【ホンダ シティ】傑作コンパクトカー !初代傑作モデル~4代目を紹介します!

現在の「ホンダ」はどちらかと言えば「Nシリーズ」「Fit」「ミニバン」の印象が強いメーカーです。しかし、以前のホンダは皆さんが驚くほどある意味素晴らしい車を作ってきたことで有名でした。その中の1つが「ホンダ シティ」と言う車です。ある意味素晴らしいホンダシティ。その魅力や特徴を余すことなく紹介していきます!

ホンダのコンパクトモデルを支えたシティ

ホンダ シティが初登場したのは1981年11月11日のことです。当時のホンダは今のように「軽自動車」「コンパクトカー」「ミニバン」と言う印象がありません。「シビックが売れているから増産しろ!」「大排気量のアコードを製造して海外に売り出すぞ!」等々、スポーツ分野・セダン分野と言った車種を続々と作り上げていました。ですが当時、大きな問題が生じました。

スポーツ・セダン分野ばかりに集中したため、ホンダのコンパクトモデル「ライフ」の製造を中止したのです。確かに大型車種が売れているのはありがたいが、これではコンパクトモデルを求める客層を逃がしてしまう! そこで急遽、1,000cc~1,200ccぐらいの排気量を持つ車、尚且つコンパクトモデルとして「シティ」が誕生したのです。

このシティは一見すると「軽自動車のような見た目」ですので、見た目からは到底、ある意味伝説のマシンとは見えませんよね? しかし伝説となったのは「1982年以降」に発売された「ターボモデル」「ターボIIモデル」「カブリオレ」です。それでは次の項目から詳しく紹介していきます。

電子燃料噴射装置「PGM-FI」搭載「ターボモデル」

伝説となったモデルとしてまず紹介するのは1982年に追加された「ターボモデル」です。1981年に発売されたシティは確かに利便性は良かったものの、残念ながら「パワー不足」に悩まされていました。そこで当時のホンダは「それならエンジンを改良しよう」とのことで、小型ターボ+電子燃料噴射装置「PGM-FI」搭載したエンジンを開発したのです。このエンジン、特に何の変哲もなさそうですが実はこれヘリコプターやジェット機に用いられる「ガスタービンエンジン」を参考にして作り上げたエンジンなのです。

もともと自動車メーカー「クライスラー」が1963年にガスタービン搭載モデルを完成したことがきっかけになりました。当初50台しか生産されなかった「実験機」でしたが、ガスタービン搭載のエンジンがどれだけ魅力的か? と言うのを世界にアピールするには十分な代物でした。

ホンダの社内でも小型のシティであれば、ガスタービンエンジン特有の「小型」「高出力」「高馬力」は非常に魅力的になると考えたのです。確かにガスタービンを参考にすれば小型ターボを開発するのも容易でしたが、ガスタービンエンジンの欠点である「燃費」「環境配慮(排気ガスによる大気汚染)」がネックになりました。そこで当時のホンダは「できない」で終わらせず「ガスタービンエンジンの魅力+ガスタービンの欠点が無いエンジンを作ろう」と言うところに至ったのです。その結果、小型のターボを搭載しつつ後にホンダの車・バイク等様々な場面で利用されることになる「PGM-FI」を開発したのです。

小型でありながら高出力のパワーを生み出せるとあって、シティとの相性は抜群でした。その恩恵もあってか発売当初の最高出力「67PS/5,500rpm」遥かに超える「100PS/5,500rpm」と言う数字を叩き出したのです(カスタマイズによっては100PSを遥かに超える出力を出せると話題にもなりました)

車重についても「655~745kg」と言う今では考えられない軽量ボディのため、改造次第では他の車が追いつけない程の速度を搾り出せる車に変わったのです。そうなると車好きの若者の間で発売当初のモデルではなくターボモデルが人気を博したのです。このようにターボモデルが大人気となりましたので、ホンダはより洗練されたシティを追加しました。続いては追加されたモデルを紹介します。

愛称はブルドック!馬力を向上させた「ターボⅡモデル」

ホンダシティはターボモデルでとんでもないエンジンをシティ内に詰め込みました。しかし出力は向上したものの、ホンダ社内では馬力不足が悩みどころで「どうしたら馬力不足を改善できるだろう…」と言う会議が日夜行われていました。そこで1983年10月26日に馬力不足を改善し、より出力を向上させた「ターボⅡモデル」を市場へ投入しました。

