ホンダシビックハイブリット、新型ではついに廃止へ! 

ニュルブルクリンクFF最速の新型タイプRや、洗練されたスタイリングで期待が膨らむクーペなど、ホンダの誇る新型シビックがホットです。そんな熱いシビックファミリーとは裏腹に、シビックハイブリットはついに廃止となってしまいました。今日はこのシビックハイブリットを今一度振ほんり返り、その魅力を検証してみます。

ハイブリット普及を目指した戦略車

シビックフェリオに、インサイトに搭載されていたハイブリットシステム「ホンダIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」をさらに効率化させた「新ホンダIMAシステム」を搭載したのが初代シビックハイブリットです。インサイトに続くハイブリット車第二弾としてホンダの看板車であるシビックを採用していることからも、当時このシビックハイブリットがホンダにとって重要な戦略車であったことが窺えます。

新たなニーズを見据えるハイブリット車

当時ハイブリット機構を搭載した車種が欲しいならインサイトかプリウスのどちらかを買うしかありませんでした。そこでホンダが乗用車にハイブリット機構を搭載し、乗用車でもハイブリット機構の搭載した車に乗りたいというニーズに答える形で開発されたものがシビックハイブリットです。
現在の自動車市場を見るとフィットやカローラ・クラウン・レジェンドと幅広いジャンルの車にハイブリットという選択肢が用意されています。このことからもシビックにハイブリットを搭載するという戦略の方向性は、正しかったと言えます。
ハイブリットの普及が進むにつれユーザーの選択肢も広まり、2代目3代目のシビックハイブリットは苛烈な競争にさらされていくことになります。競合車種が増えていっても4ドアの設定を貫き続け、4ドアセダンというスタイルを変えることのなかったシビックハイブリットは、ハイブリットを搭載した乗用車という役目を最後まで貫いたのだと思います。
逆に言えばハイブリット搭載車種が増えたことで、シビックハイブリットはその役目を終えたとも言えるのかもしれません。

中古で素晴らしいコストパフォーマンスを放つ逸材

2002年式 走行距離25,000km 修復歴なし 補償付き 総支払額 43万円

上はシビックハイブリットの中古車の一例ですが、はっきり言ってもの凄くお手頃です。シビックハイブリットに限らずシビックという車種はハイブリットが設定された8代目以降の販売実績は芳しいものではありませんでした。車格だけはフィットよりも1つ上のランクになり車体も大きいのですが、フィットに比べて購入するメリットが薄かったように思います。車を日常の足として使う、まさに乗用車を求めている人からすると、維持費を突き詰めるならライフなどの軽自動車が一番です。車内スペースや駐車スペースを意識している場合でも、奇跡的なパッケージングによりクラス最高のラゲッジスペースを持つフィットが下のクラスにいるため、どうしてもシビックはその陰に埋もれてしまうのです。
この時代のシビックを購入する層は、フィットもしくはアコードなどへ流れてしまったためシビックの販売数は落ち込みました。そのため、中古市場のシビックは値落ちが激しく大変美味しい商品へと変貌しています。さらにハイブリット搭載の乗用車などは燃費重視で無茶な運転をしない人がほとんどですので、年式の古い個体でも良いコンディションをキープしている場合が多々あります。
中古車で安く、フィットより上の車格を持つ車に乗りたいという人にシビックシリーズ・特にシビックハイブリットはお薦めできます。

VTECとIMAの融合を果たした2代目

2005年シビックのフルモデルチェンジに合わせてシビックハイブリットも2代目へと進化を果たします。
この2代目シビックハイブリットの特徴なんといってもホンダ謹製VTECエンジンとIMA機構をついに融合させたことあります。さらにシビック自体のシャシー剛性も大幅に向上し、先代に比べてよりスポーティーに格上の走りを手に入れたのが、2代目シビックハイブリットです。

パッケージングはそのままに、上質な走りを手に入れる

2代目シビックハイブリットのベースとなる8代目シビックは、高性能版となるタイプRも同じシャシーで開発が行われました。素の状態でもサーキット走行を楽しめるというコンセプトを持つタイプRには乗用車よりも遥かに高いシャシー剛性が求められます。結果として2代目シビックハイブリットにはタイプありきで開発された高剛性シャシーが奢られることとなりました。
加えてベースエンジンは「3ステージi-VTEC」を搭載し、純粋にパワーアップを果たしています。その高い走行性能やエンジン事態の小燃費性能、他にも様々な先進技術を取り入れたことからこのモデルは2006年RJCカー・オブ・ザ・イヤーの「RJCテクノロジー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するに至りました。

お薦めはホンダインターナビ標準搭載のMXST

2代目シビックハイブリットには最も装備が少なく安価な「MXB」、標準車となる「MX」、そしてホンダインターナビシステム<リアカメラ付>、ホンダスマートキーシステム、高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア左右のみ)、アルカンターラインテリアなどを標準搭載しているのが最上級グレードの「MXST」の3種類のグレードがあります。
一番安価「MXB」が新車価格2,289,000円なのに対して、「MXST」の新車価格は2,856,000円と差額567,000円分の装備がMXSTには盛り込まれ、特にホンダインターナビはテレマティクスというホンダ独自のユーザー間情報共有システムを持ます。それによって高い制度の渋滞情報などをホンダインターナビユーザー間で共有することができ、東日本大震災では大きな役割を果たしました。
もし2代目シビックハイブリットを購入するなら「MXST」が最もコストパフォースに優れます。
今回はこの「MXST」を中心に書いていこうと思います。

