードは東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社が共同で発行しているカードです。ただし利用はどの道路会社ででも、ETCのシステムすべてで行えます。

年会費が必要ですし、デポジットと呼ばれる預託金も必要になってきます。支払いの担保として保証金を預けることでETC通行して、毎月の利用に対して利用明細書とともに「ご利用料金のお知らせ」というものが届きます。代金は金融機関の口座よりの引き落としになります。

年会費がかかり、お金を預けなければなりませんし、デポジットの金額によっては利用に制限が出たりします。このため特に事情がなければ選択するメリットがありません。

領収書が直接送られてくるのは親切ですが、引き落としの翌月になります。月の利用をまとめて請求となって引き落とし日を指定されて、その日の翌月の郵送ですから随分あとに届くことになります。しっかり領収書が送られる業務フローは適切ですが、実はあんまり役に立ちません。特に決算月の走行などはいつ届くのかも分からないのですから、ただ待っていたのでは困ってしまいます。ですから経理処理的には領収書は補助的なものと考えざるを得ません。領収書が直接送られてくることはあまり経理的にはメリットにならないのです。

ETCクレジットカード

これに対して一般的なのはクレジットカード会社が発行するETCカードです。ETCクレジットカードには本当にクレジットカードと一緒になった一体型ETCカードと別途発行されるETC専用カードがあります。車載器に差し込んでおけますし、専用カードが主流なのかと思います。いずれにせよETCカードを発行するのに年会費をとっているクレジットカード会社はないはずです。もちろんクレジットカードのほうに年会費を設定してることはよくあることです。

ちょっとした豆知識になると思いますが、基本的にETCカードを含めてクレジットカードというものはクレジットカード会社がユーザーに貸与しているものです。このことを厳密にうるさくいうクレジット会社もないですし、解約時に回収されるのかといえば、あまりそういうこともないのが実情かとは思いますが仕組みはそのようになっています。

ETC走行による領収書の発行と密接な関係がありますので、今や多くの人が利用するクレジットカードについても整理してみましょう。そもそもクレジットカードとは何かといえば、それは証(あかし)です。なにを証しているのかといえば、この人に「つけ」で商品や役務(サービスなど無形のもの)を提供していいですよという証です。つまりその場で代金を支払わなくてもこの証で商品や役務を提供してしまって構いませんという意味になります。この証はクレジット会社の加盟店で通用します。高速道路の場合は道路会社が加盟店となっている訳です。

加盟店の方もクレジット会社の言い分をただ信用しているだけではなくて、適切に処理されたものならば実際に商品の提供や役務を受けた人に代わって代金を支払うと約束されています。クレジットカード会社は代わりに支払っていた代金はまとめて証(クレジットカード)を発行した実際のユーザーから回収します。クレジットカード会社というのは、ただ後払いや分割払いの手続きを代行してるだけではないのです。

これが分かればなぜ道路会社がETCクレジットカードの利用者に領収書を発行しないのか明確です。つまり実際に走行している人からは代金を貰っている訳ではないので、領収書を発行する義務はないからなのです。ホントのことをいえば代金をもらってもいないのに領収書を発行したらちょっとおかしなことになります。

ETCクレジットカードに領収書は必要?

高速道路会社以外の街の一般的な小売店や飲食店ではクレジットカードでの買い物に関しても領収書を発行してくれます。もう慣例にはなっていますが、客の立場からは見えにくいクレジットカードの仕組みをあれこれ説明したりすることが商売上都合が悪いからで、税務署も公式に認めています。ただしクレジットカード払いに対して発行されたことを明記するように求められています。税務上はこうすれば領収書と書いてあっても税務上の領収書とはみなさないとされています。つまり収入印紙が必要な額面でも印紙を貼る必要がないとされます。

この処置がなければお店の方では受け取ってもいない客からの代金を売り上げに計上しなければならなくなってしまいます。実際に客からもクレジット会社からもお金が貰えるのならうれしいのですが、そうでなければ税金の対象となる架空の売り上げが立ってしまうだけになって、あるのはデメリットばかりです。

経理的にはクレジットの利用をもって未払金が債務として発生して、銀行口座からの引き落としによって弁済、未払金が処理されて債権の消滅という形になります。クレジット会社から送られてくる月々の利用明細は取引の明細となり、銀行口座による引き落としは支払の事実の確認として認められます。

冒頭民法に触れましたがそこにあった弁済とは約束通りに債務を履行することです。個人相手の取引では弁済は商品や役務を渡したときに同時に行われるのが通例です。代金回収(この場合の弁済)を間違いなくするにはそれが一番だからです。ただし取引はそのようなものばかりではありません。会社間の締め支払いによるものもあるでしょうし、まさしくETCのシステムのように対個人のサービスだとしても、後払いをするケースもあります。また弁済はお金によってだけ行わる訳でもなく、合意があれば物々交換でもいいですし、実際にいろいろなケースがあります。弁済という言葉を使うのはこういうすべてを包括している便利な言葉だからです。

