「飲酒運転」は絶対ダメ!肝に銘じておくべき「点数」「時間」「基準値」「罰則」を紹介

飲酒運転の刑罰を軽く見ていませんか? せいぜい罰金刑と免許停止くらいだろう、とたかをくくってはいませんか? 近年、飲酒運転、薬物を服用した上での危険運転、運転中に意識障害によって引き起こされた死亡事故と、危険運転は後を絶ちません。飲酒運転や危険運転がいかに恐ろしい危険な犯罪行為であるか、「自動車運転死傷行為処罰法」が施行された現在いかに刑罰が重いか、をこの記事ではご紹介します。

どれだけ飲めば飲酒運転?飲酒時、人はどうなる?

その数自体は減少傾向にあるものの、飲酒運転や危険運転が大きな社会問題になっています。乗用車の高性能化により、運転者なら誰でも重大事故を引き起こす危険性があるにも関わらず、自分だけは大丈夫、とついアルコールを口にしてしまいます。飲酒運転は本当に危険です。運転者自身とそのご家族、被害者の方と多くの方々を巻き込み、不幸に陥れてしまいます。

どれだけ飲んだら飲酒運転?飲酒運転の定義とは?

そもそも「飲酒運転」とは何でしょう? どんな状態で運転をすれば飲酒運転となるのでしょう?
道路交通法には、以下のように「酒気帯び運転等の禁止」が定められています。

第4章 運転者及び使用者の義務
 第1節 運転者の義務
(酒気帯び運転等の禁止)
  第65条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

すごく簡単に言えば、「アルコール成分を1口でも口にした状態で運転をすること」が飲酒運転です。

アルコール成分はその量の多少にかかわらず、人体に影響を与え、運転行為をさらに危険な行動にする可能性を多いに秘めています。
ビール1口、料理酒1滴でも飲酒運転になる可能性があるのです。客観的な基準、例えば「ビール500ccまではセーフ」などといったものはありません。何故なら、後述しますが、個人によってアルコールの分解能力が違うからです。

飲酒運転防止に努めるのなら、外食時は自分で自動車を運転しないことです。料理酒ですら飲酒運転に該当する可能性があるのですから。

検挙されるアルコール基準値とは?呼気中アルコール濃度とは?

警察により検挙対象となる呼気1リットル中のアルコール濃度は 0.15mg 以上です。では、その数値以下なら検挙されないのか、といえばそんなことはありません。
例え呼気アルコール濃度が 0.15mg/L 以下でも、正常な運転ができていなければ、呼気アルコール濃度の数値に関係なく酒酔い運転となり、検挙対象となります。
では、呼気アルコール濃度が 0.15mg/L 以下で、正常な運転ができていれば検挙されないのか? といえば、答えは「ノー」です。この場合には先述した道路交通法 第4章 第1節 第65条 違反となります。

いずれにしても、「飲んだら乗るな! 乗るなら飲むな!」が大切です。


ちなみに呼気アルコール濃度は計算で求められます。

●呼吸アルコール濃度( mg/L )= 血中アルコール濃度( % ) × 5
●血中アルコール濃度( % )=( 飲酒量( ml、cc )× アルコール度数( % ))/( 833 × 体重( kg ))

計算結果が 0.15mg/L 以下であっても、運転は厳禁です! 1口でもアルコールを口にしての運転は、道路交通法違反です! 絶対に肝に銘じておいてください。

お酒を飲んだら人はどうなる?血中アルコール濃度の目安

先にお断りしておきます。個人差があります。また、飲酒運転を勧めるものではありませんので、悪しからず!

何のことかといえば、酒酔いの症状によってどれくらいの血中アルコール濃度なのか、が目安としてわかります。酒酔いの症状は血中アルコール濃度により、6つに大別されます。

1)爽快期
血中アルコール濃度 0.02~0.04%
酒量
・ビール 中びん1本まで
・日本酒 1合まで
・ウイスキー シングルで2杯まで
酒酔いの症状
・さわやかな気分になる
・皮膚が赤くなる
・陽気になる
・判断力が少しにぶる

2)ほろ酔い期
血中アルコール濃度 0.05~0.10%
酒量
・ビール 1~2本
・日本酒 1~2合
・ウイスキー シングルで3杯
酒酔いの症状
・ほろ酔い気分になる
・手の動きが活発になる
・抑制がとれる、理性が失われる
・体温が上がる
・脈が速くなる

