【ホンダ vfr800】「公道最速」の名は伊達じゃない!? 秘められたポテンシャルとは?

1998年に登場したホンダのVFR800シリーズ。長い歴史の中であらゆる技術が熟成し、いまや円熟の域に達しようとしています。中でも、ホンダの技術の粋を集めたV4エンジンや、空気抵抗の整流技術など、公道で培われた技術のみならず、サーキットで培われた技術もフィードバックされ、バイクの完成形に一歩進んだ感さえあります。ホンダVFR800の高いポテンシャルに迫ります!

ホンダ VFR800とはどんなバイクなのか?

ホンダVFRシリーズの系譜は1986年に発売されたVFR400とVFR750に遡ることができます。もともとは当時のレーサーレプリカに該当する機種として発売されました。その後、400ccクラスは1991年に廃止され、750ccクラスは1998年にフルモデルチェンジし、781ccへとボアアップし車名も「VFR」としてラインナップが整理され、2008年までこの体制で販売されます。このころのVFRは「RC46」という形式番号で呼ばれています。

2008年から6年のブランクを経て、2014年にVFR800が発売されました。型式番号は「RC79」となりました。ちなみに、この型式番号の頭の「R」ですが、これは600cc以上750ccまでの排気量区分に付与される頭文字です。排気量は781ccへとボアアップされていても、系譜は脈々と受け継がれているのです。また、長年白バイとして、採用され活躍を続けていることからある意味「公道最速」という呼び声も高いバイクです。しかし、それだけで「最速」などと言われているわけではありません。実績と歴史に支えられたポテンシャルの高さを見ていきましょう。

ホンダ VFR800のコンセプト

ホンダVFRシリーズはそもそもレーサーレプリカ(スーパースポーツ)バイクとしてラインナップされました。現在はツアラーバイクとして扱われる事が多くなりましたが、その血統には純然たるスーパースポーツの特徴がしっかりと残されています。

低速と高速の乗りやすさの追求

一般的に、高速走行のしやすい味付けでは低速走行がしづらく、逆に低速走行がしやすいバイクは高速走行に難が残りがちです。しかし、ホンダVFR800はこの相反する走行特性を様々な技術を用いて、低速でも高速でもしっかりと乗れるバイクとして完成させました。驚異の特徴を可能にしたのが、水冷V型4気筒エンジン! このエンジンにはVTECと言うホンダの技術の結晶が積み込まれています。このVTECですが、簡単に言うと、低回転時と高回転時で特性を変えられるエンジンという理解で良いかと思います。この技術の搭載で、高速道路でツーリングに出かけ、ツーリング先では峠などを攻めて楽しいバイクとなっています。

サーキットからフィードバックされたエアロ技術

エアロダイナミクスや空気整流技術と言うとどうしても外観のフォルムにばかり目が行きがちですが、ホンダVFR800は、そのカウルの下にも注目すべき技術が詰め込まれています。カウルの下には、エンジンから出る熱風を効率よく排出するためのゴムシートがいたる所に貼られ、効率よく足元から熱風が整流されて排出されます。

ツアラーとしての完成度の高さ

スーパースポーツ譲りの高性能は、その後、ツアラーバイクとして特に海外のユーザーに絶大な支持を受けます。トップケースやパニアケースの装着により様々な荷物を積め、VTECエンジンのもたらす全方向に粘り強い走りは、さまざまな路面状況を有する海外では頼りがいのある存在として受け止められました。また、当時のスポーツバイクでは珍しくパッセンジャーシートの快適性も計算されていて、二人乗りを想定したユーザーにも好評を得ます。

ホンダ VFR800の基本性能

VFR800には、1998年以降のRC46型式と、2014年以降のRC79型式があります。二つの車体の諸元表と、そこに現れないスペックを見ていきましょう。

スペックの確認

諸元表(RC46)

