【ホンダ CR-Z】ホンダ渾身のハイブリッドスポーツの魅力&歩んできた道のり

ホンダは2010年、車業界を驚かせる車を発売しました。それがハイブリットスポーツ「CR-Z」です。ハイブリット+スポーツカーと言う異色の組み合わせで、多くの関係者の脚光を浴び、そしてホンダ好きを魅了させました。そこで本日は、CR-Zの魅力から歩んできた道のりまで紹介していきます。

ホンダ CR-Z(ZF1)とは?

CR-Zは2010年に発売された、車業界初めてとなる「ハイブリットスポーツカー」なのです。スポーティーな運転を楽しめるだけでなく燃費も向上させたとして業界から多大な注目を浴びていました。そして業界関係者だけでなく、先代「CR-X」の愛好家達の間で「CR-Xの後継車がようやく発売される!」と話題となり、発売前と言うにも関わらず予約が殺到しました。

その結果、2010年3月(発売してから約1ヶ月)には当初目標としていた「1ヶ月で1,000台」を遥かに超えてなんと「10,000台」を売り上げる大ヒット車種になったのです! もちろんCR-X愛好家だけでなく、スポーツカー好きのハートを鷲掴みにしたのも事実です。その証拠に新車登録台数の内、MTが占める割合は「4割」と言う驚異的な数字をたたき出したのです。

ではCR-Zの情報を見てみましょう。

・全長:4,080 mm
・全幅:1,740 mm
・全高:1,395 mm
・ホイールベース:2,435 mm
・車両重量:CVT 1,160 kg MT 1,130 kg

・最高出力
エンジン(CVT):118ps (87 kW) / 6,000 rpm
エンジン(MT):120ps (88 kW) / 6,000 rpm
モーター:15 kW / 1,500 rpm

・燃費
CVT: 22.8 km/L(JC08モード)
MT: 20.6 km/L(JC08モード)

以上がCR-Zの情報となります。続いては、CR-Zの魅力をより皆さんに分かっていただくために、どんな魅力があるのかを紹介していきます。

初めてのハイブリットスポーツ!その魅力とは?

(1)燃費が良いスポーツカー

「燃費が悪くてお金が無くなるよ…」皆さんも上の写真のように、ガソリンを入れながら財布を見てそのように考えたことはありませんか? 確かにスポーツカーの宿命です。現在発売されているガソリン車・ハイブリットカーに比べると燃費は悪くなります。中には「ハイオク」で1ℓ「4~5km」しか走らない車種もあります。

その点、CR-Zはハイブリットスポーツと言われているだけあり"スポーツカーにしては"燃費が良いのです。次の項目で詳しく説明しますが「ECON」で運転していると、1ℓあたり17~18kmは走ります。MTであれば運転の仕方によってより燃費を伸ばすこともできます。

(2)3つのドライブモードシステム

2つ目の魅力として「3つのドライブモードシステム」にあります。このシステムは「ECON」「NORMAL」「SPORT」の3つのモードに分かれています。

まず「ECON」は先ほども少し触れたように「燃費重視」のモードになります。CR-Z車内のシステムにより「この運転にすれば燃費がよくなる」と言うようにシステムを変更し、より燃費よく走らせようとします。そのため加速感は無くなりスポーツカーとは言えない走りになります。このモードを使用するなら「通勤」「渋滞時」等に使用してみましょう。

続いては「NORMAL」です。こちらは読んで字のごとく、一般的な車種と同様の運転をシステム上で心がけるようになります。スピードはそこそこ、燃費もそこまで悪くない運転へシステムが切り替わっていきます。

こうなると少し面白みがなくなりますが、一番重要なのが「SPORT」モードです。こちらに変更しますと燃費は少し悪くなりますが、1,500cc+モーターによるスポーツカー並みの加速感を提供してくれます。そしてエンジンサウンドもECON・NORMAL時とは違う重低音に切り替わり「スポーツカーに乗っている」と言う雰囲気を出してくれます。