3)酩酊初期
血中アルコール濃度 0.11~0.15%
酒量
・ビール 3本
・日本酒 3合
・ウイスキー ダブルで3杯
酒酔いの症状
・気が大きくなる
・大声でがなりたてる
・怒りっぽくなる
・立てばふらつく

4)酩酊期
血中アルコール濃度 0.16~0.30%
酒量
・ビール 4~6本
・日本酒 4~6合
・ウイスキー ダブルで5杯
酒酔いの症状
・千鳥足になる
・何度も同じことをしゃべる
・呼吸が速くなる
・吐き気・おう吐がおこる

5)泥酔期
血中アルコール濃度 0.31~0.40%
酒量
・ビール 7~10本
・日本酒 7合~1升
・ウイスキー ボトル1本
酒酔いの症状
・まともに立てない
・意識がはっきりしない
・言語がめちゃめちゃになる

6)昏睡期
血中アルコール濃度 0.41~0.50%
酒量
・ビール 10本以上
・日本酒 1升以上
・ウイスキー ボトル1本以上
酒酔いの症状
・泥酔期と同じ症状を示します

何度も申し上げますが、1口でもアルコールを口にして運転をしたら飲酒運転となり、警察による検挙の対象となります。また血中アルコール濃度は呼気アルコール濃度とは違いますので、爽快期やほろ酔い期と自覚していても飲酒運転検挙を免れる根拠にはなり得ません。
「飲んだら乗るな! 乗るなら飲むな!」ですよ。

血中アルコール濃度と酔いの程度、血中アルコール濃度の算出方法をご説明します。

より詳しい情報は、キリン株式会社が作成したこちらのサイトをご覧ください。

お酒を飲んだら人はどうなる?【注意力】が低下します!

アルコールには人間の脳を麻痺させる効力があります。特に理性や判断力を司る大脳皮質と呼ばれる部位の活動をコントロールしている網様体がアルコールにより麻痺し、正常な働きができなくなります。その結果、飲酒をすると理性がはずれ、抑制力がなくなり、注意力や判断力が低下するのです。
注意力が低下するとどうなるのか? 前方の障害物や標識、信号などに注意が向かなくなります。結果、重大事故を引き起こす原因の1つとなるのです。

では、どれくらいの量のアルコールを摂取すれば、注意力を失うまでに大脳の働きが低下するのか、というと、料理酒に使われる程度の分量(10cc、25ccなど)からです。もしかしたらほんの1滴、2滴でも大脳が麻痺することもあります。後述する死亡事故の統計では、呼気中アルコール濃度測定器で検出できないほどの呼気中アルコール濃度の飲酒の場合に、一番多く死亡事故を引き起こしています。

道路交通法で定められているから飲んで運転してはいけない、のではなくアルコールを1滴でも口にしたら大脳が麻痺し、注意力が低下し死亡事故を起こす危険性が高まり、あなたや通行者の命を危険に晒すことになり、あなたの大切な人や被害者のご家族を不幸に陥れるから飲酒をしたら運転してはいけないのです。

お酒を飲んだら人はどうなる?【判断力】も低下します!

アルコールを摂取すると人間の大脳、特に網様体とそのコントロール下にある大脳皮質が麻痺し、正常な働きができなくなります。これがお酒に酔っている状態であることは先述したとおりです。

お酒に酔えば、理性が外れ、抑制力が効かなくなるだけでなく、視力や聴力をはじめとする知覚能力が低下し、運動機能も正常に働かなくなります。視覚や聴覚からの情報を十分に取り入れることができず、大脳も麻痺しているので情報処理能力も低下し、前例を踏襲した判断に時間がかかり、結果、身体をどう動かすかの命令も遅くなり、さらに命令を受けても身体は正常に働かない状態になります。一言でいうなら、判断力が低下している状態です。

前方に歩行者がいても見ない、見えない。見えても歩行者であることの認知が遅くなるか、認知しない。歩行者であると認知できても、ブレーキを踏むのか、ハンドル操作で回避するのか、他の方法を採るのか決断に時間がかかる。ブレーキを踏む決断をしても、左膝を伸ばす指令を出すのに時間がかかり、もし左膝が伸びる指令を受けても、左膝が無事伸びるか怪しいものです。下手をしたら右膝を伸ばして、さらに加速して歩行者の命を奪ってしまうかもしれません。

飲酒による判断力の低下は、恐ろしい結果をもたらしかねませんね。

【厳罰!!】飲酒運転の罰則・処分は厳しい!

