安全運転義務違反とは?意外と知らないドライバーの義務!【点数、罰金、内容を教えます!】

免許を取ったときには覚えたはずの【安全運転義違反】が、2015年の道交法改正で再び注目を浴びています。焦点は、危険行為について。具体的にどういうことが危険行為にあてはまる?状況によっては、ドライバーに非常に不利なケースへ発展することもあります。「うっかり」で違反にならないために、気を付けたい項目を確認しておきましょう。

はじめに

2015年6月に道路交通法の一部が改正され、自転車にも【安全運転義務違反】にあたる行為があった場合は反則金が科せられることになりました。

自動車の運転中に、もしも人身事故を起こして【安全運転義務違反】をした場合、安全運転義務違反の基礎点数に、事故付加点数が加えられ、運転免許の取り消しになることも考えられます。これを機会に、安全運転義務違反についておさらいをしておきましょう。

交通事故原因で一番多いのは「安全運転義務違反」です。
安全運転義務違反とは、道や交通などの事情に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない運転者の義務です。

出典:www.keishicho.metro.tokyo.jp

そもそもの安全運転義務って何?

(安全運転の義務)
第七十条  車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
(罰則 第百十九条第一項第九号、同条第二項)
道路交通法より

出典:law.e-gov.go.jp

運転中は、ハンドルやブレーキなどを確実に操作しなければなりません。極端ですが、片手運転なども危険行為にあたるといえます。とはいえ道路状況や交通状況に応じたレベルで安全、確実な操作ができれば良いので、片手運転が必ずしも安全運転義務違反に該当するわけではありません。

7つに区分される違反の反則金と点数

・操作不適
・前方不注意
・動静不注視
・安全不確認
・安全速度違反
・予測不適
・その他

交通違反のうち軽いものを「反則行為」と呼びます。通告に従い、一定期間中に納付書に書かれた所定の金額(反則金)を納付すれば、刑事手続きが免除され、前科がつくこともありません。
以下に、それぞれの反則行為と反則金、点数を記載しました。
※7つ目の「その他」は、上記6つの区分にあてはまらないものを包含する区であるため、割愛させていただきました。

避けようと思ったのに...操作ミスが事故をまねいてしまった!-操作不適-

不適切な運転操作のことで、「ブレーキ操作不適」と「ハンドル操作不適」に細区分されます。前者は「ブレーキとアクセルを踏み間違えてしまった」など。後者は「ハンドル操作の誤り」。どちらも事故の原因が危険を回避するための操作ミスだった場合です。
違反点数:2点
反則金:9,000円/普通車、12,000円/大型車
*酒気帯び運転の場合は点数が異なります。

ぼんやりや、注意散漫が原因の -前方不注意-

前方不注意は、「漫然運転」と「脇見運転」に細区分されます。「漫然運転」は運転に集中しなかったことが事故の原因となった場合です。後者の「脇見運転」は信号待ちのスマホ画面を見たり、操作したりする行為も含みます。
違反点数:2点
反則金:9,000円/普通車、12,000円/大型車
*酒気帯び運転の場合は点数が異なります。

ヤバそうだなって思っててヤラかしちゃった -動静不注視-

危険な状況や、事故を起こしそうな相手を認識しているにもかかわらず判断を誤り、事故を起こしてしまうこと。
違反点数:2点
反則金:9,000円/普通車、12,000円/大型車
*酒気帯び運転の場合は点数が異なります。

ちゃんと確認したつもりで、実はスルーしてたっ -安全不確認-

安全確認が不十分だったことが事故の原因になった場合を指し、「前方・左右不確認」と「後方不確認」に細区分されます。
違反点数:2点
反則金:9,000円/普通車、12,000円/大型車
*酒気帯び運転の場合は点数が異なります。

交差点や見通しの悪い場所ではもっと慎重に! -安全速度違反-

速度規制に違反をしていないものの、見通しの悪い場所で徐行をせずに運転して事故を起こした場合など。
違反点数:2点
反則金:9,000円/普通車、12,000円/大型車
*酒気帯び運転の場合は点数が異なります。

