【ホンダ ビート】一時代を築き上げた魅力&ビートの後継車とは?

現在、軽自動車を見る機会が多くなりました。特にホンダの「Nシリーズ」は爆発的な大ヒットと言えるでしょう。しかし、そのホンダにはNシリーズよりも前に走りの楽しみを教えてくれる軽スポーツカー「ビート」が販売されていたのです。そこで本日はビートの魅力や当時同じ軽スポーツとして発売されていた車種を紹介していきます。

ホンダ ビートはどんな車?気になる車情報

ホンダより発売された「ビート」は1991年~1996年に発売されたオープン2シーターの軽スポーツカーです。同時期に発売されていた「NSX」同様のミッドシップレイアウトに後輪駆動方式を採用していたため、当時のホンダ愛好家の方々から「本当にホンダの車?」と言われるほど驚かれました。

また、軽自動車では初めてとなる部品・システムを導入しています。例えば「SRSエアバッグ」「四輪ディスクブレーキ」「サイドインパクトビーム」等です。その他にも当時の軽自動車には無かった前輪13インチ、後輪14インチのようにMR(ミッドシップレイアウト)特有のタイヤサイズに変更されていました。

当初は本当にホンダ? と驚かれる部分はあったものの、個性的な見た目にスポーツ感覚で走れる手頃な軽自動車とあって40代以上の方々だけでなく20代~30代の若者の心を大いに掴んだのです!

それではホンダ ビートの車情報を紹介します。

・全長:3,295mm
・全幅:1,395mm
・全高:1,175mm
・ホイールベース:2,280mm
・車両重量:760kg

・エンジン:E07A型:直3 SOHC 656cc
・最高出力:64PS/8,100rpm
・最大トルク:6.1kgf·m/7,000rpm
・変速機:5速MT(MTのみ販売)
・駆動方式:MR

以上となります。

ホンダ ビートが他社に与えた影響

「今更そんな軽自動車なんて作っても売れないだろう…」
「今はバブル景気なんだからもっと高級志向の車を作った方が売れる」
当初ホンダのビートが発売される前は、ホンダ以外のメーカーは上記のように考えまさか売れるとは考えてもしませんでした。しかし、ホンダのビートが発売されるや否や若い世代・中年世代・高齢者関わらず、多くの方々の心を掴み「まさかこんなにも売れるとは!」と上の写真のように驚きを隠せなかったのです。

そこで2つのメーカーが「ホンダのビートなんかに負けるか!」と言わんばかりに軽スポーツカーを導入したのです。続いての項目ではそのメーカーと販売した車種を紹介します。

(1)マツダ オートザムAZ-1

マツダの軽自動車部門「オートザム」が満を持して1992年に発売したのが「オートザム AZ-1」です。車情報は下記のようになります。

・全長:3,295mm
・全幅:1,395mm
・全高:1,150mm
・ホイールベース:2,235mm
・車両重量:720kg

・エンジン:F6A型 657cc 直3 DOHCターボ
・最高出力:64PS/6,500rpm
・最大トルク:8.7kgf·m/4,000rpm
・変速機:5速MT
・駆動方式:MR

以上となります。

マツダ オートザムAZ-1の特徴は?

マツダ オートザムAZ-1の特徴は下記のようにあります。

・軽自動車では初めてとなる「ガルウィング」を採用
・スズキ「カプチーノ」と同様のF6A型エンジンを採用
・パワートレインの多くをアルトワークスと共用
(そのためアルトワークスからパーツを流用して改造することもできました)
・MR
・ターボエンジン+軽量ボディ(720kg)のため一般車両よりも速度が出る
・小柄なサイズ・鋭いハンドリングで機敏な走りを提供してくれる

以上のようにビートとは異なるポイントで差別化を図り、市場に投入してきました。しかし結果は散々なもので、4,392台が生産されたところで販売終了となり約1年間で姿を消すことになりました。

マツダ オートザムAZ-1の欠点

性能面を見ると当時としては素晴らしい車だった「マツダ オートザムAZ-1」しかし、AZ-1を購入したユーザーからは「挙げるとキリが無い」と言われるほどの欠点があったのです。その中の一部を紹介します。

