★ジェットエンジンの仕組み★なぜ車には使えないのか

ライト兄弟が1903年に人類初の飛行を行ってなってから、飛行機は人類にとってなくてはならないものになりました。現在では物流や旅客などで飛行機を直接的にしろ間接的にしろだれでも一度は利用していほどです。しかし、そんな飛行機が現在の姿になるまでに沢山の発明があり、その中でも『ジェットエンジン』の開発は画期的なものでした。そんなジェットエンジンの仕組みと、なぜ車では使われないのかを見ていきましょう。

まず『ジェットエンジン』の定義とは!

『ジェットエンジン』とは、その名前の通り「ジェット(噴流)」を使ったエンジンで、吸気口から取り入れた空気を利用し、「ジェット」の反作用を直接利用する機構を持つものが定義となっています。また、その定義にも色々あり、最も大きな定義としては上述のものが採用されますが、狭義になってきますと、噴流を直接推力にしているものとなっています。なので、噴流を利用してプロペラやファンを回して推進力にするものはそこにあてはまりません。
他にも噴流を直接の推進力として利用するエンジンとしましては、「ロケットエンジン」なども存在しています。しかし、「ロケットエンジン」は空気を取り入れてそれを「ジェット」にしているわけではなく、燃料だけを利用して「ジェット」を生んでいるため、こちらも『ジェットエンジン』には適用しません。
主な用途としては高速で移動するものに使用され飛行機やミサイルなどの推進や発動機に使われることが多く、普段目にすることはあまり多くないかもしれませんが、大型の飛行機や戦闘機などはほぼ『ジェットエンジン』を使用していますので、意識すればすぐに目にかかれるかもしれませんね。
熱機関の分類上の内燃機関や外燃機関にはあてはまらない、独立したシステムとなっていますが、主な『ジェットエンジン』は内燃機関に分類されます。ただ、実用化されてはいませんが、「原子力ジェットエンジン」などは外燃機関となっているので、非常にややこしいのが特徴かもしれませんね!

1.『ジェットエンジン』の歴史

ライト兄弟が1903年に飛行機を作り、それ以降、飛行機の普及はめざましいスピードで進み、物流や旅客、戦争などによって、日々進化していきましたが、1930年頃からその性能が頭打ちになってきました。そこで考えられたのが、当時のレシプロエンジンとプロペラに代わる新しいエンジンの開発で、現在のようなプロペラを持たない飛行機の原型が作られはじめたのです。
新しいエンジンとして採用されたのは、燃料を燃焼させて高温のガスを作り、タービンを回してエネルギーを得る「ガスタービンエンジン」の一種である『ジェットエンジン』で、体積の割りに高出力で冷却水がいらないという利点の為、非常に飛行機に向いていました。開発はかなり難航したようですが、1939年にドイツの「ハインケル He 178」によって実用化され、今の『ジェットエンジン』を用いた飛行機の祖先となっています。
「ガスタービンエンジン」の構想自体は1791年に既に登場していて、1903年には実働していたというので、かなり歴史を持ったエンジンシステムなのですが、実用化にかなり難題が多く、構想から実用まで約150年もの時間がかかりました。途中には複数の亜種のようなエンジンも作られましたが、主流にはならなかったようです。

先人たちの偉大な努力に感謝しないといけませんね!

2.『ジェットエンジン』の種類

一口に『ジェットエンジン』と言っても、そこには仕組みの違いでいくつかの種類があります。世界ではじめて飛行機に使用されたエンジンである「ターボジェットエンジン」、現在の主流となっている「ターボファンエンジン」、レシプロ機のようなプロペラを持つ「ターボプロップエンジン」、ヘリコプターに多く搭載されている「ターボシャフトエンジン」が有名どころではないでしょうか? これらの『ジェットエンジン』はそれぞれに、得意分野があり構造も違っていますので、次のカテゴリから仕組みと特徴、そして、一番気になる「なぜ、車に使わないのか?」をみていきましょう。

