2015年最新!燃費のいい車ランキング BEST5

ガソリン価格はひと段落したものの、やはり燃費は気になるもの。毎年、国土交通省が発表する「燃費の良い乗用車ベスト10」。2015年はトヨタ・アクアが37km/Lで1位でした。車をお持ちの方なら、いわゆるカタログ値と走行時燃費が異なるのは体験でご存知でしょう。実際に燃費がいいのは?車のタイプと燃費の関係を調べてみました。

JC08モードって何?

国交省発表のベスト5はJC08モードで選ばれます。下記が2015年のランキングです。
(1) トヨタ・アクア 37km/L
(2) ホンダ・フィット  36.4km/L
(3) ホンダ・GRACE  34.4km/L
(4) カローラ・アクシオ 33km/L
(4) カローラ・フィルダー33km/L

普通自動車のJC08モードで並べました。ところで、JC08モードとは?
かつては、自動車の燃費は10-15モードで計測されていましたが、より実際の走行条件に合わせて自動車の燃費を制定しようと決められたのがJC08モードです。
スタートから時速40km、60km、80kmまで加速、停止まで減速のパターンを20分間でパターン別に10回のスタートーストップを繰り返します。平均速度は24.4km/h、最高速度は81.6km/h、走行距離は8km強に及びます。

実際の燃費はどう違う?

車で運転中、暑い夏はエアコンをつけますね。エアコンは、国交省のデータによると燃費が20%以上悪化するとされています。JC08モードの計測では、エアコンの使用は条件にありませんから、これだけでもカタログデータ(JC08モード)と実燃費は異なります。
さらに、上り坂ではアクセルを踏み込みがちです。これでも燃費は悪化します。実際の走行では上り坂のない運転はありえないので、これも実燃費と違いがでる要因です。

いちがいに比較しにくい燃費

近年、低燃費をうたう車は、様々な種類が誕生しています。

・ハイブリッド
低速ではモーター、高速ではガソリンと動力系が二つ使い分けるのがハイブリッドの主流です。街中など、スタート・ストップを繰り返し行う場合は、モーター駆動かつ減速時に回生ブレーキとして電気を回収するので燃費は良くなります。ただ、高速道路を時速100kmでクルージングする場合、ガソリン駆動となるので期待するほど燃費は良くなりません。また、走りのダイレクト感が欠けることもありタウンユースに向いているといえます。

・プラグインハイブリッド(PHV)
ガソリンエンジンとバッテリーでモーター駆動するハイブリッドに対し、バッテリーを多く搭載し、外部からバッテリーを充電できるようにしました。PHVは貯めた電力で走れる距離がハイブリッドより長く、買い物程度の距離なら家庭の電力で充電した分でガソリンを使わず走れます。遠出をした時も、ガソリンエンジンがあるので、電気自動車のように充電場所を探す必要がなく、30分以上の充電待ちもありません。ハイブリッドと電気自動車の長所を備えた、と言えます。

・クリーンディーゼル
昨今、世界的なニュースとなっているクリーンディーゼルですが、そもそもディーゼルエンジンはガソリンエンジンより効率の良いシステムです。しかし、排気ガスのCO2は少ないものの、光化学スモッグの原因となるNOxやPM 2.5を多く含むため、東京都などはディーゼル車の走行に規制していました。そんな中、登場したクリーンディーゼルは、燃料噴射装置、排ガス処理技術、ターボ、軽油の低硫黄化で厳しい排ガス規制をクリアしたものです。
規制をパスした新世代クリーンディーゼルは、環境負荷が少なく、高回転まで回らない反面、低回転域ではガソリンより力強いトルクがあり、運転しやすいエンジンです。騒音もだいぶ少なくなりました。

高速域でも比較的燃費がいいので、以前から欧州ではハイブリッドよりこちらの方が主流でした。国産ではマツダが力を入れています。日産、三菱、トヨタでも重いSUVから選ぶことができます。

・電気自動車(EV)
バッテリーを搭載し、モーター駆動の自動車です。ガソリンは一切使わないので、燃料を使わず、環境負荷に優しい車ですが、航続距離が少なく、充電に時間が掛かるデメリットがあります。寒冷地の冬場はカタログ値よりかなり航続距離が減ります。また、エアコン、特にヒーターを使うと劇的に航続距離が短くなります。そのため、リーフなどはシートヒーターなどを採用し、冷間時のエアコン使用に代わる装備を持っています。
実際の費用を見ると、電気代は1kwhの家庭料金が18〜20円とすると、換算して1km走るのにかかるのは1円程度です。ガソリン自動車が1Lで10km走るとすると、1kmに13円かかるので、13分の1になります(2015年10月時点 1L=130円で計算)。ただし、家庭で充電すると、電気料金の契約ワット数が上がるなどの料金負荷も検討する要素です。
一方、スタートから加速する際の力強い独特のフィーリングは未来の車に乗っている実感を持つことができるでしょう。あまり遠出をしない人にはうってつけと言えます。

・ダウンサイジングターボ
小排気量ターボエンジンを搭載することで、大排気量のエンジン同様のパフォーマンスを確保しながら、燃費向上を図るシステムです。
欧州車で4.5L程度の8気筒が3L程度の6気筒ターボに、3.2L程度の6気筒が2Lの4気筒ターボに代わっています。国産車でも最近採用例が増えてきました。比較的従来のガソリン車に近いフィーリングで乗ることができる上に、街中での燃費が改善されていることが特徴です。

