ホンダシビックタイプRのニューモデルが登場!歴代モデルと比較してみた

2015年10月28日から商談予約がスタートしている新型シビックタイプR。イギリス生産での逆輸入という形で750台の限定販売。最新モデルのシビックタイプRの性能を知るべく、その最新スペックの紹介と歴代シビックタイプRを振り返って比較してみました。

世界最速のFFを目指して開発された新型シビックタイプR

ドイツニュルブルクリンク北コース、ノルドシュライフェでのFF世界最速記録を塗り替えるという大きな目標を持って開発された新型シビックタイプR。見事にFF世界最速記録を塗り替え、それまでの世界最速記録であった、ルノーメガーヌの7分54秒36から4秒弱のタイムを削り取り、7分50秒63を記録。
この世界最速のシビックタイプRは、750台限定で日本では販売となります。10月28日から商談申し込みを開始し、販売台数よりも商談申込数が多いため、11月30日12時に商談ができる当選された方が発表されるという、シビックタイプRの販売では前代未聞の流れとなっています。

【Photo by 筆者】

タイプR初のVTECターボエンジンを搭載

タイプRと言えば、VTECエンジン。ホンダ象徴の高回転高出力エンジンは、新型シビックタイプRにも引き継がれています。歴代タイプRのエンジンは、NA高回転型エンジンでした。新型では、VTECターボエンジンを採用し、高出力を維持しながらも「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」を達成。
最高出力は、310PS。最大トルク40.8kgf-mを発揮します。
燃費は、JC08モードでリッター13kmを記録。高出力と燃費のバランスの取れたエンジンとなっています。
高出力の実現と環境性能への適応を実現したエンジン内部には、ホンダの並々ならぬ努力が注ぎ込まれています。

・小型のモノスクロールターボチャージャーの採用による高レスポンスの実現
・排気側にVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)の採用
・吸排気双方にVTC(連続可変バルブタイミングコントロール機構)の採用
・バルブオーバーラップの緻密制御により、低回転域での高トルク・ハイレスポンス。全開領域での高出力化を実現
・多段噴射インジェクターによる直噴システム、高タンブル吸気ポート、ピストン冠面形状の最適化による燃焼効率の向上

出典:http://www.tomtomsvoice.jp/voice/?p=9407

tomtomsvoice

+RモードでVTECターボエンジンが解き放たれる

最近のスポーツカーに採用されている、走行ステージに合わせてクルマの特性を変化させるボタン。新型シビックタイプRにも採用されており、BASEモードでもタイプR本来の走りを楽しめるように設計されているものの、+RモードでハイレスポンスなタイプRへと変貌します。
ボタンONで、低回転から強力なトルクを発生し、強烈な加速感を実現します。そして、電動パワステ、可変ダンパーシステムがスポーツモードへと変わり、よりダイレクト且つリニアに反応するようになります。

出典:http://autoc-one.jp/news/2404633/

autoc-one

トルクステアを低減したデュアルアクシス・ストラット・フロントサスペンション

高出力のFFによく発生するトルクステア。アクセルONで前輪左右にかかるパワーが異なることから、前輪が左右に暴れる症状。これによってハンドルを左右に持っていかれるのがトルクステアです。パワーを求めるとこの傾向は強くなり、ハンドルをしっかりと握らないと危なくなります。
新型のシビックタイプRを開発する中で、高出力、高トルクは世界最速を求める上では必須でした。そこで問題になるのがこのトルクステア。これを解決するために開発された画期的なサスペンションステム。それが、「デュアルアクシス・ストラット・フロントサスペンション」です。

出典:http://www.honda.co.jp/CIVICTYPE-R/webcatalog/performance/chassis/

honda

出典:http://www.honda.co.jp/CIVICTYPE-R/webcatalog/performance/chassis/

honda

デュアル・ストラットとは、ナックル(転舵軸)とストラット(路面からの入力軸)という機能の異なる2つの軸を持つサスペンションになります。ナックルを独立させたことで、キングピン軸(転舵軸)の傾きを抑えることでセンターオフセットを小さくでき、トルクステアの低減を図ることができています。そして、キャスター角を大きくとることで高速域での安定性も確保。
ダンパーフォークやロアアームをアルミ製にするなど軽量・高剛性も確保し、サスペンションシステム全体で新型シビックタイプRの走りを支えています。

