【ポルシェケイマンの魅力に迫る】ミッドシップクーペボディが生み出す軽快な走り

ポルシェと言えばRR(リアエンジンリア駆動)の911ですが、ミッドシップにエンジンを搭載するケイマンは911以上にスポーツ走行に適したモデルです。発売当初はポルシェの入門的な存在でしたが、今ではケイマンならではでしか味わえない走りに魅力を感じているファンも多くいます。そんなポルシェケイマンの魅力に迫ります。

ケイマンの登場(2005年11月)

出典:http://kurumadouraku.co.jp/13044_57365.html

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ボクスターのクーペとしてケイマンが発売

2005年11月に発売開始されたケイマン。987型のボクスターのクーペバージョンとして発売開始しました。ケイマンの名前の由来は、カイマンと呼ばれる南米を中心に生息するワニ目アリゲーター科の一種族から取られたと言われています。
発売当初は、「ケイマンS」の設定のみとなっており、ボクスターの3.2リッターエンジンのボア径を3mm拡大した3.4リッターのエンジンを積んでいました。2006年5月には2.7リッターエンジンを搭載するベースグレードの「ケイマン」が設定されました。

ポルシェの中でケイマンの位置づけ

ケイマンは発売当初から2015年の今まで、ポルシェの中で明確にその位置づけが決められてきました。
それは、911→ケイマン→ボクスターという序列。これはサーキットでのタイムがこの序列になるということです。ミッドシップにエンジンを搭載するケイマンは、リアオーバーハングに重量物がないことから、911よりか運動性能としては良くなるはずです。
実際、リアオーバーハングから重量物が消えたことでヨー慣性モーメントは格段に良くなっていました
。ポルシェの技術を持ってすれば911よりかサーキットラップタイムで速いクルマを造れたはずです。
ただ、911を上位に位置付けるポルシェとしては、ケイマンを911よりか速くしてはいけなく、そのためにある意味デチューンを施したのです。
サスペンション設計は、911より意図的に格下げされたボクスターのままとなりました。そして、リアのねじり剛性が弱くなるハッチ式のリアゲートを採用。911よりもリアの剛性を落としているのです。また、LSDも非採用とされました。これによってトラクション性能を911より劣らせて、サーキットでのラップタイムを911よりか遅くしているのです。
ポルシェとしては、ケイマンはあくまでファンカーであり、911の弟分という位置づけにしたかったのです。
こうすることで、ポルシェのメイン車種である911への販売台数に影響しないように調整したのです。ケイマンが911と同じ思想で造られたとすると、とてもワクワクするクルマになりそうですが、911の販売車種ラインナップからしても、これを超えるような設計をすることは自らの首を絞めるようなもの。
だがしかし、そのように調整しつつもケイマンを操る楽しさを残している点は、さすが世界のメーカーがスポーツカーのベンチマークとするポルシェだなという感じです。

初代(987c)ケイマンのスペック

ケイマンに搭載されたエンジン

出典:http://cayman01.exblog.jp/6508406/

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「ケイマンS」に搭載されたエンジンは、「ボクスターS」のエンジンからボア径を3mm拡大し96mmとし、78mmのストロークはそのままに、排気量3386ccとなりました。圧縮比はボクスターSが11.0:1に対して11.1:1に微増。最高出力は295PS/6250rpm、最大トルクは34.7kgm/4400~6600rpmとなりました。
「ボクスターS」の最高出力は280PS/6200rpm、最大トルク32.6kgm/4700~6000rpmでしたので、出力、トルクともに向上しました。ただし、最高エンジン回転数は「ボクスターS」が7500rpmであったのに対して、「ケイマンS」は7200rpmと少し下がりました。

2006年に登場したベースグレードの「ケイマン」に搭載されたエンジンは、「ボクスター」と同じく2687ccの排気量を持つ水平対抗6気筒エンジンです。ボア径も一緒ながら、エンジン出力はボクスターの方が5PS上がって245PS/6500rpmとなっていました。最大トルクは、「ケイマン」が27.8kgm/4200~6000rpmと「ボクスター」と比較して0.3kgm向上しています。

