今でも乗る人を楽しませる名車「日産 180SX」

今でも、しばしば走っているところを見かけるNISSAN 180SX。当時大人気だったシルビアの姉妹車として発売されながら、姉のシルビアよりも先に生産を終了してしまった車種です。バブル時代に脚光を浴びた180SXにはどのような魅力があったのか、紹介したいと思います。

NISSAN 180SXとは

180SX Type III

NISSAN 180SX。もしかしたら知らない世代が増えてきたかも知れませんね。1989年に登場した、当時「スペシャリティカー」を得意としていた日産のハッチバックタイプ車です。販売系列は日産プリンス、チェリー系列での取り扱いでした。

登場から約10年、シルビアの姉妹車として販売され続けましたが、途中、2度のマイナーチェンジはあったものの、10年間フルモデルチェンジが行われなかったという、ちょっと変わった歴史があります。

外観上の特徴は当時の流行だったリトラクタブルヘッドライトの2灯式、エンジンは初期型のCA18DETで175PS/6,400rpm、中期型のSR20DETが205PS/6,000rpm、最終型のSR20DEが140PS/6,400rpmというスペックでした。

リクトラクタブルヘッドライトが採用された理由は、S13型シルビアのヘッドライトの高さが北米の法規に適応していなかったためだと言われています。そのため、北米への輸出モデルは180SXと同じリクトラクタブルヘッドライトのみでした。そう、「SX」という名前は、シルビアの北米市場向けにつけられていた名前でしたから、北米におけるS12型シルビアの後継は240SXだったのです。

流行を追ったクルマ「180SX」

1988年 シルビア K's

180SXの発売当時、既に発売されていた姉妹車のS13シルビアが若者を中心に大変な人気でした。時はバブル、若い人たちも当たり前のようにスポーティーカーを乗り回した時代ですから、どの車種も人気はあったのですが、シルビアはそのスタイリングの優美さと同時に、他車の多くがFF化して行った中で軽量(1,800cc)ながらFRという形式が魅力だったのかもしれません。特に、シルビアにも先行して大人気だったホンダ・プレリュードはFF車でしたから、シルビアでのFRが大きな差別化要素になって「プレリュードの牙城を崩した」とも言われたほどです。

1989年型 180SX Type II

その後を追う形で発売された180SXは、北米と同じようにクーペだけではなく、ハードトップも出る(つまりリクトラクタブルヘッドライトのシルビアという形ですね)という噂もあったのですが、実際にはクーペのみが販売され、外観で姉妹車との差別化を図ったそうです。当時、日産の販売店としては、競合車輌をスペック的には姉妹車輌のシルビア、そして外観を重視すればトヨタMR2においていたという話を聞いたことがあります。ある意味では、この時代を代表する新型車の良いところ取りをしたのかもしれませんね。

バブルの影響を受けた歴史

1995年 180SX Type-X

180SXはシルビアの妹版としてデビューしただけに、ほぼ共通のパーツで生産されています。ただ、少し可哀想な歴史があります。

さきほど、「フルモデルチェンジがされていない」と書きました。でもS13シルビアは、1993年にフルモデルチェンジをし、S14シルビアへと進化を遂げています。しかし、180SXは1991年にマイナーチェンジでRS13型からRPS13型へとマイナーチェンジが行われたまま、姉のシルビアのフルモデルチェンジに追従していません。これには、簡単な理由があります。

1993年 S14シルビア K's Type-S

シルビア、180SXが高い人気を誇った背景にはバブル景気がありました。そして1993年、既にバブルは崩壊し、1993年の末まで株価は下落し続けていたのです。その影響もあって、S14シルビアの売れ行きは日産が予測したよりも悪かったようです。その結果、予定されていたであろう180SXのRS14型への進化は見送られ、RPS13型を継続したということになったようです。

今でも愛される「FR」の乗り味&中古車情報

さて、では180SXがどのような乗り手に受けていたかに少し触れておきたいと思います。
先ほども書きましたが、S13シルビアと同じFRだったことが人気の理由になっていました。そのため、ジムカーナやドリフトなど、レーシングサーキット以外でも楽しめるような競技や、あるいはワインディングロードでの走りを追求したい人たちが好んだようです。

これは、現在の話ですが、初期型の台数はやはり減ってしまったのですが、今でも中古市場に台数が多く出回っている中期型は、それをベースにして後期型のパーツを取り寄せて乗っている人が多いそうです。この改造の発信源は、どうやら東北地方のドリフト族らしく、やはりFR独特のドリフトを楽しむには良い車という評価なのでしょう。そして、中型をベースにした改造は全国的にも広まっているそうです。

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まとめ

180SXは、外観だけならシルビアとの姉妹車輌とは中々思われない自動車でした。ただ、車好きの間では、リクトラクタブルが良い・悪い、あるいはクーペだから180SXはおデブ(若干、車重が重かったのです)など、ほぼ好みの問題でどちらが良いか(好きか)という話題のネタにもなった自動車です。

今では中々、こういった1,800〜2,000ccのスポーツタイプの新型車を見ることができないのが寂しいのですが、若い世代に自動車に興味を持ってもらうためにも、手に入りやすく、それでいて走りを語ることのできるような車種がいろいろなメーカーから登場してくれないかな。と思ったりします。