・現在のように便利な機能・安全装備が無い(カーナビ・CDプレーヤー・ABS・エアバック等)
・パワーステアリングが無いため運転時は良いが、細かな運転を求められると厳しい
・開く窓がチケットキャノピー以外開かない。もちろんパワーウィンドーも無い
・運転席より助手席の方が狭い
・現代のようにエンジン部分を遮音する設計ではない
(そのため速度を出すほど、けたたましいエンジン音が車内に進入する)
・車高はビート同様低いが、軽規格サイズを遵守するため重心が高く設定されている
(つまり軽いボディで重心を高く設定しているため、速度を出しすぎて急にハンドルを切ると簡単に横転する)

上記以外でも多数の欠点があります。しかし、AZ-1を本当に愛して今も尚乗られている方は「欠点があるからこそ面白い」「欠点なんて思わない。これがAZ-1の魅力なんだ!」と言います。ただこちらの車は運転の仕方が分かった時には、当時としては軽自動車の中で誰も追いつけない程のスピードとコーナーリング性能を持っていました。

それでは続いて、もう1つの軽スポーツカーを見ていきましょう。

(2)スズキ カプチーノ

最後に紹介するのは、スズキが1991年~1998年に販売していた軽スポーツカー「カプチーノ」です! それでは早速、車情報を見ていきましょう!

・全長:3,295mm
・全幅:1,395mm
・全高:1,185mm
・ホイールベース:2,060mm
・車両重量:700kg

・エンジン:F6A型 657cc 直3 DOHCターボ
・最高出力:64PS/6,500rpm
・最大トルク:8.7kgf·m/4,000rpm
・変速機:5速MT / 3速AT
・駆動方式:FR

以上となります。引き続きカプチーノ特徴について解説していきます。

スズキ カプチーノの特徴とは?

スズキ カプチーノは下記のような特徴を持っています。

・上記で紹介した車種よりも「ロングノーズ」「ショートデッキ」の本格スポーツカーレイアウト
・ルーフを「3ピース構造」を採用(そのためフルオープン・タルガトップ・Tトップが楽しめた)
・軽スポーツカーの中で唯一「FR」
・重量配分を前49:後51と言う理想に近い重量配分に成功
・エンジンを縦置きにすることで、軽自動車では初となる「4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション」を採用
・マイナーチェンジにより更に10kgの減量に成功

以上のような特徴をスズキのカプチーノは持っています。先ほど紹介したAZ-1同様のエンジンに軽量ボディのため、こちらも一般車両よりも突き抜けた速さを実現していました。特に峠道のようなコーナーの多い下り道では、軽さを活かした軽やかなコーナーリングに「F6A型 657cc 直3 DOHCターボ」による鋭い加速で一般スポーツカーを食らう程の猛威を振るっていました。

AZ-1同様のエンジンを搭載していても、こちらは理想的なレイアウト・重量配分に「輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション」のため横転することは少なく(ただし無謀な運転をすれば横転します)そして軽自動車初となるFRと言うこともあり、当時の走りたい盛りの若者から40代の方々まで絶大な支持を受けていたのです。

スズキ カプチーノの欠点

走行性能に優れていたカプチーノも残念ながら欠点がありました。今回はその欠点をこちらで紹介します。

・「走り」を主体にしているため実用性に乏しいデザイン
・「世界一居住空間の狭い車」と言われることも…
・3ピース構造のため隙間から雨漏りをすることもあった
・運転の「腕」を上げないと扱いきれないじゃじゃ馬ぶり
・パワーステアリングなし

と言った欠点を持ち合わせています。
しかし、扱いきれるようになりましたらAZ-1同様に他の一般車両に負けない戦闘能力を持っています。また当時は「アフターパーツ」の量がビート・AZ-1以上に豊富だったため、走りの部分だけでなく「カスタマイズ」と言う部分でも楽しめた一台です。

こんなにも素晴らしい走行性能・カスタマイズの楽しみがありながら、1998年10月に生産を終了しました。総生産台数は26,583台とビートに及ばなかったものの、ビート・AZ-1以上の7年間と言う期間販売を続けていました。カプチーノ以降、残念ながら「FR」で「重量配分 前49:後51」と言う理想的な車は誕生することはありませんでした。

ホンダ愛好家達に称賛されたビートの魅力とは?