ケイマンに搭載されたミッション

出典:http://bluebottle.jp/2011/09/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7-%E3%83%9C%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-%EF%BD%93-987-%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/

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「ケイマンS」に搭載されたミッションは、アイシン製の6速MTと、5速ティプトロニックSが用意されました。基本的には「ボクスターS」のミッションと同じ設計となりますが、6速MTは1速と2速のギア比がローギアード化されました。「ボクスターS」の1速ギア比3.67に対して「ケイマンS」は3.31。2速は「ボクスターS」が2.05に対して「ケイマンS」は1.95となっています。
ティプトロニックSはステアリングにあるボタンを操作することにより、マニュアルでシフトアップ/ダウンさせることも可能でした。ティプトロニックはファイナルギア比が「ボクスターS」と比較してローギアード化されていました。「ボクスターS」が3.91に対して「ケイマンS」は4.38。
これらによって、「ケイマンS」の方が加速性能に優れる設定となっていました。

引き締められたケイマンのシャシー

出典:http://www.bilstein.co.jp/en/workbox/seibi_bil.cgi?seibi_id=10455

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シャシーの構造は基本的にボクスターと一緒となっていました。ただし、クーペボディとなったケイマンはボクスターよりか各段にボディ剛性が上がっていました。曲げ剛性でボクスター比約2倍。ねじり剛性では911(997型)よりか僅か5%劣る程度なっていました。それに合わせてケイマンはボクスターよりか引き締められたサスペンションが与えられました。
また、ボクスター同様にオプションでPASM電制可変減衰力ダンパーが装着でき、こちらの設定もボクスターよりか引き締められていました。

広く取られたラゲッジスペース

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/bluebottle_blog/6063424.html

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ミッドシップのクーペボディのケイマンは、ラゲッジスペースが広く取られています。緩やかな角度でラインを描くクーペデザインのルーフによって、ゆとりある室内空間をもたらしています。
ボクスターでは幌が収納されるエンジン上部のスペースがラゲッジスペースとなり、トランクと合わせて260Lのラゲッジコンパートメントとなっています。そして、ボンネット下には150Lのラゲッジスペースがあります。
大人2人が数泊の旅行に行く分には十分なスペースが確保されています。ゴルフバッグもトランクスペースに収納ができます。この点は911にはない魅力ですね。

初代(987c)ケイマン 特別モデル

世界限定777台 ケイマンSポルシェデザインエディション1(2007年8月)

出典:http://www.jaia-jp.org/html/guide/attractive/motor_show_2007/PO.html

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「ケイマンS」の限定モデルとして、2007年8月に全世界777台限定(日本国内は15台)で発売されたのが「ケイマンSポルシェデザインエディション1」です。価格は953万円。「ティプトロニックS」のみの設定となっていました。
ケイマンSポルシェデザインエディション1は、35年前にポルシェデザインが製作した腕時計「クロノグラフ1」をデザインモチーフとしたものだそうです。ボディカラーはブラックにシルバーのセンターストライプが2本。インテリアはセンターコンソールとダッシュボード、ドアトリムも黒くペイントされ、ステアリング ホイールとシフトレバー、サイドブレーキのグリップなどには黒いアルカンターラ(スェード調の合成皮革)で覆われていました。
インスツルメントダイヤルもクロノグラフを手本にリファインされました。
メカニカルとしては、オプション設定であったPASMが標準装備となり、車高はノーマルの「ケイマンS」と比較して10mmダウン。これに組み合わせられるホイールは19インチの911ターボホイール。タイヤはフロントが235/35ZR19、リアが265/35ZR19となり、走りの方でも魅力的な仕様となっていました。
このモデルを購入した方には、ブリーフケースと「フラットシックス」クロノグラフ、ポケットナイフと2つのサングラス、ペンとキーリングが付属していました。これらはナイフの刃も含めて、すべてがクルマと同じブラックでコーディネイト。グローブボックスのふたにはシリアルナンバーも刻印されるなど、特別感の演出にもこだわった限定モデルとなっていました。

世界限定700台の特別仕様車 ケイマンSスポーツ(2008年8月)