「ターボジェットエンジン」の仕組みと特徴

「ターボジェットエンジン」はピュアジェットエンジンとも呼ばれるエンジンで、最も始めに作られ、それ以降の複数の『ジェットエンジン』に対して祖先となったものです。元々「ガスタービンエンジン」の種類の1つとして作られたもので、同時期には同じようなシステムを持つ「パルスジェット」や「モータージェット」などがありますが、その中で最も効率が良かったエンジンの為、主流になっていきました。
仕組みはとても簡単なもので、吸入した空気をコンプレッサーによって圧縮した後、燃料と混ぜ合わせ、爆発燃焼、その爆発でできた排気をそのままエネルギーとして推進に使います。エンジンなので、基本的な動きは車のエンジンと変わりませんが、ピストンやコンロッドなどによってエネルギーを変換する訳ではないので、とても効率的に推進力を得られることができるのです。
しかし、「ターボジェットエンジン」は排気の速度が速すぎ、機体速度よりも若干速い程度が最も効率的な「空力」において、不利となった為、「ターボファンエンジン」や「ターボプロップエンジン」にその座を明け渡すことになり、現在ではあまり見かけることがありませんが、音速以上の速度を出す際には、今後また採用されるかもしれませんね!

「ターボファンエンジン」の仕組みと特徴

「ターボファンエンジン」とは、簡単に説明すると「ターボジェットエンジン」の内部に複数のファンを設置することで、排気流の調節を行い、頻繁に出力を操作する飛行機に特化したものです。特徴としては、吸入した空気をコンプレッサーによって高温にして燃料と混ぜ合わせて燃焼排気する部分と、コンプレッサーを通さず低音のまま排気する部分に分けることで、排気する空気の温度を調整し、最適な推力が得られるというものです。
利点としては燃焼させない空気で、燃焼室を冷却することができるほか、圧縮しない空気を排気することで、「アフターバーナー」とよばれる一度排気した空気をさらに燃焼させるシステムにおいて有利となっています。現在戦闘機はほぼ全てにこのエンジンが搭載されていますので、軍事関係に興味のある方には耳馴染んだエンジンかもしれませんね!
また、燃焼する空気と、燃焼しない空気の量の差を「バイパス比」といい、それによって推進力が変わるので、飛行機の目的用途によって旅客機には「高バイパス」エンジン、戦闘機には「低バイパス」エンジンと使い分けされているのもポイントです! とても応用の利くエンジンなので、現在の主流となっているのも納得できますね!

最も早く「ターボファンエンジン」を実用化したのは、有名な「ロールス・ロイス」で、「ロールス・ロイス コンウェイ」という機体に搭載されました。現在でも世界第2位のエンジンメーカーで、車メーカーの「ロールス・ロイス」とは別会社ですが、元は同じなので兄弟のような関係かもしれません。

「ターボプロップエンジン」の仕組みと特徴

「ターボプロップエンジン」とはその名前がしめす通り、プロペラをもつ『ジェットエンジン』で、一見するとレシプロ機のように見えるのが特徴です。もちろん中身は完全に違いますが、プロペラを回して推力を得るという点では同じなので、違いはエンジン内部のみとなっています。単純に『ジェットエンジン』で得た動力をプロペラを回すのに使っているだけなので、細かい説明は省いてしまいますが、「ターボファンエンジン」にある内部のファンを大型化し外部に取り付けたという認識で構いません。
特徴としては、最適飛行速度である724km/h以下においてとても、効率的に稼動し、低速度が苦手な「ターボファンエンジン」の代わりに小型機や中型機に数多く採用されています。しかし、中には925km/hに達する飛行機に採用されたこともあるので、エンジンとしては非常に優秀なのかもしれませんね!
現在は古くなったレシプロ機の財産的価値を保つために、「ターボプロップエンジン」へ換装することもあるので、意外に目にしていることがあるかもしれませんね! しかし、小型機では現在でもレシプロエンジンが主流なので、中型機辺りが狙い目です!