(1)軽オープンカー

まずビートの中で魅力的なポイントが「軽オープンカー」と言うことです。当時、軽自動車はスタイルよりも実用性が求められる車が多かったのです(ただし、アルトワークスは除く)そのため、どれも似たり寄ったりの車で個性と言うものがほぼ皆無でした。

そんな中、ホンダのビートは今までの軽自動車の常識を打ち砕くように「幌」そして軽オープンカーとして颯爽とデビューしたのです。これには今まで「軽自動車は実用性が無いと駄目。スタイルは二の次」と言う常識を良い意味で壊し「軽自動車はこんなにスタイル抜群の自動車になれるのか!」と言う新たな考えを皆さんに提供したのです。

(2)維持費が安くセカンドカー需要を満たした一台

「1台は通勤用、もう1台は楽しむためのセカンドカー」と言う方も中にはいるでしょう。とは言え、セカンドカーでも税金・車検・修理費・ガソリン代などの維持費が掛かってしまっては嫌ですよね? かと言ってセカンドカーをデザイン性の無い軽自動車にするのも楽しくありません…。

そんなセカンドカー需要を大いに満たしてくれたのが「ビート」なのです!

ビートは先ほども紹介したように「軽自動車」ですので、当時は非常に税金も安く尚且つAZ-1のようによっぽど無茶な運転しなければ故障や修理は殆ど無かったのです。そしてスポーツカーながら「ハイオク」ではなく「レギュラー」だったため毎月のガソリン代も「えっ!」と驚くほど高額になりませんでした。それらのセカンドカー需要を大いに取り込んだビートは、特に働き盛りの40代~50代のハートを掴んだのも言うまでもありません。

(3)軽快な運転を楽しめる

ホンダのビートはパワーはAZ-1・カプチーノに劣るものの、軽快な運転を楽しむには十分すぎるほどの軽スポーツカーでした。ホイールベースは2,280mm、車両重量は760kgと一般車両にはない強みを持っており、特に峠道のようにコーナーが多い道では軽さを活かした軽快な運転を楽しめたのです。

そして一番軽快な運転を楽しめるようになるのが、運転の「腕」が上がった時です。最初は軽スポーツカーと言うこともあり、一般車両のような重量による安定性がありませんので「大丈夫かな…」と慎重に運転を開始します。それが徐々に腕を上げていくと「このスピードなら大丈夫」「○,○○○まで回せばコーナーへ上手に進入できる」と言ったようにビートの武器を存分に活かした運転を楽しめるのです。

もちろんその楽しみは後継車の「S660」にも受け継がれています。

(4)非力なエンジンを操る楽しさ

重複となりますが、ビートのエンジンはAZ-1・カプチーノと比較しても非力なエンジンです。しかし、そのエンジンの長所を知り思い通りに操れるようになると「こっちの方が楽しい!」と感じるようになるのです。

そもそもビートのエンジンはターボを搭載していませんが、スポーツカーでよく見られる「多連スロットル方式」なのです。この時代ですと「AE86」「スカイライン GT-R」にも採用されてきた方式です。超高回転型のエンジンは最初こそ物足りないものの、徐々パワーを増していき高回転域に達した時に本来のスピードを楽しむことができるのです。

つまり、ビート本来の走りを楽しむためにはエンジンの方式を良く理解する必要があるのです。ビート本来の走りを楽しむのであれば高回転域を常にキープした運転を心がける必要があるのです。

ビートの泣きどころ?ビートが抱える欠点とは?

