【ボルボ 240ワゴン】ステーションワゴンの地位を確立したその秘密を探る

モデルチェンジのサイクル長い欧州車のなかでも、240シリーズは発表から19年間という異例のロングセラーで世界中で愛用されました。その魅力やドライビング情報や故障などいろいろな視点からみてみました。

ボルボってどんなメーカーなの?

ボルボは重機やトラック、ジェットエンジンまで幅広く手掛けてるグループ企業です。ここでは創業事業の自動車部門についてお話します。1926年スウェーデンで自動車製造メーカーボルボが誕生、乗用車製造がはじまります。ボルボを最も発展させたのは「安全性の追求」というコンセプトを徹底的に貫きとおしたことです。安全装備の開発や事故の検証や研究、そしてそれを設計に生かせた自動車作り。そのコンセプトが知られるようになり「世界一安全なファミリーカー」と評価されるようになりました。その後、1999年にボルボのブランドを残したままフォードへ譲渡され、2010年には中国の浙江吉利控股集団に権利を売却しました。

ボルボ240とはどんな自動車?

200シリーズ

「ボルボ=安全な車」と、いまでは誰もが疑いませんが、そのイメージを作り上げたのは200シリーズの功績だといっても過言ではありません。ボルボの安全装備の開発は1950年代半ば頃からスタートしています。世界初となる数えきれない新装備を生み出してきました。その集大成として1972年VESVことボルボ安全実験車を発表しました。200シリーズは通常のコンセプトカーと異なり、すぐに量産可能な実験車をベースにさらに進化したモデルとして開発されたのです。当時、世界最先端の安全技術をまとったハイテクカーは数々のアワードを受け、世界一安全な自動車として評価され、ボルボのイメージを確立させたのでした。

ボルボ240

240は1974年に2ドアセダン・4ドアセダン・5ドアワゴン・そしてV6エンジン搭載モデルを発表しました。その後改良を加え安全性とパワーや燃費を向上させました。1981年にはターボ搭載車が発表されました。1990年にエアバック、1991年にはABSが装備され、安全装備も進化を続けました。1985年頃からワゴンモデルの人気が高まり生産台数の1/3以上がワゴンとなりました。1993年850シリーズの生産が本格的になり生産を終了しました。ボルボ240ワゴンが日本の自動車雑誌やアウトドアーの専門紙などに取り上げられるようになり日本でも本格的に人気が高まるようになりました。ステーションワゴン=セダンのバンモデルというイメージを変え、スタイルのカッコよさを教えてくれたのもボルボ240ワゴンでした。以前のボルボは安全なお医者さんのクルマ! というイメージから、オシャレなカメラマンのクルマ! と言われるようになりました。

燃費・性能・詳細スペック

ボディタイプ ワゴン
ドア数 5ドア
乗員定員 5名
型式 E-AB230W
全長×全幅×全高 4,785×1,715×1,500mm
ホイールベース 2,650mm
トレッド前/後 1,430/1,360mm
車両重量 1,390kg

エンジン・燃料系
エンジン型式 B230
最高出力 115ps(85kW)/5,400rpm
最大トルク 18.9kg・m(185.3N・m)/2,750rpm
種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 2,316cc
圧縮比 9.8
過給機 なし
燃料供給装置 電子制御燃料噴射式
燃料タンク容量 60リットル
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン

足回り系
ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) スタビライザー付マクファーソンストラット式
サスペンション形式(後) 5リンクコンスタントトラック式
ブレーキ形式(前) ディスク
ブレーキ形式(後) ディスク
タイヤサイズ(前) 185/R14
タイヤサイズ(後) 185/R14
最小回転半径 5.0m

駆動系
駆動方式 FR
トランスミッション 4AT
変速比
第1速 2.452
第2速 1.452
第3速 1.000
第4速 0.690
後退 2.212
最終減速比 3.727

モータースポーツ

出典:http://car.autoprove.net/2015/10/11691/

240ターボをヨーロッパツーリングカーレース選手権に出走させ、強豪たちとバトルを繰り広げ、1985年1986年のシリーズチャンピオンになりました。同じ年、富士スピードウェイで開かれたインターTECでも、2台の240ターボが大活躍。1・2フィニッシュを決めただけでなく、3位を7周もの周回遅れにするブッチギリの結果でした。当時その疾走する外観から「空飛ぶレンガ」というニックネームがつけられました。

