駆け抜ける喜び!BMWのスポーツカー17選

「Freude am Fahren(駆け抜ける喜び)」を標榜するBMWは、運転が好きなドライバーから長く愛されてきているブランドです。今回はそんなBMWから、選りすぐりのスポーツカーを紹介します。新車7車種、旧モデル10車種をピックアップ、走りを極めたBMWたちをお楽しみください。

BMWの駆け抜ける喜びとは?

BMWはドライバーがドライビングを愉しむために、前後で50:50となっている重量配分をはじめ、さまざまな工夫を凝らしています。そんな中でも、特に走りを極めたスポーツカーの数々は、多くの人からの憧れの対象となっています。

ここではそんなBMWのスポーツカーの数々を紹介します。尚、車名の隣のカッコ書きはBMWのコードナンバーを表しています。

新車で選べるBMWのスポーツカー

ここでは2015年12月現在、日本市場で新車で買えるBMWのスポーツカーを紹介します。

M135i(F20)

コンパクトなハッチバックボディに3.0Lの直列6気筒直噴ターボエンジンを搭載して後輪を駆動するM135iは、小型で速く、BMWのスポーツカーの真髄を楽しめるモデルです。ダウンサイズの波の中でBMWでも伝統の直列6気筒エンジン搭載モデルが少なくなる中、M135iは貴重な存在です。またこのエンジンは名前の通り、BMWの中でも生粋のスポーツモデルを手掛ける子会社、BMW M社によるチューニングが行われており、最高出力は326馬力に達します。その動力性能は、ポルシェ911カレラに比肩するほどです。

M235i(F22)

M235iはBMW 2シリーズのトップグレードです。以前設定された1シリーズのクーペモデルが現在では2シリーズを名乗るようになったもので、1シリーズ同様に後輪駆動ながら、スタイリッシュでどこかクラシカルな雰囲気を持つ2ドアのクーペボディが与えられています。2シリーズでは他に前輪駆動でミニバン形状の2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーの設定があるので、モデルとしてはやや分かりにくいかもしれません。

M235iのエンジンはM135iと基本的に同じものですが、日本仕様のM235iは古典的な3ペダルMTの組み合わせも選べる点がポイントです。MT仕様はAT仕様よりやや軽量なのも魅力です。

M3セダン(F30)

BMWの主軸モデルとも言うべき4ドアセダンの3シリーズ、そのトップスポーツモデルがM3セダンです。M3セダンは、大人4人が乗れる実用性の高さと、スポーツカーとして申し分ない動力性能を両立しているのがポイントです。

搭載されるエンジンは先代の4,0Lの自然吸気V型8気筒エンジンから、3.0Lの直列6気筒直噴ターボエンジンに変更されましたが、その最高出力は先代を上回り、歴代最強の431馬力に達します。変速機は7段のデュアルクラッチトランスミッションが採用されています。

M4クーペ(F32)

元々最初は2ドアからスタートしたM3でしたが、現行3シリーズがセダン/ステーションワゴンの専用グレードとなり、2ドアクーペは偶数の4シリーズに改められたことから、M3のクーペモデルもまた、M4を名乗るようになりました。

パワートレインはM3セダンと共通ですが、クーペボディならではの剛性の高さや、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)パーツの多用で、そのパフォーマンスの高さや運転感覚の良さは、M3セダンを更に上回ると言われています。

M5セダン(F11)

M5セダンは5シリーズのトップグレードのスポーツカーです。5シリーズは戦後のBMWが最初にヒットさせた4ドアセダン、ノイエクラッセの流れを引いていて、3シリーズと並んでラインアップの主軸となるモデルです。

現行のM5は先代の5.0L自然吸気V型10気筒エンジンに代えて、4.4LのV8ターボエンジンが搭載されましたが、最高出力は560馬力へと向上しています。変速機はM3/M4同様に7段のデュアルクラッチトランスミッションが搭載され、スポーツカーとして申し分ない高速な変速が行われますが、一方で4ドアセダンとして大人4人が広々と過ごせる快適さも両立させている点が、大きな魅力です。

M6クーペ / カブリオレ / グランクーペ(F13、F12、F06)

M6はBMW伝統のスペシャリティクーペ、6シリーズのトップグレードのスポーツカーです。パワートレインは先に紹介したM5と共通のものが採用されています。また足回りは通常の6シリーズとは大きく設計が異なっており、ハイパワーをしっかりとパフォーマンスに活かせる設計がなされています。