出典:http://navi.carsensorlab.net/news/14_7776/

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2008年8月に受注開始された、ケイマンSスポーツ。華やかなカラーリングを特徴とし、標準色に911 GT3のボディカラーでもあるオレンジとグリーンを採用しました。ボディのサイドは、GT3のようにモデル名である「CaymanS」をデザインしたロゴが施されました。
また、オプションカラーとして、ブラック、レッド、イエロー、ホワイト、シルバーメタリックが設定されました。
インテリアは、911GT3同様にブラックのトリム、ドアミラー、エアインテークグリルを採用するなど、911GT3を彷彿とする仕様となっていました。
エンジンはケイマンSをベースとしており、最高出力が8PS向上して303PSとなり、サスペンションはPASMが標準装着。車高も10mmダウンとなっていました。これに19インチスポーツデザインホイールが装着されていました。
同時期に、ポルシェデザインエディション2も発売されており、そちらの仕様はデザイン1とは違いホワイトを基調としたデザインとなり、エンジンやサスペンションの仕様はスポーツSと同様のチューニングが施されていました。
日本にはそれぞれ10台が導入され、日本仕様のみ室内センサー付きアラームシステムとレッドテールライトが特別に装備されていました。
価格は、ボクスターS ポルシェデザインエディション2が1,056万円、ケイマンSスポーツが994万円。両モデルとも、トランスミッションは5速ティプトロニックSのみとなり、ステアリングは左右で用意されていました。

出典:http://news.mynavi.jp/news/2008/08/05/039/

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987c型ケイマン、ビッグマイナーチェンジ(2008年11月)

2005年の発売開始から3年、2008年11月のLAモーターショーにてマイナーチェンジが発表され、日本では同年12月から発売が開始されました。主にパワートレイン系の改良とエクステリアの意匠変更となりました。
エンジンに関しては「ケイマン」・「ケイマンS」ともに刷新され、「ケイマン」は排気量はこれまでの2.7リッターから2.9リッターにアップ。これによって最高出力は245PSから265PSに向上。「ケイマンS」は3.4リッターのまま直噴化を行い、295PSから320PSに向上しました。
ミッションは911シリーズには先行して搭載されていた7速PDK(ポルシェ ドッペルクップルング)を全車に設定。加速性能や燃費が向上しました。また、このマイナーチェンジから「ケイマン」も6速MTとなりました。
エクステリアでは、前後のフロントバンパー及びヘッドライトが変更され、エアインテーク部のフォグとポジションランプはLED化。リアコンビランプもLED内蔵の新デザインに変更されました。

987c型ケイマン最強モデル、ケイマンRの登場(2010年12月)

出典:http://blog.goo.ne.jp/fmdwtip03101b/e/6cbab03bdf64285b36581b38031ceabd

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初代ケイマンの中でも最強のモデルがこの「ケイマンR」。「ケイマンS」をベースに、軽量なスポーツシートの採用やアルミドアの採用などで、合計55kgもの軽量化を実現しました。レスオプションとしてエアコンを取り払うことも出来たそうです。車両重量は1295kgに抑えられました。
エンジンは、ケイマンS同様の3.4リッターですが、最大出力を10PSアップし、330PSとなっていました。0-100km/h加速は6速MTが5秒、7速PDKが4.9秒。オプションのスポーツクロノパッケージ装着で 4.7秒の実力となっていました。最高速は6速MTが282km/h、7速PDKが280km/h。
エクステリアで印象的なのが固定式リアスポイラー。ケイマンSには時速120kmを超えると自動でリアスポイラーが出てくる仕様でしたが、ケイマンRはこの電動装備を排除して固定式としました。そして、シルバー塗装のアルミホイール、ブラックフレームのヘッドライト、ブラックのドアミラーなどを装備し、ボディサイドには、ボディカラーによってブラックまたはシルバーの 「PORSCHE」デカールが添えられました。
発売当初、ケイマンは明らかに911とは別の路線で考えられてきましたが、911と同様にサーキット走行での性能を引き上げたモデルを設定してきました。この点からも、ポルシェとしてはミッドシップのケイマンも911に並ぶくらいの性能を持たせたいと考える動きが見て取れます。