型式:BC-RC46
全長:2,095mm
全幅:735mm
全高:1,190mm
軸距:1,440mm
最低地上高:125mm
シート高:805mm
車両重量:235kg
燃料消費率(国土交通省届出値):270km
最小回転半径:3.1m
エンジン型式:RC46E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC・V型4気筒
総排気量:781cm3
最高出力:59kw(80ps)/9,500rpm
最大トルク:68Nm(6.9kgm)/7,500rpm
燃料タンク容量:21L
ブレーキ形式:(前)油圧式ダブルディスク(後)油圧式ディスク
フレーム形式:ダイヤモンド(アルミツインチューブ)

諸元表(RC79)

型式:EBL-RC79
全長:2,140mm
全幅:750mm
全高:1,210mm
軸距:1,460mm
最低地上高:135mm
シート高:809mm/789mm
車両重量:242kg
燃料消費率(国土交通省届出値):28.7km/L
燃料消費率(WMTCモード値):18.9km/L
最小回転半径:3.2m
エンジン型式:RC79E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC・V型4気筒
総排気量:781cm3
最高出力:78kw(105ps)/10,250rpm
最大トルク:75Nm(7.6kgm)/8,500rpm
燃料タンク容量:21L
ブレーキ形式:(前)油圧式ダブルディスク(後)油圧式ディスク
フレーム形式:ダイヤモンド(アルミツインチューブ)

諸元表では見えないポテンシャルも…

RC46の隠されたポテンシャル

RC46の車体性能の良さは、2016年現在も走り回っている白バイ、VFR800Pが証明してくれています。VTEC搭載の性能はもちろんですが、非常にタフなエンジンであることがわかります。また、後期型では、マフラーの配置をセンターアップへ変更し、よりスポーティーな車体となりました。
このことからも分かるように、このモデルの強みはハンドリングの良さです。V4エンジンのもたらすスリムな車体は、素直なハンドリングで「視線を向けるだけで曲がれる」と称されるほどです。一方で、タイトなコーナーリング時の体重移動や、倒しこみは熟練すればするほどかっちりと要求に応えてくれるバイクとなっています。熟練すればするほど愛着が湧くバイクと言えるでしょう。実際にこのモデルは長く所有するオーナーが多く、沢山のファンのいるバイクです。

RC79の隠されたポテンシャル

RC46譲りのヒラヒラコーナーリングは健在です。しかし、重心位置をやや高めに設定されていることが、ネックでした。そこで、RC79ではシート高を変更することが可能です。シート高ハイ位置では、スーパースポーツ顔負けのコーナーリングを、シート高ローでは日常ユーズの足つきの良さが実現できます。

また、クラッチの配線の一部がエンジンコントロールユニット(ECUと略す、コンピュータ)に接続されていて、発進時には自動的にエンジンの回転数が上がり、発信をアシストしてくれます。4気筒エンジンの弱点をカバーしてくれているわけです。
ウィンカーキャンセラーという機能も付きました。フロントホイールとリアタイヤの挙動、アクセルの開度などを計算し、ウィンカーを自動でオフにしてくれます。バイク乗車中にやりがちなウィンカー付けっ放し、という赤面間違いなしの凡ミスを防いでくれます。

ホンダ VFR800Fとホンダ VFR800Xの違いは?

ホンダVFRシリーズには、VFR800FとVFR800Xという二つのラインナップがあります。どのように違うのでしょうか?

ホンダ VFR800Fの特徴

スポーティーでエレガントな大人の気品をまとって2014年に登場したのが、ホンダVFR800F(RC79)です。まず、空気の整流技術や、円熟したHYPER-VTECエンジンのもたらす絶対的なポテンシャルは、ABS搭載のブレーキやトラクションコントロールシステムによって、より安心して乗れるスポーツバイクの一部としてバイクを形作っています。

また、高速道路で遠くに出かけ、出かけ先の峠で遊べる、という相反する性能は、フレームの剛性が一役かってくれて、メインフレームにはアルミツインチューブ、リアフレームにはアルミダイキャスト製として、軽量化と共に、高い捻れ剛性が実現されています。このことで、ライダーはタイヤやフレームを通して路面の情報をキャッチし、より高い制度でのマシンコントロールが可能となり、また、そのコントロールに路面追従性をもたらす安心感を与えてくれることでしょう。いわば、大人のスーパースポーツバイク、と言って過言ではありません。

