【トヨタ・センチュリー】現行モデルは短命に終わる?日本の超高級車は2017年フルモデルチェンジ予定!

レクサス、ベンツ、BMW、アウディ、ロールスロイス、ベントレーと、日本では世界中の高級車を購入できます。中でも日本人の日本人による日本人のための高級車といえば、やぱりセンチュリーです。一見、オジサンくさい普通のセダンですが、その中身がとんでもない! 2,500ccエンジンを2台くっつけたV型12気筒エンジン、内閣総理大臣も使用するため防弾ガラス搭載仕様もあります。そんなセンチュリーをご紹介します。

トヨタ・センチュリーとは?

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%BC

初代トヨタ・センチュリー(前期型)

日本を代表するプレステージサルーンで、トヨタ自動車が販売する同社の最高級車であり、かつ日本車の最高級車でもあります。現行モデルは匠の職人技を多用し、日本の伝統工芸品を随所にあしらう、手工業による受注生産となっています。これは、センチュリーの品質を高めるだけでなく、職人の技術を若い世代に継承する役目もあります。最高品質の自動車を手作業で生産するため、利益はなく赤字とさえ言われています。原価割れという意味では、非常にお買い得感の高いバーゲンプライスの乗用車です。

そんなセンチュリーを新車で購入する場合、取扱いディーラーであるトヨタ店は、まず購入希望者の職業や収入を審査します。これは日本の最高級車であり、皇族、政治家、官庁で使用されることが多く、センチュリーのイメージを保つため、とされています。購入時にユーザーの審査を行う背景には、初代モデルが暴走族や反社会的団体に使用され、必ずしも良いイメージを保てなかったという事情があるとされています。

エクステリア、インテリアともに「日本の伝統美」を感じさせるもので、重厚感にあふれながら保守的であり、一目でセンチュリーと判別でき、しかも他のどの自動車にも似ていないという独自性があります。それがセンチュリーらしさであり、センチュリーの個性となっています。

車名の由来

センチュリー(century)は「世紀」を意味します。初代センチュリーが誕生した1967年が、トヨタ自動車グループの創始者である豊田佐吉氏の生誕100周年であることに因んで名づけられました。

トヨタ・センチュリーのライバル車

トヨタ・センチュリーが属するのは、いわゆる「Fセグメント」で世界を代表する高級車が軒を並べます。

日産・プレジデント

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3代目日産・プレジデント

日産自動車の最高級乗用車で、1965年から2010年まで生産されました。

レクサス・LS

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4代目レクサス・LS

レクサスの最上級車LSの中でも後席重視のロングボディ仕様がセンチュリーのライバル車となり得ます。

ベントレー

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手前から
コンチネンタルフライングスパー
コンチネンタルGT
アルナージ

セールス面では直接のライバル関係ではないかもしれませんが、センチュリーはロールスロイスやベントレーを目指して開発された車両です。

トヨタ・センチュリーの歴史

先行モデル「クラウンエイト」(1964 - 1967年)

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トヨタ・クラウンエイト

RS40型2代目クラウンの派生モデルとして登場しました。クラウンエイトは日本乗用車初のV型8気筒エンジン搭載車です。1960年代は標準のクラウンが一般ユーザーやハイヤー向けに絶大なシェアを誇っていたのに対し、官公庁の公用車、大企業の役員用車にはアメリカ車が多く使用されていた時代でした。その市場に挑戦するべくトヨタ自動車が開発したのが、クラウンエイトでした。
当時、プリンス自動車のグランド・グロリアが皇室・宮内庁向け公用車として納入されたのに対し、クラウンエイトは当時の内閣総理大臣、佐藤栄作氏の公用車となりました。

初代 VG2#/3#/4#型 (1967年 - 1997年)

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初代センチュリー(後期型)

クラウンエイトの実績を元に開発されました。クラウンエイトが開拓した日本国内の要人向けショーファードリブン用途への本格参入を果たしました。
1967年1月に発表され、その後細かな改良は加えられたものの、基本デザインやエンジニアリングは変更されず、1997年に2代目センチュリーが発表されるまで30年間モデルチェンジなしで生産されました。当時、三菱自動車の初代「デボネア」も1964年から1986年までモデルチェンジなしで生産され続け、ともに「自動車界のシーラカンス」と呼ばれました。
クラウンエイトがあくまでも、クラウン標準モデルの拡大版であったのに対し、センチュリーは全面的に新設計で専用車として開発されました。そのため、従来モデルにはない気品と趣きを感じるデザイン、品質となっています。