ニュルブルクリンクで鍛え抜かれたボディ

【Photo by 筆者】

どんなに高出力・高トルクな素晴らしいエンジンや画期的なサスペンションシステムを投入しても、それを支えるボディ(骨格)剛性が高くないときっちりと路面へとパワーを伝えることができません。
最近のスポーツカーのほとんどがニュルブルクリンクでテストしているのもこの点が重要で、高低差が大きく、起伏に富んだそのレイアウトは、クルマのボディに対する入力が通常のサーキットでは想定できないレベルのものとなっています。ボディ剛性が高く、シャーシが整っていないとタイムがでないサーキットなのです。
このニュルブルクリンクで開発を続けた新型シビックタイプRもこの点に力を入れ、軽量且つ高剛性のボディを手に入れました。

【Photo by 筆者】

具体的には、溶接部を通常の点溶接から構造用接着剤を用いた面接合を広範囲に実施。ロボットでは塗布できない箇所は手塗りを施すという手の入れようです。
構造用接着剤のメリットはなんと言っても軽さにあります。通常、ボディ剛性を上げようとすると何かしらの補強材が必要になります。補強材を増やせば増やすほどボディは重くなり、運動性能が落ちます。
このバランスを両立できるのが構造用接着剤なのです。
この構造用接着剤の活用により、軽量且つ高剛性のボディが実現したのです。

歴代最高のスペックと価格

【Photo by 筆者】

新型シビックタイプRは、歴代のシビックタイプRの中で最高の出力を発揮しています。
歴代のシビックタイプRのSPECと価格を比較してみたいと思います。

<EK9型シビックタイプR>
販売価格:199.8万円
最高出力:185PS
最大トルク:16.3kg.m

<EP3型シビックタイプR>
販売価格:233.1万円
最高出力:215PS
最大トルク:20.6kg.m

<FD2型シビックタイプR>
販売価格:283.5万円
最高出力:225PS
最大トルク:21.9kg.m

<FN2型シビックタイプRユーロ>
販売価格:300万
最高出力:201PS
最大トルク:19.7kg.m

<新型シビックタイプR>
販売価格:428万
最高出力:310PS
最大トルク:40.8kg.m

比較してみると、新型シビックタイプRの性能が飛躍的に進化しているのが分かります。また、それと同時に販売価格もこれまでのシビックタイプRとは比較にならないことに…。
今回は限定750台ということもあり、スポーツカーの入門的な存在であったシビックタイプRは、いつの間にか憧れのスポーツカーへと変わってきそうですね。

歴代のシビックタイプRを振り返る

名機B16Bを搭載した初代シビックタイプR

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/tomo_asahina/20283422.html

blogs.yahoo

平成9年から発売されたEK9型シビックタイプR。直列4気筒1.6リッターのエンジンを搭載し、最高出力は185PSを誇りました。3ドアハッチバックがベースモデルで、ボディがもともと軽量な上にハイスペックのエンジンを搭載したモデルということで、今でも人気のモデルです。
タイプR専用のエアロをまとい、シートはレカロセミバケットタイプが標準装備となり、MOMO制の本革ステアリング等、内装の装備品もスポーティーな仕様として発売されました。この頃のタイプRは、エアコンやパワーウィンドウはオプション扱いで、ホンダらしいレーシーな設定がまたホンダ好きを虜にしていきました。
搭載されたB16B VTECエンジンは、1リッターあたりの馬力が100を超えるエンジンとなり、市販車エンジンとしてはありえないスペックを誇っていました。そのようなこともあり、チューニングショップがこぞってエンジンをチューンナップし、10,000rpmを実現させるエンジンも現れるほどでした。
今でもB16Bエンジンをベースにしてレースを行っている方もいるほど。高出力の発揮と耐久性を兼ね備えたエンジンです。
そんなこともあり、EK9型シビックタイプRの中古車での価値は年々高まり、走行距離が少ないモデルは新車と同じくらいの値段で販売しているものもあります。走行距離が多く修復歴有の車両でも100万ほどする車両もあり、長く乗れることを知っているホンダファンは走行距離に関係なく購入していくようです。
この人気はまだまだ衰えることがなさそうですね。