240の試乗レポート

1991年、著者は中古の240ワゴンのオーナーでした。その時のことを思い出しながらレポートします。まずクルマのイメージは、安全でスタイルは武骨ではあるがオシャレな外車! 購入し、はじめて運転席に座りこむとシンプルなインテリアにびっくり。走りだすとFR独特のフィーリングはあるもののクセのない、車重を感じさせない軽快な走りだったことを覚えてます。つまり可も不可もない優等生。その他の操作もシンプルがゆえ迷うこともありませんでした。スイッチ類は気温の低いヨーロッパの自動車らしく手袋をしたままでも操作できる大きくしっかりした手応えを残したものです。オプションでついていた国産のカーオーディオの操作が1番複雑だったのを覚えています。シンプル過ぎて時計がないのは不便でした。サイドのドアが車体の割に小さいことや、ドアヒンジがものすごく分厚かったことなど緊急時の安全確保やドアの変形などにより脱出できなくなることを防止するためなのかと随所にボルボの安全神話を感じることができました。ステーションワゴンとしてのラゲッジスペースは見てのとおり十分すぎるほどのサイズです。体の小さい私にはラゲッジスペース奥の荷物は手が届きにくかったです。この頃、国内ではワゴンブームであり高性能な洗練されたデザインで内装も豪華なワゴンがたくさん走ってました。誕生時から基本デザインが変わらない240ワゴンはいささか古さは隠せませんでしたがなぜか胸を張って運転できるクルマでした。

現在のボルボ240ワゴン事情

今なお人気の240ワゴン

このクルマの人気は生産が終了してから20年以上がたった今でもまだまだ高いのです。一時期の異常なまでの高値だったころのブームは去ったとはいえ、それでもまだ高い人気を誇っています。その人気を支えるのはレトロな雰囲気を「オシャレ」ととらえる若者です。ある意味、MINIや空冷ワーゲンのように、ヴィンテージカーとして、しかも普段の足として使えるし、故障も少ないというところに人気の秘密はあるのです。基本設計が頑丈で信頼性も高い事もあって今でも相当数が市場に残っていて、この種のクルマの中では入手しやすく維持もしやすい点も、この人気を支えている要因の一つです。搭載されるエンジンの頑丈さや堅牢なボディー、シンプルで整備性の高い機関など中古車で維持していくためのウイークポイントが少ない点や車体の大きさの割に小回りのきく乗りやすさや実用性も人気のポイントです。

240の弱点

信頼性が高いボディーやエンジンではありますが、さすがに生産終了後20年以上経ってるクルマだけに弱っているポイントはあります。まず、国産車でも同じですが、消耗品の部類の部品の交換は基本です。時間経過によるゴムブッシュ類の劣化はあると思われます。とくにエンジンマウントのブッシュが劣化すると、エンジンが後ろ下がりになりATリンケージがずれミッションにダメージがきている場合もあります。タイミングベルトの交換も国産車よりは早いサイクルで行うようにしましょう。交換の目安は60,000kmです。
また、欧州車に多いトラブルですがリレーの接点不良があります。リレーも場所によれば走行不能になりますのでフューエルポンプリレーとかラジエーターファンモーターリレーとかで時間経過してるものは前もって交換するのも良いでしょう。ヒーターのブロアファンモーターから異音が出るのもよく耳にします。
ただ、ボルボだから特別な弱点があるわけではなく、国産の乗用車の故障となんら変わりありません。日々のメンテナンスを怠らなければ安心して乗っていけるシンプルで丈夫なエンジンです。ミッションは信頼性の高い国産のAISIN精機製が使われています。

先日テレビで放送された「アメトーーク!」旧車芸人で放送された中でもジャルジャルの後藤さんが乗っていた車がボルボ 240ワゴンです。

6月16日に放送されるアメトークの旧車芸人に登場する車種をまとめました。出演者は千原ジュニア、ケンドーコバヤシ、テンダラー浜本、野性爆弾くっきー、ジャルジャル後藤、じゅんいちダビッドソン、バッドボーイズ佐田

240ワゴンのライバルたち

ベンツEクラスステーションワゴン

1993メルセデスのミディアムクラスのワゴンです。当時の新車価格は約6,300,000円。240よりは価格もエンジンのパワーもインテリアもひとクラス上の憧れのクルマでした。エマージェンシーサードシートを備えた7名定員でした。現在この年式のワゴンは現存する台数も少なく、故障も多く、部品も高いとあまり目にすることがなくなりました。

ビュイック リーガルエステートワゴン

アメリカの中型ラグジュアリーワゴン。ミッドクラスと言えどもサイズは240よりも一回り大きく排気量は3.1リッター160psでした。フロント、リアともシートはベンチシートでサードシートを含めれば乗車定員は8名でした。木目調のサイドパネルが特徴のアメリカンステーションワゴンでした。当時はサーファーを中心に人気のあったクルマですが燃費の悪さと部品の調達難しさなどの理由で段々と姿を消してしまいました。