特徴はボディバリエーションが日本市場でも3種類選択出来ることです。車体の剛性の高さなどを活かしてサーキットでも本気で楽しめるクーペボディに対して、カブリオレでは、どちらかというと優雅なドライビングを楽しむことが出来ます。今回から追加されたグランクーペは、4ドアクーペというニッチを突いたモデルで、なだらかなスタイリングが特徴です。

i8(I12)

BMW iはゼロ・エミッションを掲げてBMWが新たに立ち上げたサブブランドで、i8はその中でトップグレードとなるモデルです。低く横に長い外観はスーパーカー然としていますが、パワートレインは231馬力を発揮する直列3気筒の1.5Lエンジンをミッドシップに、131馬力のモーターをフロントに積み、さらに外部充電も可能な最新鋭のプラグインハイブリッドカーとして登場しました。

またBMW i8は、正式デビュー前に映画「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」でも登場して、世界中から注目を集めました。

中古も注目、BMWのスポーツカー

ここでは既に生産中止されたものの、その成り立ちから今でも注目度が高いスポーツカーを紹介します。

M5セダン(E60)

E60型BMW 5シリーズは、元ピニンファリーナのダビデ・アルカンジェリ(故人)が手掛けたスタイリッシュなボディをまとい、このクラスの覇者だったメルセデス・ベンツEクラスのシェアを大きく奪ったモデルでした。そのデザインは登場から10年以上経った今でも、変わらない魅力を放っています。

E60型のM5は、この5シリーズに、当時BMWが参戦していたF1に使われていたV型10気筒エンジンの技術をフィードバックしたエンジンを搭載していました。最高出力こそ後継のF11型M5に劣りますが、市販車としては非常に希少なV型10気筒エンジンを搭載していることから、これから先も注目される存在であり続けるでしょう。

M3クーペ(E92)

E92型のM3は、当時のBMWの戦略によりV型8気筒エンジンが搭載されていました。同時期のスタンダードモデルの高性能版、335iでは直列6気筒をツインターボで武装させ、徐々にターボ化への歩みを進めていたBMWでしたが、当時はM3では伝統の直列6気筒エンジンを捨ててでも、自然吸気エンジンのスムーズな回転を優先させたと伝えられていました。

クーペボディが4シリーズに移行したこともあり、2ドアボディのM3としては、この世代が最後になりました。

Z8(E52)

2000年から2003年までの短期間販売されたZ8は、オール・アルミニウムのボディを持つオープンカーでした。美しいデザインは後にアストンマーティンに移籍したヘンリック・フィスカーの手によるもので、BMWの歴史的スポーツカーである507のリメイクという位置づけでもありました。

パワートレインは当時発売されていたE39型M5と同じ4.5LのV型8気筒エンジンに6MTを組み合わせていたほか、僅か555台が製造されたBMWのスペシャルチューナーである、アルピナによるロードスターV8では、エンジンをトルク重視に変更し、5ATが組み合わせられました。

ちなみに映画「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」のボンドカーとしても使われたZ8ですが、こちらは実は製品が間に合わず、シボレー・コルベットをベースにしたハリボテだったそうです。劇中ではあまり走り回らず、内蔵ミサイルでヘリコプターを撃墜するものの、大きな刃物で真っ二つにされてしまいました。後にジャッキー・チェンとジェニファー・ラブ・ヒューイットが共演した「タキシード」では、それなりの活躍を見せてくれます。

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850CSi(E31)

BMW 8シリーズは6シリーズ(E24)の後継車として1989年に登場しました。当初、8シリーズでは500馬力超級のモンスタークーペ、M8の発売が予定されていましたが、世界的な景気の減速や環境問題などからM8は見送られ、代わりに380馬力に出力を抑えたマイルドなスポーツカーとして、850CSiを投入します。

当初のM8よりも大分地味になったとはいえ、当時最新鋭のテクノロジーを注ぎ込んだ850CSiはスポーツカーとして第一級の性能を持ち、その最高速度はリミッターを解除すれば300km/hに達します。

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BMW 850CSi 300km/h better quality

M635CSi(M6、E24)

BMWの初代6シリーズは当時、世界一美しいクーペと呼ばれていましたが、そのトップグレードとして設定されていたスポーツカーがM635CSiです。

M635CSiの心臓部には、このあとで紹介するBMWの悲運のスーパーカーであるM1と基本設計を同じくした、M88型直列6気筒エンジンを搭載しています。このエンジンの最高出力は286馬力ですが、スペックだけでは言い表せない極上のフィーリングは、シルキーシックスと評されたBMWの直列6気筒エンジンの極致ともいうべきものです。

