トヨタ ランドクルーザー、世界の陸王として君臨し続ける魅力を探る。

世界の各地のニュースが放送される中で、よく目にする国産SUVはランドクルーザーではないでしょうか? 強靭な車体と、信頼性と耐久性を備えるエンジン、過酷な現場での走破性などにより世界から高い評価を受けています。今回はランドクルーザーを徹底解剖してみましょう。

ランクルってどんなクルマ

「ランドクルーザー」という車名は1954年より使用されています。「ランクル」と呼ばれ長年高い人気と実力を持つ日本を代表するクルマのひとつです。ランクルには大きく分けて、4ドアの大きい車体と高級装備を備えるステーションワゴン系・走破性や機能を重視したヘビーデューティー系・そのヘビーデューティー系の車体をベースに発展したライト系の3系統が生産されています。現在、ステーションワゴン系ではV8ガソリンエンジンを搭載したランクル200が販売されています。現行ヘビーデューティー系はランクル78・79であるが、輸出を中心に世界各国で使われています。ライト系のプラドは他車と共有のシャーシやエンジンを持つモデルで、ボディーバリエーションも2ドア・4ドア、豪華装備のワゴンと簡素なバンのラインナップがあります。そのほかにレクサスブランドの高級SUVレクサスLX570や、ランクル40をモチーフに作られたFJクルーザーなどもあります。

ランクルの主な歴代モデル

ランクル40

40系の原型となるトヨタジープBJは1951年に試作車が完成しました。当時、大型トラックに積んでいた直列6気筒OHV3,400ccのガソリンエンジン(初代B型)を搭載した「Jeep」型のクルマということで型式は「BJ型」となりました。その後1955年のモデルチェンジ経て1960年ランクル40が発売されました。1984年にランクル70が販売され生産が終了するまで長期にわたり世界各国で活躍する人気車種となりました。現存するクルマも多く愛好家にも根強い人気があり「ヨンマル」の愛称で呼ばれています。わたしたちが街で見かけるモデルは1979年の第3期以降のモデルだと思います。エンジンは排気ガス対策のため、3,200ccディーゼルエンジンの2B型が積まれるようになりました。フロント・ベンチレーテッド・ディスクブレーキが採用されたり、内装にファブリックが使われたり、乗用車的な変更がされるようになりました。まだ世間では「RV」という言葉もない時代に作業現場で使用されるのではなく若者たちがレジャーを楽しむためや遊びとして悪路を走破するのに使用しはじめたのもこの頃でした。ランクル40は強靭な足回りと粘り強いディーゼルエンジンで人気のクルマでした。その後改良を重ね、パワーステアリングが装備されたり、ホイールベースが延長されリアサイドウィンドウがスライド式になったりと安全性と快適性が向上し進化していきました。そして1984年にフルモデルチェンジし「ランクル70」へバトンタッチし生産を終了しました。現在でもドレスアップパーツや足回りの強化パーツなど、いろいろなメーカーからたくさんのパーツが販売されています。

ランクル60

ランクル60は、それまでの乗用車っぽいロングホイールベースのボディーを持つ55・56型の後継車として1980年に登場しました。エンジンは、4,000cc直列6気筒ガソリンエンジンと3,400cc直列4気筒ディーゼルエンジンが装備されました。1980年発表のランクル60は4ドアステーションワゴンの位置付けではありましたが1ナンバーの貨物車の装備でしかありませんでした。1981年にパワステ、1982年にディーゼル車に5M/Tやハイルーフ車を設定したり、1985年ディーゼルターボエンジンの追加や4速オートマチック車の設定など乗用車的改良が重ねられてきました。1987年にヘッドライトが角目4灯に変更され1988年ガソリンエンジンの3F-Eを搭載した3ナンバー登録のワゴン4000VXが発表されました。1990年ランクル80へとバトンタッチして生産を終了しました。ランクル60の足回りは前後ともリジッドアスクルとリーフスプリングであったため、後に人気のとなるリフトアップやよく動く足回りにカスタムするには適しており、後継車のランクル80よりも中古車市場ではヴィンテージ的要素もあり高値で売買されています。ランクル60のメカの信頼性と耐久性の高さ、国産ステーションワゴンでは最大級のボディーサイズなどの理由により国内外で通信の中継車や消防車などにも使われていました。

