スズキはセダンも販売していた!スズキ キザシの紹介&魅力とは?

読者の皆さんは車メーカーの「スズキ」と聞きましたら何を思い浮かべますか?「軽自動車かな?」「スイフトとかソリオ?」と多くの方が感じると思います。しかしスズキでは「セダンタイプ」の車「キザシ」が販売されているのです! 本日はキザシについて魅力や特徴を解説していきます。

スズキ キザシとは?

スズキ キザシとは2009年10月21日より販売がスタートしたスズキのセダンになります。もともと米国スズキが海外展開を進めているアキュラの「TSX」フォルクスワーゲンの「パサート」に対抗するために販売されたモデルでした。海外志向が強いセダンでしたので、国内ではなかなか目にすることもなく店舗によっては「販売していない」「試乗車も置いていない」と言ったほど珍しい車でした。

また販売方法も特徴的で「完全受注生産」しか販売していなかったのです。他のトヨタ・ホンダのように「○○に在庫がありますので2ヵ月ほどでできます」と言ったようにすぐできるものではなく、4ヵ月~半年は待たされることになりました。とは言え、外見のデザイン性の高さや走行性能の高さはスズキを愛する方々に好評です。

下記がキザシの車情報になります。

全長:4,650mm
全幅:1,820mm
全高:1,480mm
ホイールベース:2,700mm
車両重量:1,490~1,560kg

エンジン:J24B型 2.4L 直4 DOHC
最高出力:138kW (188PS) /6,500rpm
最大トルク:230N·m (23.5kgf·m) /4,500rpm
変速機:6速MT/CVT
駆動方式:FF/4WD

ちなみにスズキのキザシは「○グレード」「△グレード」のようにグレードの住み分けはされておらず、1つのグレードのみの販売になります。変更できる所と言えばオプションぐらいでしょう。ただし北米向けには「S」「SE」「SPORT GTS」「SPORT SLS」のように住み分けがされています。更にFFだけですが「MT」を設定することも可能です。

スズキ キザシの魅力

エスクードのエンジンを改良した力強いエンジン

小型SUVとして多大な人気を誇るスズキの「エスクード」こちらに搭載されているエンジンが、なんとキザシに搭載されているのです! もちろんただ単に搭載すると重量のあるキザシにとってパワー不足を感じます。そこでエスクードのエンジンを改良した「J24B型 2.4L 直4 DOHC」が採用されました。

この改良により従来の166PSを20も上回る「188PS」を出すことに成功しました。そのため、キザシのボディでも重たさを感じさせないスムーズな走りを実現することができたのです。ちなみに、キザシが発売されてから2年後の2011年には「GM(ゼネラルモーターズ)」と共同でハイブリットエンジンを搭載したキザシを発売する予定でした。残念ながらハイブリット搭載モデルはならず現在でも改良されたエンジンが搭載されています。

FFだけでなく4WDも選べる

セダンタイプの中で、低価格且つ4WDを搭載している車はなかなか見られません。例えばスバルの「インプレッサWRX」「レガシィ」または三菱の「ギャラン」「ランサーエボリューション」が4WDとして有名どころです。しかし新車で購入するとなると最低でも400万円、オプションを加えると500万円以上になります(ランサーエボリューションは既に販売を終了しています)そうなると簡単に購入とは行き辛いのが現状です。

そんな中で、スズキのキザシは「2,867,400円〜」ですのでオプションを組み込んでも300万円程で購入することができます。もちろんFFだけでなく4WDも選択できるため低価格なセダンタイプでありながら、4WDの走行性能を楽しむことができるのです。もし安価な4WDセダンを求めているのであれば、スズキのキザシを検討しても良いでしょう。

昔ながらのセダンの走行を楽しめる

デザイン性は海外を意識しているからか、スズキとは思えないほど整えられたデザインです。とは言え、確かにデザイン性も高いですしエンジンの出力もキザシを支えるには十分な出力と馬力です。しかし、プリウスのような「ハイブリットカー」ではなく、かと言ってインプレッサWAXやレガシィのような力強い走りがあるわけでもありません。どちらかと言えば、昔のセダンに似た味わいを持った車になっています。