これらのモードを使い分けることによって「時にはスポーツ、時には燃費重視」のような切り替えができるのです。

(3)CR-Xを彷彿とさせるデザイン性

皆さんは車を購入する際、どのようなポイントに気を使ってますか? 「私は燃費!」「私はスポーツ性能がある車!」などなど、多数の意見があると思います。とは言え、大多数の方々が着目するポイントは「見た目」かと思います。どんなに性能が良い車でも見た目が良くなければ購入意欲が失せてしまいます。

一方、CR-Zは先代「CR-X」を彷彿とさせるコンパクト・ハッチバックタイプです。その見た目からCR-X愛好家の方々から多大な評価をいただき、先ほど紹介した販売台数にまで到達したのだと思われます。そして何より、CR-X時代と変わらない「2人乗り」と割り切った使い方をすれば高い収納性を発揮してくれます。

こうして見ると「CR-Zは良くできた車だな!」と感じますよね? ですが、CR-Zにも弱点と呼ばれる部分が多々あったのです。それはどんなところか? 1つずつ解説していきます。

CR-Zが抱えるデメリット

(1)ハイブリットカーとは思えない燃費性能

ハイブリットスポーツとして華々しくデビューしたものの、やはり「燃費性能」の面で他メーカーの車に遠く及びませんでした。

皆さんご存知のようにホンダには「フィットハイブリット」そしてトヨタには「アクア」がありますよね? 当初はそれらの車と燃費が並ぶか? と思われましたが、残念ながら及ばずじまいでした。そのため魅力のところで紹介したように"スポーツカーにしては"燃費が良いで終わってしまったのです。

(2)本当にCR-Xの後継車?と疑う走行性能

CR-Xの愛好家達から多いに批判を浴びた部分が「走行性能」です。と言うのもCR-Xに及ばない「エンジン」「運動性能」が批判の的でした。

まずエンジンですが、CR-X時代はホンダのモンスターエンジン「VTECエンジン」を搭載していました。そして車重も軽いため峠道のようなストリートコースやコーナーの多いレース場では猛威を振るい、CR-Xの一時代を築き上げた名車だったのです。しかしCR-Zはエンジンに「VTEC」と名前は付いているものの、非力なエンジンでした。頼みのSPORTモードも発売当初に搭載されていたバッテリーではすぐに息切れしてしまい、特に峠道では「あれ?」と思う程、すぐに枯渇したのです。そのためか「重たい1,500cc」とまで揶揄されるほどでした。

続いて走行性能についてです。
先代CR-Xの長所はなんと言っても軽さを活かした走行性能にありました。その上、ハンドリングももたつく事無く運転が上手な人であれば、まるで自分の手足のように動かすことができました。一方CR-Zはと言うと、車重が「1,100kg」を超えてしまいハンドリングも先代のような軽快さはそこまで感じられなかったのです。加えてホイールベースも「2,435mm」と大幅に上がったため、峠道やレース場でのコーナーも攻めにくくなったのです。

このような走行性能だったため、ある方からは「Fit RS(Fitのスポーツグレード)を購入した方が楽しめる」とまで言われてしまったのです。

(3)必要の無いシステムがドライバーを苦しめる

最後にスポーツカーを乗り継いできた方々を苦しめたシステムを紹介します。

まず「アイドリングストップ機能」です。
これは現在発売されている多くの車で採用されているシステムであり、必要の無い時にエンジンをストップさせ燃費を向上させるシステムです。しかし、スポーツカーを乗り継いできた方にとってみれば不評のシステムであり、それを見破ったのか、なんと販売メーカーのホンダからアイドリングストップを抑制する機械まで販売される程でした。

次に「ヒルスタートアシスト機能」です。
こちらはMT時の「坂道発進」を補助するためのシステムであり、普通に考えれば「素晴らしい機能だ!」と思ってきます。しかしMTを乗り継いできた方からすると、大変不評なシステムでした。と言うのもMTを操作する際、どうしても自分の癖が出てしまいヒルスタートアシスト機能のような教科書通りの発進とは行かないのです。残念ながらこの機能を削除することはできません。

このように見ていきますと「CR-Zは欠陥車なの?」と感じますが、決してそのような車ではありません。燃費はスポーツカーの中では良いですし、重量に関しても現在の安全基準に基づいた設計・エンジン+モーターの重みですので仕方のないことです。そして走行性能に関しても、現在発売されているスポーツカーと比べれば非常に小回りも効き、CR-X程ではありませんがコーナーも攻められます。

そんなCR-Zもここで終了とは行かず、2012年にマイナーチェンジを決断するのです。ではどの点が変わったのかを皆さんも一緒に見ていきましょう!