現行型センチュリー GZG5#型 (1997年 - )

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2代目センチュリー

1997年にセンチュリーはモデルチェンジを受け、2代目に移行しました。そのデザインは初代モデルを完全に踏襲したものであり、ボディラインが滑らかに感じられ、ボディ全体の曲面に磨きがかかっているものの、遠目には初代モデルとの判別が瞬時にはつけにくい外観となりました。フロントドアに三角窓がないこと、リヤエンブレムが「TOYOTA」ではなく「CENTURY」となっていることくらいしか、外観では特徴的な差がありません。

センチュリーの搭載エンジン・燃費

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2代目センチュリーに搭載されるV型12気筒DOHC 1GZ-FE型エンジン

2代目センチュリーに搭載されるエンジンは、世界でも最高峰のV型12気筒5,000ccの1GZ-FE型エンジンです。スペックは以下の通りです。

型式 1GZ-FE型
種類 V型12気筒 DOHC
内径 81.0mm
行程 80.8mm
総排気量 4,996cc
圧縮比 10.5
最高出力 206kW(280PS)/5,200rpm
最大トルク 460N・m(46.9kgf・m)/4,000rpm
燃料供給装置 EFI(電子制御式燃料噴射装置)
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
タンク容量 95L

燃料消費率 7.6km/L
※JC08モードで計測、国土交通省審査値

センチュリーに搭載される1GZ-FE型エンジンは、直列6気筒2,500ccの1JZ-GE型エンジンを2台、V型にレイアウトして開発されています。出力特性は1JZ型とは異なり、低回転で最高出力、最大トルクともに発生する実用型エンジンです。エンジンのシリンダーレイアウトやシリンダー数からF1エンジンやスポーツモデルのエンジンを連想される方もいらっしゃると思いますが、最高出力を抑え、その分トルクを太らせた出力特性です。そのパワーはセンチュリーの大柄なボディを振動、騒音なしに発進させるほどで、世界最高とも言われるセンチュリーの静粛性の向上に一役買っています。

燃費は7.6km/L。5,000cc車であることを考えれば、まだ低燃費ではないでしょうか? かつて、静粛性と振動のなさではV型12気筒エンジンに匹敵するとされたマツダ自動車が製造した3ローターエンジン「20B」は、スポーツクーペである「ユーノス・コスモ」用のターボエンジンだったこともあるでしょうが、公道上では3km/Lと言われていました。センチュリーの燃費は、このクラスでは実用に耐える燃費ではないでしょうか?

センチュリーのカタログモデル・新車価格

2代目センチュリーの後席
Photo by yino19700

センチュリーはモノグレードで、グレード名は「センチュリー」のみです。駆動方式はFR、トランスミッションにフロアシフト、またはコラムシフトを選択でき、どちらも6速ATの「6 Super RCT」です。乗車定員は5名です。その価格は、北海道地区で「12,576,086円」、その他の国内地域で「12,538,286円」です。(ともに税込み価格)
レクサス・LSには1,500万円もの値付けがされているグレードもありますが、センチュリーの価格で驚愕するべき点は、機械で生産されているレクサス・LSに対し、センチュリーは匠の職人の手工業で生産されている点です。ほぼ完全マニュファクチュアリングのV型12気筒5,000ccのセダンが1,200万円ちょっとで販売されていることが驚きなのです。もちろん、トヨタ自動車は原価割れの大赤字です。

センチュリーのエピソード

故障したときの修理費はいくら?

トヨタの自動車は故障も少なく耐久性も高い、と評判ではあるものの、初代センチュリーは1960年代の基本設計ですから、現代基準の信頼性を求めるのは酷というものです。中古車で初代モデルを入手し故障した場合、果たして修理費はいくらぐらいになるのか調べてみました。

ヒーター用に水を循環させる電動ポンプの修理費、約30万円
リアのエアサスペンションの修理費、約20~60万円

トヨタの最高級車だけに、部品は特別、構造も特別なため工賃も特別、と高価な要因が多くあります。初代モデル後期の4,000ccエンジンは耐久性が高く30~50万kmは走行可能ですが、その他の部品の耐久性は普通なようです。もし本体価格がお手頃でも、その後の維持費を考えると、やはり庶民には手の届かない車のようですね。

2代目宮内庁御料車「センチュリーロイヤル」

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センチュリーロイヤル

1967年から御料車として使用されてきた「プリンスロイヤル」が老朽化してきたため、新たにセンチュリーをベース車に開発された「ロイヤルセンチュリー」が導入されました。納入台数は4台で、その内訳は天皇陛下・皇后様用の標準車が1台、国賓接遇用の特装車が2台、霊柩車用に1台です。