2代目(981型)ケイマンの登場(2012年11月)

出典:http://runaway.bz/articles/2014/06/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7-porsche-981-%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%B3-cayman-hre-ff01-20%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81%E8%A3%85%E7%9D%80.php

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2012年11月にロサンゼルスモーターショーにて公開された2代目981ケイマン。日本国内では同年12月から予約受付を開始。911が997から991へと変更され、それに伴いボクスターも987から981へモデルチェンジ、それから遅れること約半年でケイマンが発売されました。
先代のケイマン同様に、ボクスターとそのほとんどの部品を共通化しています。新型ボクスターの特徴としてはアルミニウム素材をフレームに活用した軽量なボディ。シャシーの47%がアルミニウムとなり、センターフロアにはマグネシウム合金が使われていました。ケイマンも基本的にはこれと同様のシャシーとなり、これにルーフを装着している状態です。
ケイマンのルーフ骨格には、ボロンスチールとマルチフェーズスチールを使うなど、軽量な素材を使いながらも強度を保っています。
エンジン出力は、ベースグレードの「ケイマン」で278PS。「ケイマンS」で329PSとなりました。987型ケイマン(後期型)と比較すると、それぞれ10PSほどアップしています。

981型ケイマンに搭載されたエンジン

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搭載されたエンジンは、「ケイマン」が最高出力275ps/7,400rpm、最大トルク29.6kgm/4,500rpm~6,500rpmを発揮する2.7リッターエンジン。先代よりも200ccのダウンサイジングを図っている。そして、「ケイマンS」に搭載されたのが、3.4Lで最高出力325ps/7,400rpm、最大トルク37.7kgm/4,500rpm~5,800rpmを発揮するエンジン。
それぞれボクスターの各モデルよりも10ps/1kgm上回るスペックとなっていました。先代との比較では、ケイマンが最高出力が10ps増加しトルクが1kgm減少、ケイマンSが最高出力が5ps増加し最大トルクは同一の数値となっていました。
ボクスターとの出力の違いは、エンジンのセッティング変更によるものが大きく、その基本設計は同一となるようです。ケイマンの方がエンジン回転の伸びがよりシャープな印象です。
また、オプションで装着できたのがスポーツエグゾーストシステム。1本出しセンターマフラーとなり、より高音質で軽快なエンジンフィールへと変わります。後に設定されたケイマンGTSにはこのマフラーが標準装備となりました。

軽量、高剛性の新型ボディ

出典:http://blog.goo.ne.jp/thedatleas/e/f071919305b6dfacb6dbbe75eeb549b1

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新型ケイマンは、ボディの骨格のほとんどをアルミニウムを使用しており、その構成比は44%にも及んでいます。ルーフの骨格には高強度のボロンスチールとマルチフェーズスチールを使うなど、ハイブリッドシャシーとなっていました。これらの素材により、塗装前のフレーム重量は先代よりか約103ポンド(約46.72kg)も軽くなっていました。
ねじり剛性は40%向上し、ボクスターの約2倍のねじり剛性となり、911よりも高いということです。このように高められたボディ剛性を持ちながらも、軽量なアルミニウム素材を使うことで、その車両重量は先代比(後期型)で30kgを実現していました。
そして、ボディサイズは先代よりか拡大されています。全長4,380mm、全幅1,801mm、全高1,294mmとなっていました。先代は全長4,340mm、全幅1,800mm、全高1,305
mmとなっていましたので、若干ですが全長が長くなり、全高が低くなっていました。
一方、ホイールベースが60mm延長され2,475mmとなり、タイヤ前後のオーバーハングが短くなった事が現行型の特徴となります。

アイドリングストップ機能搭載

出典:http://wonderdriving.com/archives/2014/03/cayman2.html

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トランスミッションは先代の後期型と同様に6速MTと7速PDKが用意されました。997型の911には7速MTが用意されていましたが、911との明確な差別化をすることと、軽量なボディを目指すケイマンにとっては7速MTは重量増となるため避けたのでしょう。
そして、ケイマン初となるアイドリングストップ機能が搭載されたのもこのモデルの特徴。PDK搭載車には、巡航時などの空走時にクラッチを切ってエンジンをアイドリング状態にする、コースティング機能が備わっています。
軽量なボディとこれらの先進技術により、6速MTは8.8ℓ/100km。PDKは8.0ℓ/100kmを実現しています。