飲酒運転は主に呼気アルコール濃度により「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種に大別され、行政処分が下されます。ただし、正常な運転ができていなければ、呼気中アルコール濃度に関係なく「酒酔い運転」となります。
行政処分の内容は厳しく、時には違反者の生活基盤、社会的信用、家族、資産・財産、将来への希望をも失うことになりかねません。何故そんなに厳しい行政処分を下すのかといえば、飲酒運転は他人の生命・財産を奪いかねない非常に重大で悪質な行為だからです。
下記でご紹介するのはあくまで行政処分です。飲酒運転により被害者が被った被害状況により、刑事や民事での訴訟が生じる可能性もあります。それほど、飲酒運転は責任の重い重大な犯罪行為であることを、下記の【道路交通法、酒気帯び運転等の禁止】とあわせて、改めて再確認をお願いします。


【道路交通法、酒気帯び運転等の禁止】
第六十五条 第一項
何人も、酒気を帯びて車両などを運転してはならない。

第六十五条 第二項
何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。

第六十五条 第三項
何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。

第六十五条 第四項(一部抜粋)
何人も、車両の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。

「酒酔い運転」の罰則・処分はどんな感じ?

そもそも、「酒酔い運転」とは、どういう状態での運転を指すのでしょうか? 警察庁のホームページでは、以下のように説明されています。

「酒酔い」とは、「アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態」をいう。

出典:www.npa.go.jp

「アルコールが影響していて正常な運転ができない状態」であれば、前述した呼気中アルコール濃度が低くても検挙対象となります。

酒酔い運転に下される刑罰は以下のとおりです。

●基礎点数 35点
●免許取消
●再度の免許取得ができなくなる欠格期間 3年

過去3年以内に行政処分を受けたことがない場合でも、15点以上は免許証取消処分に該当しますので、酒酔い運転は一発で、ダブルスコアで免許証取消となる重大違反です。欠格期間が3年と定められているのも納得ですね。
自動車運転を生業として生計を立てている方なら、生活基盤を根底から揺るがす大問題になります。また酒酔い運転状態で事故を起こしたら、刑事罰も重くなることはご承知のとおりです。

「酒気帯び運転」の罰則・処分はどんな感じ?

「酒気帯び運転」の場合には、呼気中アルコール濃度により罰則が異なります。

【呼気中アルコール濃度が 0.15mg/L 以上 0.25mg/L 未満の場合】
●基礎点数 13点
●免許停止 90日間(ただし、前歴およびそのほかの累積点数がない場合)

この場合、過去3年以内に行政処分を受けていなければ、免許停止で済みます。しかしその期間は3ヵ月です。自動車運転が生活に密着している方だと大打撃ですね。また、もし過去3年以内に何らかの行政処分を受けていれば免許取消の可能性大です。


【呼気中アルコール濃度が 0.25mg/L 以上の場合】
●基礎点数 25点
●免許取消
●再度の免許取得ができなくなる欠格期間 2年

この場合には一発で免許取消です。さらに欠格期間が2年間。酒酔い運転の3年には及びませんが、それでも2年は長いですね。しかし、欠格期間は飲酒運転に対する反省期間だと考えてみてはいかがでしょうか? それほどまでに重大な事態を引き起こしかねない違反なのです。

警視庁のホームページに掲載されている手記「贖(あがな)いの日々」を引用します。酒気帯び運転の重大さを想像してみてください。

私は、その年の10月末日午後9時30分頃、飲酒運転をしてしまい、一人の尊い人命を奪ってしまいました。自動車運転過失致死、道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪名で起訴され、判決の結果、2年6月の刑期が確定し、刑務所に服役することになりました。

出典:www.keishicho.metro.tokyo.jp

ハンドルを握る人間として決してやってはいけない飲酒運転、毎日のように新聞やニュースでもこぞって取り上げられ厳罰化されているのにも関わらず、「自分だけは大丈夫」、「近いから、まだ時間が早いし」、「そんな飲んでないし」、「酔ってないし」と自分勝手な理屈や判断、行動が原因で一人の尊い命を奪ってしまったのです。

出典:www.keishicho.metro.tokyo.jp

軽い気持ちで飲んだちょっと一口が、尊い人命を奪いかねません。

「自分だけは飲酒運転をしても事故を起こさない」という過信は禁物です。

刑罰が重くなった!!「自動車運転死傷行為処罰法」とは?