ホンダVFR800Xの特徴

RC79の持つ並外れた運動性能はそのままに、アップライトなポジションでオールパーパスなモデルを実現したのが、このVFR800X(RC80)クロスランナー。日常から非日常へ、街から山道へ。様々な路面を通ることを想定した走破性のあるモデルとなっています。海外では、マルチパーパスモデルや、アルプスローダーと呼ばれるモデルは人気が高く、その中でも高い評価を得ているモデルです。

高い評価の秘密はトルクコントロールシステムとABSが高次元で組み合っているからです。海外では石畳の路面なども多く、スリップしやすい環境が日本よりも多く存在しています。そのような環境の中で存在感を放つシステムがこのトルクコントロールシステムと、ABSの組み合わせで、後輪のスリップを検知すると、燃料を遮断しより安全に走行できるよう配慮されています。フレームの剛性も高いです。白バイに採用された先代RC46からのフィードバックや、サーキットでの高いレベルでの路面追従性などがしっかりと反映されていて、多少の路面ギャップやスリップしやすい路面下でも高い走行性能を発揮します。

ホンダ VFR800の燃費は?

カタログスペックでは、RC46が27.0km/Lとなっています。実燃費はおよそ19km/Lほどと報告されています。RC79ではカタログスペックが18.9km/Lですが、実燃費はほぼこの数値に近いことが報告されています。燃料タンクの容量が21Lとなっていますので、最大で400kmほど走れる計算になります。この数値は、おおよそ300kmほどで給油を繰り返すリッターマシンと同じスペックとなっていますので、リッターマシンの集うツーリングでも、ストレスなく運転できることでしょう。

ホンダ VFR800の新車価格

現行モデルのRC79の新車価格は1,350,000円となっています。しかし、ホンダは2016年5月に生産終了を発表しています。排ガス規制や騒音規制が強化され適応が難しいため、と見られています。2016年9月現在、在庫が少数残されており、こちらの販売は続いています。真剣に入手を検討するべき最後の時期かもしれません。

ホンダ VFR800の中古車価格

現行版の終売が近づいている状況では、中古車も選択肢の一つとして外せない存在です。おおよその中古車価格や市場の状況を見てみましょう。

RC46の中古車価格

前期型

もともと車体数は豊富ではありません。が、それにしてもかなり台数が少なくなってきています。20,000kmほど走っている車体でおおよそ50万円ほどが中心価格帯となっています。走行距離によって前後はありますが、この価格帯を知っておくとよいでしょう。

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後期型

こちらも台数が少なくなってきています。20,000kmほど走った車体で70万円ほどが中心価格帯となっています。

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RC79の中古車価格

まだまだ値下がりの傾向はうかがえません。新車価格の135万円を反映し、10,000kmほど走った車体で約100万円が中心価格帯です。また、今後新車の在庫が減っていくことになりますので、値崩れしにくい傾向がうかがえます。車体色はレッドが人気で、次いでブラックが中古車市場で多く出回っています。

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ホンダ VFR800の中古車の選び方

ホンダVFR800は中古車もそれほど玉数は豊富ではありません。そんな中で、どのような点に注意して中古車を選んでいくべきなのか、型式別に注意点と選び方を確認しましょう。

RC46の中古車の選び方・注意点

前期型

前期型はそろそろパーツの入手が難しくなって来ました。なので、中古車を見る場合、エンジンなどの内部部品はもちろん、外装系のパーツもチェックしておきましょう。特に劣化の激しい、アンダーカウルや、ゴム系のパーツはどのくらい入手しやすいのか、チェックしておきましょう。ちなみに、白バイがこの型でまだまだ現役で走っている以上、ある程度の入手性はあるかと思います。

