スカイラインRSー「史上最強のスカイライン」と呼ばれた謎に迫る!

国産スポーツカーが排ガス規制というパワーダウンを強いられていた暗黒時代から80年代に入り、時代は開発・技術の日進月歩でパワーウォーズ時代が到来しました。その80年代パワーウォーズを牽引したスカイラインは「史上最強のスカイライン」と呼ばれることに。その真相は…?

スポーツカー暗黒時代

1976年(昭和51年)以降、排気ガス規制によって牙を抜かれた国産スポーツカーは、パワーダウンを強いられて到底、200PSなどは考えられない暗黒時代となっていました。「栄光の50勝」を飾った無敵のスカイラインの絶対的な神話も崩れかけていました。オイルショックによって4代目「ケンメリ スカイライン(HGC110)」のGT-Rは「ハコスカGT-R」と同じ、「S20型エンジン」と搭載していたもののケンメリレーシングがサーキットにデビューするのは幻となり、5代目「スカイライン ジャパン(HGC210)」もL200型エンジンにギャレットタービンを装着して「2000ターボGT」と名乗っていましたが、145PSでモータースポーツ界からも遠ざかっていました。

スカイラインRSは、なぜGT-Rではないのか?

スカイラインファンは、スポーティモデルを待ちわび、モータースポーツ改にカムバックしてくるのを待ち焦がれていました。そのような中、「3代目:ハコスカ」から約10年後の1981年8月に6代目「愛のスカイライン」がデビュー。10月には前期型のスポーツモデルの「2000RS」が登場。スカイライン史としては異例の4気筒エンジンを搭載。それゆえ、「RS」と命名されることに。6気筒搭載モデルであれば、「GT-R」と名乗っていてかもしれないが…。スカイラインの中では「異端児」的な存在です。

FJ20型エンジンとは?

搭載されたFJ20E型エンジンは、ハコスカGT-Rに積まれた名機「S20」以来の「DOHCツインカム4バルブで150PS/6,000rpm、18,5kgm/4,800rpmを発生。ベースが商用車のH20型であるためエンジンブロックは強度が高く、500PS以上のフルチューンにも耐えるほどの耐久性を備えていたようです。「RS」レーシングスポーツという名に相応しいポテンシャルを持っていたんです。こうして待望のスポーツモデルの「スカイラインRS」が登場することになりました。

「RS」 主要諸元

スカイライン2000RS
エンジン FJ20型
最高出力 150PS/6,000rpm
最大トルク 18,5kgm/4,800rpm
駆動方式 FR
サスペンション F:ストラット R:セミトレーリングアーム
全長 4,620mm
全幅 1,675mm
全高 1,385mm
ホイールベース 2615mm

「史上最強のスカイライン」

1983年2月、マイナーチェンジでRSは、「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーのもとにFJ20エンジンにターボを追加し190PS/6,400rpm、「RSターボ」となりました。このRSターボの走行性能は、滑らかな加速というよりは、いわゆる「ドッカンターボ」。低速スカスカで急激にブーストがかかるのでコーナー立ち上がりなどでは、すぐにテールがスライドしていました。車体も1,200kg程度でしたから車格のわりには、コーナーの進入も素直でシャープに曲がってくれます。でも峠などはタイトコーナーも多いので乗りずらいクルマでした。乗り手によると思いますが、細かいコーナーが連続してストップ・アンド・ゴーの続く道ならば、今の軽自動車にも置いて行かれる気がします。やはり直線番長。カッコ良くて速い、「史上最強のスカイライン」の登場でした。

「RS-TURBO」 主要諸元

エンジン FJ20ET
最高出力 190PS/6,400rpm
最大トルク 23,0kgm/4,800rpm
駆動方式 FR
サスペンション F:ストラット R:セミトレーリングアーム
全長 4,620mm
全幅 1,675mm
全高 1,385mm
ホイールベース 2,615mm

モータースポーツ界にカムバック

スカイラインが「伝説の名車 ハコスカ」からモータースポーツ界にカムバックすることを熱望していた全国の人たちからスカイラインクラブ(PDC ニッサン プリンス オーナーズクラブ)によってサーキットに姿を現す日がやってきます。1983年5月には、サーキットに「スカイライン スーパーシルエット」としてレース界に姿を現しました。実にハコスカの50勝伝説から10年振りのことでした。ボディは、赤黒ツートーンで大幅に拡大されたエアロを身に纏いインパクト絶大のフォルムです。ブレーキング時にサイドマフラーから炎を上げながらコーナーに進入していくスカイラインは一度目にすると記憶に残るカッコよさがあります。スカイライン スーパーシルエットは、約600PSを発生していたとも言われまさに「史上最強のスカイライン」になってレース界に帰ってきたのでした。

