【トヨタ ソアラ】日本初を満載したトヨタの最上級クーペ!

1981年にトヨタは高級パーソナルクーペをデビューさせました。その名は「トヨタ ソアラ」。英語で「最上級のグライダー」を意味します。初代、2代目はクラウンの、3・4代目はセルシオ(レクサスLS)の2ドアクーペとしての位置づけでした。そんなトヨタ ソアラは高級パーソナルクーペらしい日本初の先進技術が満載でした。

トヨタ ソアラとは?

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%82%A2%E3%83%A9

初代トヨタ ソアラ 2800GT エクストラ

1936年4月にトヨタが日本初の量産車である「トヨタAA型乗用車)を発売しました。それから40年後、1970年代も半ばになると日本車の輸出され、海外での高い評価を得るまでになっていました。しかし小型大衆車に限られた評価で大型高級車については、芳しい評判を得られていませんでした。

この頃には排ガス規制対策も一段落し、トヨタ社内からも「2000GTのようなイメージリーダーが欲しい」という声が上がっていたことから「メルセデス・ベンツSLクラス」「BMW6シリーズ」のような高級GTカーを目標に、世界レベルで通用する高級車の開発が開始されました。

1980年(昭和55年)、大阪国際モーターショーで「EX-8」の名称で参考出品された高級GTカーは、翌年2月から「トヨタ ソアラ」として発売されました。ソアラは大成功を収め、同じ車格の2ドア車であるクラウン2ドアハードトップの事実上の後継車となりました。

2005年、日本国内でのレクサスブランド展開のため、レクサス SCへと名称変更しトヨタ ソアラは絶版となります。トヨタ ソアラには、数多くの日本初となる技術が搭載されました。その技術を歴代モデルとともにご紹介します。

初代 Z10型(1981年 - 1986年)

初代トヨタ ソアラ主要諸元

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初代トヨタ ソアラ 3.0GTリミテッド

トヨタ ソアラ 2800GT(前期型)主要諸元

車両形式 Z10
駆動方式 FR
乗車定員 5名
車両重量 1,305kg

車両寸法

全長 4,655mm
全幅 1,695mm
全高 1,360mm
ホイールベース 2,660mm

走行メカニズム

変速機 4速AT/5速MT
サスペンション(前) マクファーソンストラット
サスペンション(後) セミトレーリングアーム
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク

初代ソアラ搭載エンジン主要諸元

初代トヨタ ソアラはモデルの前期と後期で搭載エンジンが一部異なります。前期型に搭載されていたエンジンは下記の通りです。

●5M-GEU(直列6気筒ツインカム2,800cc)
●M-TEU(直列6気筒SOHCターボ2,000cc)
●1G-EU(直列6気筒SOHC2,000cc)

後期型では下記となります。

●6M-GEU(直列6気筒ツインカム3,000cc)
●1G-GEU(直列6気筒ツインカム24バルブ2,000cc)
●M-TEU(直列6気筒SOHCターボ2,000cc)
●1G-EU(直列6気筒SOHC2,000cc)

「5M-GEU型エンジン」は2,000cc以上の大排気量エンジンでは、日本ではじめてDOHC(ツインカム)を採用しました。

エンジンスペック

型式 5M-GEU
種類 直列6気筒DOHC
内径 83.0mm
行程 85.0mm
総排気量 2,759cc
最高出力 175PS/5,600rpm
最大トルク 24.5kg・m/4,400rpm

初代トヨタ ソアラに採用された日本初の装備・技術

日本初のデジタルメーター

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前期型のインパネ。日本初のデジタルメーター「エレクトロニックディスプレイメーター」を搭載しています。

初代トヨタ ソアラで採用された日本初技術をご紹介します。

まずはインパネに搭載された「エレクトロニックディスプレイメーター」は日本初のデジタルメーターです。後期型にマイナーチェンジすると「エレクトロマルチビジョン」へと進化しました。

