【ホンダインテグラタイプRの歴史】今でもスーパー耐久レースで活躍するその魅力とは

昔のCMでは、「ノッテグラ、インテグラ、ホンダ」のキャッチコピーで有名であったインテグラ。今では販売されていない絶版車種となりますが、タイプRは今でもスーパー耐久レースで活躍しています。基本性能が高いインテグラタイプRの価値は、生産終了後からもうすぐ9年経とうとしていますが、全く色あせることがないです。

初代DC2型インテグラタイプR、ジムカーナでは現役で活躍!

出典:http://www.taccdrive.com/sugilog/index.php?e=1394

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1995年10月に発売開始された初代インテグラタイプR。3ドアハッチバックと4ドアハードトップの2モデルで発売開始されました。3ドアハッチバックは4人乗り、4ドアハードトップは5人乗りでした。
ホンダから発売されるタイプRとしては、「NSXタイプR」に次いで2番目となります。ホンダの「R」とはレース。レースのためのグレードであるため、無駄な装備は排除されています。アンダーコートも最低限。エアコンもオプション、エアバッグももちろんオプション、ABSもオプション設定でした。
そのようにしてそぎ落とした装備によって、車両重量は1060kgと軽量でした。
これに搭載されたエンジンがB18CVTECエンジン。排気量は1800ccで最高出力は200PSを誇り、最高回転数は8000回転。リッター111PSを超えるレーシングエンジンを市販車に搭載したのです。
このように、市販車の状態で基本性能の高いインテグラタイプRは、今でも全日本ジムカーナ選手権などで活躍しています。現代の新車では、この軽量な車重とパワーを純正で持ち合わせているクルマがないということも、インテグラタイプRの魅力の1つですね。

DC2前期モデル型、インテグラタイプRの基本装備

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前期モデルは、1995年の発売から1997年まで発売されていました。このモデルは96スペックと呼ばれています。初期のタイプRということもあり、そのパッケージはかなりレーシーな仕様となっていました。
エンジンは前述の通り、1800ccのVTECエンジンを搭載し、最高出力200PSを発揮していました。トランスミッションは、2速から5速がクロスレシオとなり、加速性能に優れていました。その一方で、高速走行では回転数が非常に高くなり、高速では燃費が悪くなるクルマでした。
ステアリングはMOMO製の本革巻きが装備され、シフトノブはチタン削り出し。レカロ社製のセミバケットシートが前席両脚に標準装備。室内はレッドかブラックを選択できました。
エアコン、オーディオ類(時計やラジオアンテナなども)、リアワイパー、電動格納ミラーなどの快適装備は全て取り払われていました。バッテリーは小型の物に置き換えられ軽量化。エアバッグもオプションとなり、エアバッグ有と無しではステアリングギア比がことなっていました。エアバッグ無しの方がよりクイックはハンドリングになっていました。
まさに、サーキットを走るために作られたグレードであり、サーキットでのタイムを出すためには必要のない装備は徹底的に省かれていました。
ボディの遮音材(アンダーコートや防音の部品等)も可能な限り省かれており、フロントガラスもベースモデルよりか薄いものを採用していました。
この結果、車両重量は軽くなりましたが、走行中の音、熱は車内に入ってくるため、街乗りでの快適性は犠牲にされていました。

インテグラタイプR 98スペックと96スペックの違い

出典:http://forum.jdmstyletuning.com/printthread.php?t=2262&pp=40&page=11

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1998年にマイナーチェンジを受けて発売されたのが98スペックと呼ばれています。見た目的な違いもあるこのマイナーチェンジでは、以下の装備品が変更されました。

■ホイールサイズの変更
96スペック:15インチ
98スペック:16インチ

■タイヤサイズの変更
96スペック:195幅
98スペック:215幅

■ホイール穴数の変更
96スペック:4穴
98スペック:5穴

■ファイナルギアレシオの変更
96スペック:4.400
98スペック:4.785(ローギアード化)

■4速、5速ギアの変更
96スペック:4速1.107 5速0.848
98スペック:4速1.034 5速0.787

これ以外に、リヤブレーキキャリパー、エキゾーストマニホールドの変更。ECUの変更、ボディ剛性のアップ、足回りのセッティング変更、ディスチャージドヘッドランプの採用、Wエアバッグの標準装備化などです。