ただ、ETC代金を考える場合にはクレジット会社への支払いと読みかえて大丈夫です。つまりETCを利用した場合の領収書はクレジット会社が発行するべきもので請求すれば法律により発行されなければなりません。ただし、クレジット会社が送付してくる利用明細書は取引内容の証明として認められますし、お金のやり取りも銀行口座の記録、つまり記帳された通帳があればいいことになっています。ETCパーソナルカードのところにもあったとおり、クレジットでも毎月の利用をまとめて請求されたのちに支払う場合にはクレジット会社のほうでも代金を受け取るまでは領収書を発行できません。発行はどんどん後になりますから経理的には扱いづらい場合があるのは同様なのです。

ETCコーポレートカード

末締めの翌月末払いという一般的な商習慣にそって高速道路代金が支払われるETCコーポレートカードというものがあります。カード自体は大口、多頻度利用の個人または法人が対象です。カード利用に条件がある代わりに大幅な割引がされるものです。このカードでの支払いについても頼めば領収書は発行してくれると思いますが、実際には請求することはないでしょう。なぜならそんなことをしてもお互いに面倒なだけだからです。

ETCコーポレートカードを利用するような場合には帳簿は発生主義で記帳されていると思います。請求書がきた時点で帳簿に記載された取引(今回の場合、高速道路利用)は銀行振込によって消し込まれます。支払いの事実はこれで充分ですからさらに領収書を要求してファイルしても何の意味もありません。高速道路会社も領収書を自動的に発行したりはしていません。

ETCのマイレージとは

多くのクレジットカードは利用に応じてポイントが貯まりなんらかの優遇処置があるものです。また高速道路の利用に応じてはマイレージサービスという走行料金に還元できるポイントがついてきたりします。さらに平日朝夕割というものがあってこちらは既定の額が走行料金に充てられる還元額というものになって戻ってきます。

航空機の類似のサービスで日本ではマイレージというのでそれが語源なのでしょう。たくさん貯めてから還元額に変えた方が多くの金額になります。例えばですが、1,000ポイントの場合500円の還元額となるところを、5,000ポイントならば5,000円です。この比較が最大の差ですが倍となっていますね。

個人のカードに貯まってしまった会社のお金で獲得したマイレージをどうするかを考える場合には累計すると大きな割引になるこの仕組みもことをややこしくしています。5,000ポイントで5,000円の還元をされた場合、この還元のためのポイント獲得に個人のお金も一役買っていたとすると厳密にはどうやって計算したらいいのかなんて考えると、それだけで嫌になっちゃいます。

やはり会社としては現金で利用した場合として精算して、利得を得ることになる個人のほうは雑所得の非課税の限度となる年間20万以下を越えてしまったときに各自対応するということにするのがよさそうです。それにもし利用が多額になると思わるのであれば会社が会社で決済するETCカードを支給するべきでしょう。

ETCのマイレージでの走行分にはポイントもつかなければ道路会社も領収書の発行もしません。

ただこの場合には面白い想定ができると思いませんか?個人の費用で走ったことによって貯まったポイントで得た還元額があるとします。この還元額を社用での高速道路利用代金に充てたとします。この場合は自分のお金を払っているのと同じだから精算して欲しいと考えるのも無理はありません。

果たしてこの場合にETCの利用証明書、利用明細書は出るのでしょうか。これはちゃんと出力されます。マイレージサービスの還元分だという表記もありません。ただし利用証明書のほうにはETCクレジットカードによる走行だということは表記されます。

利用証明書、利用明細書によって精算してもらえるならば、現金を受け取ることは可能だと思います。受け取ることが特に問題だとは思いません。ただ現金化した時点でこのお金は雑所得になるのではないかと思います。サービスとして得た還元額は走行した時点で使用されています。新たな経済的な利益が発生していると思いますがいかがでしょうか。

もっとも雑所得になったとしても年間20万円以下は非課税となりますからなかなかこのレベルには達しないでしょう。もしそれだけ積み重なるものだとすればなんらかの対処はしたほうがよさそうです。

こんなこともありますから、最後に領収書と経理処理の考え方を見てみたいと思います。

高速道路の料金と領収書、経理処理の考え方

旅費交通費ってなに?