エレクトロマルチビジョンは「エレクトロニックディスプレイメーター」にブラウン管テレビを追加しました。このブラウン管テレビは走行時には車両情報を表示し、停車時に一定条件を満たすと、地上波放送の視聴が可能でした。

当時の憧れポイントはテレビアンテナでした。テレビ視聴時にトランクの両脇に埋め込まれた電動アンテナが自動で伸縮します。このギミックは非常に近未来感を感じさせ、またクルーザーのようでカッコよかったのです。

コンピューター車両制御システム

2,800ccのAT車にECTとTCCSが搭載されました。ECTは変速を電子制御で行うオートマチックトランスミッション、TCCSはエンジン制御用コンピューターです。エンジンの状態をセンサーで常にモニタリングします。

凄いのはここからです。これら2つの技術をシンクロさせて、トータルに車両制御を行う点が先進的でした。TCCSで取得したエンジン情報をECTが活用し、適切なギア比やスロットル開度を調整しています。これにより、エンジンが不調の時にドライバーが無理にアクセルを踏んでも、TCCSが取得したエンジン不調情報をECTに届けているので、ECTはスピードが上がらないように車両をコントロールできるのです。

電子制御サスペンション「TEMS」

今ではトヨタの多くの車種に採用されている電子制御サスペンション技術「TEMS」も、最初の搭載車は初代トヨタ ソアラでした。

TEMSはコンピューター制御により、前後4本のショックアブソーバーの減退力を乗車人数や積載貨物の総重量に応じてフレキシブルに変更できるように、とワンボックスカー用に開発されたシステムでした。

初代トヨタ ソアラに採用されたTEMSの制御内容は、走行状態に応じて減退力が数段階に自動で変化する「AUTO」モードと、高めの減退力維持を手動で選択できる「SPORTS」モードでした。

外装色「スーパーホワイト」

初代ソアラの先進性は外装色にも現れています。従来の白塗装より明度を大幅に上げた「スーパーホワイト」のボディカラーを初採用しました。

従来の塗装工程では、多くの外装色を共通のラインで塗装していたため、「純白」を表現するのは難しいことでした。そこで塗装ラインに様々な色の混入を防ぐフィルターを装備し、明度の高い純白に近い「スーパーホワイト」を実現しました。

「スーパーホワイト」は大人気色となり、数年後に訪れる「ハイソカーブーム」ではトヨタのほとんどの高級車が採用しました。

2代目 Z20型(1986年 - 1991年)

2代目トヨタ ソアラ主要諸元

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2代目トヨタ ソアラ 2.0GT ツインターボL

トヨタ ソアラ 3.0GT(後期型)主要諸元

車両型式 Z20
駆動方式 FR
乗車定員 5名
車両重量 1,510kg

車両寸法

全長 4,675mm
全幅 1,725mm
全高 1,335mm
ホイールベース 2,670mm

走行メカニズム

変速機 4速AT/5速MT
サスペンション 4輪ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク

2代目トヨタ ソアラ搭載エンジン主要諸元

2代目トヨタ ソアラはモデルの前期と後期で搭載エンジンが一部異なります。前期型に搭載されていたエンジンは下記の通りです。

●7M-GTEU(直列6気筒ツインカム24バルブ空冷式ターボ3,000cc)
●1G-GTEU(直列6気筒ツインカム24バルブツインターボ2,000cc)
●1G-GEU(直列6気筒ツインカム24バルブ2,000cc)
●1G-EU(直列6気筒SOHC2,000cc)

後期型では下記となります。

●7M-GTEU(直列6気筒ツインカム24バルブ空冷式ターボ3,000cc)
●1G-GTEU(直列6気筒ツインカム24バルブツインターボ2,000cc)
●1G-GEU(直列6気筒ツインカム24バルブ2,000cc)
●1G-FE(直列6気筒ハイメカツインカム2,000cc)