00スペックの登場。DC2型インテグラタイプRの最終モデル。

出典:http://kuruma-ex.jp/usedcar/detail/gn700050538030150717001

kuruma-ex.jp

1999年の12月から発売されたDC2型最終モデルは、00スペックと呼ばれています。型式がE-DC2からGF-DC2に変更されているので、型式を見るだけでも判別できます。
このモデルになり、快適装備がプラスされました。タイプR-Xというグレードには、専用アルミスポーツペダル、カーボン調パネル、電動格納式ドアミラー、キーレスエントリー、デジタルクロック、オートアンテナ、AM/FM電子チューナー&CDステレオ+6スピーカー、プライバシーガラスが装備されました。
DC2の中でも装備品が充実しており、最終モデルということもあり、今では中古車価格が高騰しているグレードになります。

インテグラタイプR、DC2型の中古車事情

出典:http://car.biglobe.ne.jp/used_car/detail-1020-10201013-139-0000002/

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中古車市場ではDC2型のインテグラはかなり希少な存在となってきました。現存しているクルマでも10万kmオーバーは当たり前となり、修復歴がある車両も大半です。
96スペックで60万円~100万円ほど。98スペックは80万~130万。00スペックは100万~程度次第では200万弱まであります。
エンジンやミッションは走行距離を走っていても丈夫なクルマが多く、ボディさえしっかりとしていれば走行距離はそこまで気にしなくても大丈夫です。ただ、ノーメンテ(整備をしないこと)は厳禁。中古車の大半は、ブッシュやパッキン類は劣化しており、オイルが滲んでいることが大半です。
DC2型で良く発生しているのは、リアトレーリングアームブッシュの破れ、オイルパンパッキン劣化によるエンジンオイル滲み、エンジンミッションマウントの破れ、ドライブシャフトブーツの破れなどです。
これらは中古車を購入するなら交換前提で考えておきましょう。

最後のインテグラタイプR DC5型

出典:http://tyreselect-kitamoto.cocolog-nifty.com/photos/car/dc5al1.html

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2001年にフルモデルチェンジ。インテグラタイプRはDC5型となりました。このモデルが最後のインテグラとなりました。2006年までの5年間販売され、一度のマイナーチェンジを経て販売終了となりました。
販売が終了してから既に9年経過しているにも関わらず、スーパー耐久レースではST4クラスで未だに現役で活躍しています。DC2型同様に基本性能の高さがうかがえます。
そんなDC5型の特徴をご紹介します。

220PSを発揮した2リッターのK20Aエンジン

出典:http://sony-civic.blog.so-net.ne.jp/2006-04-30

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タイプRと言えば、搭載されるVTECエンジンのパワフルなところが一番魅力です。DC5型インテグラタイプRには、K20Aエンジンが搭載されました。このエンジンは、直列4気筒 DOHC 16バルブ クロスフローエンジンで、DC2型のB型エンジンとは回転方向が異なり逆時計回りでした。
最高出力は、220PS、最大トルク21.0kgmを発揮。最高回転数はDC2型同様に8000回転に設定されていましたので、DC2型同様に高回転まで楽しめるエンジンでした。
このK20Aエンジンは、EP3型のシビックタイプR、その後発売されたFD2型のシビックタイプRにも搭載されました。アコードユーロRにも搭載され、タイプR・ユーロR系のエンジンとして活躍しました。
また、K型エンジンはステップワゴンなどホンダのファミリーカーのベースエンジンでもあり、非常に汎用性の高いエンジンであったことがわかると思います。

DC5型インテグラタイプRの専用装備

出典:http://sport-car.akakagemaru.info/car-honda/post-4803/

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DC2型同様にタイプR専用装備が多く装着されました。タイプRということなので、その装備品はレース、サーキットを意識した専用装備となっていました。
特にDC5型から採用されたブレンボ社製のフロントブレーキキャリパーはその1つです。このブレンボキャリパーの装着により、サーキット走行を安心して周回できるようになりました。DC2型は片押しタイプのブレーキキャリパーでしたが、車重が軽いこともあり容量的には十分でした。DC5型からは車重がプラス100kgほど増えているため、これに対応するブレーキが必要だったのです。
そして、街乗りやサーキットでは効果的であったクロスレシオギアも、高速走行で難点であったDC2型ミッションは、DC5型では6速マニュアルとなり解消。クロスレシオとしながらも、6速になったことで高速走行時のギア選択が増え、低回転での走行が可能となりました。
DC2型では、走ることを優先したことで快適装備をなくしていましたが、DC5型は快適装備を残しつつも、サーキット走行が可能な仕様としてきた点がポイントかと思います。
その他、専用装備はご覧の通りとなります。