従来、自動車を運転し人命を奪ったり、怪我を負わせ他場合、刑法の「危険運転致死傷罪」「自動車運転過失致死傷罪」が適用されていました。しかし、これらの刑事罰では罰則内容と人命を奪った行為との釣り合いがとれていませんでした。また違法ドラッグ服用者の危険運転、運転中に意識障害により車両制御不能に陥ったドライバー、過度の業務内容により発生した高速バス事故などの多発といった社会背景もあり、「危険運転致死傷罪」と「自動車運転過失致死傷罪」は刑法から削除され、新法である「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(一般には「自動車運転死傷行為処罰法」と呼ばれます。以下、「新法」と表記します。)へと移管され、2014(平成26)年5月20日に施行されました。
新法の施行により、交通事故で人を死傷させた場合の刑罰が重くなりました。また、時代の変化に合わせた内容へと変更されました。主に刑罰の変更に焦点を当てて、概要をご紹介します。

●危険運転致死傷罪
刑法時代の「危険運転致死傷罪」の適用条件は、以下のとおりです。

・運転者が「酒・薬物の影響で正常な運転が困難」である場合

運転免許証の保有に関係なく最高刑が懲役20年でした。それが新法の「危険運転致死傷罪」では適用範囲が緩やかになりました。適用条件は以下のとおり2段階となりました。

・運転者が「酒・薬物の影響で正常な運転が困難」である場合
・運転者が「酒・薬物・特定の病気の影響で正常な運転に支障が生じるおそれ」がある場合

従来の適用条件に加え、「正常な運転に支障が生じるおそれ」がある場合を新設しました。これは、従来の法律では酩酊時・薬の服用時に正常な運転が困難であると断定することが困難で、量刑の軽い「自動車運転過失致死傷罪」が適用されてしまい、家族の命を奪われたにも関わらず、量刑の軽さに納得できない遺族感情に配慮した変更と言えます。
また、最高刑の内容も変更されました。最初の「困難」な場合には、運転免許の保有に関係なく懲役20年が最高刑です。それに対し次の「おそれ」の場合では運転免許保有者は懲役15年、無免許者は懲役20年となりました。新法では従来の刑法とは異なり、無免許者により重い量刑を与えることとなっています。

●自動車運転過失致死傷罪
刑法時代の「自動車運転過失致死傷罪」の適用条件は以下のとおりです。

・運転者が「注意を怠って運転」した場合

最高刑は懲役7年でした。それに対し新法での適用条件は以下のとおりです。

・運転者が「注意を怠って運転」した場合

特に変更はありません。最高刑は運転免許保有者は懲役7年、無免許者は懲役10年と重くなりました。

「自動車運転過失致死傷罪」の内容に大きな変化がないのは、「危険運転致死傷罪」の適用条件が緩やかになり、多くの場合に適用できるようになったからです。つまり、飲酒運転の刑罰は一層重くなったと言えます。

●発覚免脱罪
新法下で新設された刑罰です。従来、飲酒運転時に人をひき、その場から逃走し飲酒していたことをわからなくすると刑罰が軽くなる、いわゆる「逃げ得」問題を防ぐための規定です。適用条件は以下のとおりです。

・運転者が「酒・薬物の発覚を免れるため逃走」した場合

最高刑は運転免許保有者で懲役12年、無免許者で懲役15年です。飲酒時や薬物の服用時に自動車を運転して、事故を起こし、飲酒・服薬をごまかすためにその場から逃走すると、発覚時に適用されます。

新法での刑罰がどれほど重いのか、次の例を考えてみましょう。運転免許保有者が酒酔い運転をして、通行人をひいたにも関わらず、飲酒を隠すためその場から逃走しました。逮捕後、飲酒していたことが発覚し正常な運転が困難であったと立証されました。この場合、どれだけの刑罰が待っているでしょうか?

