「モーガン・プラス8」熟成されたモダンクラシックカー

老舗スポーツカーメーカー「モーガン」が36年もの年月をかけて熟成させたモデルが「モーガン・プラス8」です。現代に通用するスポーツカーの在り方を教えてくれる貴重な一台といえますが、その理由に迫ってみたいと思います。

可能性を秘めていたベース車とは?

「モーガン」というスポーツカーメーカーは、1910年にイギリスで創業した自動車メーカーです。家族経営のため従業員は150名ほどで、スポーツカーの製作におけるスペシャリスト(職人)によって少量生産されています。その「モーガン社」の「モーガン・プラス8」のベースモデルは、1910年に発表した「3ホイーラー」がベースとなっており、このモデルは当初、オートバイ用のV型エンジンが搭載されモータースポーツで優秀な成績を残しています。

プラス8が登場するまでの軌跡

ベースの3ホイーラーをそのまま4輪モデルにカスタマイズされ1936年に「4/4」を発表します。「4/4」になってからは、イギリスフォードの4気筒エンジンを採用しています。その後、1950年にハイパフォーマンス版の「プラス4」が登場しました。このモデルには、イギリス ローバー社製 2L DOHC 直列4気筒エンジンで134PSを発生させるパワーユニットを搭載していました。「モーガン・プラス8」は、伝統的に進化してきた「プラス4」の上級モデルとして開発され、1968年に登場し2004年までで一旦、生産終了しました。そして、2010年に「プラス8」は新たなボディーデザインで復活を遂げました。

NEW「プラス8」

2010年に復活を遂げた「モーガン・プラス8」は、先代「プラス8」と同様にクラシカルなデザインで登場しました。しかし、大きなシルエットの変更がないというものの新しい「モーガン・プラス8」は、最新技術が随所に盛り込まれたモデルだったのです。

恐るべきパワーユニット

長いノーズが印象的な「エアロ8」のボンネットには、BMW社製 4.8L V8エンジンが収まり、最大出力は、372PS/6,300rpm、最大トルク51,2kgm/3,400rpmを発生させるパワーユニットが収められています。トランスミッションは、BMW社製の6速MTを搭載し、駆動方式は、FRとなっています。サスペンションは、フロントに独立懸架スライディング・ピラー/コイル、リアは、半楕円リーフスプリングが装着されています。ブレーキは、APレーシング社製のキャリパーとディスクが装備されています。ホイールは、19インチとなっていて、性能は、0-100km/hの加速スピードが4.5秒、最高速は、250km/h以上となっています。「モーガンプラス8」は、クラシカルなデザインで優雅に走ることも速さを求めてサーキットを走ることも可能なスポーツカーなのです。

拘りのボディ

「モーガン社」といえば、大量生産では決して製作不可能なボディや内装です。一台一台をスペシャリスト(職人)の手によって組み立てられているからです。クラシカルなボディデザインへの拘りが「優雅さ」や「流麗さ」「美しさ」によって表現されるのは、シャシーこそスチールフレームを採用しつつも「ウッド・フレーム」によるボディ製作の結果といえるのです。内装の革張りシートを囲む、ドアパネルやメーターパネルなどクラシックなデザインには、美しい曲線が描かれたインテリアデザインとなっています。アルミニウムのパネルやウッドを使い機能美とデザインを求めた結果、車両重量は、1,100kgと非常に軽量なボディへと仕上がっています。

モーガン・プラス8 主要諸元

エンジン: BMW社製 4.8L V8
最大出力: 372PS/6,300rpm
最大トルク: 51,2kg/3,400rpm
トランスミッション: BMW社製 6速MT
駆動方式: FR
サスペンション:F 独立懸架スライディングピラー/コイル、R 半楕円リーフスプリング
ブレーキ:F ディスク、R ディスク
車両重量: 1100kg
最高速度: 250km/h以上
0-100km/h加速: 4.5秒

モータースポーツ

クラシカルなデザインですし現代のモータースポーツへの参加は、ありえないと思うかもしれませんが、スポーツカーとしてしっかりと2012年シーズンにWEC(世界耐久選手権)、ル・マン24時間耐久レースに参戦しています。また「モーガン・プラス8 GTR」というレーシングカーを制作し、BPRというイギリスの選手権にも参戦しています。

メンテナンス

「モーガン・プラス8」のパワートレインは、BMW社製となってからは故障の心配はなく定期的なメンテナンスのみで走行を楽しむことができます。しかし、ボディはアルミニウム・パネルと一部が木製のフレーム、インテリアには、革製のパーツも多く使用されていますから雨や湿度には注意が必要です。しっかりと雨風を防ぐガレージ保管は必須ですし、汚れやホコリを小まめに除去し手入れをしておく必要があります。

価格は?

「モーガン・プラス8」の価格は、約1,080万円です。2015年に登場した「モーガン・プラス8 スポーツスター」、これは「プラス8」をベースとして、スピードスターデザインにしたモデルで、イギリスにあるマルヴァーン工場というところで生産されはじめて100周年を記念したモデルです。わすか世界限定生産100台という貴重なモデルです。価格は、約1,200万円となっています。

まとめ

「モーガン・プラス8」はモダンでクラシカルなオシャレな外見と内装ですから、長年愛用しシーンに合わせて乗ることのできる車です。時には、優雅にクルージングしたり、時には、サーキットなどで強力なパワーをねじ伏せて走ることも可能なため、いろいろなクルマを乗り継いだ方が行き着くと「モーガン」に辿り着くなどと言われており、海外と言わず日本国内でも注目されつつあるクルマです。これからもクルマやファッションが好きな人を魅了していくことでしょう。