スポーツ走行を楽しむなら、PCCBとスポーツクロノPKGは必須

出典:http://intensity.exblog.jp/18776002/

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オプションのスポーツクロノパッケージ。装着すると室内のダッシュボード中央に時計が装着されるので、視覚的に装着していることがわかるパッケージです。ただ、スポーツクロノパッケージの本質はこの時計ではありません。
これを装着すると、視覚的にはメーター内にGセンサー表示されます。そして、ダイナミックトランスミッション・マウントやスポーツプラス・スイッチが付加されます。PDKとセットの場合はローンチ・コントロールが付加されます。さらにオプションのPASMとの同時装着の場合、減衰力の制御もスポーツクロノパッケージ向けに用意されます。
これらの設定は、すべてスポーツ走行を考えてのこと。スポーツプラススイッチによってミッションマウントが路面状況に応じて最適な硬さを実現。PASMとの同時装着の場合は、スポーツ走行向けのセッティングに変更され、シャキッとした走りを実現します。
そして、PCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキ)。なんとオプション価格約130万円。カーボンファイバーのブレーキローターに黄色の大型キャリパーが装着され、低温から高温まで一定の制動力を発揮してくれます。
また、サーキット走行を頻繁に行いたい方でしたら、PTV(ポルシェ・トルク・ベクトリング)の装着をおすすめします。これは後輪左右のトルク配分を調整し、より回頭性を良くし、トラクション性能を向上させるLSDが装着されます。

981ケイマンに追加された911をも凌駕するモデル

ケイマンGTSの発売(2014年3月)

出典:http://www.j-sd.net/porsche-10/

j-sd.net

日本での受注予約開始は2014年の4月から開始されたケイマンGTS。「ケイマンS」をベースにエンジン出力が向上。発売当初、ケイマン史上最強のモデルでした。最高出力は、「ケイマンS」から15PSアップして340PS。987型のケイマンRよりか出力を高めたモデルとなりました。
そして、専用装備として20インチホイール、専用チューンが施されているPASM、スポーツクロノパッケージ、スポーツシートプラス、キセノンコーナリングライト、スポーツエグゾースト、専用バンパー、新デザインのリア・スポイラー、専用デザインのステアリングが装備されました。
ケイマンRでは、サーキット走行を主眼に置いて徹底した軽量化(主に室内装備)が図られて、日常ユースはあまり意識しないような仕様となっていましたが、このケイマンGTSは日常ユースの装備品は一切排除することなく、専用パーツにてチューンナップされています。
これらの装備が標準で装着して、車両価格は標準モデルから122万円高の965万円。装備品を考えるとケイマンGTSはかなりお買い得です。911やカイエン、パナメーラでもGTSの設定はありますが、どのモデルもベースモデルでは高価なオプションが標準装備され、専用装備も装着してお買い得な値段に設定しています。
このことからも、新型車を販売して数年後のタイミングで、カンフル剤として投入する最近のポルシェの販売戦略なのだと思います。

遂に911を超えた。ケイマンGT4の発売(2015年7月)

