あなたの原付、自賠責保険は期限切れになっていませんか?

車検制度のない原付バイク。知らぬ間に自賠責保険が切れているものも多いようです。そこでもう一度自賠責保険について知っておきましょう。※この記事は2016年1月時点の記事です

自賠責保険とは

強制保険

自賠責保険、正確には自動車損害賠償責任保険です。この保険は自動車損害賠償法により自動車(原付バイク)を使用する際に、すべての運転者に加入が義務ずけられている損害保険です。このように加入が義務ずけられていることから「強制保険」ともいわれています。

自賠責の目的

1955年自動車損害賠障法の施行に伴い開始された対人保険制度で、目的は交通事故が発生した際の被害者の補償です。強制的に自賠責保険に加入させることで被害者請求制度を使って加害者を介さずに賠償金を被害者が直接受け取ることができます。自賠責保険の支払いは、国土交通大臣及び金融庁長官が定めた支払い基準に基づいてなされます。

自賠責は人身事故のみ

自賠責保険は自動車事故により死傷した被害者救済を図ることを目的としているため、物損事故の補償は適応外となります。また、任意保険では被害者に過失があった場合には厳格に過失相殺がおこなわれますが、自賠責では過失相殺はおこなわれません。しかし、被害者に重大な過失があった場合は2割から5割の範囲で減額されます。

自賠責保険金の限度額

自賠責保険では、最低限の補償の確保を目的としているため保険金の上限が決められています。
死亡:3,000万円
後遺障害:75万円~3,000万円(介護を要する重度の障害は4,000万円)
傷害:120万円
いずれの金額も被害者1名につきの金額です。

このように、保険金の限度額は低くなっているので、任意保険に加入して補うのが一般的です。

自賠責保険と任意保険のちがい

自賠責保険と任意保険のちがいについて下にまとめてみました。
【加入】
自賠:法律により車両所有者に義務づけられています。
任意:加入は任意です。
【目的】
自賠:最低限の補償を確保して被害者の保護をします。
任意:自賠責の不足分の補うこと。
【補償内容】
自賠:法律で定められています。  
任意:自分で選択できます。
【賠償範囲】
自賠:対人賠償のみです。
任意:商品により幅広い選択ができます。
【過失相殺】
自賠:基本的にありません。ただし、重過失がある場合は減額されます。
任意:厳格に行われます。

自賠責の加入窓口は?

自賠責保険は、損保保険会社の支店や、クルマやバイクの販売店で取り扱っています。原付バイクについては郵便局で取り扱うところや、一部の保険会社ではインターネットやコンビニで加入できるところもあります。必要な書類は原付の場合、標識交付証明書、現在契約している自賠責保険証明書があればできます。
125cc以下の原付バイクの保険料は以下のとおりです。
12ヵ月 7,280円
24ヵ月 9,870円
36ヵ月 12,410円
48ヵ月 14,890円
60ヵ月 17,330円
長期間入会すると割安になります。

自賠責に未加入で人身事故を起こしたら

車検制度のある自動車は車検を受けるときに自賠責の証明書の提出が必要なので加入漏れはありませんが、原付バイクなどは、満期時の案内がはがきでくる程度ですので知らぬ間に保険切れになっていることも少なくありません。保険が切れていて事故を起こすとどうなるのか知っておきましょう。

罰則により罰せられます

原付バイクを含むすべての自動車は、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険に入ってなければ運転することはできません。未加入のまま人身事故を起こすと、自賠責保険から支払われる賠償金が自己負担となります。たとえ任意保険に加入していたとしても、自賠責の限度額を超えたぶぶんだけの支払いとなります。たとえば被害者が死亡した場合、自賠責より3,000万円が支払われ限度額を超えた部分が任意保険から支払われますが、未加入なら3,000万円は自己負担となります。たとえ事故を起こさなくても自賠責未加入で運転した場合1年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。意外と知らないのが自賠責保険証明書を所持していないだけでも30万円以下の罰金が科せられます。また無保険車の運転は交通違反となり違反点数6点がつき即免許停止処分となるのです。