まず、酒酔い運転ですので「危険運転致死傷罪」が適用され、最高刑は懲役20年です。さらに飲酒状態を隠すために逃走しているので「発覚免脱罪」が適用され懲役12年が加わります。そしてひき逃げにも刑罰があり最高刑は懲役15年です。全て加えると最高刑懲役47年です。他にも適用される刑罰があるかもしれません。さらに遺族への損害賠償だって待っています。懲役47年は各刑罰の量刑を単純に加えただけなので、実際には鑑みられる情状もあるかもしれません。しかし、間違いなくこれだけは言えます! 飲酒運転は、被害者だけでなくあなたの一生も台無しにする危険行為である、と。

車両提供者・同乗者も厳罰に処す!飲酒者に運転させたらいけません!

運転者が飲酒をする、とわかっていながら車両を貸した場合、貸した人にも罰則があります。

【運転者が「酒酔い運転」をした場合】
車両提供者には、
●5年以下の懲役、または100万円以下の罰金

【運転者が「酒気帯び運転」をした場合】
車両提供者には、
●3年以下の懲役、または50万円以下の罰金

飲酒運転は飲酒をした運転者だけが悪い訳ではなく、飲酒者に車両を提供した人も悪い、ということですね。確かにどんなに飲酒をしても、自動車がなければ飲酒運転は成立しません。

さらに、運転者が飲酒をしている、とわかっていながら、「車で家まで送って」とお願いして乗せてもらった人にも罰則があります。

【運転者が「酒酔い運転」をした場合】
同乗者には、
●3年以下の懲役、または50万円以下の罰金

【運転者が「酒気帯び運転」をした場合】
同乗者には、
●2年以下の懲役、または30万円以下の罰金

この罰則は同乗者の他にも、運転者に酒類を提供した人や飲酒を勧めた人にも適用されます。運転者の飲酒への甘い誘惑をも廃絶しようとする狙いですね。

【悲劇多発】飲酒運転での交通事故発生件数が多すぎる!

飲酒運転による死亡事故は、平成14年以降、累次の飲酒運転の厳罰化、飲酒運転根絶に対する社会的気運の高まり等により 大幅に減少してきましたが、平成20年以降は減少幅が縮小し、下げ止まり傾向にあります。

出典:www.npa.go.jp

出典:http://www.sonpo.or.jp/protection/insyu/index.html

平成26年度に発生した交通事故件数は544,279件です。そのうち飲酒運転による交通事故件数は4,155件、そのうち死亡事故は227件でした。大多数の交通事故は飲酒をしておらず、その上でやむを得ず発生してしまっているのかもしれません。
平成26年度に発生した飲酒運転による交通事故件数を平成25年度と比べると、交通事故は179件減少し前年比では-4.1%でした。死亡事故は11件減少、対前年比-4.6%です。年々、飲酒運転による交通事故件数は少なくなってはきているものの、未だ4,000件以上もの飲酒運転が検挙されています。この検挙数はもちろん、氷山の一角にすぎません。

また、平成26年度に発生した死亡事故率を飲酒運転をしていたか、していなかったかで比較してみます。死亡事故率とは、交通事故件数に対する死亡事故件数の割合です。

【平成26年度飲酒運転による死亡事故率】
●酒酔い 11.48%
●酒気帯び(0.25以上) 4.96%
●酒気帯び(0.25未満) 4.38%
●基準以下 4.16%
●検知不能 12.28%

平成26年度の飲酒運転全体での死亡事故率は5.46%でした。それに対し、飲酒せずに運転して発生した死亡事故率は0.63%です。
酒酔い運転の死亡事故率は、飲酒なしの場合に対し18.22倍、飲酒運転全体でも飲酒なしの場合の8.66倍でした。興味深いのは警察の呼気中アルコール濃度測定器では検知不能な程度しかアルコールを摂取していない場合でも、死亡事故率は12.28%で、飲酒なしの場合の19.49倍にもなり酒酔い運転の場合を遥かにしのいでいます。おそらくアルコール飲料を口にせず、料理酒などで酔ったのでしょう。しかしアルコール飲料を口にしていないので、お酒に酔っている認識がなく、大脳が麻痺しているにもかかわらず、慎重に運転しないで死亡事故につながったのではないか、と思われます。

