【オペルカリブラ】ツーリングカーレースを制したスペシャリティクーペ

オペルカリブラという車をご存知でしょうか。私にとっては、1990年代にDTM(ドイツツーリングカー選手権)で暴れ回っていた印象が強いのですが、元々はCセグメントのスペシャリティクーペです。DTMでのライバルは、アルファ155V6TIやメルセデスC280などの4ドアセダンで、カリブラのみがクーペボディで参戦していました。厳ついオーバーフェンダーとエアロパーツで武装した姿が最高に格好良かったのです。

オペルカリブラという車

出典:https://de.wikipedia.org/wiki/Opel_Calibra

カリブラのデビューは1989年で、欧州によくあるセダンベースのスペシャリティークーペという位置づけです。
ベースになったのはベクトラで、シャシを含めて基本的なメカニズムはベクトラと同じです。当時は“目がハート”状態でしたので思いもしませんでしたが、今こうして画像を見てみるとベクトラの面影がありますね。
強烈なウェッジシェイプのボディは、Cd値が0.26という空力性能に優れたデザインです。反面、クーペとしては居住性が高く、シートバックを6:4分割可倒式にしたおかげでラゲッジスペースの容量も素晴らしく大きいのです(最大980リッター)。
ドイツ車らしく、スポーツクーペといえども実に高い実用性を持たせた設計になっています。
エンジンは直列4気筒2.0LのSOHC/DOHCで、それぞれのエンジンでFWDとフルタイム4WDが選択できました。
4WDは、ビスカスカップリング式のフルタイム4WDを採用しています。センターデフの直後に電磁式多板クラッチが備えられていて、時速25km/h以上からのブレーキング時にリアへの駆動力を遮断することで、ABSの作動を妨げない設計になっています。
サスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレーリングアーム式です。上級クラスのオメガに採用されているのと同じDSAサスペンションを搭載しています。
日本への導入は1994年からで、エアバッグ(1994年モデルは運転席のみ)とABSが標準装備、オプションでレザーシートとサンルーフが選択できました。

ターボモデルの追加

出典:http://theautoz.com/image-post/683-opel-calibra-turbo-5.jpg.html

1991年のマイナーチェンジで、2.0L DOHCエンジンをベースにドイツのKKK社製ターボチャージャー(インタークーラー式・最大ブースト圧0.7bar)を備え、最大出力204ps/5,600rpm・最大トルク28.5kgm/2,400rpmを発生するエンジンを搭載した“ターボ”がラインナップに加わります。
ドイツゲトラグ社製の6速M/T&4WDという豪華仕様です。
ただし日本では、1994年と1995年の2年間のみの輸入でした。
重量がかさむターボですが、エギゾーストパイプとタービンハウジングを一体化することで、熱効率の向上と軽量化(5.27kg)を同時に達成しています。またタービンハウジングにはウォータージャケットを備え、空冷式オイルクーラーも備えて冷却効率を高めています。

エコテックエンジンの採用

出典:http://www.clubcalibra.com/technical-troubleshooting-servicing/oil-leak-and-high-oil-pressure-reading-calibra-v6-97/

1994年に、170psを発生するエコテック2.5L V6DOHCエンジンが追加されました。
当時としては燃料消費率が格段に良く、公称値は11.10km/L(9.01L/100km)となっています。
また、いち早く“ユーロ2”排出ガス規制をクリアしたエンジンです。

やはりDTMでの活躍が

出典:http://armdgroup.ru/publ/opel_calibra/2-1-0-115

どうですか! このど迫力のシルエット。格好いいですねぇ。これが大好きで、ラジコンも持っていました。
1994年から、DTM(ドイツツーリングカー選手権) に参戦していました。4ドアセダンのモンスターマシンの中でクーペボディが光っていましたね。
自然吸気2.5LV6エンジン(420ps)を搭載しています。チーム運営はヨーストが担当していました。
ケケ・ロズベルグ(現代F-1で活躍しているニコのパパです)やJ.J.レートなど、往年のF-1ドライバーを起用していたことも揺さぶられるものがありましたね。
95年以降のマシンには、F-1のコンストラクターであるウィリアムズも開発に参加しています。戦闘力が格段に上がり、1995年にクラウス・ルートヴィヒのドライブでシリーズ3位、翌年にはマニュエル・ロイターのドライブでシリーズタイトルを獲得しています。

まだ手に入れられる?

最終モデルでも18年経っていますので、中古車を探すのは難しいかもしれませんね。
とりあえず、某中古車サイトを覗いてみましょう。

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1995年式のターボ(4WD)モデルが1台だけありました。
年式の割に走行距離が少なめで、メンテナンスもしっかりされているようです。
内外装ともにきれいそうですね。カセットデッキが泣かせます。
595,000円のプライスは、この車の素性と当時の新車価格(3,430,000円)を思えばなかなかお値打ちな設定ではないでしょうか。

最後に

20年近いメカニック人生を送りましたが、ドイツ車は専門外でしたのでカリブラを体験したことがありません。でも、ベクトラの動力性能+4人乗れる実用性の高いクーペとなれば、その魅力は想像に難くありません。当時のベクトラに乗った時には、“カタログスペック以上の車”という印象でしたので、ターボ4WDやエコテックV6エンジンはどんな走りをするのだろうと考えてしまいますね。
メルセデスvsアルファの構図だったDTMで、ついにシリーズチャンプに輝いた実力は伊達ではないはずです。
機会があれば、是非乗って見たいと思う車です。