カタログ燃費は悪くなるものの、それ以上の価値がある「MXST」

「MXB」に比べて車重が40kg重くタイヤも2インチ大きく太いタイヤを装備ているため、「MXST」の燃費は31,0km/リットルから26,0km/リットルへと悪化しています。しかし、実燃費は普段の運転の仕方で変わりますし、太いタイヤのおかげでより安定感のある重厚な走りを楽しめます。セダンの購買層の方へならお薦めできる装備ではないでしょうか。

ボディタイプ セダン
ドア数 4ドア
乗員定員 5名
型式 DAA-FD3
全長×全幅×全高 4,540×1,750×1,435mm
ホイールベース 2,700mm
トレッド前/後 1,500/1,530mm
室内長×室内幅×室内高 1,900×1,470×1,170mm
車両重量 1,300kg

エンジン型式 LDA
最高出力 95ps(70kW)/6,000rpm
最大トルク 12.5kg・m(123N・m)/4,600rpm
種類 水冷直列4気筒SOHC8バルブ+モーター
総排気量 1,339cc
内径×行程 73.0mm×80.0mm
圧縮比 10.8
過給機 なし
燃料供給装置 電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
燃料タンク容量 50リットル
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
環境仕様
10モード/10・15モード燃費 26.0km/リットル

ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) マクファーソン式
サスペンション形式(後) ダブルウイッシュボーン式
ブレーキ形式(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後) ディスク
タイヤサイズ(前) 205/55R16 89V
タイヤサイズ(後) 205/55R16 89V
最小回転半径 5.4m

日本未発売! 幻の3代目シビックハイブリット

2010年末日本市場でのシビック発売終了と同時に、日本の新車販売市場からシビックハイブリットは姿を消すこととなりました。しかし! アメリカでは2011年より9代目となる新型シビックが依然として発売されることになり、それに合わせて3代目シビックハイブリットは日本では販売されず北米市場での販売が開始されました。

正常進化を果たした3代目シビックハイブリット

先代のニッケル水素電池に代わり、ホンダ製ハイブリッド車として初めて高出力のリチウムイオンバッテリーが搭載されました。先代ニッケル水素電池に比べてエネルギー密度が2倍、出力密度が4倍、出力が33%アップの20kWと性能自体がアップするとともに、体積は36%減の16L、重量も29%減の22kgと小さく・軽くなっています。
4ドアセダンというパッケージングはそのままにより速く・より軽く性能をアップし、さらに洗練されたエクステリアを身にまとい、3代目シビックハイブリットはより上質な4ドアセダンへと正常進化を果たします。

重量は変わらず、さらに燃費性能を向上

車体重量は先代の「MXST」ほぼ同じ1,294kgですが、燃費性能はリチウムイオンバッテリーに代表される新技術の投入で0.8-1.0パーセントの向上を果たしています。

4ドア セダン
エンジン 1.5L 直4 SOHC i-VTEC
モーター 薄型DCブラシレスモーター
変速機 CVT
駆動方式 FF
サスペンション 前:マクファーソン式
後:マルチリンク式
全長 177.3in(4,503mm)
全幅 69.0in(1,752mm)
全高 56.3in(1,430mm)
ホイールベース 105.1in(2,669mm)
車両重量 2,853lbs(1,294kg)
ハイブリッド方式 HV(ホンダ・IMAシステム)
燃費 44/44mpg(EPA 市街地/高速道路モード)

中古車の購入なら2代目の「MXST」で決まり!

3代目が日本の中古車市場には全く出回っていないことから、必然的に3代目は購入リストから外さざるを得なくなります。初代と2代目を比べた場合ハイブリットという先進技術の過渡期ということもあり、初代と2代目の間では投入されている少燃費技術に大きな差があることと、車体自体の剛性が余りにも違うという理由から、初代を買う理由はデザインの好みなどがあるなら別ですが、性能面では初代を選択する理由はありません。
また、初代・2代目・グレードの違いに関わらず、シビックハイブリットという車は非常に安価です。2代目の「MXST」で低走行距離・ワンオーナーといった極上車であれば若干値が張る個体も存在していますが、それでも100万円を少しオーバーする程度です。
最も高値の付く「MXST」を見ても、ある程度距離を走っている個体なら40万円台から探すことが可能です。上の記事で例に挙げた初代シビックハイブリットの中古車が総額40万円ということを考えると、ホンダインターナビやアルカンターラの内装など50万円以上のオプションが詰まった2代目の「MXST」が最もコストパフォーマンスに優れると言えます。なにせオプションだけで60万円近い価値があり、それだけで車体価格を上回ってしまうのですから。
中古とは言えセダンの購入を考えている方なら少なからずは上質な走りなどの拘りもお持ちでないかと思います。そういった拘りをお持ちの方なら、2代目シビックハイブリットの「MXST」グレードはさらにお薦めできます。

パフォーマンスとコストの両立、それがシビックハイブリット!

2016年シビックのフルモデルチェンジに合わせ、シビックハイブリットはその短い歴史に幕を閉じることとなります。これはハイブリット車の普及促進という役目が終わったことを意味しています。
今でも中古車市場に目をやれば、シビックハイブリットのコストパフォーマンスには素晴らしいものがあります。「ハイブリットってどんなもんだろう、試しにちょっと乗ってみようか」そんなふうに思うことがあったなら、シビックハイブリットを是非試してみて下さい! そのコストパフォーマンスは、あなたを満足させてくれるはずです。