(1)E07A型:直3 SOHC 656ccのエンジン

1つ目の欠点は「E07A型:直3 SOHC 656cc」のエンジンです。先ほど紹介したAZ-1・カプチーノではどちらも「F6A型 657cc 直3 DOHCターボ」エンジンを採用しており、尚且つ軽量ボディも相まって軽自動車とは思えない驚異的な加速と速度を実現させたのです。一方、ホンダ ビートはと言うと他の軽自動車のエンジンを改良して搭載した「ノーマルエンジン」です。「絶大的な速さがあります!」と言うわけでもなく、かと言って「鋭い加速がポイントです!」と言うわけでもない何とも中途半端なエンジンに仕上がっています。


購入した方の中にはスポーツカーのような加速・速度を求めたにも関わらず、エンジン性能の低さに拍子抜けになる方々が続出しました。またAZ-1・カプチーノと並べば加速・速度が違いますので簡単に置いていかれてしまうのです。どうしてもエンジンはビートの泣きどころと言えるでしょう。

(2)パワーステアリングが装備されていない

現在、発売されている車の多くは「パワーステアリング」と言う機能が付属しています。パワーステアリングの機能があることで操縦者は、軽い力だけで車を思うように動かすことができます。そして車輪を通じてハンドルに来る衝撃を軽減させる効果も持っています。

しかしAZ-1・カプチーノ同様、ビートもパワーステアリングを搭載していません。そうなるとどうなるか? 運転している時は特に感じませんが「住宅街」「車庫入れ」と言ったハンドルの細かな操作を求められる時に大いに苦労します。現在のように「軽い!」ではなく「なんでこんなに重たいの!」と感じるほど重たいハンドリングを回さなければいけません。そのため、上記で紹介した車含めてパワーステアリングが無いことが欠点として言えるのです。

(3)幌の耐久

ホンダ ビートはAZ-1・カプチーノと異なり「幌」のオープンカーになります。幌のオープンカーのため、幌車特有の悩みが尽きませんでした。

まず幌の劣化による「雨漏り」です。
発売当初は新品の幌ですので特に問題ありませんが、屋根つきの車庫以外ですと「太陽光」「雨水」「埃・汚れ」等によって徐々に幌の耐久が弱くなっていきます。そして何年もその状況が続くと、幌に穴が開いてしまいそこから雨漏りに発展するのです。また、ウェザーストリップ部分も同様に劣化してくるため幌がよくてもウェザーストリップが駄目なら、その隙間から雨が進入します。そのため「幌が大丈夫なのになんで雨漏りするんだ…?」と言ったように頭を悩ませるのです。

次に「いたずら」による被害です。
幌車は幌が破けると雨漏りだけでなく、その魅力を大いに失ってしまいます。もし幌を傷つけられてしまうと最低でも10万円の交換費用が必要になります。そして現在では、ビートのアフターパーツも少なくなってきましたので、ビートの幌も貴重なパーツになってきました。

もしこれからビートに乗るのであれば、幌の問題も覚悟の上で乗るようにしましょう。

(4)価格設定が当時としては高額

ホンダのビートは「バブル時代」に誕生した軽スポーツカーです。当時の方々の考えは定かではありませんが「バブル景気だからこの値段でも大丈夫だろう!」と言う値段設定にしています。その値段は「138万8千円」です。もちろん他にもオプションや手続き等もありますので、余裕で150万円を超える軽自動車になりました。

しかし…この値段設定がいけなかった!

当時、同じオープンカーとしてマツダの「ユーノス ロードスター(初代ロードスター)」が発売されていたのです。ユーノス ロードスターの情報は下記のようになります。

・全長:3,970mm
・全幅:1,675mm
・全高:1,235mm
・ホイールベース:2,265mm
・車両重量:NA6CE型 MT 940-960kg NA6CE型 AT 980kg NA8C型 MT 980-990kg
      NA8C型 AT 1,020kg

・エンジン:B6-ZE型 1,597cc 直4 DOHC BP-ZE型 1,839cc 直4 DOHC
・最高出力:B6-ZE型 120ps/6,500rpm BP-ZE型 130ps/6,500rpm
・最大トルク:B6-ZE型 14.0kgf・m/5,500rpm BP-ZE型 16.0kgf・m/4,500rpm
・変速機:4速AT/5速MT
・駆動方式:FR

