【貴重な名車】オークションで10億円以上!フェラーリ275の魅力とは何だ!

総生産台数950台。発売時点では1,000万円程度だったクルマが、今ではオークションで当たり前のように一億円以上の値段がつく「フェラーリ275」。その中身は、フェラーリの新たな試行があちこちに組み込まれた、現代フェラーリの元祖とも言えるクルマでした。今回は、そのフェラーリ275について紹介していきます!

フェラーリ初のロードスポーツカー専用設計

ロードスポーツカーとして作られた「フェラーリ275」。そしてフェラーリ初の試みとしてレースカーベースのロードカーとして開発されず、最初からグランツアラーとして作られたクルマです。このため、それまでのフェラーリ車とは違い、室内の遮音性、断熱性が高く、フェラーリをドライバーだけではなく、助手席の乗客にも楽しめる存在となりました。

生産期間は通算で4年程度ですが、その間に960台程度が生産されたと言われています。

一台ごとに実寸が変わる?275GTB、275GTS

ボディデザインはピニンファリーナですが、実際の製作は先程もかいたようにスカリエッティとピニンファリーナが分担しています。GTBはスカリエッティ、GTSはピニンファリーナが担当していますが、ボディの材質は双方ともボンネット・トランクリッドがアルミ、他は鋼板が使われています。なお、初期型ではフロントノーズ周辺の空力が良くなく、160km/hの高速域ではダウンフォースが不足していました。そのため、1965年にノーズを更に延長し、またエアインテークを改良することによって空力を改善しています。このことは最高速にも良い影響を与え、8km/h上がっています。

わずかな生産台数で、多様なバリエーション

275GTB、そして275GTSは1964年秋、パリ・サロンではじめて一般公開されています。このクルマは顧客からのオーダーへの対応をはじめ、275GTB/6Cではウェーバー6連キャブを搭載し、275GTB/Cではアルミニウムボディを採用するなど、非常に多くの仕様があります。

ボディの特徴は、ロングノーズとショートデッキで、フェラーリのコンペティションモデルを多く手がけたセルジオ・スカリエッティ工場とピニンファリーナで制作され、公称値は全長4,325mm、全幅1,725mm、全高1,245mmとされているものの、手作業を中心とした生産ということもあり、ディテールや実寸に車体ごとの差異が大きいと言われていて、車両重量は発表時1,050kgとされいましたが、実際の重量は1,100kgを下回ることはないと言われています。

フロントグリルは大きく取られ、その両脇下にフロントバンパーが取り付けられています。また、小さな特徴として、トランクのヒンジはボディ内部の内部に取り付けられていることが挙げられます。

標準で280馬力、スペシャル仕様は300馬力のハイパワー

エンジンは戦後すぐのフェラーリ125なども手がけ、エンツォ・フェラーリに可愛がられていたジョアッキーノ・コロンボによって設計されたティーポ213。これは60度V型12気筒の排気量3,285ccで、ストロークは先代となる250GT系のものと同じです。そして3基のウェーバー40DCZキャブレターが標準で装備され、最大出力280PS/7,600rpm、最高トルク30.0kgm/5,000rpmというハイパワーでしたが、更なるハイパワーを望む顧客に対しては、小径のツインチョークウェーバーキャブレター6連装を装備し300PS/7,500rpmという仕様も製作されたそうです。最初からグランツアラーと作られた以外にも、275GTにフェラーリとして最初の試みをしているのがエンジンの電動ファンです。それまでフェラーリのエンジンには特殊なカップリングを使った冷却ファンが採用されていましたが、この275GT以降、電動ファンに切り替わりました。

【基本情報】
車種名:フェラーリ275
販売期間:1964年〜1966年
乗車定員:2名
ボディタイプ:2ドアクーペ
エンジン:3,285cc水冷60度V型12気筒SOHC
変速機:5マニュアル
駆動方式:FR
全長:4,325mm
全幅:1,725mm
全高:1,245mm
ホイールベース:2,400mm
車両重量:1,100kg

スティーブ・マックイーンも愛した275GTB/4

2013年、オークションに出品され250億円の値をつけた275GTB/4は、1966年にパリ・サロンで発表されます。このモデルチェンジではDOHCがロードカーとしてはフェラーリではじめて取り入れられ、6基のウェーバー・ダウンドラフト40DCN-17ツインチョークのキャブレターで圧縮比は9.8、最高出力は300PS/8,000rpm、最大トルクは30.0kg/6,000rpmとパワーアップしただけではなく、パワーバンドも広がっているため、運転が非常に楽になったと言われます。

ボディは前期型に比べ約90mm長いロングノーズで、前期型に比べ小さめのグリルの両脇にバンパーを咥えたような造形になった。高くなったエアクリーナーをクリアするためボンネット上にバルジが設けられた。またリアウインドーが前期型より広く採られ、トランクのヒンジ部分が外部に出ている。

このモデルにはスパイダーが作られましたが生産台数はわずかに10台。そのうちの1台は映画スター、スティーブ・マックイーンがオーナーでしたが、納車後たった2日で大破。既に10台の買い手も決まっていたため、スティーブ・マックイーンが再びスパイダーを手にすることはできませんでした。そこで、代わりに買ったのが、275GTB/4。ただ、ボディーカラーは好みでは無いゴールド。そのため、マルーンカラーにペイントをし直したそうです。こちらの275GTB/4もオークションにかけられ、約11億円で落札されています。

【基本情報】
車種名:フェラーリ275GTB/4
販売期間:1966年〜1968年
乗車定員:2名
ボディタイプ:2ドアクーペ
エンジン:3,285cc水冷60度V12DOHC
変速機:5マニュアル
駆動方式:FR
サスペンション:ダブルウィッシュボーン+コイル
全長:4,325mm
全幅:1,725mm
全高:1,245mm
ホイールベース:2,400mm
車両重量:1,100kg

まとめ

1968年、パリ・サロンで365GTB/4が発表され、道を譲ったフェラーリ275。わずか4年、わずか970台の生産でしたが、今も高い評価を受け、名車揃いのフェラーリの中でも特に有名な名車です。ロードスポーツカーとして開発されたことは世界中の富裕層の間で話題になり、「フェラーリのグランプリカーを買いたい!」と、こぞって買い求めたとも言われます。それまでレースモデルが市販化されることが当たり前だったロードスポーツカーの世界に、フェラーリが専用車を送り込んだことは、後のスーパーカーの元祖とも言えるでしょう。レースに情熱を注ぎ込んだエンツォ・フェラーリにとって、このクルマはどのような意味をもっていたのでしょうか? そんな素朴な想いも浮かぶ、魅惑の名車なのです。