DOHCは吸排気弁機構の形式の一つだった!

「Double Over Head Camshaft」ダブルオーバーヘッドカムシャフトの頭文字をとってDOHCとなります。吸排気弁機構の形式の一つで、カムシャフトを二本使い吸気側と排気側を別々に駆動させています。今でこそ乗用車に多く搭載されていますが、1950年代までは一部のスポーツカーだけに採用されていました。

DOHCの特徴って?

DOHCは高回転かつ高出力化ができる!

カムシャフトを吸気側と排気側を別々にすることで、シリンダーヘッドなど設計の自由度が高いのがDOHCの最大の利点といえます。カムシャフトが増えるだけではエンジンの性能は向上しないので、多くの改良が加えられています。開発者の努力があって、今では多くの乗用車に搭載されるエンジンになりました。
高回転や高出力化ができる吸排気機構ですが、部品の数が多くなってしまいます。それまで活躍していたSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)よりも重量が多くなったり、エンジン上部が大きくなってしまうデメリットがあります。整備の面でも複雑な構造なので、専門の知識がないとオーバーホールなどはできません。
吸気側と排気側を分けることで、エンジンの高回転や高出力化ができたために広く使われています。時代と一緒に進化するエンジンは、更に進化をしていくでしょう。

DOHCの燃費は?

今では直噴エンジンなど、低燃費を実現させるエンジンが開発されています。通常シリンダーの中にガソリンと空気を混合させてから噴射しますが、直噴エンジンは空気とガソリンを別々に取り入れています。そのために燃焼効率が良く、低燃費と低排出ガスを両立しています。
エンジンの性能による燃費向上にも限界があるといえます。水素車や電気自動車のようなガソリンを使わない車が開発されているので、普及が進むことが期待されています。性能向上は必要不可欠ですが、次世代燃料などの開発が急がれています。
技術で燃費向上させても、運転の仕方や交通状況によって燃費は変わります。カタログにある燃費は、一定条件のもとで計測されています。一般道や高速道路での燃費を計測することはできないので、カタログに記載されている燃費よりは劣ってしまいます。

どうしてDOHCが主流になった?

DOHCが主流になった背景には、可変バルブタイミング機構を採用したことが背景にあります。第二次世界大戦後に、従来の量産エンジンを元にヘッド部分をDOHC形に改造した高性能エンジンを開発することができました。その後、スポーツモデルに搭載して市場に送り込んだことも要因といえます。
時代に合わせて進化するエンジンは、高性能に進化して低燃費を実現させています。低燃費を実現させることは、地球温暖化防止や交通公害を減らすことになります。環境を守るためにも、さらなる低燃費のエンジンが開発されると期待したいです。
日々進化する車は、その時代を象徴しているような気がします。最近では、環境への意識が高まってエコカーなどに人気が集まっています。DOHCが使われているエンジンには、さまざまな改良が加えられてエコカーをはじめとして多くの乗用車に使われています。

DOHC以外にはどんなのがあるの?

小型で軽量なSOHCエンジン!

「シングルオーバーヘッドカムシャフト」の頭文字をとってSOHCとなります。カムシャフトを二本使用しているDOHCに対して、カムシャフトは一本で吸気側と排気側のバルブを動かしています。小型で軽量のエンジンとなり整備性もいいとうメリットがあり、1960年代から1970年代に多くの乗用車に使われていました。
姿を消してしまったように思えるSOHCですが、現在でも一部の車種に搭載されています。小型で軽量の特徴を持つので、コンパクトカーなどに使われています。エンジンの重量が軽くなることで、車重を軽くすることができて低燃費につながります。
高回転を多く必要とするサーキット走行には不向きですが、日常生活では違和感を感じることなく使えます。エンジンの性能を比較しても大きな差は見られないのですが、整備性などではSOHCの方が整備しやすいとなります。

高い耐久性のOHVエンジン!