前期型が1,600cc、後期型は1,800ccであり当時から「人馬一帯」の走りを楽しめる、正に理想的な車でした。そして値段はと言いますと最低車両価格が「169万円~」になるのです。ここで多くの方々が気づくと思います。「あれ? ビートの値段に後少しお金を出せばロードスターに乗れるのでは?」と思いますよね? それが的中してしまい、ビートを狙っていた顧客の中には「値段がそこまで変わらないならユーノス ロードスターにしよう!」と言うように顧客が分散したのです。

時代が時代だけに仕方の無い面もあったと思います。ですが、後少し出せばロードスターを購入できる価格にしたのは間違えだったと感じます。

ホンダ 軽スポーツカーを支えたビートの終焉

「マツダ オートザムAZ-1」「ホンダ ビート」「スズキ カプチーノ」これらがバブル時代に誕生したことから「平成ABCトリオ」と言われていました。しかしオートザム AZ-1は発売して1年間と言う短命。スズキカプチーノも7年間販売を続けてきましたが1998年10月に生産が終了。そして、とうとうビートも終わりの時期が近づいてきたのです。

ビートは当初「月販目標:3,000台」として販売を開始しました。確かに最初はホンダの愛好家達や「こんな車を求めていた!」と言う方々から絶大な人気を博していましたが、徐々に販売に陰りが見えてきました。そして1996年1月、市場が求める車と異なる、また軽自動車の規格変更に伴い車種整理の対象に選ばれビートは姿を消すことになりました。総販売台数は「3万3,892台」となります。

このビートの消滅により、ホンダから軽スポーツカー、そして軽オープンカーは姿を消すことになります。その期間はなんと約20年です! そして2015年、ビートの後継者となるある車が満を持して登場したのです!

ビートの後継車 S660!

ビートの販売が終了して約20年。「もうホンダから軽スポーツカーは出ないよな…」と思っていたホンダ愛好家達の期待を良い意味で裏切る発表がありました。それがビートの後継車「S660」の誕生です! S660の情報は下記のようになります。

・全長:3,395mm
・全幅:1,475mm
・全高:1,180mm
・ホイールベース:2,285mm
・車両重量:830-850kg

・エンジン:S07A型 660cc 直3 DOHC
・最高出力:47kW(64PS)/6,000rpm
・最大トルク:104N・m(10.6kg・m)/2,600rpm
・変速機:6速MT / CVT

そして驚きなのが、S660を開発した開発責任者そしてチームの平均年齢です! 皆さんは開発責任者及び開発チームの年齢はどのぐらいだと思いますか? 開発責任者は「椋本陵」なんと1988年生まれの20代後半の方なのです! 最年少で開発責任者に抜擢された椋本陵は、開発チームの方々も同様に若返らせ「平均30代」の開発チームにしました(もちろん3人のベテランエンジニアが付いています)

若き開発責任者が先頭に立って開発したS660、果たしてどのような特徴を持って帰ってきたのでしょうか?

S660はどこまで進化した? S660の特徴とは?

(1)S07A型ターボエンジン+新設計ターボチャージャー

S660にはNシリーズでも使用されている「S07A型ターボエンジン」が採用されています。しかしこれだけでは、別段特別なことではなく返って購入者から「Nシリーズと変わらないエンジンではつまらない!」と言った反感を買ってしまいます。そこでS660にはS07A型ターボエンジン+新設計のターボチャージャーを搭載したのです。

これによりビートの時は高回転型のエンジンでしたが、S660では低回転域でもトルクフルな運転を楽しめる車に変貌したのです。つまり低回転域でも力強い走りを発揮するため、スタートダッシュ・コーナーからの立ち上がりと言った加速を求めるシーンで十分活躍できる車になったのです。車重は確かに重くなっているものの、ビートの時にはなかった力強い走りを体感できる車になりました。

(2)タイヤサイズの大幅変更

ビートの時は、「前輪:13インチ(155/65R13)」「後輪:14インチ(165/60R14」と軽自動車とそこまで変わらないタイヤサイズでした。しかし、S660はより走りを楽しんでもらうために「前輪:15インチ(165/55R15)」「後輪:16インチ(195/45R16)」と言う大幅なサイズアップをしているのです。