勝手な思い込みやオレ様運転は禁物 -予測不適-

「相手が避けると思った」という思い込みが原因の事故や、道路の形状、路面状態、交通規制といったシチュエーションを考慮しなかったことに起因する、歩行者や自転車などとの接触事故にあてはまります。
違反点数:2点
反則金:9,000円/普通車、12,000円/大型車
*酒気帯び運転の場合は点数が異なります。

安全運転義務の欠如のために起こった死亡事故件数

出典元URL:https://www.npa.go.jp/toukei/koutuu48/before/tokucho/PDF/H26tokucho.pdf

安全運転義務をおこたったことによる死亡事故の件数は上の表の通りです。
警察庁交通局のサイト上にある「平成26年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について」から表のみを抜粋し、「安全運転義務」の部分を色分けしてアップロードしています。
平成26(2014)年度は、漫然運転、脇見運転、運転操作不適がトップ3に並びました。
※「平成26年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について」は、57ページにわたり、交通事故とその原因、取り締まりについてのデータがまとめられた統計報告書になります。
興味がある方は、表の次にあるリンクをクリックしてご覧ください。

どんな場面でキップが切られる?

安全運転義務違反のみで交通反則告知書(俗にいう青キップ)を交付されることはごくまれです。ただし上記のように、安全運転義務違反の範囲はとても広く、交通事故を起こすとたいていの場合に安全運転義務違反として扱われます。
たとえば、
・ガラスにスモークフィルムを貼った車の透過率の低さが安全運転義務違反にあたる
・飲食しながらの運転はハンドル操作が不確実なため安全運転義務違反にあたる
・走行中、運転者以外に乗員がいないときにテレビを映していると安全運転義務違反にあたる
などなど。

人身事故でなくても安全運転義務違反で「交通切符(赤キップ)」を切られるケースとは?

無免許や飲酒運転、交通違反をともなう交通事故の場合、青キップで処理することができないので、赤キップが切られます。例をあげると、駐車場で接触事故を起こしたとします。警察を呼んで現場検証を行った後、「安全運転義務違反」で赤キップが切られました。その赤キップに記載される『反則行為不該当』の欄を見ると、「交通事故」の項目に丸印が付けられているかと思われます。

誘導されてバックしてぶつけたら運転手の過失責任

駐車場で警備員に誘導されてバックをしている最中に、車をポールへぶつけてしまいました。この場合、責任は警備員と警備会社にあるのでは?
すべてのドライバーは、安全運転義務を負って運転をする責任があります。誘導されたとはいえ、ドライバーがしっかり確認をしていればぶつけることもなかった。つまり確認をおこたった【過失による安全運転義務違反】となる可能性が高いと思われます。もし警備会社へ賠償請求をしたとしても警備員の責任を問うのは難しいと考えられます。

サンダルやハイヒールで運転するとキップが切られる?

サンダルやハイヒールを履いて運転を禁止する条項は、道路交通法にありませんが、事故を起こした時に【確実な運転操作】に支障を及ぼすおそれがあるため、安全運転義務違反が適用されると考えられます。
ちなみに東京都道路交通規則の運転者の遵守事項に「げたやサンダルでの運転をしないこと」を見つけることができました。

木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。

出典:www.reiki.metro.tokyo.jp

まとめ

2015年の道路交通法改正が自転車ユーザーに安全運転の認識を確認させるいい機会になりました。翻ってドライバーには、これまで以上の安全運転が求められています。
走り慣れたいつものルートを走っていると、つい安全確認が甘くなることもあるでしょう。商店街など、通行人や障害物の多い場所では、注意力が散漫になってよそ見をすることもあります。安全確認をついおこたってしまっても、たいていは車も自転車も飛び出してこないため、事故にはいたらないかもしれません。しかし法令違反別の死亡事故件数では、【安全運転義務違反】によるものが全体の6割近く(平成26年度)をしめているのです。安全確認のミスがこれだけ多くの交通事故に結びついていることを考えると、少しこわくなってきます。
「うっかり」で、事故をまねかないよう日頃から【安全確認】を心がけて運転したいものですね。