ランクル70

ランクル40の後継車として1984年に誕生しました。足回りは四輪リジッドアクスルとリーフスプリングとの組み合わせたヘビーデューティーな作りでしたが、乗り心地の改良をするため1999年前輪はリーディングアームとコイルスプリングの組み合わせとなりました。ボディーの種類も多く2ドアハードトップ・2ドアソフトトップ・2ドアFRPトップ・4ドアセミロング・海外向けピックアップなどありました。エンジンは直列6気筒OHV4,477ccガソリンエンジン・直列4気筒OHV3,470ccディーゼルエンジン・直列4気筒OHV3,470ccディーゼルターボエンジン・直列5気筒OHC3,470ccディーゼルエンジン・直列6気筒4,164ccディーゼルエンジン・直列6気筒直噴過給器付き4,164ccディーゼルエンジン などモデルによりたくさんの種類がありました。トランスミッションは5速フロアマニュアルシフトに加え4速フロアシフトATもありました。国内生産は2004年に終了するが、海外輸出モデルは生産され続けました。国内生産が終わった後もランクル70のスタイルや機能性に人気あり再生産を希望する声が高まりました。そんな中ついに2014年ランクル70誕生30周年を記念して約1年間の期間限定で予約生産で新車の70が復活しました。

ランクル80

1989年ランクル60のフルモデルチェンジでランクル80が誕生しました。外観の大幅な変更もありますが最大の変更点は、ランクル60のパートタイム4WDからセンターデフロック付きフルタイム4WDになったことでしょう。サスペンションも前後ともコイルスプリングを採用したリンク式リジッドアクスルとなり乗り心地が快適になりました。ボディーバリエーションはガソリンエンジンを積む8人乗りワゴンとディーゼルエンジンを積む5人乗りバンがありました。ランクル80の登場によりランクルは高級SUVへと次第に変化していくこととなるのでした。現在でも電子制御化が進んだランクル100よりもクロスカントリー性能の高いランクル80を好むユーザーもたくさんおります。

ランクル100

1998年ランクル80の後継車として誕生しました。シャーシは伝統のラダーフレームが採用されエンジンはガソリン4,663ccV8DOHC32バルブと4,163cc直列6気筒SOHC24バルブインタークラー付きターボディーゼルの2種類が設定されました。ランクル80から採用されたコイルスプリング+3リンクのリジッドアクスル式サスペンションからトーションバースプリング+ダブルウィッシュボーン式の独立懸架となり、オンロードでの走行安定性や快適性は飛躍的に向上したもののオフロードでの足回りの動きの自由度が小さくなるという懸念から油圧式車高調整機能やトラクションコントロールなどが設定されました。エンジンやミッションやハイドロニューマチックサスペンションなど多くの装備の制御が電子化されたことで、クロスカントリー車としての信頼性が下がったと評価するユーザーもいました。しかし、従来のランクルの名に恥じない悪路走破性と高速安定性、高級乗用車に匹敵する豪華装備などで、世界に通用する高級SUV車の仲間入りとなる基礎を築くクルマとなるのでした。高価格と人気を反映してのことなのか、日本ではランクル100だけを狙う窃盗団が現れ話題となりました。2007年、平成17年排出ガス規制に適合しないことを理由に生産を終了することとなりました。

ランクル200

2007年、ランクル100からバトンタッチしてランクル200は誕生しました。発売当初から、豪華な内装や静寂なエンジンは好評で、世界の高級SUVに肩を並べる存在として人気を集めました。アメリカにおいては所有者の平均世帯収入が20万ドル(約2,400万円)以上という超高級車となりました。シャーシは進化した伝統のラダーフレームが採用され、ドアミラー付け根部分とレールレンズ部分には、空力技術を用いたエアロスタビライジングフィンを採用し走行時の操作安定性を向上させています。エンジンはランクル100からの2UZ-FEを使用、その後Dual VVT-i(吸排気連続可変バルブタイミング機構)を搭載した1UR-FEに変更されました。低フリクションにより燃費向上や低排出ガス化に成功しました。サスペンションはフロントにコイルスプリング式ハイマウント・ダブルウィッシュボーンサスペンション、リアにはトレーリングリンク式サスペンションが採用されました。車高調整機能やショックの減衰力自動調整機能もさらに進化し電子制御化され高速安定性やコーナーリング性能がアップしました。その後マイナーチェンジをし最新技術の装備や高級なインテリアや最先端の安全装備など次々と採用し名実ともに世界の高級SUVとしての地位を固めていくこととなりました。