車体のチェックですが、フルカウル車である以上は、まずはカウルにヒビや深い傷はないかチェックします。多少の傷は立ちごけなどによるものであると判断されればそこまで影響はないでしょう。割れなどがある場合は部品の交換性も含めてチェックしましょう。中古車を見る際には新車時の画像をよく頭に叩き込んでおくか、スマホなどで画像チェックしながら見ることをお勧めします。

また、エンジン内部の状況などは見れません。エンジンを掛けられるようであれば、エンジンを掛けてもらいましょう。始動性はどうなのか、始動直後にカラカラとかパタパタとか、異音は無いでしょうか?V4エンジンは「ひゅいーん」という吹きあがりの音が特徴的です。動画サイトなどを見るか、あるいはVFR800Pの白バイを見つけ、よく観察していきましょう。また、フロントフォークにサビや傷がないかをチェックしておきましょう。この部分の交換も手間とお金のかかる部分ですので、しっかりチェックしておくことが重要です。

後期型

前期型よりもパーツの入手は比較的容易です。そこで、エンジンがきちんと始動するかをチェックしましょう。エンジンが掛けられない場合は、フロントフォーク、エキゾーストパイプのサビなどをチェックしましょう。フロントフォークのシールも確認し、ひび割れが多いようであれば交換してもらえるのかを確認しましょう。

また跨ってみることも重要なのはもちろんですが、その際にチェックするのは、サスペンションの状態です。体重を「ギュ」と掛けた時に、沈み、ゆっくりと戻ってくるのが正常です。リアのみ沈みこむようであればサスペンションがヘタっている可能性があります。シートの状態も確認しましょう。座った際にしっかり体重を支えてくれるか確認が必要です。傷や破れがある場合は、シートを外してもらい、裏側なども確認し、シートベースがしっかりとしているか、確認が必要です。

RC79の中古車の選び方・注意点

RC79はまだ古いバイクではありませんので、基本のおさらいをしましょう。走行距離が長いのはどのような道を走行してきたのか、チェックしましょう。サスペンションの状態を見るために、必ず跨ってみましょう。リアの沈み込みが激しい場合はサスペンションのヘタりである可能性もあります。

また、年式の新しいバイクの場合は、意外とステップの状態もチェック項目です。ステップは足をのせる場所で、あまりに摩耗が激しいのはなぜそうなったのか、チェックしましょう。ステップの裏にはバンクセンサーと言われる突起があります。ガンガンにコーナーを攻めるとどんどんすり減るパーツですので、パーツ自体は消耗品ですが、そのような走り方をしていたという事です。リアホイールのタイヤのすり減り方もチェックしましょう。タイヤはもちろん消耗品ですが、片べりはしているようならそのような走られ方をしていたという事ですし、サイドのサイドまでガッツリ使われているようなら前のオーナーは相当攻めた走り込みをしたという事になります。

ホンダ VFR800のおすすめマフラー

ホンダVFR800には多くのマフラーが社外品なども含めて発売されています。メジャーなところでは、YAMAMOTOやTSRなどがチタンマフラーやレーシングマフラーを販売しています。またアクラポビッチなどもマフラーを出しており、パーツ数、カスタマイズのパターンは広がっています。

そんな中で、筆者がおすすめするのは、アクラポビッチのマフラーです! レーシーな音もV4エンジンにぴったりですし、欧州の雰囲気がある車体にはアクラポビッチのマフラーのデザインもぴったりです。私は割と大人しい音が好みですので、このチョイスですが、マフラーはオーナーそれぞれの個性が光る部分です。ノーマルで乗り続けるのも選択肢ですし、変更してカスタマイズしていくのも楽しみがあります。VFRは歴史的に長く乗り続けるオーナーの多いバイクです。自分なりのマフラーライフを探すのも一つ楽しみと言えるのではないでしょうか。

ホンダ VFR800のフルパワー化とは?