国から求償されます

加害者が自賠責保険に加入しておらず、国土交通省が加害者や自動車の所有者に代わって被害者に補償を行った場合、国土交通省は、被害者が本来の損害賠償責任者に対して有する損害賠償請求権を代位取得し、損害賠償責任者に対して求償を行います。被害者が国民健康保険や労働者災害補償保険などの各種社会保険を利用した場合には、国土交通省以外の政府機関からもその損害賠償額を求償されることになります。損害賠償責任者が弁済しない場合には、国が損害賠償責任者を相手に、損害賠償請求訴訟をすることになります。その後、裁判所の判決に従い、損害賠償責任者が所持している財産の差し押さえを実施することになります。

事故を起こしたらどうしたらいいの?

もし自分が交通事故を起こしてしまったらと考えたら怖いですよね。しかし、車を運転すれば交通事故というトラブルは常に自分について回ります。きちんとした対処法を確認し、何があっても冷静な対応ができるようにしましょう。

警察への連絡

交通事故を起こしたとき、負傷者がいる場合は真っ先に救護しますが、第一報を警察に入れて下さい。その場合は救急車の必要なども同時に確認されますので状況に応じて手配してください。二次災害を防ぐために車を路肩によせるなどといった配慮も必要ですね。事故を起こした場合は人身事故・物損事故に関わらず必ず警察に報告する義務があります。特に単独事故は報告を怠る人もいますが、警察に届け出を出して「交通事故証明書」を発行してもらわないと修理等の保険金も出ません。警察に連絡する際は、事故の現場の住所、事故の状況、負傷者のあるなし等状況を詳しく伝える必要があります。

相手との対応

交通事故を起こしてしまった場合は、相手の名前と住所、連絡先、勤務先などを聞いておくことです。相手の車の所有者を確認するためにナンバープレートも控えておきましょう。相手が加入している保険会社がどこなのかも聞いておきましょう。免許証番号や車検証も確認しておくといいです。人身事故を起こしてしまった場合、負傷者が出ているなら迷わず救急車を呼ぶことも大切です。治療費等を持ち合わせの現金で負担した場合は、領収書をもらって保管しておきましょう。駐車場や私有地内で事故を起こした場合は、そこの管理者へ連絡しておく事も必要です。

事故の責任

自分が交通事故の加害者になった場合、以下の3つの責任が発生します。

【行政上の責任】
事故を起こした運転者が受ける行政処分は「交通違反」の減点です。道路交通法違反によって点数が加算され、それが一定の基準に達した場合、免許の停止や取消処分を科せられます。
【刑事上の責任】
反則金、罰金などを科せられ、刑事的裁判に問われる処分です。人身事故では「業務上過失致死傷罪」、「危険運転致死傷罪」など。「酒酔い運転」、「酒気帯び運転」なども刑事上の責任が発生します。
【民事上の責任】
人身事故・物損事故に関わらず、自分が起こした事故によって被害者が受けた損害を賠償する義務、「民事上の損害賠償責任」が発生します。

自分が被害者になったときは?

自分が被害者になった場合も同様にまずは警察に連絡し、相手の名前、住所、連絡先、車のナンバープレート、相手が加入している保険会社などを確認しておきます。そして必ず病院に行って医師の診断を受けておいてください。修理費や治療費などの領収書や診断書は保管し、事故証明書と一緒にそろえておいて示談を進めます。ただ物損事故で終わらせた後、何日か経ってから痛みを感じてきた場合には、ただちに病院に行って診断書をもらいます。その後、所轄の警察署へ行って人身事故に切り替えてもらうように申し出てください。