【Photo by 筆者】

ついにこの日がやってきました。ケイマンが911を超える日。ミッドシップエンジン搭載のケイマンは、リヤエンジンの911よりかリヤオーバーハングの重量物がないため、本質的にはサーキットラップタイムは速いクルマです。
ただ、911→ケイマン→ボクスターという序列を崩すことなく、ポルシェの絶妙なセッティングによってこの差をこれまでは出してきていました。そのポルシェもついに、サーキットラップタイムで911よりか速い「ケイマンGT4」を発売したのです。
991の911カレラSのニュルブルクリンクサーキットラップタイムは7分40秒。ケイマンGT4も同タイムということで、911カレラのタイムはもちろんカレラSを下回ります。
さて、そんなケイマンGT4ですが、その部品の多くを911と共通化しています。まず搭載されたエンジンは、「911カレラ S」が搭載する水平対向6気筒3.8リッターエンジンを搭載。911とは排気レイアウトの関係でエンジンの向きがことなり、911カレラSの最高出力は420PSだが、ケイマンGT4は385PS/7,400rpmとなっています。0-100km/h加速4.4秒、最高速295km/hを実現しています。
ポルシェとしては、ケイマンの位置づけは変わらず911よりか下としているため、エンジン出力を911カレラSよりか落とし、最高速度も落としてきました。
ポルシェとしては、ケイマンはよりサーキット志向のクルマとして仕上げていき、911はスーパースポーツカーとして今後発展させていくのではないかとの噂もあります。現にケイマンGT4には6速MTのみの設定となり、先に発売されている911GT3はPDKのみの設定となっています。
もちろん、PDKは人がシフト操作するよりか遥かに正確で速いシフトチェンジを実現してくれます。サーキットタイムを狙うならPDKの方が速いですが、スポーツ走行を楽しむという点からするとやはり6速MT。この点からも、ケイマンは今後よりサーキットやスポーツ走行をターゲットに開発されくるのではないでしょうか。

出典:http://www.porsche.com/japan/jp/models/cayman/cayman-gt4/gallery/#

ケイマンGT4は、「911 GT3」と同様、バイザッハ研究所に属するモータースポーツ部門が手掛けました。シャシー・サスペンションは多くのコンポーネンツを911GT3から流用しています。
車高はオリジナルのケイマンに対して30mmローダウン。そこに履くのはフロントが245mm、リアが295mm幅のミシュランパイロットスポーツカップ2。もちろん20インチです。
エクステリアは、冷却性能とダウンフォースを考えて設計された専用のフロントバンパーが装着され、エンジンへのインテークダクトをボディサイドにレイアウト。リアウィングは角度調整可能な固定式が装着されています。
インテリアでは、911GT3でも設定されていた「クラブスポーツパッケージ」が用意されています。これは、ロールケージやドライバー席の6点式シートベルト、消火器が標準装備されています。サーキット走行に必要な装備を純正で装着されているのがこの「クラブスポーツパッケージ」となります。
ちなみに、ドアのオープナーはストラップ式。徹底した軽量化を彷彿とさせます。

ケイマンの中古車情報

「ポルシェのケイマンが欲しい!」と画像で見るだけで興奮しますよね。とはいえその価格は安いとはいえない金額ですのでなかなか新車は買うことができません。そんな時は中古車を探してみるのがいいでしょう。好きなモデルや程度を加味しつつ是非お好きな一台を探してみてください。

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まとめ

出典:http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/pressreleases/pj/?pool=japan&id=373274&lang=jp

ケイマンの発売から現行型までの紹介を通して、ケイマンの魅力が深まったのではないでしょうか。発売当初は明らかに911よりか劣る仕様に設定していたケイマンでしたが、時代の流れからケイマンはサーキット走行に主眼が置かれ始め、911はスーパースポーツへと進化してきました。
ケイマンは今後、よりサーキットラップタイムが速いモデルが投入されるのではないかと噂されています。2015年12月10日、次期ケイマンのティザー画像が公開されました。
ケイマンをよりサーキット向けのクルマとして位置付けて行くのではないかと噂されている証拠に、次期ケイマンの型式は「718」。「718」と言えば、1957年に自動車レースで活躍した画期的なスポーツカーでした。そう、レースで活躍したモデルの型式を復活させるのです。
そして、搭載されるエンジンは、水平対向4気筒ターボエンジン。4気筒と聞いてピンと来た方はレース好きですね。そうです、WEC(世界耐久選手権)のLMP1クラスに参戦中のポルシェに搭載されているのが4気筒のハイブリッドエンジンなのです。この技術をどこまで採用するのかはわかりませんが、間違いなくWECで培った技術を投入してくることでしょう。
しかも、911よりか早くケイマンにこの技術を投入することからも、ケイマンをサーキット向けにラップタイムを意識して開発しているのではないでしょうか。
「718」型のケイマンは、2016年度中に随時投入してくるそうです。ケイマンのこれからが楽しみですね。