2リッター6速MTを手に入れた2代目シビックタイプR

出典:http://23eni.biz/ep3-civic-r-163.html

中古車買うならココに注意

平成14年、爆発的な人気を誇ったEk9型シビックの後に発売されたのが、EP3型シビックタイプR。イギリス生産の逆輸入という形でカタログモデルとして発売。このモデルからボディをストリームと共有し、足回りはダブルウィッシュボーンからストラット式に変更されました。
ダブルウィッシュボーンを好むユーザーに取ってはEK9型しか設定がないため、いまだに人気が衰えない要因の一つともなっています。
そのようなこともあり、期待していたタイプRファンの気持ちに応えることができず、EP3型は歴代シビックタイプRの中でも不人気車種となってしまいました。
ただ、スペックはタイプR。エンジンは2リッターとなり、最高出力215PSを誇りました。このモデルから初めて採用されたのがブレンボ社製のブレーキ。真っ赤なブレンボキャリパーはこれ以降タイプRの象徴とも言える存在となっていきました。
搭載されたミッションは、6速のショートストロークミッション。シフトフィールも非常によく、スコスコと入るので、サーキットなどでの素早いシフトワークにはうってつけのミッションでした。
一度のマイナーチェンジを経て、平成17年まで発売されました。

4ドアセダンで実用性とスポーツ性を兼ね備えた3代目シビックタイプR

出典:http://www.honda.co.jp/news/2007/4070329-civic.html

国内生産では今のところ最後のモデルとなっているのがFD2型シビックタイプR。H19年から発売され、シビックタイプR初の4ドアセダンとして登場。普通に大人4人が乗れるタイプRということで、ファミリー層にも受け入れられました…、表面上は…。と言うのも、この頃筑波サーキットでテストを行っていたホンダ。インテグラタイプRの発売も終わり、タイプRとしてはこのシビックのみとなりました。
搭載しているエンジンも同じで、スペックもほぼ同じ内容で発売するからには、性能の向上を見せつけるためには、筑波サーキットでのタイムアップが必須でした。
ボディはインテグラタイプRよりも大きく重くなってしまったため、その分純正の足回りを固めて純正タイヤをほぼセミスリックタイヤにして登場させたのです。結果、乗り心地はとてもファミリーカーと呼べるものではなく、食事後のリアシートに座ろうものなら胃をおかしくしてしまいそうなくらい。
そのくらい、ホンダとしてはタイプRにはこだわりを持って開発したということだと思います。サーキットを走って楽しむクルマという位置づけなんだと言うことを乗ると改めて感じさせられる仕様です。
中古車での球数はまだ豊富にあり、程度も良好な状態が多いことから、中古車相場は200万前後でここ数年落ち着いています。新型のシビックタイプRも限定モデルということから、FD2型の中古車相場はまだ落ちることはないでしょう。

イギリスから逆輸入し2度限定販売。シビックタイプRユーロ

出典:http://mugeneuro.com/performance-parts/mugen-fn2-products-now-available/

無限

平成21年、イギリスからの逆輸入で発売されたFN2型シビックタイプRユーロ。EP3型以来の3ドアハッチバックタイプRでした。アコードユーロRというグレードがあったが、ユーロと付くモデルはスポーツモデルではありながら、ラグジュアリーな要素を残している仕様になります。
初期は限定2,010台で発売され、翌年1,500台の限定で発売されました。スペック的には、FD2型シビックタイプRよりも大人しく、最高出力は201PS。FD2型よりも20PSほど低い数値となっていました。乗り心地はユーロRなだけありしっとり。FD2型のガチガチとは比較にならないほど乗り心地はいいです。
ただ、日本ではあまり人気がでず、2度目の限定販売した1,500台は売れ残ってしまうということが発生しました。中古車でもやはり不人気で、FD2型が未だに200万円台を前後の相場に対して、FN2型の多くは150万~190万くらいとなっています。
スペック的には十分なパワーを備えているFN2型なので、お買い得なモデルとも言えるでしょう。

まとめ

新型シビックタイプRの発売が待ち遠しい今、歴代のシビックタイプRを振り返ってみて、改めてホンダがこのようなスポーツカーをまた発売してくれたことに感謝したいと思いました。
750台の限定モデルとは言え、環境性能や衝突安全性能が厳しくなっている中で、スポーツカーを販売したこと。そしてシビックタイプRを継続してくれたことに感謝です。
F1を再開したホンダ。これからNSXの販売など他のスポーツモデルも気になりますね。ぜひ、これからも乗って楽しいスポーツカーを販売してほしいです。

新型シビックタイプR画像集

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】

【Photo by 筆者】