CR-Zがマイナーチェンジ!ZF2の実力とは?

2012年9月27日、ホンダはCR-Zのマイナーチェンジを決断しました。主な変更点は「バッテリーの変更」「PLUS SPORTボタン」になります。

まずはバッテリーの変更から見ていきましょう。
CR-Zの泣きどころとしてバッテリーがもたない部分がありました。先ほど紹介したように「SPORTモードを使用するとバッテリーがなくなった!」と言うのでは楽しめませんよね? そこでホンダのハイブリットカーでは初めてとなる「リチウムイオンバッテリー」を搭載したのです。このバッテリーのおかげで容量は飛躍的に向上しZF1の頃のような息切れが多発しなくなりました。そしてバッテリーの変更によりモーター出力を向上させることにも成功しています。

では「PLUS SPORTボタン」はどうでしょうか?
PLUS SPORTボタンはSPORTモード以上の出力向上を瞬間的に感じさせてくれます。それによって他のマシンに引けをとらない力強い加速を手に入れることができたのです。

他にも「α・Master label」の標準装備として17インチ軽量アルミホイール、サスペンションのチューニングも行われ、ZF1との差別化を図りました。

2012年9月にマイナーチェンジを行ったCR-Zも、2015年で発売されてから5年が経過しました。ファンの中からは「もうそろそろ新型のCR-Zが出るのでは?」と期待されています。しかし、ホンダが発表したのは「ビッグマイナーチェンジ」と呼ばれる大幅なマイナーチェンジでした。ではどの部分が変更されたのか見ていきましょう!

2015年10月19日にビックマイナーチェンジ!

変更された部分は主に2点です。

まずは「デザイン」です。
デザインはよりスポーティーさを感じられるようにフロント・リヤ、それぞれ別パーツに変更されています。その上よりブレーキ性能を高めるために「15インチディスクブレーキ」を採用し、外側からも分かる大胆なブレーキを採用しています。

次に「アクティブサウンドコントロール(メーカーオプション)」です。
スポーツカーはやはり「エンジン音」が大切です。とは言え、ZF1・ZF2共にSPORT、もしくはマフラーを変更しない限り重低音を感じられることはほぼありません。このシステムによって、エンジンモードに応じてエンジン音をスピーカーを通し車内へ供給してくれます。そのため例えECONモードでも、車内にエンジンを響かせ「スポーツカーに乗っている」雰囲気を作り出すことができるのです。

その他にも「プッシュ式エンジンスタート」「電動パーキングブレーキ」低速時の衝突回避装備「あんしんパッケージ」等の機能を追加しています。そして痒いところに手が届く設計として、アームレストにボックスを新しく内蔵しています。これにより「小物を収納したいな…」と言う時に非常に便利になりました。

残念ながら新型のCR-Zとはいきませんでしたが、マイナーチェンジにより大きく変化しました。新生CR-Zの今後の活躍が楽しみです!

ホンダ CR-Zの中古車情報

CR-Zは期待が大きかっただけに「期待ハズレ」などの声も大きかったですが、ワクワクさせるエクステリアデザインやマイナーチェンジによる改良でより良い車になっています。一度は乗ってみても良いかもしれません。下記にリンクを貼っておきますので是非チェックしてみてください。

中古車をお探しの方はこちら

最後に

いかがでしたか? CR-Zは確かに先代の「CR-X」を乗り継いできた方からすると「物足りなさを感じる…」「本当にCR-Xの後継車か?」と感じてしまうのも無理はありません。とは言え、現在発売されているスポーツカーの中では燃費も素晴らしく、走行性能もマイナーチェンジを経るごとに飛躍的な進歩を歩んでいます。また初めてスポーツカーに乗る方でも安心して乗れますし、何より「スポーツカーってこんなに楽しいのか!」と感じさせる軽快な走行を提供してくれます。

ウィークポイントはまだまだあるCR-Zですが、現在発売されているスポーツカーの中では扱いやすい車です。初めてのスポーツカーにいかがでしょうか?