古くからアメリカ映画やドラマで必ず目にするステーションワゴン。そんな中でも、日本でもよく目にするのがビュイック・リーガルです。今回はビュイック・リーガルの歴史と魅力について見ていきます。リーガルとはどんな車なのか、アメリカのステーションワゴンはどうなってるのか、などについて見ていきましょう。

レガシーツーリングワゴン

スポーツツーリングワゴンの代表格。5ナンバー枠内のボディーサイズに、最強エンジンでは2.0リッターDOHCツインステージツインターボで何と250psを出力しました。国内ではワゴンはセダンの追加モデルだったのが主流の時代に、ワゴンが基本のレガシーは洗練されたデザインでその後のスバルを代表するクルマとなりました。レガシー乗りのユーザーは新しいもの好きなのか新型が発表されるとそちらに乗り換える人が多いと聞いたことがあります。現に2代目のレガシーも見なくなりましたね。

1990年代、日本にステーションワゴンブームを巻き起こした一番の立役者が、今回ご紹介するスバル・レガシィです。現行型6代目モデルでは、なんと! あのツーリングワゴンが廃止されました。一体、レガシィに何が起こったのでしょう? また今や北米でベストセラーとなっているアウトバックは、過去何度も名前を変えています。それどころか、レガシィシリーズから離反したことも! 詳しくはこの記事でご確認ください。

アコードワゴン

米国アンナ工場製造のアメリカンテイスト溢れる逆輸入モデル。マスクこそセダンモデルに似ているがシャーシ・エンジン・インテリア すべて専用設計で国内のワゴンブームの人気の一角を担ってました。当時、日本のホンダ系ディーラーで販売したため輸入車のイメージもなく国産新型車の感覚で購入できたのも人気の要因でした。アコードワゴンのおかげで米国車の輸入台数が格段に伸びることとなりました。

ホンダが製造・販売していた「アコードワゴン」は、1991年の誕生から2013の販売終了まで12年間をホンダのステーションワゴンをけん引してきました。そのアコードワゴンを徹底的に紹介します。

ボルボ 240の中古車情報

240も旧車の域に入ってきていますので中古をお探しの際は程度やメンテナンス面をしっかりと確認をしてから購入したいですね! 下記に中古車のリンクを貼っておきますのでチェックしてみてください。

中古車をお探しの方はこちら

まとめ

現在240ワゴンを所有しているオーナーはオシャレに敏感な20代から30代の若者が多いのではないでしょうか? イメージを文章にしてみました。

「240ワゴンのある風景その1」
質実剛健な無骨で四角い車体の屋根には波乗り用のロングボードが2枚。ソリッドカラーのボディーの塗装は程よく色あせた感じだ。両サイドの広いリアウィンドウにはサーフ系ステッカーがバランスよく貼られている。夜明け前のビーチサイドの駐車場。クルマを停め男はビーチを見つめながらコーヒーを飲んでいる。後部座席ではラブラドールが静かに目を閉じて丸くなっていた。

「240ワゴンのある風景その2」
ラゲッジスペースにブランケットやシュラフ、ステンレスのマグカップにガスバーナー、最後に男は大きな天体望遠鏡を積み込んだ。助手席に小学生の息子を乗せ、高速道路を軽快に走り湖畔に向かう。湖畔にクルマを停め、天体望遠鏡をセットする。息子はブランケットを体に巻き目を輝かせて夜空を眺めいる。

このような風景が目に浮かびます。240ワゴンにはやはり山や海が似合いますね。四駆でもなければ、悪路の走行性が良いわけでもないのですが、ラゲッジルームや屋根の上に荷物を満載してる姿は、なんともカッコイイのです。現代のハイテクな高級SUVには出すことができないカッコよさだと思います。だってワックスでピカピカの1,000万円近くするSUVに土や泥は似合わないでしょう? 240ワゴンには、使い込んだ生活の道具みたいな渋さのなかの機能美や、月日を重ねることで表れてくる美しさがあるように思えます。240ワゴンのライバル車のなかでも述べましたが、当時ライバルだった販売台数のかなり多い国産メーカーのクルマも含め今では街で見かけることはほとんどなくなりました。そんな中240ワゴンは現存しまだ高い人気を誇り憧れのクルマであることはすごいことだと思いませんか?
日本のワゴン人気に火を着け、われわれに新しいライフスタイルを教えてくれた「ボルボ240ワゴン」。狙ったわけでなく、まじめにコンセプトを貫きとおした自動車製造が、文化やスタイルを発信するすばらしい人気車を産んだのだと改めて感じるのでした。