20年以上経過しても魅力的!ホンダが誇るピュアスポーツCR-Xの魅力とは?

車メーカーの「ホンダ」と言えば皆さん何を思いつきますか?「フィット!」「Nシリーズ」「ステップワゴン」等々あると思います。しかし! ホンダは一昔前はスポーツ車種、特に「CR-X」と言うとんでもないマシーンを製造していたのです! そこで本日は、CR-Xの紹介から魅力までたっぷり紹介していきます。

(1)バラードスポーツ CR-X

バラードスポーツ CR-Xとは?

初めに紹介するのは「バラードスポーツ CR-X」です。こちらは1983年~1987年まで販売されていました。車種の情報は下記のようになります。

・全長:3,675mm
・全幅:1,625mm
・全高:1,290mm
・ホイールベース:2,200mm
・車両重量:1.3:760kg 1.5i:800kg Si:860kg

・最高出力
EV型:80PS/6,000rpm
EW型:110PS/5,800rpm
ZC型:135PS/6,500rpm

実は1度だけマイナーチェンジをしており、ヘッドライトを「セミ・リトラクタブル・ヘッドライト」外装・内装共に大きな変化が成されたため「本当に同じ車?」と思えるほどのマイナーチェンジでした。続いては、そんなバラードスポーツ CR-Xの魅力について紹介します。

バラードスポーツ CR-Xの魅力

(1)自分自身の腕が試される車

CR-Xの大きな魅力として、過敏に反応する操作性にありました。「どう言う事?」と思いますよね? 当時の車には今のように安全装置や無駄な機能が付いておらず運転を邪魔する機能はありませんでした。そのため身軽な車体を自分自身の「腕」1つで思いのまま操れる、まさに理想的な車だったのです。

その分、運転に慣れるまで相当の練習が必要になりますが、そこまで上達する頃には殆どの車を操縦できるほどの腕前にアップしています。よって、自分自身の腕が試される車と同時に車の運転技術を一から学べる素晴らしい車でもあったのです。

(2)軽量ボディを活かした走りを楽しめる

皆さん! 先ほど紹介しました「車重」のところをもう一度よ~く見てみましょう。「えっ?」と思いますよね? 今ではあまり考えられないことですが、当時としては最も軽量なスポーツタイプのFF車として世間の話題を独占していました。

軽量になるとどうなるのでしょうか?

まず車に余分な付加がかからないため「燃費」が良くなります。ハイブリットカーには負けますが、今でも他のガソリン車よりも燃費の良さを発揮してくれます。そしてもう1つが軽さを活かした走りです。後期型になりますと「ZC型エンジン」を搭載していますので、立ち上がりの加速はモンスターマシンを凌駕する車になったのです。その上、軽さを活かした鋭いコーナーリングも持ち味でしたので直線が少ないコースや峠道では無類の強さを発揮していました。

(3)ショートホイールベースで小回りが効く

車重と同様に、今の1,600ccのFF車でホイールベースが「2,200m」と言う短い車はなかなか見られません。「ホイールベースが短いと何か違うの?」大いに違いますよ!

ホイールベースが短いと小回りが効きやすくなります。交差点でも曲がりやすいですし、狭い路地でも軽快に曲がることができます。また短ければ短いほどハンドルが過敏に反応してくれますので、自分の思ったとおりに走れるのも魅力です。そしてCR-Xはスポーツタイプですので、出力・馬力共にあるエンジンが搭載されています。そのためコーナーの多いレース場、峠道では小回りを活かしたコーナーワークで相手を置いてけぼりにできるのです。

このように、バラードスポーツ CR-Xは1987年まで若者を中心に大人気となり、峠道やコース上で多くの活躍していました。1987年になると、おしまれつつもフルモデルチェンジとして「CR-X サイバー」として復活します。では引き続き、CR-X サイバーを見ていきましょう。

(2)CR-X サイバー

CR-X サイバーとは?

