【新型メガーヌ ルノースポール273】ニュル最速FFのパワートレイン

2016年10月5日、新型メガーヌ ルノースポール273が発売されました。同車は2014年にドイツ・ニュルブルクリンクで最速タイムをマークしたメガーヌ ルノー・スポール トロフィーRのパワートレインが搭載されています。273PSと少し控えめにも思えるパワーですが、「おいしいところ」のトルクを太くしてコーナリングスピードを上げることに注力したパワートレインとなっています。(飯嶋洋治/RJC会員)

新型メガーヌ ルノースポール273とは?

新型メガーヌ ルノー・スポール273/photo by Iijima

ルノー・ジャポン株式会社は、新型メガーヌ ルノー・スポール273を2016年10月5日から発売しています。「273」というのは273PSの最高出力を発揮することを意味しており、2014年にドイツ・ニュルブルクリンク(北コース)で当時のFF市販車最速タイムをマークした、メガーヌ ルノー・スポール トロフィーRと同じパワートレインとなっています。

新型メガーヌ ルノー・スポール273/photo by Iijima

ルノー・ジャポン社長である大極司氏は発表会の冒頭、「ルノーのコア、ハートはモータースポーツに始まります。ルノーは100年以上前からいろいろなモータースポーツにいろいろな形で参加してきました。そこで培った技術、パッション、こうしたものをルノー・スポールを通して市販車に注ぎ込んでいます。日本のみなさんにルノーのモータースポーツへのパッションを感じて、そして運転して楽しんでいただければと思っています」とし、「新型ルノー・メガーヌで注目していただきたいのはドイツにありますニュルブルクリンクでFF量産市販車最速タイムを出した。そのパワートレインが同じセッティングで搭載されていること。これをぜひ日本の皆さんにも楽しんでいただきたい」と語りました。

ルノー・ジャポン社長の大極司氏とF1日本グランプリ出場のために来日したジョリオン・パーマー選手/photo by Iijima

従来より8PSのパワーアップだが、トルクを10Nm/5,500rpmとしたことがポイント

パワーは273PS。トルクを厚くしコーナリングスピードをアップすることに重点が置かれた/photo by Iijima

メガーヌ ルノー・スポールのパワーユニットは、前述したように273PSで、前のバージョンの265PSとは8PSの差です。ただし、最高出力の差だけではなく、5,500rpmでのトルクが10Nm上がっているところがポイントとなります。これでルノー・メガーヌは最高速度ではなくコーナリングスピードで勝負するクルマとして磨きがかかりました。

273PSというのは、ライバル車に比べると物足りないスペックとなってしまいますが、厚いトルクを与えらえたおかげで、しっかりと駆動力をコーナーに伝わるようにしています。厚いトルクを持つパワーユニットのおかげで、シフトチェンジの回数を減らすことができるので、シフトチェンジによるタイムロスも少なく、トータルで速いタイムを出すことができる、とも言い換えられるでしょう。実際に、ニュルブルクリンクでは3速まで落とさなければいけなかったところを、4速でこなすことができるようになったということです。

パワーに見合ったサスペンションチューニングとブレンボのモノブロックキャリパーを装備

photo by Iijima

サスペンションとブレーキも強化されています。フロントがダブルストラットサスペンション、リヤはオーソドックスなトレーリングアームサスペンションを採用。ブレンボのモノブロックのキャリパーをフロントに装着しています。これらがパワーに見合ったセッティングになっており、トータルバランスの高さを保っています。

photo by Iijima

コクピットはスポーティさと上質感を両立

photo by Iijima

コクピットも機能性の高さとフランス車としての洒落た感じを演出したもの。シートはレカロ製バケットシート(レザー調&ファブリックコンビまたはレザー)が選択できます。そのままでコーナリングスピードの高さを十分にサポートしてくれるものと言えるでしょう。

主要諸元

新型メガーヌ ルノースポール273

サイズ

全長:4,320mm
全幅:1,850mm
全高:1,435mm
ホイールベース:2,650mm
トレッド(前):1,590mm
トレッド(後):1,545mm
車両重量:1,420kg
定員:5名

エンジン

エンジン型式:F4R
エンジンタイプ:直列4気筒DOHC16バルブ ターボ
総排気量:1,998cc
内径×行程:82.7mm×93.0mm
圧縮比:8.8
燃料供給装置:(電子制御式)マルチポイントインジェクション
最高出力:201kW(273PS)/5,000rpm
最大トルク:360Nm(36.7kg-m)/3,000rpm
使用燃料/燃料タンク容量:無鉛プレミアムガソリン/60L

駆動系

駆動方式:前輪駆動(FF)
トランスミッション:6速MT

サスペンション

前:マクファーソン(ピポット独立式)/コイル
後:トレーリングアーム/コイル

ブレーキ

前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク

タイヤ

前:235/40ZR18
後:235/40ZR18

ホイールサイズ

前:8.25J×18
後:8.25J×18

50台限定でメガーヌ ルノー・スポール273トロフィーS〈LHD〉も同時発売

メガーヌ ルノー・スポール273トロフィーS〈LHD〉/photo by Iijima

当日は、メガーヌ ルノー・スポール273トロフィーS〈LHD〉も同時に発表されました。これはその名のとおり左ハンドルで、50台限定の販売となります。こちらには、レースやラリーで有名なオーリンズの調整式ダンパーが採用されています。同車は鈴鹿サーキットで2分28秒をマークしており、「オーリンズの調整式ダンパーのセッティングもあってのこと」と解説されていました。

メガーヌ ルノー・スポール273トロフィーS〈LHD〉/photo by Iijima

他にも、軽量化に貢献するアクラポヴィッチ製チタンマフラーなどを装備しています。ルノー・ジャポンとしては「ニュルブルクリンクでタイムアタックを行ったモデルが左ハンドルであったことから、同車の左ハンドル限定車は、タイムアタック時に使用したクルマを強くイメージさせるモデル」としています。

販売価格はメガーヌ ルノー・スポール273が399万、レザーシート仕様(レカロ製)は10万円高の409万。メガーヌ ルノー・スポール273トロフィーS〈LHD〉は456万円となっています。

まとめ

ルノーF1に乗り込むジョリオン・パーマー選手/photo by Iijima

発表会が行われたのは、週末に日本グランプリを控えた10月5日(水)でした。そこには、ルノーF1のドライバーであるジョリオン・パーマー選手も姿を見せていました。発表会場にはルノーF1のショーカーが持ち込まれ、サービス精神旺盛なパーマー選手は、そこに乗り込むと、スクリーンに映し出された東京・六本木の街を疾走! ルノーのモータースポーツへの熱い思いを感じさせると同時に、日本でもこうした市街地でのレースが見られれば……と強く感じました。

F1 ROPPONGI GRAND PRIXのコースを攻める? パーマー選手/photo by Iijima