ETC利用料金を利用証明書、利用明細書や領収書などで経理処理した場合、大抵は旅費交通費として処理されます。ただし会社の業務遂行のための移動や通勤や転勤のための費用についてです。場合によっては会社の費用で慰安旅行をしたり、研修にいったり、取引先を接待したり、一般消費者を招待したりして旅費がかかることはあります。その場合には違う仕訳になります。
このようにして処理された旅費交通費については、すべてを会社の経費として処理できます。経費として処理できれば会社が税金を払ううえでの計算が違ってきます。会社員が経費として精算をしてもらうのとは少し意味が違ってきます。

旅費交通費という勘定科目、つまり経理で使う仕訳があるのですが、実は旅費と交通費は少し意味が違います。ただ一般的に両者をあわせて旅費交通費という勘定科目を使うようになっています。そういう作法だということです。分ける意味がないものは一緒にした方が楽です。

ETC利用による高速道路料金も旅費としての面と交通費としての面、どちらも考えられます。みなさんの会社では旅費規程が設けられているでしょうか。設けられていれば出張手当が支払われたりするでしょう。この出張手当は電車代でもガソリン代でもないですよね。出張という余分な手間のかかる仕事をした人に報いるための報酬で税務上認められて会社も経費とできる費用です。またこれは貰った方の給与にも含まれることはありません。

こういったものを含めて旅費とは旅行のための費用として考えられていて、旅行とは通常勤務を行う場所を離れて職務を遂行することとされるようです。そしてこれを出張と呼び旅費とされるのはこの旅行のための費用です。

【参考】一般的に旅費に当るとされているものです

1.有料道路通行料金、電車料金、乗船代金、バス料金、タクシー代、航空運賃など
2.宿泊費
3.昼食代等
4.出張手当
5.転勤などの旅費

業務上の旅行のときにかかるこれらの費用です。

あくまで業務遂行上の旅行です。例えば社員旅行の費用は社員旅行にかかる交通費含めて福利厚生費です。それも会社主催なことが条件です。社員が個人的に企画したものに補助をすればそれは給与となります。金額も一人当たり10万円程度まで、あまりに長い旅行も認められず4泊5日以内が目安となります。さらに会社(もしくは事業所全体)の全従業員の半数以上が参加なども求められます。これらに合致していればETC利用料金も福利厚生費となります。

それでは交通費のほうはどうなのでしょうか。こちらは通常勤務を行う場所での交通に関わる費用です。

【参考2】一般的に交通費に当るとされているものです

1.通勤費(定期代など含む、マイカーの場合には非課税限度があります。)
2.電車料金、バス料金、タクシー代
3.有料道路料金(もちろんETC利用料金はここです。)
4.駐車場料金

旅費交通費として会社が経費とできるためには領収書があるということだけでなく、どのような目的で支払われたのかがはっきり分かるということが大切ですし、特に業務として認められるためには会社の管理下で会社が業務として依頼していることが分かることが大切です。どちらかというと経費の領収書は明細が添えられてあったり、その明細に対して行った業務がしっかり記録があることが重要だということです。そもそも電車料金などはいちいち領収書など発行されません。それでも明細と記録があれば領収書などなくてもきちんと税務上の経費として認めてもらえます。


経費を控除するってどういうこと

自分が立替えたお金を精算して戻してもらうという意味で経費になるということと、会社として経費となるということはちょっと意味が違うことはご理解頂けたかと思います。せっかくですから最後に会社が経費を控除するということはどんな意味があるのかを見てみたいと思います。

基本を押さえておけば高速道路の利用、ETCの利用を仕事でする場合、領収書や利用証明書、利用明細書をどのように考えればよいのかもう迷うことはないハズです。

経費は会社が所得を計算するために考えなければいけないことです。所得に応じて納める税金の額が決まります。いろいろな収入からは必要経費を控除することができます。控除するつまり差し引いた残りが所得となります。

【参考3】国税庁による必要経費の定義

1.総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
2.その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

まあ、これではなにがなにやらさっぱり分からないです。要するに稼ぐためにかかった費用なわけなのですが、今回ETC利用において領収書などを用意して経費精算するために必要な注意点に関わることは、やはり国からも伝達されていることなのです。

【参考4】必要経費に算入する場合の注意事項とされていることのうち、特に個人事業の方についてです

個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費といいます。)となるものがあります。(例)交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費
この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。

このように国税庁はいっているのですが、これがETC利用の領収書や利用証明書、利用明細書があるからと安心してはいけない理由です。同時に記録と明細、これが大切なことはご理解頂けたでしょうか。

ETC利用と領収書、経費の精算などお分かり頂けたでしょうか

ETCの便利な利用で手渡しでは貰えなくなった領収書、必要だとしてどのように考えればよいのかご理解頂けたでしょうか。

さて、ホントについでの話です。この国税庁の案内の同じ所には面白いことが書いてあるのです。

【参考 番外編】

罰金、科料及び過料などは必要経費になりません

反則金や放置違反金もこれに当ります。これらのお金を支払えばしっかり領収書は貰えますが、清算することは難しいことがほとんどでしょう。会社としてもそんなものを支払っても必要経費にはしてもらえないのです。

【参考 番外編2】

公務員に対する賄賂などについては必要経費になりません

これも書いてあるのですが、こんなものを申告したら犯罪を告白しているようなものです。このように念には念を入れて国税庁は解説してくれています。ご興味を持たれた時には「国税庁 必要経費」で検索してみてください。