保険会社がしてくれること

保険会社の対応は「自賠責保険」のみの場合と「任意保険」にも加入の場合の2種類があります。

【自賠責保険】
この保険の役割は「人身損害」のみです。例えば運転中に事故を起こし相手に怪我を負わせた場合、相手の治療費は補償されますが、相手の車の修理代や自分の車の修理代、自分の怪我の治療費も補償されません。その上補償限度額も低いので自賠責保険しか入っていないとなると自己負担額はかなりのものになります。自賠責保険のみにしか加入してない場合、保険会社は示談交渉も事故証明の入手も自分でしなければならないので覚えておきましょう。
【任意保険】
入るプランにより補償はちがいますが、いろいろな補償が受けられます。相手への治療費はもちろんの事、相手の車の修理代、自分の車の修理代、自分の治療費も補償されます。限度額も自賠責に比べるとかなり高額です。相手との示談交渉も代行してくれますし、仮に示談で治まらず訴訟等に発展してしまった場合でも弁護士を立ててもらえ、裁判にかかる費用も保険会社が負担してくれます。

知っていれば得する情報

今まで勉強してきて自賠責保険の重要性は理解できましたか?それと同時に任意保険の重要性も感じられたのではないでしょうか?そこで知っていれば得する保険の情報をお教えいたします。まずは自賠責の保険料です。12ヵ月よりも60ヵ月の方がかなり割安になっていましたよね。12ヵ月を5回支払うと7,280円の5回分36,400円、60ヵ月で加入すると17,330円、差額はなんと19,070円ですよ。しかし、ちょっと待ってください。「わたしの原付は古いから5年ももちませんよ」といってるあなた、大丈夫ですよ。自賠責保険はバイクが代わっても車両入れ替えや名義変更が簡単にできるのです。ただし、旧バイクの返納証明車や本人の同意書が必要になります。近くの加入保険会社の窓口ですぐに変更できるんです。仮に2年くらいでバイクに乗らなくなっても保険の未経過分の金額を月割りで還付してもらえます。つまり長い期間入っても損をすることはありません。

つづいて任意保険のお得情報です。加入されている方も多いとは思いますが、新規でバイクの任意保険に加入すると結構な金額になりますよね。そこでご自分か同居されてる家族が加入している自動車保険に追加で入るファミリーバイク特約をおすすめします。自動車保険とほぼ同じ補償を受けることができる特約です。ご家族でバイクが何台もある場合でもどれかの自動車保険に付帯するだけで補償されます。しかも新規で入るよりも安く入れるはずです。自賠責はもちろんですが任意保険も加入することをおすすめします。

まとめ

原付はとっても便利で手軽な乗り物です。ヘルメットを被りキーを挿しスタートボタンを押せばエンジンがかかりアクセルを回せば簡単にどこへでも行けます。しかし、その影にはいろいろな危険も隠れています。小回りがきくがゆえに、狭い車間をすり抜けたり、細い路地を猛スピードで走ったり、渋滞している車の脇を走り抜けたり、一つ間違えば大事故になるような走りをしているバイクをよく目にします。自動車のドライバーからもバイクは軽視されがちで交差点でバイクが直進しているのに車が急に右折して進路を塞いだり、自動車が左折する際、後方から来るバイクを巻き込みそうになったりとかありますよね。バイクは事故をするとかならず怪我をします。原付だから遠くには行かないし、スピード出ないから事故しないしって思ってるあなた。事故や危険はいつどこでやってくるかわかりませんよ。「自賠責が切れているの知らなかった」「だれも連絡してくれなかった」といってももう遅いのです。無保険車が事故を起こしたら地獄しか待っていませんよ。自賠責は被害者救済の最低ラインの補償です。それを補うのが任意保険。そこをよく覚えておいてください。

原付バイクは簡単なおもちゃみたいな乗り物ではありません。公道を走らせ使い方によれば立派な凶器ともなるのです。事故を起こせば自分の人生も相手の人生も変えてしまうことだってあるのです。だからこそ自分の責任において自賠責に入っているか確かめてください。さあ、これから自分のバイクのナンバープレートの自賠責のステッカーを見てみませんか?ついでにシートを上げて自賠責保険の証書も確認してみましょう。そして、タイヤの空気圧、ブレーキの効き具合、灯火類は切れていないか、バイクの点検もたまにはしてみませんか?そして、明日はのんびりと風を感じながら足を延ばして隣町まで走ってみましょう!