現在のような高性能な車ではなく、昔ながらの走行性能と味わいを持った車を求めているのであればキザシをおすすめします。

スズキ キザシの欠点

オプションを追加しないと内装が安っぽく見える

外見は整えられたデザインをしており、尚且つ走行性能もセダンだけで見ればそこまで悪くありません。その上「FF」だけでなく「4WD」も選択できるため、他のセダンよりもアドバンテージはあるように見えます。しかし、オプションを追加しないとどうしても内装が安っぽく見えてしまいます。

軽自動車や普通車の一般的なグレードでしたら値段も値段ですので仕方のないところもあります。しかしキザシはオプションを加えると300万円になります。なのにインテリアがスズキで販売されている車種で同等では満足できないと思います。そうなると「300万円も出して…スズキで販売されている車両と内装が同じでは納得いかない」と感じてもう少し予算をプラスしてトヨタやホンダ、またはスバルに足を運んでしまうと思います。

ただ「購入してからカスタマイズするから大丈夫」と言う人であれば特に気にはならないでしょう。

セダンの中でも1,2を争う燃費の悪さ

現在発売されているセダンは、走行性能・安全性能だけでなく「燃費」にも各社こだわりを持っています。特にトヨタが2015年に発表・販売した新型プリウスはなんと「JC08モード40.8Km/L 」を実現しました。ではスズキのキザシはどのぐらい燃費が良いのでしょうか? キザシはお世辞にも燃費が良いとは言えず「JCO8モード11.8km/L」になります。そうなると1Lあたり、街乗りでは燃費が5~6km、高速道路でようやく9~10kmの燃費になるでしょう。そのため、車に求めているものが「燃費」と言う人にはあまりおすすめできない車種になります。

他のセダンと比較するとブランド力が無い

皆さんも走行中に各社のセダンを見かけると思います。国内ですとトヨタの「クラウン」ホンダの「アコード」スバル・BMW・ベンツ等々、各社様々なセダンを販売しています。特に外車ではBMW・ベンツと言ったメーカーの発売されたばかりのセダンに乗っていると「あの人はお金を持っているな…」でしたり「さすが○○の新型だ! やっぱり格好いいな!」と感じることでしょう。

一方、スズキのセダンに乗っている方を見かけますと皆さんはどう感じますか? まずスズキと言うメーカーが「軽自動車」「コンパクトカー」が主流ですので、まず「スズキのキザシ?」と車名が出てこないと思います。そして御幣があると思いますが、スズキのイメージが先行してしまいいくらお金が掛かっていてもBMW・ベンツのような高級感がなく、またオーラも感じられないのです。

国内メーカーでも同様に「キザシに乗るならもう少し頑張ってクラウン・アテンザ(マツダのセダン)・レガシィに乗ろう」「燃費が気になるからプリウスで十分」と言ったようにブランド力でどうしても負けてしまうのです。そのためキザシが本当に好きでないと、他社のセダンにお客様をとられてしまうのです。

購入しても納品まで時間がかかる

先ほども紹介したように、スズキのキザシは完全受注生産になります。トヨタやホンダで販売されているセダンのように、毎日生産されていることもなく「購入が決定しました。製造を始めてください」と言う連絡が無い限り作り置きもしないのです。すると当然、購入から納品まで時間が大いに掛かってしまうので。

他社が「在庫がありますので1ヵ月で納品できます」「現在工場で生産しているため2ヵ月掛かります」と言っている中でキザシは4ヵ月~半年待たされる覚悟をしておかなければいけません。そこまで時間がかかるとなると、よっぽど魅力的な車種でもない限りお客様を引き止めるのは難しいです。そのため「そんなに納品が遅れるの? それなら他の車にしようかな…」と感じてしまいお客様がより離れてしまうのです。

スズキ キザシが見せた!「ボンネビル・スピードウィーク」での新記録!