シリーズ最強の「7M-GTEU型エンジン」は先代モデル後期型に搭載されていた「6M-GEU型エンジン」を1気筒あたり4バルブ化し、空冷式インタークーラーを備えたターボを装着しました。
「トヨタ2000GT」にも搭載されたM型エンジンシリーズ、および当時の国産車の最高出力を誇りました。

エンジンスペック

型式 7M-GTEU
種類 直列6気筒DOHC空冷式インタークーラー付ターボ
内径 83.0mm
行程 91.0mm
総排気量 2,954cc

※無鉛プレミアムガソリン仕様
最高出力 240PS/5,600rpm
最大トルク 35.0kg・m/3,200rpm

※無鉛レギュラーガソリン仕様
最高出力 230PS/5,600rpm
最大トルク 33.0kgm/4,000rpm

2代目トヨタ ソアラに採用された日本初の装備・技術

世界初!電子制御式エアサスペンション

先代モデルで日本初搭載した電子制御サスペンション「TEMS」を継続採用しています。特にトップグレードにはオプションで金属バネの代わりに空気のバネを採用した「電子制御式エアサスペンション」を世界で初めて搭載しました。

デジタルメーターが更に進化!

インパネではエレクトロマルチビジョンを進化させ、虚像表示式のデジタルメーター「スペースビジョンメーター」、液晶タッチパネルでエアコン、ラジオ、カセットの状態を切り替え表示できる「マルチコントロールパネル」といった先進技術を搭載していました。

操作性を重視したプル式クラッチ

7M-GTEU搭載車用マニュアルトランスミッションクラッチは、日本初の操作性に優れたプル式クラッチスプリングを採用し、当時トヨタが標榜していた「Fun To Drive」を目指していました。

日本初!電動格納式メタルトップ

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ソアラエアロキャビンオープン!!

1989年(平成元年)4月、限定車(500台)として3.0GTをベースにした「エアロキャビン」が登場しました。キャビンのB、Cピラーが残るため完全なオープンカーとは言えないかもしれませんが、日本ではじめて電動折りたたみ格納式メタルトップを採用しました。

3代目 Z30型(1991年-2000年)

3代目トヨタ ソアラ主要諸元

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3代目トヨタ ソアラ 4.0GT

トヨタ ソアラ 4.0GT(前期型)主要諸元

車両型式 Z30
駆動方式 FR
乗車定員 5名
車両重量 1,630kg

車両寸法

全長 4,860mm
全幅 1,790mm
全高 1,340mm
ホイールベース 2,690mm

走行メカニズム

変速機 4速AT/5速MT
サスペンション 4輪ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 4輪ベンチレーテッドディスク

3代目トヨタ ソアラ搭載エンジン主要諸元

3代目トヨタ ソアラはモデル前期、中期、後期で搭載エンジンが一部異なります。前期型に搭載されていたエンジンは下記の通りです。

●1UZ-FE(V型8気筒フォーカム32バルブ 4,000cc)
●1JZ-GTE(直列6気筒ツインカム24バルブツインターボ 2,500cc)

中期型では下記となります。

●1UZ-FE(V型8気筒フォーカム32バルブ 4,000cc)
●1JZ-GTE(直列6気筒ツインカム24バルブツインターボ 2,500cc)
●2JZ-GE(直列6気筒ツインカム24バルブ 3,000cc)

後期型では下記となります。

●1UZ-FE(V型8気筒フォーカム32バルブ 4,000cc)
●1JZ-GTE(直列6気筒ツインカム24バルブVVT-iターボ 2,500cc)
●2JZ-GE(直列6気筒ツインカム24バルブVVT-i 3,000cc)

今まで直6専用車だったトヨタ ソアラに、はじめてV型エンジンが搭載されました。しかもセルシオやクラウン・マジェスタに搭載された1UZ-FE型4,000ccエンジンです。車格的にセルシオと肩を並べた証でした。