タイヤサイズを変更することで、タイヤのグリップ力が増し直線走行はもちろんのこと、コーナーでのふらつきや横転を防止する効果を向上させてくれるのです。横滑り機能との相性も良く、ビート以上に安心してコーナーを攻めることができるでしょう。

(3)安全装備の充実

ビートが販売されていた時、確かにエアバッグを装着していたものの今のような安全装備は殆どありませんでした。そのため運転の「腕」がある人は楽しいものでしたが、運転に慣れていない人からすると毎日ヒヤヒヤしながら運転することになります。

そこでS660は、どなたでもスポーツカーの魅力を味わえるように安全装備を充実させました。例えば「横滑り防止機能」「運転席・助手席・サイドによるエアバッグ」「4輪ABS」と言った機能を標準で装備しています。そして有料となりますが「シティブレーキアクティブシステム」を取り付けることもできます。この機能は赤外線レーザーを活用した衝突防止機能です。時速30km以下であれば衝突の危険性があるとシステム上で判断すれば自動ブレーキが作動するのです。

このようにS660はビートの時と異なり、安全装備を満載にして返ってきました。ただその分値段が上がってしまったのは仕方のないことだと思います。

(4)燃費の良い軽スポーツカー

「スポーツカーは走ると楽しいけど…ガソリンがすぐ無くなるな…」皆さんも上の写真のように、車にガソリンを入れながらそのように考えたことはありませんか? 確かにスポーツカーは走る楽しみを私達に教えてくれるものの、燃費の悪さがどうしても気になります。そのため「ガソリン代もかかるし…スポーツカーは手が出ないな…」と二の足を踏む方がいるのです。ではS660はどうでしょうか?

「ターボが付いているから燃費も悪いのでは?」いえいえ! S660は確かにターボチャージャーを搭載していますが、なんと先代のビートよりも燃費が良くなって帰ってきたのです! ビートの場合、平均燃費は1ℓあたり14~15kmでした。一方S660はと言うと、1ℓあたり平均20kmを出してくれるのです(ただしMTは平均18km)もちろんビートの時同様の「レギュラー」です。

燃費も良くなり尚且つレギュラーも変わらずと言うのは嬉しい限りです! 

(5)デザイン性を大幅変更

S660が登場したと時、多くの観客を魅了したのが特徴的なデザインです。以前から「ビートの後継車が出る」「外見はビートとそこまで変わらない」と言った情報が錯綜していたこともあり、当時発表された時は誰もが驚き、そして惹きつけられました。

内装に関してもタコメーター方式からデジタル方式に変更。そして高級感のあるシートは座り心地・ホールド性も申し分ないデザインに仕上がっています。そして何と言っても驚きなのが「ロールトップ」です。これは車の天井部分にある「幌」を巻き取るようにして外し「オープンカー」にすることです。巻き取った幌はボンネットを開けると収納スペースがありますので、そちらに入れることができます。

とは言えビートとの時とは異なり、開閉式ではないため一度降りてロールトップを巻き取る必要があります。でもご安心ください! ロールトップは重たくなく女性でも簡単に巻き取れ、そして装着もできますので簡単に脱着が可能です。ですので、気軽に軽オープンカーとして楽しむことができるのです。

ビートの中古車情報

ビートは人気を誇ったので流通は多くあります。とはいえ値段も程度もピンキリの状態ですので、現車確認をしてしっかりと車体の状態を把握することが重要です。下記にリンクを貼っておきますので是非チェックしてみてください。

中古車をお探しの方はこちら

最後に

最後になりますが、バブル時代にはホンダのビート以外にも様々な車、例えば「マツダ オートザムAZ-1」「スズキ カプチーノ」と言った車が出てきました。3車種とも残念ながら長期間販売されることはありませんでしたが、ホンダのビートだけは後継車として「S660」が誕生しました。S660は安全性能やボディ剛性を向上させつつも、スポーティーな走りを存分に楽しめる素晴らしい車に仕上がっています。

ホンダのビート、そしてビートの思いを受け継いだS660。皆さんの中でもしビートやS660に試乗できる機会がありましたら存分に楽しんできましょう!