北米や日本では排気ガス規制に対応するために触媒付きのややエンジン出力が抑えられた仕様が投入され、こちらはM6と呼ばれました。

Mクーペ(Z3、E36/8)

1900年代、BMWは北米市場を見据えて、またマツダ MX-5(日本名ユーノス ロードスター)に刺激されて、日本では5ナンバーサイズに収まる小型の2シーターオープンカーのZ3ロードスターを投入しました。市販前のZ3は映画「007 ゴールデンアイ」のボンドカーとしても採用され、劇中ではさほど活躍しなかったにも関わらず、そのインパクトの大きさから問い合わせが相次いだと言われています。

また、Z3にはボディバリエーションとして、より剛性を高めた硬派なモデルであるクーペが設定されていました。MクーペはこのZ3クーペに、BMW M社が手掛けた直列6気筒3.2Lエンジンを搭載したモデルで、320馬力以上の高出力を発揮しました。

尚、Z3のベースは3シリーズでしたが、コードネームが示すE36型3シリーズよりも、当時としては既に旧世代だったE30型3シリーズとの共通点が多く、リア・サスペンションも旧世代のセミ・トレーリングアームが使われていました。このような素性からMクーペの性能を発揮させるためにはかなりのドライビングスキルが要求されます。実際に当時長期レポート車として導入していたNAVI誌では、クローズドコースでMクーペを事故廃車させてしまいました。

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Z1(E30)

BMW Z1は1980年代末、新世代のBMWのためのプロトタイプとしての意味合いを持たされて作られたオープンスポーツカーです。Z1で採用された新世代のリア・サスペンションは、今日に至るまで、その後のBMWの設計の原点となっています。

Z1はオープンボディながら、ボディ剛性を保つために非常に高いサイドシルを持ち、そしてそのサイドシルに格納される電動式のドアを持つという、特異なデザインが行われていました。そして、このドアは開けたまま走ることも可能でした。エンジンは2.5Lの直列6気筒エンジンが搭載されていました。

Z1は実はジャッキー・チェンの映画「プロジェクト・イーグル」でも一瞬だけ登場します。

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M3(E30)

初代M3は当時のドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦するためのホモロゲーションモデルとして登場、ライバルのメルセデス・ベンツ 190E 2.3-16と熾烈な戦いを繰り広げました。この素性は以降のM3を含む各Mモデルとは異なっており、現在でもこの世代のM3が高い人気を持つ理由となっています。

エンジンは635CSiやM1で使われたM88エンジンの設計をベースに2気筒を切り落とされた、2.3Lの直列4気筒エンジンが採用されていました。

M1(E26)

BMW M1は悲運のスーパーカーとして知られています。元々はレース参戦を意図して企画、しかしこの手のスーパースポーツの経験に乏しかったBMWは、デザインをイタリアのジウジアーロ率いるイタルデザインに、設計開発はスーパーカーメーカーのランボルギーニと、レーシングカーの開発に手慣れたダラーラに委託します。1977年には最初の試作車が完成したと言われています。

しかしその後生産は遅延、業を煮やしたBMWはランボルギーニ買収に走るも逆に提携が解消するという事態に至り、ようやく1980年にレース参戦のための規定台数400台の製造を終えたものの、1982年のレギュレーション変更により、実際に参戦出来たのは1981年のワンシーズンのみという結果に終わりました。

M1のエンジンは直列6気筒のM88型が採用され、このエンジンをベースにM635CSiや初代M3が誕生したのは前述のとおりです。

507

507は第二次大戦後の混乱期、BMWの自動車会社としての方針が定まらない中で、高級スポーツカーとして製造されたモデルです。しかし高価格が災いして市場には受け入れられず、その生産台数は252台に留まりました。これはライバルと見做されたメルセデス・ベンツ300SLを遥かに下回ります。

エンジンは3.2LのV型8気筒OHVエンジンを搭載、4MTと組み合わせられていましたが、スポーツカーとしては300SLの敵ではありませんでした。経営が傾いたBMWは、当時大株主だったメルセデス・ベンツに、あわや完全に子会社化されてしまいかねないような状態まで追いつめられてしまいますが、その後資本家のクヴァント家が救済して、独立メーカーとしての命脈を保つことが出来ました。

失敗に終わった507でしたが、その美麗なデザインは今でもファンが多く、BMWのスポーツカーの原点とも言うことが出来るでしょう。

まとめ

以上BMWのスポーツカーについてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか?

特にヒストリックなモデルは、掘り下げると色々な逸話が出て来ます。是非この機会に興味を持っていただければと幸いです。