タイヤに窒素を入れると燃費が良くなる?噂の本当のところ

最近、タイヤショップで窒素ガスの充填を勧められることがあります。聞けば、空気圧の安定化や燃費の向上が見込めるとのこと。空気を入れるのと違ってそれなりの費用もかかるし、はたして費用対効果ってあるの? という訳で噂の真意を確かめてみようかと思います。

タイヤに窒素ガスを充填した場合のメリット

まずは燃費云々の前に、そもそもタイヤに窒素ガスを入れた場合のメリットって何なの? というところから掘り下げようかと思います。

メリット1. 空気圧の安定化

タイヤの空気圧が下がる原因は、タイヤ内部の空気がゴム分子の隙間を通り抜けてしまうことによります。
その中でも、空気中に含まれる酸素は、タイヤのゴムの分子を通り抜け易く、結果酸素が抜けてしまうことでタイヤの空気圧が下がってしまうのです。
それに比べ窒素ガスはゴムの透過速度が空気に比べて4倍も遅いらしく、酸素よりも抜けにくいという性質があります。 また、窒素ガスには水分が含まれていないため、気温の変動によるタイヤの内圧の変化が小さいため、結果的に空気よりも空気圧を安定して保つことができる訳です。

メリット2. タイヤ・ホイールの劣化防止

空気には水分が含まれており、補充を繰り返すうちにタイヤ内に貯まっていきます。結果、タイヤ内部の金属製のワイヤーやホイールの腐食の原因となります。しかし窒素ガスには水分が含まれていない為、金属を腐食させることがありません。結果、タイヤとホイールの劣化防止につながります。

メリット3. バースト(破裂)の予防

窒素ガスは不活性ガスといって、化学変化を起こしにくい物質です。よって温度変化による膨張変化を起こしにくく、高速走行時や高温下での走行時にもタイヤ内の内圧変化が少なく、内圧の急激な変化による走行時のバーストの予防につながります。

メリット4. ロードノイズの低減

窒素ガスは空気と異なり、音の伝わり方が異なります。タイヤ内の振動を抑えることができ、路面や段差を超えた際のロードノイズが抑えられ、運転が快適になります。

なるほど。窒素ガスは空気よりも抜けにくく、タイヤの内圧が安定するといったメリットがあるようです。
中でも「空気圧の安定」が燃費の向上に一番効きそうな気がします。

タイヤに窒素ガスのルーツは航空機

元々航空機のタイヤには窒素ガスが使われていました。
数百トンの重量を支え、僅か数秒で300キロに達する等、自動車よりも遥かに過酷な環境に耐えるために、温度変化に影響を受けにくい窒素ガスが不可欠だったという訳です。
一般的に窒素ガス充填が普及するきっかけになったのは長距離トラックだったと言います。
長時間タイヤに高負荷がかかり、タイヤの内圧上昇が考えられる長距離トラックのタイヤに窒素ガスが使われるようになったのは必然と言えるでしょう。
同様に長時間高速で酷使されるF1とはじめとするレーシングカーにも窒素ガスが使われているそうです。

タイヤに窒素ガスを充填する場合のコストって…

タイヤ4本充填するのに1回あたりいくら位かかるのか、ネットで調べてみました。

スーパーオートバックスTOKYO BAY東雲の場合

出典:http://www.sa-tokyobay.com/pit/tire/chisso.html

スーパーオートバックスTOKYO BAY東雲の窒素ガス充填サービス。

工賃:2,160円(税込)/(4本) 作業時間:10分~
※ タイヤ購入時特価 2,160円(税込)⇒1,320円(税込)(4本)
ご利用時より一年間補充無料!

出典:www.sa-tokyobay.com

タイヤ館一宮の場合

出典:http://taiyakann1nomiya.jimdo.com/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC/%E7%AA%92%E7%B4%A0%E3%82%AC%E3%82%B9%E5%85%85%E5%A1%AB/

タイヤ館一宮の窒素ガス充填サービス。

1本¥500(税抜き) 1台分 4本¥2000(税抜)

他店で窒素を充填していて、当店で充填する際は、一本¥100(税抜)別途でかかりますのでご了承ください。

出典:taiyakann1nomiya.jimdo.com

具体的にネットで価格が表記されていたのは上記2店舗のみでした。
推察するに、1本辺り500円+税といったところでしょうか。

タイヤに窒素ガスを充填する間隔はどの位?

空気よりも抜けにくくかつ内圧が安定していると窒素ガスですが、空気に比べてどの位で再充填すればよいのでしょうか。ネットで調べてみましたが…
うーむ、明確な回答が見つからないです…。
窒素ガスが空気よりも抜けにくいとはいえ、いつかは抜けていくものですからやはり普段通りに空気圧をチェックして圧が落ち始めていたら再充填を行う、といったところでしょうか。
お店によっては充填後、一年間は無料で再充填も行ってくれるところもあるようです。
空気に比べて4倍程抜けるのが遅いそうですから、3ヵ月~4ヵ月位の間隔位に見ておけば良いのかと思います。
また、18インチ以上の大径ホイールを履かせた場合の超扁平タイヤの場合、一般的な扁平率のタイヤよりも
抜けやすい場合もあるようです。

注意しなければならないのが、18インチ以上の扁平タイヤの場合です。まず装着するホイールの形状にもよりますが、平均すると3~4ヶ月に0.1キロずつ抜けることが多いようです。 純正ならまだしも、社外品の一部のホイールですとビード部の密着が悪いためか抜けやすいようです。 後でお答えしますが、タイヤの種類(メーカー)によってかなり違うことがわかりました。 いずれにしても、そのつど又、同じ窒素ガス充填(補充)をしなければならないのです。

出典:www.tire-labo.com

結論:タイヤに窒素ガスって燃費が向上するの?

本来であれば、空気を充填した場合と窒素ガスを充填した場合を可能な限り同じ条件で一定期間検証を行ったデータを明示すべきでしょうが、残念ながら、インターネット上には実際に窒素ガスを充填した場合の燃費の向上について明確なデータを掲載した記事は見当たりませんでした。

燃費が良くなる、というのはある意味で正解だと思います。タイヤの空気圧を適正に保つことはすなわち燃費の向上に繋がるからです。一般的に車を毎日使っている人でも半年から一年もタイヤの空気を点検しない人もいます。そういった人の車のタイヤの空気圧はおそらく適正では無いでしょう。そういったタイヤの空気圧に無頓着な人たちにとっては効果が見込めるかと思います。逆にマメに空気圧のチェックをしている人にとっては、コストばかりでメリットがあまり感じられないでしょう。
タイヤに窒素ガスを充填したからといって、空気圧調整が不要になることもありませんし、燃費が体感出来るほど劇的に変わることもないでしょう。タイヤの内圧にしても一般公道を普通に運転している限り、内圧が高くなりすぎる事もないでしょう。

結論として、タイヤに窒素ガスを充填する事は科学的には充分メリットであるといえます。しかし、一般公道を走る車にとっては必ずしも必要とは言い切れないのではないでしょうか。