この統計からも読み取れるように、アルコールはほんの1口でも大脳を麻痺させ、正常な働きを阻害します。楽しく外食を楽しむのであれば、飲むつもりはなくても、絶対に自分で運転してお店に行かない方が良いですね。せっかくの楽しい時間を後悔するばかりか、さらにその後、多くの方にご迷惑をお掛けすることになりかねません。

外食は料理を自分で行わずプロの料理人に依頼する贅沢な行為です。ならばもうひと奮発して、レストランへの移動もハイヤーを依頼してさらに贅沢な気分を味わってみてはいかがでしょうか? 外食がさらに楽しい時間となり、飲酒運転を起こす危険もありませんよ。

上記の交通事故件数、死亡事故件数、死亡事故率などのデータは、警察庁がまとめている統計を使用しました。さらに詳しい統計を確認したい方は、ぜひご覧になってみてください。

【あくまで目安!!】お酒が抜けるまで何時間かかる?

朝、出勤時には飲酒の予定がなかったので自家用車で出勤し、お取引先から「今夜、一杯いかがですか? 」とお誘いを受けることは、よくあることです。せっかくのお誘いを車で来ているから、とお断りするのも無粋ですし、今後のビジネスに差し障りがあるかもしれません。
飲酒後の帰り道、代行が捕まらない、タクシーが見つからない、車を会社に置いていこうにも翌日は朝から家族でドライブ予定。そこでやむを得ず運転して帰宅することにして、アルコールが抜けるのを待つ。などということも、比較的、特に地方ではよくある話です。

では、どれくらいの時間でアルコールは抜けるものなのでしょうか?

答えは「性別、体重、年齢、飲酒量による」です。

アルコールを抜く方法として、巷で都市伝説のように語り継がれているやり方があります。それは「汗をかくこと」と「仮眠をとること」です。これらの方法は、間違いです。実践しても意味はありません。むしろ身体に重大な危機すら、もたらしかねません。絶対に実践しないでください。

ではどうするのかというと、
「甘いものを食べて、寝ないでひたすら待つ」
ことです。どれくらいの時間待てばいいのかは、上記のとおり「性別、体重、年齢、飲酒量」によります。

アルコールが抜ける、とはどんな生理現象かと言うと、

「飲酒により体内の消化器官から吸収されたアルコール成分が、血液を通り肝臓に運ばれて水と二酸化炭素に分解され、尿として排出されること」

です。なので、汗をかいてもアルコールの分解には、なんにも影響はありません。むしろ、汗をかくことで血液の液体成分である血漿が少なくなり、血中アルコール濃度が急激に高くなり、急性アルコール中毒になる危険すらあります。

仮眠も行わないでください。肝臓は睡眠時より覚醒時の方が活発に働きます。もちろん、アルコールの分解も活発です。飲酒後に仮眠をとると、肝臓でのアルコール分解が積極的に行われず、二日酔いの原因にもなりかねません。

また、肝臓を活発に動かすにはエネルギーとして糖分が必要です。人間は炭水化物を分解して糖分を摂取するのが通常ですが、このプロセスも時間がかかり、肝臓へのエネルギー供給には間に合わないことは、よくあることです。そこで、急場しのぎに糖分として甘いものを摂取すれば、肝臓を活発に動かすエネルギーをすぐに調達できるのです。

「オトコが甘いものなんて喰えるか!」

などと仰らずに、アイスクリームでもシュークリームでも、もしくは糖分たっぷりのジュースやコーヒーでも、とにかく飲酒後には甘いものを召しあがってください。この場合には決してカロリーオフのジュースは飲まないでください。肝臓に十分なエネルギーを供給できません!

