魅せるコーナリング!ドリフトのやり方を簡単に説明!

車の走行性能を活かして、故意的にタイヤのグリップ状態を失わせてスリップ状態を作り出しながら走行するのがドリフトです。レースなどにおけるタイムアップ目的かの様に思えますが、実はドリフトは魅せる要素が非常に高い走行方法となっています。スキール音を立てて、白煙を撒き散らしながら走行していくその姿は、車に興味がない人にでも魅力を一瞬で伝えられる競技です。

世界的ブーム!ドリフトとは?

日本でも昔、峠や埠頭などにドリフト族と呼ばれるドリフトを楽しむ方々が多くいました。最近では、法令の整備と取り締まり強化により、公道ではなくサーキットで楽しむ競技となっています。ドリフトとは、自動車の後輪を滑らせるものと思う方が大半だと思いますが、実はそうではないのです。滑らせてはいるもののしっかりとコントロールしているのでタイヤグリップ性能の限界を超えた状態を意図的に作り出しています。自動車に対してきっかけを与えてあげる事で遠心力に逆らいきれずに自然と後輪が頭に出てくる状態を作り出し、アクセルやブレーキとステアリングを駆使して、路面上を滑っている状態を作り出します。この、「滑らせる。」と「滑っている。」状態は紙一重のようですがドリフトにおいて重要な意識の一つになります。
また、ドリフトを行うとタイヤから凄まじい白煙を巻き上げる事が多いので、タイヤの消耗を気にする方が多いかと思いますが、実はドリフトが上達するにつれてタイヤの減り具合は格段に減っていきます。タイヤの消耗が激しい方はアクセル頼みのパワープレイなドリフトを行っているのかもしれません。ドリフトはパワーで無理矢理滑らせるのではなく遠心力で滑らせる事が重要です。
ドリフトはスキール音と白煙が重なって非常に派手な見た目ですが、操作はかなりシビアなものです。体調の良し悪しで調子が変わるほどです。派手なテクニックですので、車が壊れてしまうのではないかと心配してしまう方も多いかと思いますが、ドリフトに慣れてきますと全ての操作をスムーズに行う事が出来るようになります。ドリフトの種類にも様々なやり方がありますので、それぞれの特徴を紹介していきます。

ドリフト人気の火付け役は?

ドリフト文化がサーキットを飛び出して日本に一気に広まったきっかけは、ドリフト漫画「頭文字D」の大ヒットと、長野の峠で腕を磨き上げプロドライバーとなった土屋圭一(ドリキン)の影響が非常に大きいとされています。これらの事によってドリフトが一気に身近な存在になり、FRのスポーツカーが飛ぶように売れ、多くの峠でドリフトを行う車が増えています。深夜の車通りの少ない峠でスキール音を立てながらドリフトを行うのですが、騒音や事故、交通違反から取り締まりが強化されサーキットへとステージを移します。D-1グランプリと呼ばれるドリフト大会も行われており、世界中からドリフトの腕を競うためにドライバーが集まっています。

世界的な映画でもドリフト!

日本が発祥の地とされており、絶大な人気を集めたドリフトですが世界にもドリフトの名は広がり流行っています。世界に発信されるきっかけともなったのが映画「ワイルドスピード X3 TOKYODRIFT」です。劇中では国産車を操って華麗なドリフトが披露され続け見る人を虜にしています。この映画が公開されて海外で日本車、ドリフトブームが巻き起こりました。

ロシアが熱い!

世界中にドリフトの名を広め、多くのファンがいる国がロシアです。ドリフト好きによる小さな集まりから始まり、現在ではロシア全域でドリフト大会が行われるほどになっています。そのドリフト大会に出場いている車の多くが、日本車でシルビア、スープラなどの日本を代表するドリフト車が使用されています。日本車が多く使われ人気を得ている理由はコストパフォーマンスの高さです。年式が古くても壊れにくく頑丈に作られており、存分にスポーツ走行を楽しむことができます。ドリフトは、その迫力からエンターテイメントショーなどでも行われるようになり、誰が見ても楽しい競技として認知されています。

ドリフト向けの車!