スズキはキザシをただ単に販売するだけでなく、世界中の方々へより「キザシはこんなにすごい車だ!」と言うことを証明するため、2010年にある大会に出場しました。それが「ボンネビル・スピードウィーク」です。この大会はアメリカ西部のユタ州にある「ボンネビル・ソルトフラッツ(塩湖跡)」で行われています。競技内容は至ってシンプルです。「2輪車部門」「4輪車部門」そして更にクーペ・コンパクトのように分かれ、最高速度を競い合うのです。

そんな中でスズキのキザシは「クーペ部門」にエントリーしたのです。搭載されるエンジンはこの大会限定でスズキの市販2,400ccエンジンにターボチャージャーを搭載したエンジンになります。最大出力「513PS」最大トルク「71.2kgm」と言う驚異的なエンジンに仕上がり、なんと「203.720マイル/h(約328km/h)」と言う新記録を樹立させたのです!

新記録を達成させたことにより、より世界の方々へ宣伝になりました。そして日本国内ではある一部の方々にも大変好評だったようで、それが大量受注へと繋がったのではないか? と思われます。次の項目ではその大量受注についてもう少し詳しく解説していきます。

スズキ キザシはある意味人気車両?その実態は?

スズキのキザシは2013年に一部の方々から900台以上の受注を獲得しました。その方々と言うのが、写真でも分かるように「警察」です。警察車両と言えば「クラウン」「マークX」「スカイライン」が有名どころですが、その中にスズキのキザシが入ったのです! なぜ導入したのかは定かではありませんが、私見ですが2つの理由があると思います。その理由を項目別に紹介していきます。

導入費用を安く抑えられる

1つ目は導入費用の安さです。
トヨタのクラウン・マークXのようなセダンを導入したいところですが、いくら安くしても余裕で300万円を超えて400万円近く、または400万円以上になります。そうなると何千・何万のパトカー、または覆面パトカーで使用すると多額の費用が掛かります。一方、スズキのキザシはオプションを揃えても300万円台で購入することができます。そして警察車両に導入されているキザシには「フォグランプ無し」「布地シート」のようにとことんコストカットしているため、安価に導入されているのではないか? と感じます。したがって、導入されている理由は導入費用の安さにあると思います。

コストパフォーマンスの良さ

パトカー・覆面パトカーは緊急時に、いち早く駆けつけられるように走行性能が高くなければいけません。そのため、いくら費用を安く抑えても走行性能が悪ければ採用されないのです。しかし、スズキのキザシはインプレッサ・ランサーエボリューションのように絶大なパワーはありませんが、必要最低限の走行性能を持っています。「巡回」「緊急」と言ったことをこなす程度であれば、キザシの走行性能でことたりると言うわけです。

ですので、わざわざクラウンやスカイラインを購入しなくても、価格の割に必要最低限の走行性能を持っているキザシにスポットライトが当たったのです。

以上のように私見ではありますが、警察にスズキのキザシが導入された理由を紹介しました。キザシは今のところ、他車のセダンのように頻繁に走行しているわけではありません。そのため、ドライバーの多くは「スズキのキザシを見たら覆面パトカーと思え」と覚えておき、一般道・高速道路で見かけたら注意しながら進行するのです。

スズキ キザシ 遂に販売終了!

海外向けに生産されていたスズキのキザシも、残念ながら別れの時がやってきました。2015年10月に販売を終了することが決定したのです。とは言え、受注しているキザシを生産するために工場は稼動しているため本格的に終了となるのは2015年12月になります。日本国内ではあまり目立たず、海外志向が強かった車ですがここに来て生産終了です。キザシの後継となるモデルは出るのか? 気になるところです!

キザシの中古車情報

軽自動車のイメージが強いスズキのセダンのキザシに興味がある方も多いのではないでしょうか? そんな方にリンクを貼っておきますので確認してみてください。

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最後に

いかがでしたか? スズキのキザシは確かにマイナーな車でしたが、国内だけでなく世界に向けて挑戦したスズキのセダンです。結果は残念なことに生産終了となりましたが、それでもスズキの「軽自動車」「コンパクトカー」「安い」と言うイメージではない車を作り上げたのはさすがスズキと感じます。今回の記事を読んでいただいて、少しでもスズキのキザシに興味を持っていただけたのであれば幸いです。