では、いよいよ本題です。ここまで条件を揃えた上で、アルコールが抜けるにはどれくらいの時間がかかるか? 医学では以下の定説があります。

「体重1kgにつき、1時間でアルコール0.1gを分解できる」

ここでいう体重は徐脂肪体重といって、脂肪成分を差し引いた体重です。というのも、肝臓の大きさは徐脂肪体重に比例して大きくなるからです。肝臓が大きいということは、肝細胞も多く活動も活発であることを意味します。アルコールを分解する時間に大きな影響が出ます。

徐脂肪体重、アルコールの分量がわかれば、アルコールが分解されるまでのおおよその時間がわかりますね。徐脂肪体重の求め方は以下のとおりです。

徐脂肪体重(kg)=(体重(kg)×(100 - 体脂肪率))/ 100

そしてアルコールの分量の求め方は以下のとおりです。

アルコール量(g)=(お酒の量(mL、cc)/ 100 )× アルコール濃度(%、度)× 0.8

0.8はアルコール比重です。エタノールが0.792であることから計算しやすくするため、0.8としてあります。

では、例題を考えてみましょう。体重 80kg、体脂肪 25% の人が生ビール中ジョッキ1杯(500cc)を飲んだら、アルコールが抜けるまでにどれくらいの時間がかかるでしょうか? ビールのアルコール濃度は6%とします。

徐脂肪体重は、
(80 × (100-25))/ 100 = 60
なので、60kgです。

アルコール量は、
(500 / 100)× 6 × 0.8 = 24
なので、24gです。

人体は徐脂肪体重1kgにつき、1時間で、0.1gのアルコールを分解できます。では徐脂肪体重60kgならば、1時間で6gのアルコールを分解することができますね。アルコールの分解にかかる時間はアルコール量と比例するので、例題の場合は4時間かかります。
計算式に直すと以下のようになります。

アルコール量(g)/ 徐脂肪体重(kg)/ 0.1 = アルコール分解にかかる時間

計算結果に小数が出たら、小数部分に60を乗じて「分」を求めてください。
例)計算結果が2.5なら、0.5 × 60 = 30(分)結果、2時間30分となります。

アルコール濃度6%の生ビール中ジョッキ1杯を飲むと、徐脂肪体重60kgの人なら、アルコールが抜けるまでに4時間かかります。お食事の最初にビールを飲んで、2時間食事をして、30分間タクシーや代行をさがしても、まだ完全にアルコールが分解されるまでに1時間30分もありますね。さらに、お料理には料理酒が使われるのが一般的です。その分も勘案すると、果たして何時間待てばアルコールが抜けるのやら...外食でお酒を楽しむのであれば、ご自身で運転をしない方が良いのは計算結果からもわかりますね。

【ご注意ください!!!】
●この記事でご紹介したアルコールが抜けるまでの時間の計算式はあくまで理論上のものです。
●肝臓の状態は個人差があり、みなさんの肝臓が定説通りの働きができているとは限りません。
●計算結果を参考にされての運転は、あくまでも自己責任でお願いします。

【まとめ】お酒の席を楽しみ、飲酒運転しないために

飲酒運転のまとめ、いかがでしたでしょうか? 外でのお食事は楽しいものです。普段とは違う雰囲気のあるお店で、オシャレなお料理やお酒で、気の合う仲間やご家族、恋人などと楽しいひと時を過ごすことができます。その後、代行が捕まらないから、タクシーが捕まらないから、自宅までお金がかかるからなどといった理由で、飲酒運転をしてしまう方もいらっしゃるかと思います。しかし、家に帰るまでが外食です! 自宅につくまでは気を抜いてはいけません。

アルコールに強いから大丈夫、という訳のわからない過信はやめましょう。
一汗流せば大丈夫、といってサウナに行くのなら、そのまま宿泊しましょう。汗をかいてもアルコールは抜けません。
ちょっと仮眠をとれば...アルコールが抜ける時間は、予想以上に長いものです。
アルコール飲んでないから大丈夫!やや疑わしいですね。料理酒が入っていなかったと断言できますか?

外食を楽しみ、安全に帰宅するためにも、公共交通機関やタクシーを積極的にご利用になってみてはいかがでしょうか。運転手付きの自動車に乗るなんて、ちょっとしたVIP気分が味わえますし、何より飲酒運転の危険が0になります。運転してないのだから、当然ですね。

ちょっとした気の緩みが、重大事故を引き起こし、あなたと被害者の一生を台無しにし、多くの人々を不幸に陥れます。新法での飲酒運転は、重罪が科せられます。特に免許を取って長い方は、今一度新法について調べてみてください。この記事がそのきっかけになれば幸いです。