【トヨタ サイノス】トヨタの小型スペシャルティーは「友達以上恋人未満。」

バブル期に企画・開発されたトヨタの小型スペシャルティーカーが「サイノス」です。女性の社会進出が進んだアメリカで、女性自らハンドルを握るための「セクレタリーカー」として企画されました。しかし日本では「友達以上恋人未満。」の若いカップルのためのデートカーでした。2代目にはコンバーチブルも用意されたサイノスをご紹介します。

トヨタ サイノスとは?

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B9

2代目トヨタ サイノス リヤビュー
※写真はヨーロッパ仕様のパセオです。

トヨタ サイノスは、カローラIIの兄弟車であったターセル/コルサのセダンをベースにした小型FF2ドアクーペです。北米で当時人気だった「セクレタリーカー」市場に向けて開発されたモデルを日本国内でも販売したモデルです。輸出名は「パセオ」です。

セクレタリーカーとは?

「セクレタリーカー」とは直訳すると「秘書のための車」です。つまり、働く若い女性が乗る足代わりの自動車です。
アメリカでは1970年代から80年代半ばにかけて、女性の社会進出が著しく急増しました。そして自分が運転できる小型で、スタイリッシュで、価格が安い2ドアクーペやハッチバック車が人気となり、「セクレタリーカー」と呼ばれました。

初代 L40型(1991年 - 1995年)

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B9

初代トヨタ サイノス

キャッチコピーは「友達以上恋人未満。」。初代トヨタ サイノスは日本国内では、北米のような「セクレタリーカー」ではなく若者向けのデートカーとして発売されました。

グレードは「α(アルファ)」と「β(ベータ)」の2つで、搭載エンジンが異なりました。バブル期の自動車らしく1,500ccの小型車であるにも関わらず、オプションで電子制御サスペンション「TEMS」が選べました。

初代トヨタ サイノス 主要諸元

車両型式 L40
駆動方式 FF
乗車定員 4名
車両重量 870kg

車両寸法

全長 4,145mm
全幅 1,645mm
全高 1,295mm
ホイールベース 2,380mm

走行メカニズム

変速機 4速AT/5速MT
サスペンション(前) ストラット
サスペンション(後) トレーリングツイストビーム
ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(後) リーディングトレーリング
※「β(ベータ)」グレードはオプションで4輪ディスクブレーキを選択可能。

初代トヨタ サイノス搭載エンジン 主要諸元

初代トヨタ・サイノスには下記のエンジンが搭載されています。

・5E-FE型(直列4気筒DOHC 1,500cc)
・5E-FHE型(直列4気筒DOHC 1,500cc)

2つのエンジンの大きな違いは燃料噴射装置「EFI」です。「α(アルファ)」に搭載された「5E-FE」には「EFI」、「β(ベータ)」に採用された「5E-FHE」には「EFI・S」が採用されていました。

エンジンスペック

型式 5E-FHE
種類 直列4気筒DOHC
内径 74.0mm
行程 87.0mm
総排気量 1,496cc
最高出力 115PS/6,600rpm
最大トルク 13.8kgm/4,000rpm

2代目 L50型(1995年 - 1999年)

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B9

2代目トヨタ サイノス
※写真はヨーロッパ仕様の「パセオ」です。

初代を踏襲し、キープコンセプトでフルモデルチェンジされました。先代とは違い「α(アルファ)」グレードは1,300cc、「β(ベータ)」グレードは1,500ccとなりました。
CMには当時大ブレイクしていたglobeが起用されるなど、広告に力をいれたモデルです。
1999年、ヴィッツの登場により、ターセル/コルサ/カローラII/スターレットとともに生産終了しました。

2代目トヨタ サイノス 主要諸元

車両型式 L50
駆動方式 FF
乗車定員 4名
車両重量 910kg

車両寸法

全長 4,155mm
全幅 1,660mm
全高 1,295mm
ホイールベース 2,380mm

走行メカニズム

変速機 3速AT/4速MT/5速MT
サスペンション(前) ストラット
サスペンション(後) トレーリングツイストビーム
ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(後) リーディングトレーリング

2代目トヨタ サイノス搭載エンジン 主要諸元

初代トヨタ サイノスには下記のエンジンが搭載されています。

・4E-FE型(直列4気筒DOHC 1,300cc)
・5E-FHE型(直列4気筒DOHC 1,500cc)

1,500ccエンジンの「5E-FHE」は従来通りトップグレードの「β(ベータ)」に搭載され、「α(アルファ)」には新しく1,300ccの「4E-FE」が搭載されました。

エンジンスペック

型式 4E-FE
種類 直列4気筒DOHC
内径 74.0mm
行程 77.4mm
総排気量 1,331cc
最高出力 88PS/5,600rpm
最大トルク 11.8kgm/4,600rpm

初代との違い

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B9

2代目トヨタ サイノス コンバーチブル

初代はバブル期に開発されたため「TEMS」など上級クラスの装備を備えていました。2代目はバブル景気が減速している中での開発だったためか「TEMS」など上級クラスの装備はオプションでも設定されず、コストダウンが図られました。

ボディバリエーションも初代がクーペだけだったのに対し、2代目ではコンバーチブルを追加設定しました。

搭載エンジンも異なり、初代は1,500ccのみでしたが、2代目では1,300ccと1,500ccの2本立てとなり、グレードによって使い分けられていました。

【まとめ】コンパクトカー市場を彩ったスペシャルティーカー

トヨタ自動車の多販売チャンネル戦略により、オイルショック後からバブル崩壊の時代にかけ多くの兄弟車が生産されました。サイノスもそんな中の1台であり、シャーシやエンジンなどの基本コンポーネンツをターセル/コルサと共有したスペシャルティーカーでした。

スペシャルティーカーは自動車界に彩りを与えます。近い将来、トヨタ自動車から新しい小型クーペの登場が予想されています。スペシャルティーカー文化が再び到来することが期待できますね。