ベース車のセンチュリーとの違いは下記の通りです。

●ボディの大型化でリムジン仕様になったこと
センチュリーの寸法は

全長 5,270mm
全幅 1,890mm
全高 1,470mm
ホイールベース 3,025mm

です。それに対し、センチュリーロイヤルの寸法は

全長 6,155mm
全幅 2,050mm
全高 1,780mm
ホイールベース 不明

ホイールベースは「プリンスロイヤル」が3,280mmであったことから、同等もしくはそれ以上と思われます。

●乗車定員が5名から8名に変更されたこと
前席3名、補助シート2名、後部座席3名とのことですが、詳細は不明です。

●防弾ガラス標準採用
どのくらいの衝撃に耐えうる防弾ガラスなのかは不明です。さらに噂では、装甲車並みのボディと2系統の電気回路、さらに秘密のセキュリティと数々のテロ対策が行われているようです。

●前後席でシート表皮が異なる
前席に革張りシート、後席に毛織物(一説では西陣織とのこと)が採用されています。これは中世のイギリスの馬車の様式に倣っているとのこと。馬車の運転手である御者は馬具として革製品を使用し、要人は車の中で生地張りのソファに座っていた伝統を踏襲しています。
なお、ベース車となったセンチュリーでは前後席でシート表皮を変更することはできません。

●後部席回りの変更
天皇陛下・皇后様が乗降しやすいよう観音扉に変更されています。また、国民がそのお顔をよく拝見できるよう、後部座席回りの窓は、枠を狭くしてガラス面積を多くとっています。後部ガラスも広くするため、新設されたDピラーは垂直に近い角度としています。これは後部座席のヘッドクリアランスの確保や乗降のしやすさにも寄与しています。

●内装材の変更
天井に和紙、乗降ステップに御影石が使用されています。

次期新型モデルの登場はいつ?

2015年東京モーターショーに出品された「LF-FC」。次期センチュリーにも影響を与えるのか?
Photo by yino19700

センチュリーのモデルライフは基本的に長寿です。初代モデルは30年でした。現行モデルは1997年にモデルチェンジしたので、19年経ちました。もう10年は製造するのか、と思いきや、意外と(?)現行モデルは短命なようで、2017年には新型センチュリーへのモデルチェンジが予定されています。
たった20年(?)でモデルチェンジされる現行型の最大の欠点は燃費です。7.6km/Lの燃費はこのクラスとしては立派ですが、社会や環境が許してくれる数値ではなくなりました。市民団体からの燃料消費率の低い車を公用車に採用していることへの批判や、政府が先導して環境問題に取り組んでいる昨今、安倍首相も世間を気にしてか、センチュリーとレクサス・LS600hLを併用しています。そこで中部経済新聞によれば、トヨタ自動車創業者の豊田佐吉氏の生誕150周年に合わせて3代目にモデルチェンジし、レクサス・LS600hのパワートレーンを使用し、ハイブリッド化するのでは、と推測されています。
フルモデルチェンジしても、センチュリーのスタイリングは継承されるようですので、センチュリーファンは、まずは一安心ですね。

トヨタ 20年ぶり「センチュリー」全面改良へ

センチュリーの中古車情報

トヨタの中古車サイト「U-Cars」に2015年12月末現在で掲載されているセンチュリーは現行型が3台です。公用車として導入されていることが多い車種ですので、一般の中古車としては流通せず、ヤフーオークションに出品されているのかもしれません。とにかく中古車屋さんで見かけたら要チェックです。価格も500万円円以下で購入でき、新車価格の半額以下とバーゲンセール! お買い得です! ただし、トヨタの最高級車で多車種と部品を共用しない専用車ですので故障した場合の出費は覚悟が必要です。

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まとめ

Photo by yino19700

現行型センチュリーは、登場から20年近く経過します。DVDプレイヤーや専用ウォークマンなど装備品にやや古さを感じるものはありますが、自動車として見ると、まるで古さを感じません。それは滅多に街中で見かけることがないため鮮度が長持ちしているのか? それとも一目でセンチュリーとわかるスタイリングが時間を超越しているからなのか?
ロングノーズ、ロングリヤデッキ、水平基調のスタイルは古典的ですが、古典は昔から現代まで伝えられている普遍的な良いものであり、決して古めかしいということではありません。センチュリーは日本の超高級車の古典として、その時代時代に合わせアップデートしながら、これからも生産されていきます。