エンジンスペック

型式 1UZ-FE
種類 V型8気筒DOHC
内径 87.5mm
行程 82.5mm
総排気量 3,968cc
最高出力 260PS/5,400rpm
最大トルク 36.0kg・m/4,600rpm

3代目トヨタ ソアラに採用された日本初の装備・技術

3代目トヨタ ソアラはアメリカ・カリフォルニア州のトヨタデザインセンター「Calty」でデザインされ、レクサス店向けクーペとして開発されました。そのためか、日本初搭載となる技術は以前よりも少なくなりました。

世界初!車両姿勢制御可能なサスペンション

サスペンションにはセリカに初搭載されたアクティブコントロールサスペンションを更に進化させた「フルアクティブサスペンション」を世界で初めて搭載しました。これはアクティブコントロールサスペンションにアクティブ4WS、4輪ABSを統合し、車両姿勢をアクティブに自動でコントロールするものです。

TEMSが更に進化!

初代ソアラで日本初搭載された電子制御式サスペンション「TEMS」はさらに進化し、ピエゾ素子をセンサーとして用いてより細かな制御を行う「ピエゾTEMS」やスカイフック理論に基づいて車両姿勢制御を行う「スカイフックTEMS」などが採用されました。

4代目 Z40型(2001年-2005年)

4代目トヨタ ソアラ主要諸元

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4代目トヨタ ソアラ SCV430

トヨタ ソアラ 430SCV 主要諸元

車両型式 Z40
駆動方式 FR
乗車定員 4名
車両重量 1,730kg

車両寸法

全長 4,515mm
全幅 1,825mm
全高 1,355mm
ホイールベース 2,620mm

走行メカニズム

変速機 5速AT
サスペンション 4輪ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(後) ディスク

4代目トヨタ ソアラ搭載エンジン主要諸元

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBUZ%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

4代目トヨタ ソアラに搭載された3UZ-FE型エンジン

4代目トヨタ ソアラに搭載されていたエンジンは下記の通りです。

●3UZ-FE(V型8気筒フォーカム32バルブ 4,300cc)

3代目まで設定されていた直列6気筒エンジンは消滅し、V型エンジン専用車になりました。

エンジンスペック

型式 3UZ-FE
種類 V型8気筒DOHC
内径 91.0mm
行程 82.5mm
総排気量 4,292cc
最高出力 280PS/5,600rpm
最大トルク 43.8kgm/3,400rpm

4代目トヨタ ソアラに採用された日本初の装備・技術

世界初!完全自動開閉式電動メタルトップ

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TOYOTA SOARER トヨタ ソアラ ルーフ開閉【auto-boy.jp】

2代目トヨタ ソアラでも「エアロキャビン」で採用された電動格納メタルトップは、完全自動開閉式の電動格納メタルトップへと進化しました。全ての駆動を電気モーターによって行うメタルトップは、当時、世界初でした。ちなみに駆動用の小型モーターを10個搭載していました。

トヨタ初!18インチホイールとランフラットタイヤ

トヨタブランド車としては初めて、18インチのアルミホイールとタイヤが装備され、オプションではありますが、ランフラットタイヤも設定されていました。

ランフラットタイヤは、例えばタイヤに釘が刺さってもすぐにはパンクしないタイヤで、200Kmまでは走ることができます。そのためパンクをしても整備工場を探すことができます。

ランフラットタイヤのオプションを選択するとスペアタイヤが未搭載となります。車両重量の低減とトランクスペースの拡大に貢献しました。

【まとめ】トヨタの大型2ドアクーペの再来は2017年?

2005年、日本国内でのレクサスブランド展開のため「トヨタ ソアラ」は「レクサス SC」へと衣替えしました。トヨタ ソアラは絶版となり、29年の歴史に幕を下ろしました。

現在、レクサス SCも絶版となっているため、トヨタ製大型2ドアクーペの座は不在のままです。日産 スカイラインクーペやGT-R、ホンダ NSXにも匹敵するトヨタ製大型2ドアクーペの再来が待たれます。