CR-X サイバーは1987年~1992年まで販売された車です。型番は「EF6」「EF7」「EF8」のように設定されていました。本来はバラードスポーツが取り外され「CR-X」の名称でしたが、当時人気だった「サイバー」と掛け合わせて「CR-X サイバー」と呼ばれるようになったのです。

様々な箇所の改良に伴い、大型化・車重の増加等が発生しましたがそれでも尚、これほど軽量なスポーツカーは同じ排気量で当時の時代にありませんでした。では変更されたCR-X サイバーの情報を紹介します。

・前期型:3,755mm 後期型:3,800mm
・全幅:1,675mm
・全高:1,270mm
・ホイールベース:2,300mm
・車両重量:1.5X:820kg Si:880kg SiR:1,000kg

・最高出力
D15B型:105PS/6,500rpm
ZC型:130PS/6,800rpm
B16A型:160PS/7,600rpm

若干大型化しましたが、それでもなおコンパクトボディに身軽な車重で先代と同様に軽快な走行性能を楽しむことができます。ではバラードスポーツ CR-X同様、CR-X サイバーの魅力を紹介していきます。

CR-X サイバーの魅力

(1)先代のデータを受け継いだB16A型エンジン

CR-X サイバーの魅力はなんと言っても「B16A型エンジン」にあります。通称「VTECエンジン」になります。こちらのエンジンは先代、バラードスポーツ CR-XのZC型エンジンのデータをもとに改良に改良を重ねて生み出されたエンジンです。そのエンジンが搭載されると、今までCR-Xの泣きどころであった直線での速度勝負でモンスターマシンを除いて多くの車よりも優位に立つことができたのです。そして最大の長所であるスタート・コーナーでの立ち上がり加速が「えっ? もうあんなところにいるの?」と感じさせるほどにパワーアップしたのです。

このエンジンは後に多数の改良を重ねていき「シビックタイプR」「インテグラタイプR」「S2000」などのように多数のホンダのスポーツカーに搭載されることになります。

(2)B16A型エンジン×軽量ボディによる走行性能

いくら先代のCR-Xよりも重くなったとは言え、まだまだこの軽量ボディに匹敵する車は現れません。先ほどの項目で軽量ボディの優位性をご理解いただけたと思いますが、それに加えてB16A型エンジンを搭載されるのです。そうなると、先代以上のとんでもない車に仕上がります。

特に注目すべきなのがコーナーリングです。魅力(1)のところでも紹介したように、B16A型エンジンの恩恵で立ち上がりの加速は飛躍的に向上しました。そしてなおも短いホイールベース。峠道のようにコーナーが続くところでは「B16A型エンジン」「軽量ボディ」「ショートホイールベース」を思う存分活かした軽快な走りを思う存分楽しむことができます。コーナーに進入した時には思い通りに曲がってくれる。立ち上がりはB16A型エンジンの高出力で加速も申し分なし。コーナーが多いレース場やストリートでは猛威を振るったとんでもない車です。

その分、先代よりも「腕」を必要とします。軽くてエンジン出力も高ければ、操作性を少しでも間違えただけで簡単に吹き飛びますので注意が必要だったのです。

(3)2人乗りと割り切れば利便性は高い

CR-X サイバーは全長が伸びた分、2人乗りと割り切れば積載能力のある大変便利な車でした。確かに2+2シートとしてホンダから発売されたものの、後部座席はあくまでも「非常用」であり大人が長時間乗れるような作りはしていませんでした(ちなみに後継車種のCR-Zも同様に後部座席はあくまでも非常用です)

とは言え、シートを倒して2人乗りだけにすれば今で言う「ハッチバック」のような形状をしていますので、積載能力が非常に高かったのです。先代の時よりも利便性が向上しているため、愛用者からは利便性の高さも大いに評価されていました。

CR-X サイバーのデメリットポイント

(1)操作が難しい

現在発売されている車は大変よくできています。運転をアシストする技術・自動ブレーキ・エンジンを止めて燃費を良くすると言ったように、運転手をサポートする機能が揃っています。ですが、当時のCR-X サイバーには便利な機能は全くありません。魅力のところでも紹介したようにB16A型エンジン×軽量ボディは、繊細な操作性を求められ、少しでも油断すれば簡単に吹き飛んでしまうのです。

そのため当時でも無茶な運転した方々が、峠道やレース場でクラッシュしている事が多発していたのです。ただし、重複になりますが腕を磨けばこれほど扱いやすい車もありません。自分の思ったように曲がれて尚且つ高出力のエンジンで1,600ccとは思えないスピードを発揮してくれます。そのため、運転に慣れるまでは操作が非常に難しい車でもありますが、慣れてしまえば自分の手足のように扱える素晴らしい車とも言えます。