「ターボシャフトエンジン」の仕組みと特徴

「ターボシャフトエンジン」は、前述したように主にヘリコプターに使用されているエンジンで、レシプロエンジンにとって代わって使用されるようになりました。構造としてはこちらも「ターボジェットエンジン」とほぼ同じ燃焼機関をもっていて、吸入・燃焼・排気と同じシステムで作動します。
「ターボプロップエンジン」とはほぼ同じ構造をしていますが、こちらは排気による推力を使わずに、プロペラの回転力のみを推進力にしているのが特徴で、フリータービンによって安定した推力をえらるのも違いかもしれません。基本的にはプロペラを回して飛ぶことにが違いありませんし、「ターボプロップエンジン」でも、フリータービンを使っている場合もありますので、少しややこしいですね!
レシプロエンジンよりも小型・軽量で安定した高出力を得られるうえに、静穏性にとても優れているのが利点ですが、燃費の面では若干不利になっているようです。しかし、最近は高効率のものが登場しているので、近い将来には全てのヘリコプターが「ターボシャフトエンジン」になるかもしれませんね!

その他の『ジェットエンジン』の仕組みと特徴

代表的な『ジェットエンジン』4つを紹介させて頂きましたが、他にもまだありますので、そちらは簡単な説明だけさせていただきます。
「ガスタービンエンジン」ではないのですが、『ジェットエンジン』として数えられているのが「ラムジェットエンジン」で、吸気口から飛び出したスパイクの前後によって空気を圧縮し、そこに燃料を噴射して推力を得るタイプのエンジンで、とても大きな推力をもっていますが、そのスピードへ到達するまでに外部の推力が必要になることや、マッハ3から5という最適なスピード以外では非常に効率が悪いのが難点となっています。
また、それを改善するために「ターボ・ラムジェットエンジン」という「ターボジェットエンジン」の機構を「ラムジェットエンジン」に搭載したもの、「ラムジェットエンジン」をさらに高速へ特化させた「スクラムジェットエンジン」などもあります。
他にも高速でシャッター開け閉めして、発生させた衝撃派利用する「パルスジェットエンジン」、吸入した空気を原子炉で過熱する「原子力ジェットエンジン」などがあるのですが、どちらも現在では使用されていません。

あまり話題にならないエンジンたちなのですが、将来宇宙開発が進むにつれ、耳にする機会が増えると思いますので、名前だけでも覚えておくといいかもしれませんね!

3.結局車には使えないの?

結論から言いますと、使えるか使えないかで言えば使えます。推力を得るためのエンジンをジェットエンジンにすればいいだけなので、改造は比較的簡単かもしれませんね! 実際に車やバイクへ搭載している方もおられます! 
しかし! 『ジェットエンジン』の最大の利点は高推力ということで、亜音速に近い速度を出すために作られているため、車で普段出すスピードである100km/h以下では、非常に効率が悪くなり、燃費も恐ろしいことになってしまいます。また、騒音などもかなり酷いことになりますので、ご近所さんへの迷惑を考えると現行のエンジンが車にとって最適なのも納得です。ハイブリッド車や電気自動車などと比べればさらに音の差が如実になりますしね。
他にも、『ジェットエンジン』の特徴として高温の排気を背後に出しますので、後続車にとってかなり危険というのもあるかもしれません。振り返ると後続車が溶けていた! てんていうのはかなりの大惨事です。しかし、「ターボプロップエンジン」や「ターボシャフトエンジン」ならそのあたりは大丈夫そうですが、やはり、燃料効率という意味では実用に向かないのかもしれませんね。 

まとめとしては適材適所という言葉がピッタリかもしれません。『ジェットエンジン』は車ではなく、飛行機に用いましょう!

4.ジェットエンジンの仕組みまとめ

『ジェットエンジン』の仕組みと、車への利用のついていかがでしたか? 仕組み自体はそれほど複雑な形をしている訳ではなく、蒸気機関や普段目にするエンジンとはさほど変わりはありませんよね。それだけに、車への利用を少し期待していましたが、残念ながら車への搭載は止めておいたほうがよさそうですね。最近はエコカーブームなので、完全に時代の流れに逆行してしまいますし、事故などのトラブルも多そうです。

それではエンジンを正しく使って安全安心なカーライフを送ってください!