【プジョー505】は吊り目が素敵なプジョー最後のFRサルーン

日本でのプジョーのブレークスルーは、205だったのだと思います。1980年代の後半のことでしたね。缶コーヒーのCMに登場した赤い205カブリオレは、とても都会的でおしゃれな雰囲気を醸し出していました。90年代に入ると、106や306が登場し、モダンスタイルが広く受け入れられていきます。プジョーはFFの小型車をつくるメーカーという認識が強かったのすが、実はFRの大型サルーンも生産していました。

これがプジョー505

出典:http://www.rafa505.es/dossier505/

いかがですか? この面構え。私は好きですねぇ。もちろん好き嫌いが分かれると思いますので、受け入れられないと言う方もいらっしゃるでしょう。
幅が1m73センチと僅かにはみでるものの、ほぼ日本の規格でいう5ナンバーいっぱいのサイズなんですが、この威圧的な顔つきからかもっと大きく見えます。
私がプジョーと出会ったのは80年代のはじめ頃で、まさにこの505がプジョーとの初めての出逢いでした。

プジョー505という車

出典:http://bestcarmag.com/gallery/peugeot-505/page/6

505のデビューは1979年でした。大人気で15年間生産されたそれまでの主力中型車である504の後継車として登場しました。デザインは当時プジョーと親しい関係にあったイタリアのピニンファリーナが担当しました。吊り上がったヘッドライトが特徴的な端正で優美なデザインで、4ドアセダンと5ドアのワゴンのボディというラインナップでした。
フランス本国では、ワゴンモデルを改造してつくられた救急車、葬儀車、パトカー、軍用車両、道路管理用車両も存在しました。
生産が終了したのは、実質的な後継車となる605が登場した直後の1991年でした。東欧やアジアでは人気が高かったため、アルゼンチンや中国南部の広東省広州市での合弁企業“広州標致 (プジョー)汽車”でもしばらく生産が続行されていました。

メカニズム

メカニズム面では、前輪サスペンションにマクファーソン・ストラット、後輪サスペンションにはセミトレーリングアームという贅沢な4輪独立懸架を採用していました。
エンジンは様々なバリエーションが搭載されました。
排気量1,800ccの直列4気筒OHVエンジン
排気量2,000ccの直列4気筒OHCエンジン(ルノー、ボルボとの共同開発で、505では燃料噴射を搭載)
排気量2,300ccのディーゼルエンジン

後に排気量2,200ccの直列4気筒OHCエンジン(2,000ccから代替)
2,200ccエンジンのターボ仕様
2,300ccディーゼルエンジンのターボ仕様

駆動方式はFR(前エンジン、後輪駆動)でした。

マイナーチェンジでモダンな印象に

出典:http://www.productioncars.com/gallery.php?car=5658&make=Peugeot&model=505

グリルまわりやバンパー下部及びサイドモールのデザイン、リヤまわりのデザインを一新してフェイスリフトされました。
写真の“S”グレードでは、エアダムタイプのバンパーとサイドスカートが採用されていて、スポーティなイメージ変貌しています。

さらに、最上級モデルの604から引き継いだV型6気筒2,700ccエンジンも追加され、実質的なフラッグシップモデルとなりました。

派生モデル

出典:http://cars-pics-db.com/photo/peugeot-505-coupe/02/default.html

プジョーはほとんどのモデルにカブリオレを用意しています。この505もそうでした。直線的なデザインですから、ルーフを切り落としても端正ですね。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB505

ステーションワゴンモデルです。タクシーや救急車にも活用されていました。一般的にはセダンモデルをワゴンにすると、後ろ回りのボリュームが出過ぎて前後のバランスが崩れることが多いのですが、印象的な吊り目デザインのおかげかとてもバランスが良く見えます。
残念ながらワゴンモデルは日本への導入がありませんでしたので、お目にかかることはなかったです。

インプレッションなど

出典:http://only-carz.com/photo/im/peugeot-505-20/04/default.htm

ずいぶん前のことですので、記憶の片隅にいるものを引っ張り出して書いてみます。私が乗ったことがあるのは、前期モデルの2,000ccと、後期の2,700ccV6モデルだったと思います。V6は間違いないのですが、前期モデルは2,000ccだったか2,200ccだったかが定かではありません。
いずれのエンジンも、決して“良く回る”とか“フケがいい”なんて言う印象ではありませんが、図太いトルクでどっしりと走ります。
2,000ccモデルは“グイグイ引っ張る”という感じではないのですが、V6に乗った時には“さすがにトルクがあるなぁ”という印象でした。

街乗りの走り出しではだるく重たい印象にもかかわらず、たいして剛性感もありませんから安定感はありません。
ただスピードを増していき80km/hを超えたあたりからは“シャキ”っとします。
今思えばあの頃からしっかり“ネコ足”は健在で、ストロークの大きさからどんなにロールしても路面をしっかりと掴んでいて、街乗りの際に感じた重さが嘘のように、しっかりとしなやかに走ります。


出典:http://only-carz.com/photo/im/peugeot-505-familiale/04/default.htm

もう一つ忘れられないのが内装です。
運転席周りの雰囲気は、いかにもこの時代のクルマです。メルセデスからフィアットまで、すべてのメーカーがこの路線だった時代ですね。
ただ、シートの革質がとても良くて、ドアの内張やダッシュボードの樹脂は品質がしっとりしていて“上質”が伝わります。
フランス車ですから、ペキペキのプラスチックがところどころ顔を出すのはご愛嬌とでも言いますか。
座った瞬間に身体が包み込まれるような柔らかい革。でも必要以上に沈み込むことはなく、しっかり受け止めてくれます。
どんなに長い時間座っていても、座り直す必要がないのです。これは、後の405、406にも受け継がれていて、どちらの座り心地もとても好きでした。
そして後部座席は、シートと言うよりも上等なソファーですね。
運転席はこうはいきませんが、厚みを気にする必要がない後部座席は座り心地のいいソファーです。

広大なトランクもプラスポイントです。
深さはさしてないのですが、奥行きがとても大きく取られていますので、日常使いに困ることはまずないでしょう。

最後にまとめ

記憶を呼び出しているうちに、すっかりまた乗りたくなってしまいました。さすがに中古車市場でも見なくなりましたし、もう一度505に乗ることはかなわないのかもしれませんね。