こちらは伝説と言うよりも搭載されているシステムが話題になりました。それが「スクランブルブースト」です。このシステムは回転数が3,000rpm以下の際、アクセルを全快にすると約10秒間の間、過給圧が10%向上する特殊なシステムです。これによりエンジン内部へ強制的に圧縮された空気が入り込むためカタログスペック以上の出力・馬力を向上させることができたのです。もちろん、そのシステムによりエンジンを駄目にしないよう「インタークーラー」が付属していますので、よっぽどエンジンをカスタマイズしなければ壊れることは少ないです(しかし当時は非常に改造しやすい車種だったため出力を向上させるためにカスタマイズする方が後を絶ちませんでした…)

今のホンダでは考えられないような、とんでもないエンジン・とんでもないシステムを搭載したシティ。しかし当時ある意味「変態」と呼ばれたホンダの勢いは止まりません! では次のシティはどんなモデルへと変化したのでしょうか?

現在のホンダでは考えられない破天荒な車「カブリオレ」

「ターボモデル」「ターボIIモデル」と数々のシティを世に送り出してきたホンダ。続くモデルもさぞすごいのだろうと、ホンダ愛好者やスポーツカー好きは登場を待ちわびていました。そして迎えた1984年7月4日、ホンダ愛好者・スポーツカー好きの予想を大きく超える「カブリオレ」が登場したのです。エンジン等の仕様変更は無かったものの、予想を大きく超えたのが車のデザインです。

カブリオレには3つのデザインがあります。

1つ目はターボIIとそこまで変わらないデザインです。こちらはあくまでも外装を少し変更したモデルでしたので特に驚くところではありません。多くの人を驚かせ伝説となったのは2つ目のモデルと3つ目のモデルです。

2つ目のモデルは普通車では初めてとなる幌付きのオープンカーです。当時、マツダのロードスターは発売されていなかったため「オープンカーに乗りたい!」と言う方々のニーズを満たし大ヒットになりました。もちろんエンジンの仕様に変更はありませんので、オープンでありながら軽量ボディにスクランブルブーストと言う組み合わせですので、速度を出せば出すほどスリルあるドライブを楽しめます。

3つ目のモデルは「フルオープン」です。フルオープンとのことでフロントガラスのみであとは潔く窓がなくなっています。まるで外車のように思える車でしたが、あまりにも不評だったため今では2つ目のモデルまでとなっています。

2つ目・3つ目のモデルは今のホンダにはない「破天荒」なデザインとして大きな話題となりました。そして当時のホンダを物語る「やってみよう!」と言う物作りに対する挑戦意欲、情熱を感じられます。現在のホンダも当時のような物作りに対する挑戦意欲・情熱が戻れば良いのですが…。

初代シティの車情報

・全長:標準 3,380mm 
    ターボII/カブリオレ 3,420mm
・全幅:標準 1,570mm
    ターボII/カブリオレ 1,625mm
・全高:標準/ターボII 1,470mm
    ターボ 1,460mm
    ハイルーフ:1,570mm
・ホイールベース:2,220mm
・車両重量:655~745kg
・燃費:EIIIタイプ:24.0km/L
    ターボ:18.6km/L
    ターボII:17.6km/L

・エンジン:ER型(NA) 1.2L 直4 SOHC CVCC
      ER型(T/C) 1.2L 直4 SOHC CVCC

・最高出力:ER型(NA) 67PS/5,500rpm
      ER型(T/C) 100PS/5,500rpm
      ER型(T/C I/C付き)110PS/5,500rpm

・最大トルク:ER型(NA) 10.0kgf·m/3,500rpm
       ER型(T/C) 15.0kgf·m/3,000rpm
       ER型(T/C I/C付き) 16.3kgf·m/3,000rpm
・変速機:5速MT/3速ホンダマチック/副変速機付き4速MT
・駆動方式:FF

さて、初代のシティはホンダの開発者・技術者の熱意・情熱を持ってある意味伝説の車に仕上げられていきました。そしてホンダは2代目となるシティを開発・製造・販売を行っていくのです。続いては2代目のシティについて紹介していきます。