ドリフトを行う車に必要とされているのは、パワーのないFF車両でもドリフトを行う事は可能ですが、パワーがしっかりあり、後輪駆動であるFR車の方が格段にやりやすいです。トランスミッションはエンジンのパワー出力を自在に操る事のできるマニュアル車両がおすすめです。この事に合わせてLSDと呼ばれる部品が装着されている車両を選ぶようにしましょう。LSDの役目はタイヤの不必要な空転を防いでくれる部品です。この部品が装着されていると格段にドリフトがしやすくなります。

ドリフトができるといい事ある?

利点

グリップ力の低いタイヤや路面状況でも、スピードを落とす事なくコーナーに進入していく事ができます。また、走行パフォーマンスの一つとして車を操作している感覚が非常に強く、スキール音やタイヤからの白煙など演出が派手に行えるので、操作する楽しみを味わう事ができます。また、車の限界性能を知る事で万が一のスピンなどの際でも慌てずに対処する事ができます。

欠点

ブレーキングを多用するので、グリップ走行よりはタイム的には遅くなります。また、タイヤが滑っている状態を作り出すので磨耗抵抗が低くエンジンのパワーを伝える事が難しいです。コーナーからの立ち上がりは素早くグリップできれば問題ないのですが、基本的には立ち上がり速度が鈍くなってしまいます。

ドリフトの種類とやり方

パワースライド

走行中にアクセルを思いっきり踏み込む事でタイヤを空転させてリアタイヤを滑らせるドリフト方法です。きついコーナーで遠心力が大きくかかっている際にアクセルを踏み込みすぎると荷重に負けてリアタイヤが
滑ってしまうことがあります。この状態を意図的に作り出し、コントロールする事で車を滑らせるのがパワースライドです。

☆パワースライドのやり方を簡単に説明!☆
1.ステアリングを進行方向に入力します。
2.車のパワーを利用して、リアをスライドさせる事でフロントをイン方向に振ります。
3.アクセルを踏み、パワーを出力します。
4.後輪を回転させる事でスリップ状態を故意的に作り出します
5.その状態で加速を行います。

ブレーキングドリフト

その名の通り、ブレーキングを行い荷重移動を利用することでドリフト状態を作り出すテクニックです。細かく説明しますと荷重移動でリアタイヤを滑らせるきっかけを作った時に、アクセルを踏み込むことでドリフト状態に入ります。コーナーの入り口からドリフト姿勢で侵入する事が可能なのでスタイルも良く、最も行われているドリフト方法です。

☆ブレーキングドリフトのやり方を簡単に説明!☆
1.ブレーキを強めにかけ、ロック寸前の状態を作ります。
2.ステアリングを進行方向に入力。
3.リアがスライドし、フロントがイン方向に向きます。
4.その状態でコーナーを抜けていきます。

サイドブレーキドリフト

サイドブレーキを引くことで、強性的にリアタイヤのロック状態を作り出しリアタイヤを滑らせることでドリフト状態を作り出すテクニックです。前輪駆動(FF車 )や四輪駆動(4WD)などのリアタイヤを滑らせることが難しい車などで無理矢理滑らせる為に使われるテクニックです。車の方向を180度転換させる際などに用いられるドリフト方法です。

☆サイドブレーキドリフトのやり方を簡単に説明!☆
1.ステアリングを進行方向に入力。
2.サイドブレーキをかけて強制的にロック状態をつくります。
3.リアのスライドを誘発させます。
4.そのままコーナーを抜けていきます。

四輪ドリフト

通常のドリフト走行ですとリアタイヤを滑らせることが基本ですが、意図的に四輪全てを滑らせるドリフトもあります。コーナーに進入する前からドリフト状態を作り出すことができますが、コントロールが非常に難しく、アンダーステアが出やすく制御不能に陥ってしまうことがあります。

☆四輪ドリフトのやり方を簡単に説明!☆
1.アクセルを踏み込み車のスピードを上げます。
2.ステアリングを進行方向に対して多めに入力。
3.ブレーキをかけスリップ状態を故意的に作り出します。
4.コーナーのイン側でアクセルオン。
5.ドリフト状態になります。

慣性ドリフト

スピードを出してコーナーに進入した際にタイヤがグリップ性能の限界を超えた際に、リアタイヤが自然と滑りだすのを利用します。連続コーナーなどのドリフトが続く場面などの振り返しなどの際に多く使われています。

☆慣性ドリフトのやり方を簡単に説明!☆
1.アクセルを踏み込み車のスピードをあげます。
2.ステアリングを進行方向に入力。
3.アクセルオフする事で荷重を動かします。
4.リアがスライドし、フロントがイン側を向きます。
5.アクセルを踏み込む事でリアが横滑りします。
6.そのまま加速してコーナーを抜けます。

ドリフトの練習!