当時のストリートでは…

このスーパーシルエットのカッコよさをマネた街道レーサーがいて、そのレプリカを見て少年だった自分は、スカイラインに魅了されて初めての愛車が後に紹介する「鉄仮面」となりました。今もスーパーシルエットのレプリカは鮮明に覚えてます。ベニヤ板で制作されたスポイラーやフェンダー、赤黒カラーにTOMICAのステッカー。SSRメッシュに引っ張りタイヤでカラー抜きのシャコタン仕様。マフラーもサイド出しでカッコ良かった。でも今考えると「正月仕様」って感じのイジり方でした。爆音で車体の底削って火花散らして走っていたスカイラインが記憶に残っています。「ニューマン・スカイライン」というL型エンジン搭載車もありましたね。L型搭載車の「ニューマン」「GT」は、L28改3.1L仕様にソレ・タコ・ストレートにしてチンスポ・板バネ、オーバーフェンダー仕様でキャブの独特の吸気音を響かせているカスタム車もいました。色は紫メタでマーク1のホイールでドシャコでした。当時仕様では、どう考えても当時も今も公道不可です。

後期型「鉄仮面」の登場

1983年8月、マイナーチェンジで後期型になり、前期型が通称「半魚人」「三本グリル」と呼ばれるのに対して「鉄仮面」と呼ばれるフロントマスクに変化し、伝統の丸テールランプに三本ラインが入っています。
低く構えた鋭い目つきのフロントマスクになりました。インパネは、燃料計やブースト計などがダイヤルがスライドするタイプからメーターの針が回転するベーシックなものになりました。1984年2月になるとインタークーラーが追加されパワーも205PSへと向上。「ターボC」にはフロントスポイラーの左にインタークーラー専用のエア・ダクトが開けられていました。80年代の自動車業界のパワーウォーズを牽引していく存在となっていました。200PSを超えるパワー、直線基調の鋭いデザイン、インパクトのあるフロントマスク、モータースポーツへの復帰、速いスカイラインが戻ってきた6代目。今なお惹きつける魅力を持った車です。

「RS-TURBO-C」 主要諸元

エンジン FJ20ET
最高出力 205PS/6,400rpm
最大トルク 25,0kgm/4,400rpm
駆動方式 FR
サスペンション F:ストラット R:セミトレーリングアーム
全長 4,620mm
全幅 1,675mm
全高 1,385mm
ホイールベース 2,615mm

カスタム

当時仕様のカスタムなら、ターボは、エンジンはブーストアップ仕様が定番。亀有製やTOMEI製の2.1Lキット組み込み、トラスト製の機械式ブーストコントローラーにTD06のタービン交換すれば、現行車にも何とかついて行ける?かもです。柿本マフラーも定番です。NAなら2.1Lボアアップにソレックス44Φ、トラストのタコ足、トラストのデュアルマフラーでした。今では、S15斜流タービン流用やエアフロレスにしてパルサーGTI-RのCPUでコントロールして、あの「ドッカンターボ」のRSターボを全域フラットで扱えるようにカスタムできるようになっています。足廻り、ミッションもR33・R32の足廻り流用でブレーキ強化、ミッションもスコスコ入るようにカスタムできます。ホイールは、定番がやっぱり良いような。8スポークやロンシャン、マーク2、マーク3で深リムかな。前期型は、「オーバーフェンダー」を装着して「引っ張りタイヤ」も似合います。内装は、ナルディステアリング、追加メーター、シートをカスタムくらいです。R30の内装は、絶壁メーターでカクカクインパネで今見てもカッコいいとはお世辞にも言えませんので手を加えたほうがいいです。

まとめ

排ガス規制でパワーが求められていた80年代。スカイラインに期待されていたのは、速さ、強さ、カッコ良さ、モータースポーツ界へのカムバックでした。その期待に応えたのが、「6代目スカイラインRS」シリーズと言えるでしょう。S20エンジン以来のDOHC、4バルブで150PS発生したFJ20エンジンを搭載し、マイナーチェンジ毎にターボ、インタークーラーで武装しパワーを増大させ最終モデルでは、205PSまでパワーを引き上げていきました。ボディも「赤黒・ガンメタ黒」で硬派で強いイメージ、フロントマスクも前期の「三本グリル」、後期の「鉄仮面」とカッコ良いものでした。そしてモータースポーツへの鮮烈なカムバック。「スーパーシルエット」の影響は、当時のクルマ好きに強烈なインパクトを与えました。まさに「史上最強のスカイライン」として80年代のパワーウォーズを牽引していったのです。

スカイライン R30 RS-TURBO 鉄仮面 スーパーシルエット パワーウォーズ ターボ