(2)CR-Xファンを泣かしたグラストップ

CR-Xの中で、ファンから最高の評価を受けたのがCR-X サイバーです。しかしCR-Xファンを泣かせるある装備がありました。それが「グラストップ」です。このグラストップは本来「UVカット」効果があるガラスであり熱戦を反射する特殊な素材を活用していました。こう見ると「特に問題点があるように見えないけど…」と思いますよね? 実はCR-X サイバーの「内装」がいけなかったのです。

内装を見るとほとんどが「黒」で統一されています。冬場は太陽の熱を存分に吸収して暖かみを出してくれますが、夏場になると一気に灼熱地獄へと変化します。得意のUVカットも黒の内装ではそこまで効果を発揮せず、夏場のCR-X サイバーは正に地獄そのものでした…。

さて、そんな可愛げのあるCR-X サイバーも1992年を持って生産終了となりました。引き続き3代目となる「CR-X デルソル」を見ていきましょう。

(3)CR-X デルソル

CR-X デルソルとは?

CR-X サイバーのフルモデルチェンジをして1992年に「CR-X デルソル」として戻ってきました。外見を大きく変更し、なんと「オープンカー」になって帰ってきたのです! その見た目から多くのCR-Xファンの度肝を抜かせ「ある意味」伝説のCR-Xとして称えられるようになりました。それでは早速、CR-X デルソルの情報を見てみましょう。

・全長:3,995mm
・全幅:1,695mm
・全高:1,255mm
・ホイールベース:2,370mm
・車両重量:VXi:1,030kg VGi:1,040kg SiR:1,090kg

・最高出力
D15B型:130PS/6,800rpm
D16A型:130PS/6,600rpm
B16A型:170PS/7,800rpm

全体的に大きくなったのは先代の事がきっかけ(事故が多発したため)とも言われています。とは言え…なぜ「ある意味」伝説のCR-Xとなったのでしょうか? そちらについて下記に紹介していきます。

CR-X デルソルはなぜある意味伝説に?魅力と難点

(1)クーペからオープンカーに変更

まず伝説と言われているのが、クーペからオープンカーに変更されたことです。それまで初代・2代目共にクーペボディをしていましたが、急にオープンカーへ変更したのです。確かに初めてCR-Xを操縦する方からすれば「何も感じないけど…」と思いますよね? ですがそれに魅力を感じなかったのが歴代のファンでした。硬派なスポーツカーだったCR-Xがまさかの変更に「このままで良いか」と感じるファンも多く、販売台数も伸び悩んだのです。

(2)誰でも扱いやすい操作性能

CR-X デルソルでは先代を参考に、比較的運転しやすい車に仕上がっています。大幅に大きくしたボディ、車重も重くする事で安定感を増しました。そしてハンドリングもスポーツ走行を楽しめる程度に抑えて、誰でも運転しやすい車に変更していきました。こう見ると、どこも欠点のように思えませんよね? ですが蓋を開けてみると、その運転しやすさがCR-Xファンの期待を大きく裏切る結果になりました。

「先代のような軽さを活かした走りが楽しめない!」
「スポーツカーらしからぬハンドリングだ!」
「先代のキビキビした運転ができない!」

と言った不満が爆発したのです。その上、先代の硬派なスポーツカー特有の足回りに関しても軟弱であり「硬派なスポーツカー」ではなく「お買い物・デートなど私生活を楽しめる車」へと変わってしまったのです。

このように、CR-Xファンから大きく見放されてしまい残念ながら何十年と続くことはありませんでした。1992年~1997年と言う短い期間でその後のモデル(CR-Z)が発売されるまで後継車もなく「伝説の車」として語り継がれているのです。

最後に

最後になりますが、ホンダのCR-Xは3代続けてホンダのスポーツ部門を支えてきた車です。確かに現在は軽自動車・コンパクトカー・ミニバンが主流になったホンダですが、昔は上記のようなモンスターマシンを製造していたのです。少しでも良いので、ホンダにCR-Xがあったということを留めていただけると幸いです。