初代の勢いを超えられなかった2代目GA型

出典:http://www.honda.co.jp/news/1986/4861031.html

シティの2代目として華々しくデビューした「GA型」しかし、待っていたのは残念な結末でした…。いざ販売すると、先のモデルにあった車高の高さが印象的であり外見の受けがそこまで良くありません。そしてフルモデルチェンジしたとは言え、先代のようなエンジンではなくなり面白みがなくなってしまったのです。かと言って先代のシティ同様、とんでもないエンジンを搭載した「ターボモデルを発売しました!」と言うこともなく、当時のホンダの変態ぶりを強調するかのような斬新なデザインのモデルも販売されませんでした。至って平凡な「コンパクトカー」になってしまったのです。

ただチューニングやカスタマイズのしがいがあると言うことで、カスタマイズをされる方にとっては非常にいじりがいのある車種としてある程度売れていました。とは言え、あくまでも一部の方々限定でしたので残念ながら全シティ好きやスポーツカー好きを振り向かせるほどではありません。

そうなると例え「ラリー」「N1耐久シリーズ」と言ったレースで数々の成績を残しても人気が戻ることはありませんでした。したがって販売期間は1986年~1993年で幕を閉じたのです。

ホンダ シティ2代目GA型の車情報

・全長:前期型:3,560mm
    後期型:3,605mm
・全幅:1,620mm
・全高:1,335mm
・ホイールベース:2,400mm
・車両重量:680-780kg
・燃費:1.2L:20.0km/L
    1.3L:17.6km/L

・エンジン:D12A型:1.2L 直4 SOHC
      D13C型:1.3L 直4 SOHC キャブ
      D13C型:1.3L 直4 SOHC PGM-FI

・最高出力:D12A型:76PS/6,500rpm
      D13C型(キャブ):82PS/6,500rpm
      D13C型(PGM-FI):100PS/6,500rpm

・最大トルク:D12A型:10.0kgf·m/4,000rpm
       D13C型(キャブ):10.5kgf·m/4,000rpm
       D13C型(PGM-FI):11.6kgf·m/5,500rpm

・変速機:5速MT/4速AT
・駆動方式:FF

シティ復活!今度のシティはセダンに大変身!

出典:http://www.honda.co.jp/GRACE/

シティブランドが消滅してから3年後の1996年、シティは大胆にも「セダン」として再び私達の前に現れました! と言っても発売されたシティは国内向けではなく東南アジアをターゲットにした海外向け商品として販売を開始したのです。そのため初代のような、とんでもない車ではなく大人が乗る上品なセダンへと生まれ変わったのです。

1996年~2002年の「初代3A2/3型」の販売を皮切りに、2002年~2008年2代目となる「GD6/8/GE1/4型」は2008年5月末には全世界で100万台以上を売り上げる大ヒット商品になったのです。そして2014年から販売をスタートした4代目「GM6型」は写真のように、グレースと同様の機能を兼ね備え海外で「シティ」と言う相性で愛されています。

確かに初代の頃のような、じゃじゃ馬ぶりを発揮する車でなくなったのは残念なところです。しかし、今でもこうしてシティと言う名称が残っているだけ良いと感じます。

2014年発売 4代目シティ「GN6型」の車情報

・全長:4,440mm
・全幅:1,695mm
・全高:1,495mm
・ホイールベース:2,600mm
・車両重量:1,029~1,165kg

・エンジン:1.5L 直4 SOHC i-VTEC ガソリン
      1.5L 直4 DOHC i-DTEC ディーゼル
・変速機:6速MT/5速MT/CVT
・駆動方式:FF

最後に

いかがでしたでしょうか?

ホンダが販売するシティは今でこそ、大人の方が乗られる上品なセダンとなりましたが一昔前までは多くの若者に愛されたスポーティーな車でした。特に初代に限っては今とは違う当時の開発・製造に対する熱意・情熱を持ったホンダの魂が込められた傑作と言える車です。「ターボモデル」「ターボIIモデル」「カブリオレ」等々、今では考えられないような技術が詰まっているシティは今のホンダでは残念ながら難しいでしょう。

ただし「S660の販売」「新型シビックタイプRの販売」と言ったように続々とスポーツモデルが戻ってきましたので、もしかしたら昔の情熱や熱意が戻ってきたのかもしれません。その状態を維持しつつ、できれば初代のようなシティをもう一度開発して欲しいものです!