「オーバーヘッドバルブ」の頭文字をとってOHVとなります。1960年代から1980年代の乗用車に多く採用されていました。同一車種の下位グレードに多く採用され、上位グレードにはSOHCが採用されています。構造が単純で整備性は良いのですが、構造的に高回転まで回す使い方には不向きなので、現在では乗用車で採用されるのは非常に珍しくなりました。
許容回転数を大きくできないために、乗用車以外で活躍しています。必要以上に高回転を必要としない、飛行機や船舶などのエンジンとして採用されています。高い耐久性や信頼性もあるので、自家用発電機のエンジンとしても採用されています。
また、トラックやバス用の中排気量以上のディーゼルエンジンに残っているものの、厳しい自動車排出ガス規制に対応するのが難しくなっているのが現状といえます。

クリーンディーゼルエンジンにもDOHC!

DOHCはディーゼルエンジンにも採用されて、低燃費や排出ガス規制をクリアしています。可変排気バルブ機構を搭載することで、燃料の燃え具合を最適に保つためにバブルの微調整が可能です。燃え具合を最適に保てるので、燃焼効率が良くなって低燃費につながります。
二本のカムシャフトを使うDOHCのメリットは、吸気側と排気側で独立して調整ができることです。独立調整ができるので吸気側と排気側で別々に設定が可能になり、低燃費を実現させることができます。さまざまなメリットを組み合わせることで、低燃費や低排出ガスが可能になります。
厳しい排ガス規制をクリアするためにクリーンディーゼルエンジンでは、尿素SCRシステムが採用されています。排出ガス浄化装置と一緒に組み合わせることで、クリーンディーゼルエンジンが性能を発揮します。エンジンだけではなく、マフラーなどの部品にも環境対策は必要になります。

日本で最初のDOHC!

実は軽トラックだった!

日本でDOHC搭載をしたのは、1963年に発表されたホンダの軽トラックT360です。バイクメーカーだったホンダが軽トラックに搭載したのは、国が新規の自動車メーカーを認めないという方針を明らかにしたためです。そのために、軽トラックのT360とスポーツカーのS360、S500で車市場に進出しました。
当時の軽トラックの馬力は約15馬力で、ホンダの軽トラックは約30馬力で当時としては2倍の馬力を出していました。最高速度も約100キロで巡行可能が売りだったのですが、当時としては価格が高かったために売り上げが伸び悩んだようです。
日本初のDOHCを搭載した軽トラックですが、失敗作といわれ短命に終わってしまいました。その後、量産化やコストダウンによって乗用車の主流となります。いくつもの失敗を重ねて、現在に受け継がれているDOHCは日々進化の道を歩んでいます。

海外ではいつ頃から?

諸説ありますが、1912年にエネスト・アンリがフランスのプジョーのレーシングカーのために開発したのが最初といわれています。または、スペインのイスパノ・スイザの設計者マルク・ビルキヒトによる着想を剽窃したという説もあり、詳しいことは分かっていないです。
海外では戦前からDOHCエンジンを積極的に手掛けているアルファロメオが戦後に量産化に転じると、ヨーロッパや日本も追従を開始しました。高回転で高出力なので、スポーツカーなどに当時は多く搭載されて市場に進出しました。
省燃費化や低公害化の手段としてトヨタ自動車が実用車向けの普及型エンジンを開発し、広く一般に知られるようになりました。吸排気効率を高めつつ理想的な燃焼室形状を確保できる自由度の高さに着目したことが、DOHCの先駆者ともいえます。

いろいろな場所で活躍するDOHC!

トヨタ自動車が普及用DOHCエンジンを開発したことで、日本だけではなく世界の多くのメーカーで採用されています。乗用車では広く使われているために、その効果が軽自動車にも普及しています。2001年5月以降にスズキのすべての軽自動車や2009年9月以降にはダイハツのすべての軽自動車に搭載されています。
また、ディーゼルエンジンにもDOHCが採用されています。吸気側と排気側で独立調整できるメリットも持っていているので、小型トラックや小型バスなどのエンジンにも採用されています。一部では、大型トラックのエンジンにも採用されています。
多くのメーカーが採用しているのには、厳しい排出ガス規制や低燃費のエンジンが必要とされているからだといえます。物流業界などでは燃料高騰の影響で業績不振の会社が多く、少しでも燃費が良い車が求められています。時代によって求められるエンジンも変わってきますので、エンジンの性能は時代を写す鏡といえます。

エンジンの未来!