スタートラインとして

まずは、サーキットでいきなりドリフトを始めるのではなく、グリップ状態でサーキットを走って、シフトダウンなどの基本操作を徹底的に体に叩き込んでください。車を正しく操作でき、ドリフトを行える正しい姿勢を作り出すことをしっかりと理解することが大切です。コース上の正しい走行ラインを読み、完璧なヒールアンドトウとブレーキングをしっかり覚え、スムーズなシフトダウンが出来るようになる事がドリフトをする上での大切な基礎となります。

日々できる練習方法

ドライビングポジションの見直しを行い、ハンドルが一番握りやすい位置にシートポジションを調節しましょう。そして、ついつい街中ではやりがちな片手ハンドルですが極力両手でステアリングを握ってシフト操作はスムーズに行う事を意識します。シフトダウンの際にはヒールアンドトウを意識して行う事で体がドリフト走行のコツを覚えるので、サーキットに足を運んだ際にスムーズにドリフトに挑む事ができます。

いざ!ドリフトしてみましょう!

実際にサーキットに行っても、いきなりドリフト走行をするのではなくグリップ走行をします。初めて足を運ぶサーキットはライン読みの意味も兼ねて必ず1本目はグリップ走行をする事は必須です。この事が後の事故防止に大きく影響してきます。ドリフトの際にミスしてしまい車が派手にクラッシュしてしまうのは、コーナーを曲がる際の基礎がなっていなために引き起こります。しっかりとコーナリングをする基礎を作る事が重要です。
グリップ走行を終えたら、ドリフト走行に挑みます。タイヤを滑らせてドリフト状態に入るのですが、アクセルの開度が非常に重要になってきて開けすぎてしまえばスピンしてしまいますし、閉じすぎてしまいますと単なるコーナリングになってしまいます。吹かすイメージではなく、一定量のアクセル開度を保ち続ける事が重要です。一本目のドリフト走行ですと焦ってドリフト状態を作り出そうとしてしまいますが、綺麗にコーナリングに挑める体制を作り出し、きっかけを与えてドリフト体制に入る順番を忘れてはいけません。


まとめ

公道ドリフトの抱えるリスク

公道でドリフト走行を行った場合は、単独で検挙されてしまった場合は安全運転義務違反となり違反点数2点の罰金9,000円が課せられます。複数台での謙虚の場合は道路交通法第68条が適用され共同危険行為とみなされる場合があります。この場合の罰則は非常に重く2年以下の懲役か50万円以下の罰金刑が課されます。違反点数は25点の一発取り消しとなっています。共同危険行為の場合は同乗している方も処罰対象になりますし、ギャラリーの方も処罰対象になる場合があります。
このように、公道でドリフト走行をする事は非常に危険ですしリスクを伴いますので絶対にやめてください。

魅力たっぷりのドリフト!

ドリフトはサーキットにおけるタイムアップを目的とした走行方法ではなく、最近では魅せるためのパフォーマンスとして位置づけられています。エンターテイメントショーなどでもドリフトが行われる事が多く、車に対する知識が少ない方でも見とれてしまう程の魅力があります。グリップ走行と比較しますと無駄な操作が多いのでタイムロスにつながってしまいますが、タイトなコーナーやオーバーテイクのシーンなどでドリフトをしているシーンを見かける事があります。ドリフト走行を楽しむ場合は、決して公道では行わずにサーキットに車を持ち込んで行うようにしましょう。ロールバーやヘルメットの装着をして万が一のクラッシュに備えて、万全の安全装備でドリフトにチャレンジするようにしましょう。ドリフトは常に事故と隣り合わせのリスクを抱えています。そのスリルもが魅力なのですが怪我をしてしまっては元も子もないです。ルールを守ってドリフトを楽しみましょう!