<エクステリア>
専用大型フロントバンパー
専用サイドスカート
専用リアバンパー
専用大型ウィング
専用17インチアルミホイール
(ボディカラーがチャンピオンシップホワイトの場合はホイール色はホワイト。それ以外の場合はシルバーとなっていました)

<インテリア>
レカロ社製セミバケットシート(運転席・助手席)
アルミスポーツペダル
MOMO製本革巻きステアリング
アルミシフトノブ(オプションでチタンシフトノブ)
専用フロアマット
専用カーペット
※リアワイパーはオプション設定となっていました。

<その他>
17インチアルミスペアホイール

DC5インテグラタイプR、後期型と前期型の違い

出典:http://www.wikiwand.com/ja/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97R

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2004年9月にマイナーチェンジが実施されました。発売開始から3年、エクステリアも大きく変更されるようなマイナーチェンジでした。
後期型となり、ヘッドライトの形状が前期型の涙目から吊り目に変更。フロントバンパーの形状も変更されました。そして、リアのテールレンズも前期型の涙目から直線的な形に変更され、合わせてリアバンパーの形状も変更。
性能面での変更は、サスペンションとダンパーが変更され、より限界域でのコントロール性が向上。また、ブレーキペダルブラケット剛性、マスターシリンダー径の拡大など、ブレーキも限界域でのコントロール性が改善されました。
その他、標準装備で盗難防止装置のイモビライザーを装着。盗難が多発するインテグラタイプRに対して、メーカーとしても後期モデルで対策を施してきました。

DC5型インテグラタイプR おススメエアロパーツ

DC5型のインテグラタイプRには、アフターパーツメーカー各社からエアロパーツが販売されています。ノーマルで乗るのもいいですが、自分好みにチューニングするのも楽しみの一つ。筆者が勝手におススメするかっこいいと思うエアロパーツをご紹介します。

■無限
ホンダワークスである無限のエアロパーツは、ホンダファンなら一番欲しいエアロパーツではないでしょうか?
空力や冷却を考えて作られていることは当たり前で、そのルックスはDC5エアロパーツの中でもダントツ。中古車を購入する際に無限エアロが装着されているかどうかで数十万も価格が変わってくることもあるくらいです。

出典:http://www10.plala.or.jp/mirager/2006-7.htm

plala.or.jp

■C-WEST
国産スポーツカーのエアロパーツを多数販売しているC-WEST。スーパー耐久レースの公認エアロでもあるため、実践投入が可能なエアロパーツです。
空力、冷却がきっちりと考えられているエアロパーツ。見た目もかなりかっこいいですね。

出典:http://www.hirano-tire.co.jp/c-w/c-w6.html

hirano-tire.co.jp

■ings(イングス)
こちらもC-WESTと並んで国産スポーツカーのエアロパーツを各種ラインナップ。スーパー耐久レースでの公認エアロとなっています。
スーパー耐久レースに出場するインテグラタイプRの多くはイングス製のエアロパーツを装着するほど性能に優れたエアロパーツとなっています。

出典:http://www.ings-net.com/products/n-spec/dc5-01/index.html

ings-net.com

まとめ

【Photo by 筆者】

今では絶版となってしまったインテグラタイプR。貴重なクーペタイプ3ドアハッチバックのタイプRとしてはまた復活してほしいところです。
シビッククーペのタイプRが北米で発売されるような噂もあり、インテグラのオーラを受け継いで日本国内でも新車販売して欲しいところです。
DC5型は中古車でも程度がそこそこのクルマも多くあるため、今のうちに程度のよい中古車を手に入れて大事に乗るのもいいですね。
シビックタイプRにはない、クーペボディのタイプRであるインテグラには、スポーツカーとしてのエクステリアもあり、見た目の満足感も高いクルマです。ぜひ、一度乗ってみてください。