トランスミッションでも燃費が違う

燃費向上のために変速機も様々な仕組みが登場しています。それぞれ適した使い方があります。

・無段変速(CVT)
これまで一般的だったトルクコンバーターによるオートマチック・トランスミッションは油圧を使ってコンピューターによる変速操作を自動で行います。変速時や低回転時に動力伝達のロスが出やすかったのですが、CVTはV字プーリーとスチールベルトを使い、無段階でギア比を設定します。そのため、理論的には走行時負荷に適した回転数に低く抑えることができるので、燃費が良くなります。
ただし、アクセルを踏み込んだ時などエンジン回転数の上がり方と実際のスピードが一致しないことがあります。マニュアル経験者などの中には違和感を覚える人もいます。スバルなどは違和感を無くすよう工夫していますが、後述するロックアップ付き多段式トルコンやDCTに比べるとダイレクト感は見劣りします。

・ロックアップ付き多段式トルコンAT
トルクコンバーターによるオートマチックの進化版が、多段式トルコンATです。7速から9速と変速ギアの数を多くして、なおかつエンジンとミッションを直結にするロックアップと呼ばれる制御を積極的に活用することで、より速度に対応したエンジン回転数制御を可能にします。CVTにそん色のないスムーズさとリアルな走行感、そして燃費の両立を図ったシステムです。ただし、高価なので高級車に採用されることが多いです。

・DCT
変速ギアの奇数段と偶数段に別々にクラッチがある、ダブルクラッチ方式です。これまでの変速機構では、エンジン回転動力の伝達を絶ち、ギアを選択、エンジン動力をつなぐ、というやり方です。DCTはこのクラッチ機構を分け、一つのクラッチが動いているときに、もう一つのクラッチがシンクロして変速します。これによって、ギア変速のスピードアップが図られ、動力伝達効率も飛躍的に上がります。
発進時のスムーズさは多段式トルコンに負けますが、アクセルを踏み込んだ時のダイレクト感がダントツです。こちらも高価なため採用に積極的なメーカーが限られています。

エンジンと変速機の組み合わせで、ドライバビリティや燃費は大きく変わります。JC08で上位を占める国産車の多くはハイブリッドやCVTを組み合わせたものが多く、街中ではスムーズで燃費はいいものの、山道や高速道路では運転好きな人からの評判や燃費も今一つ芳しくありません。
遠出をする人は小排気量ターボもしくは、クリーンディーゼル+DCT、多段式トルコン、そしてPHVに目を向けてもいいかもしれません。

低燃費の個性派も

今や、自動車はガソリンを大量に消費し、排気ガスを撒き散らす乗り物ではありません。自動車メーカーも「環境に優しい」をテーマに個性的なクルマを登場させています。

・アウトランダーPHEV
バッテリーだけで、60km走行できるほどのバッテリーを搭載。何より、高速域を除いてはほとんどモーターだけで走ることができるのが特徴です。ガソリンエンジンは主に発電用なのです。「ほぼ電気自動車」と呼んでもいいでしょう。現状、このタイプの「ほぼ電気自動車」PHVは三菱とホンダだけが採用していますが、ホンダ・アコードは個人向けにはリースのみの販売なので、実用車としてはアウトランダーPHEVだけです。もったりした外観のイメージもマイナーチェンジで今風になりました。
この車がこの価格で販売されていることは”奇跡”と呼ぶ専門家もいるほどです。電気自動車としてのテイストを持ちながら、いざとなれば発電用にガソリンエンジンを使えるメリットは非常に大きいのです。モーターによる加速感は本当にスムーズで、自動車の未来を感じさせます。

・マツダのスカイアクティブ
マツダが今後の自動車の姿として大きく舵を切ったシステムです。基礎技術を磨きこみ、エンジン、トランスミッション、プラットフォームの設計を包括的にすることで、車に最適な技術を確立させました。この技術に加え、クリーンディーゼルの排ガスクリア、低燃費に取り組み、SUVのCX-5から、デミオ、アクセラ、アテンザ、そしてロードスターなどに発展させています。低燃費と走るを両立させている点は、運転が好きな人からの評価が非常に高くなっています。

・ステップワゴン
ホンダが初めてダウンサイジングターボを搭載したのが、ステップワゴン。1.5L直噴ターボと聞いて、首をひねる人も多いはず。ステップワゴンの車格で1.5Lは貧弱ではないか、と。確かにライバルのミニバンは2.0L以上。しかし、実際には同クラスと比べても、トルクも十分で、加速感、高速道路、登り坂道も申し分ないほど。これでJC08モードで17 km/Lで、実燃費も12 km/L前後。税金が安くなることも含め、小型ターボはピリリと辛い!

走り方で異なる燃費

国交省データで軽自動車の燃費1位はスズキ・アルトの37km/Lで、普通自動車のトヨタ・アクアと同じでした。では、両者は実際には同じ実燃費なのでしょうか。それを実験したレポートがあります。
都内から首都高、東北道を300km走った結果は、アクアが29.1 km/Lで、アルトは25.7 km/Lと差が付きました。

両車でこれだけの差が付いたポイントは2点あります。一つは東北道や常磐道などの速度域の高い高速道路での燃費。そして渋滞時の燃費です。今回のテストでは首都高で2回渋滞に巻き込まれました。特に帰りの首都高の渋滞は10kmを超えるもので、これが明暗を分けた要素の一つでした。

出典:clicccar.com

つまり車、走行条件によって燃費が変わります。例えば、日光いろは坂をアルトで走るとして、一番燃費条件がいい速度で走るとすると、後ろの車からパッシング、クラクションを浴びることでしょう。

燃費を単純に比較するより、自分にあったドライブ、目的地、走り方、さらに価格を考えていくつか車種をチョイスし、絞った中で選ぶのが正解のようです。