ランクルの中古車

ランクルは、200の新車も100時代の中古車も40などのヴィンテージ車も、どの時代のクルマも人気です。そこで中古車事情について調べてみました。

ランクル40系
元来丈夫なシャーシとエンジンを持っているクルマなので30年以上前の車のわりには玉数はあります。ただしボディーの錆や腐りは確実にあるのが事実です。店頭に並んでいる40のボディーはほぼレストアされているものがほとんどです。よって価格も150万円前後から高いものでは300万円弱のものまであります。走行距離も10万キロ以下のものはほとんどないと思います。実際に運転するのであれば最終型のパワステ・クーラー付きのものが人気でお勧めです。

ランクル60系
人気のある60シリーズはかなりの高値で取引されてます。昭和55年くらいの年式のもので200万円前後から300万円以上しています。昭和63年式角目4灯のタイプになると100万円くらいから200万円のものが多いようです。ノンレストアの格安な車両もありますがボディーの錆や腐り過走行にも注意が必要です。低年式のリフトアップなどのカスタムしてあるものが人気のようです。足として使うのであれば後期のハイルーフのA/T車が価格も安めでいいと思うのですが。

ランクル70系
70系はボディーバリエーションも多く価格もいろいろですが初期のショートボディーで100万円前後から150万円前後が多いようです。リフトアップしてオフロード走行してるものも多いようです。今購入されるユーザーもオフロードでの使用目的の方が多いようです。ロングホイールベースのタイプも人気があり150万円前後から平成10年以降だと200万円前後から350万円くらいするようです。レストアされてないクルマも多くオフロードの使用でボディーの凹みがある車両も多いようです。復刻モデルが発売されるのですから人気が衰えない高値で取引されてるモデルです。復刻モデルの中古車は400万円強で販売されているみたいです。

ランクル80系
ランクルの中では比較的安い価格で取引されています。フルレストアされてるクルマはほとんどありません。価格も70万円くらいから150万円前後が多いようです。ランクル入門としたら購入しやすく、走破性も高い80は狙い目かもしれません。走行距離は多めのものが多く20万キロオーバーも珍しくありません。

ランクル100系
中古車人気の下がらないランクル100も高値で取引されています。平成10年くらいもので150万円前後から平成16年式くらいのもので350万円前後が多いようです。最上級グレードのシグナスは450万円前後しています。ランクル100は他のランクルと違い、購入のポイントが綺麗なインテリアであったり、外観の傷であったり、高級セダンを購入するポイントと同じ感覚で決められるみたいです。

ランクル200系
ランクル200に至ってはもはや中古車とは呼べない価格で取引されています。400万円を少し切るあたりから高いものは1000万円弱まであります。走行距離が10万キロを超えているものでも価格が下がらないのはランクルの信頼性とブランド力なのでしょうか。価格も欧州の高級SUVに負けておりません。

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まとめ

1954年に「ランドクルーザー」として誕生して現在まで世界で愛され続けてきました。最初はオフロード用の作業車として開発され、武骨なシャーシと強靭なエンジンで世界各国で使われるようになりました。そのうち日本ではRV車としても人気が出ます。時代のニーズに合ったこともあり4WDRV車の火付け役となりました。本格的なオフロード車の70系・ラグジュアリーSUV代表車的な100系200系と変化と進化をしてきたランドクルーザー。これからも名実ともに世界を代表するSUV「陸王」として発展し続けるのでしょう。
そして日本が自慢できるブランド「ランクル」として世界を駆け巡って欲しいものです。