覚えておけば、あなたは安全ドライバー。知っておきたい「一時停止」義務

交通違反について周囲の人たちに聞くと、意外に多いのが「一時停止」の違反です。高い反則金に減点…「ちょっと停まらなかっただけなのに」という声が聞こえてきます。そんな一時停止については、ネットでも様々な議論があるようですが、キチンと理解しておくことで安全運転にも繋がりますし、改めて少し調べてみました。

一時停止についての都市伝説

まず、インターネットで調べていて気になったのが、都市伝説のような「こうすれば、一時停止違反にはならない」というblogなどの内容です。「なるほど」と思うものもありますが、「それは違うだろ」というものもあって、特に気になったものについて調べてみました。

いつでも停まれる速度なら一時停止

ときどきネットで見かける「時速◯km以下での走行なら一時停止として認められる」という内容。本当でしょうか?

答えから言ってしまえば「間違っています」になります。「一時停止」は確実に自動車を一旦停止させる必要がありますが、徐行は「いつでも停まれる速度」となりますから動いていても構いません。では、徐行の「いつでも停まれる」と言う速度はどれくらいでしょう。道路交通法などでは明確な定義は無いようですが、こんな資料がありますので紹介します。

徐行して走りなさい、時速四、五キロぐらいのことであろうと思いますが、すぐとまれる速度で走りなさい、

出典:kokkai.ndl.go.jp

この発言は、昭和53年5月9日の第84回国会の参議院地方行政委員会に説明員として出席した警察庁交通局交通企画課長のもので、自転車が歩道などを走る際に歩行者を妨害しないようにするための徐行についての答弁なのですが、1トン以上の自動車がもつ慣性モーメントを考えれば、自転車よりも停まりにくい自動車なら、もう少し低めが相当なのでしょうか。

また、一時停止もただ停めればOKというわけではありませんね。当たり前のことですが、停止してから左右などの安全を確認して再スタートしないといけません。この動作をするには不十分と思われるような、あまりにも短時間の停止の場合には警察の取り締まり対象になることもあるようです。

一時停止しなくてはならない場所と場合

また、やはり時々SNSなどでも見かけますが「明らかに通行量が少ないのに、一時停止違反でキップを切られた」とグチというか…がありますが、ドライバーの心理や判断はともかく規則ですから守らないといけませんね。

その一時停止をしなければならない場所については「標識のあるところ」というだけでは無いので、幾つか列挙してみます。
【場所】
・赤信号が点滅している交差点など
・一時停止の道路標識がある場所
・踏切の直前(信号設置の踏切を除く)

【場合】
・歩行者や他のクルマとの危険予防・回避のため
・狭い道路などでの行き違いなどで、対向車など通過を待つため
・駐車場などの道路外からの出入りで歩道や路側帯を横断する場合
・横断歩道や自転車横断帯、そしてその直前で駐停車している他の車両の横を通過しようと前方に出ようとする直前
・乗降中の路面電車の後方 ※ただし安全地帯がある場合は徐行での通過可
・発進しようとするバスやタクシーや、交差点で曲がろうとするクルマや、駐車場などに入ろうとしているクルマがキチンと発進、進路変更や右左折の合図をしている時に「譲るべき」場合
・交差点ちかくで、パトカーや救急車・消防車などの緊急自動車に道をゆずるため
・交差点などへの進入禁止や停止の指示に従うため
・身体が不自由な人や、高齢者子どもが通行・横断している場合

と場所以上に、場面には注意する必要があります。交通違反をとられるケースは「場所」での義務違反が多いようですが、事故での過失責任を問われることになりますから、万が一の事故防止のためにも気をつけておきたいですね。

一時停止の標識が手前すぎるとき

実際に走っていると、一時停止の標識があり、停止線があるのだけれども、実際に安全確認をするための一からは手前すぎるという場合があります。こんな時に「実際に確認できるところまで進んでから一時停止すれば良いよね♪」という判断も、やはりOUTになる場面のようです。

実際に法規定としては、停止線の手前での一旦停止が義務付けられているので、まず、ここで停まっておく必要があります。そして、実際の安全確認は、さきほどの「場面」で書いたような「歩行者や他のクルマとの危険予防」のための一時停止義務が発生するので、二段階で停止する必要があります。

また、過去の判例では、一時停止の標識が交差点から30メートルも手前に設置されていた場合に対して、それが走行路そのものの標識ではなく、交差点に対する標識だと認めたものがあります。標識や表示には「勝手な判断」で無視することが許されていませんから、これにも注意しておきましょう。

「自転車」にも一時停止の義務はあるのです!

先ほど引用した国会答弁が「自転車が歩道などを走る際に歩行者を妨害しないようにするため」の発言だと書いたように自転車にも徐行の義務があります。ということは、当たり前ですが、自転車にも一時停止の義務があります。先ほど書いたような自動車への一時停止と同様のことが挙げられます。その他にも、実は自転車特有の一時停止に関する事柄があるので書いておきましょう。

それは歩道です。歩道は特に歩行者優先ですから、歩道を走っているときは歩行者の保護のために危険回避などでは一時停止義務が発生します。案外、忘れている人が多い気がしますが、道を安全に通行するためのマナーとしても心がけておきたいことですね。

まとめ

ドライブをしていると、ついつい標識よりも状況を優先したくなるものです。でも、その判断が警察にとっては取り締まりの対象になってしまって、痛い状況を産み出す結果になったりします。そして、違反よりも痛いのは事故。一時停止を軽く考えて交差点などで事故を起こせば、安全義務違反などで過失責任を重く判断されることもありますし、そもそも事故を起こさないためにも一時停止については、きちんと理解しておきたいですね。「注意一秒、怪我一生」。古い言葉ですけど、一時停止の標識を見るたびに思い出すようにしてみましょうね。