排気ガスがもっと綺麗に!

エンジンの性能をもっと向上させて排気ガスが綺麗になると、地球温暖化の原因になる二酸化炭素の排出削減につながります。電気自動車や水素自動車など次世代の車も市場に進出してきますが、初期投資の問題や水素ステーションの整備などの問題を抱えています。
さまざまな問題が解決されて一般に普及するまでは時間がかかりますが、大いに期待ができるといえます。地球温暖化の問題は地球で生活する人々の問題で、カーライフを楽しむ私たちの問題でもあります。少しでも低燃費の車に乗り換えたり定期的に整備することで、ほんの少しですが温暖化防止に貢献できます。
普及型DOHCの登場で排ガスがより綺麗になっていますが、不正軽油などの品質の悪い燃料を使用していてはいけません。正しい燃料を使うことで、はじめてエンジンの性能を引き出すことができます。

DOHCの未来は?

次世代エネルギーの車の開発が進んでも、従来のガソリンを使う車も開発され続けられると思います。次世代の車では課題が山積みになっているために、開発が進まないのが現状となっています。従来のガソリンを使う車であれば、排出ガス規制を大幅にクリアしています。
日々進化していく車には、環境問題や騒音問題などもあります。車メーカーだけがエコを意識しても意味がないので、車の部品を製造するメーカーと協力を必要とします。地球温暖化だけが問題だけではなく、身近な車との生活も考えなくてはいけません。
DOHCという技術も時代の流れで誕生しただけではなく、これから先の時代にも影響を与えるような技術にもなって欲しいといえます。水素自動車や電気自動車の普及が進むと、ガソリンエンジンの自動車は時代遅れになるかもしれません。

環境問題とDOHC!

DOHCの技術は環境問題に強い?

DOHCは環境問題などにも貢献してくれる吸排気弁機構なので、これからもさまざまな改良がくわえられることでしょう。エンジンの開発などには多くの開発者がいて、彼らの努力の結晶といえます。普段の生活を豊かにしてくれる技術も、多くの開発者がいたから可能になっているのです。
これからの時代は、環境問題がもっと大きくなるといわれます。車にできることや一人一人が真剣に考えなくてはいけません。低燃費を実現させるために、必要以上にスピードを出し過ぎたり急発進を繰り返していてはいけないのです。
エンジンの環境性能が向上したからといってスピードを出し過ぎていると、燃費を悪くして最悪は事故になってしまいます。どんなに素晴らしい技術でも使い方一つで、自分の人生を棒に振ってしまう場合があります。運転するときは、スピードを控えめに安全運転をお願いします。

次世代の車にも使われるDOHC!

ハイブッリトカーは、電気とガソリンエンジンの組み合わせで走行できる車です。二つの異なる動力で走る車が、ハイブリットカーと呼ばれています。ハイブリットカーのガソリンエンジンにもDOHCが使われています。
エコカーや軽自動車にも広く使われているので、次世代を担う車にも使って欲しいといえます。可変バルブタイミング機構との相性が良いので、燃焼効率が良くなるメリットがあります。燃焼効率が良くなると、排出されるガスも綺麗になります。
幅広く使われるので、これからも改良が加えられるといえます。以前はレースや高級車にしか使われなかったのが、普及型のDOHCが作られたことで主流となり今も使われています。時代の流れで環境問題が大きく取り上げられていますが、車の排ガス規制だけではなくさまざまな対策が必要といえます。
身近なことでできるのは、車の使用を控えて歩くのも良いでしょう。車は時代の流れで作られているといえるので、車と時代を見比べて見るのも面白いといえます。

新しいDOHCエンジン!