RC46のフルパワー化

RC46はそのままでも十分なパフォーマンスが発揮されるように設定されていますが、やはりフルパワーに憧れるのも人の道。どうしても、という方は自己責任で行ってください。今回は、さわりだけご紹介するにとどめます。ちなみに、どれか一つを行えば良いわけではなく、逆にそのような中途半端なカスタマイズは設計されたマシンのバランスを崩すことにつながります。専門知識に乏しい方は専門家に相談するなどした方がいいでしょう。

マフラー交換

マフラーを交換します。交換の目的は、背圧の減少です。音質もそれによって向上しますが、ここは音質うんぬんよりも、きちんと背圧が下がる事が重要です。背圧が下がる事によって、増大した排気ガスを速やかに排出できるようにします。

エアダクトの最大化

エアクリーナーBOX内のエアダクトの最大化を実施します。エアダクトは二つの筒で構成されていますが、そのうち一つはプラスチックのふたをされている状態になっています。その蓋を取り外し、流量を増大させます。

インシュレータープレート変更

インシュレーターとは、混合気の通り道の事です。インジェクターから噴霧されたガソリンが、エアファンネルから来た空気と混合し、混合気という爆発しやすい気体を作り出します。その混合気は、インシュレーターを通ってエンジン内部へ吐き出され、スパークプラグによって点火され爆発します。その爆発からエネルギーを取り出すのがエンジンの役割なわけです。そのスタートである混合気が流量を制限された状態になっていますので、その制限を取り外します。具体的には金属のプレートで口径が狭められているので、このプレートを取り外します。

スパークプラグ交換

流量が変わった混合気が、エンジン内に流れ込んでくるようになったわけですので、その混合気をしっかりと燃焼させるために、スパークプラグの熱価を一番上げます。ついでにイリジウムプラグのような高性能プラグに交換しても良いでしょう。

FIユニットの配線加工

次に、FIユニットでアースされている電線を電源側に引き込みます。アースされている電線を引き込むわけですので、かなり専門性の高い作業になります。専門知識の無い方は必ずプロに相談しておこなってください。

各種メーターの最適化

スピードメーターやタコメーターも交換が必要です。フルスケールのメーターは正確なスピードを計測するために安全性の上でも重要な部品ですし、タコメーターはレッドゾーンが違ってきますので、エンジンを保護するためにも、変化した最大パワーを操るためにも、正確な回転数の把握がとても重要になってきます。

RC79のフルパワー化

ホンダVFR800のRC79型式のフルパワー化は不要と考えられます。馬力規制の撤廃により、国内仕様と輸出仕様はほぼ同じ特性のマシンに仕上がっています。最高出力は105ps/10,250rpm・最大トルクは7.6kgf・m/8,500rpmと輸入車のリッターマシンさながらのハイスペックを実現しています。ツアラーとしての高速道路を利用しての長旅にも、旅の途中の峠道にも、そして意地を張らなければいけないようなシーンにも、十分のスペックを有しているといえるでしょう。

ホンダ VFR800の白バイ仕様

ホンダVFR800Pとは?

ホンダVFR800Pは2001年から納入された白バイです。こう表現すると、やや古い白バイのような気もしますが、2016年現在、バリバリの現役で普通に街中で見かける白バイです。10年以上昔のバイクなのに、現役で、しかも白バイと言う特殊な環境で乗られ続けています。

後継の白バイには、スズキGSF1200PやヤマハFJR1300P、ホンダCB1300Pといったリッターマシンが名を連ねていますが、白バイ隊員の中には、このVFR800Pが好きな隊員もいるらしく、交通取り締まりや要人警護と言った低速から高速まで隙のない設定のマシンはとても愛されています。そもそもホンダは、この前にもVFR750Pという前身の機体を白バイとして納入していたので、さまざまな現場の知識や事情がフィードバックされて、さらには、VTECエンジン、スリムな車体、高いハンドリング性という特徴が白バイの乗り方や隊員の技術とマッチし「公道最速」「絶対に逃げられない」と言ったさまざまな「白バイ伝説」を作り上げていきました。そのような意味でも、現役ですし、最高の白バイと評価する声も非常に多いマシンです。

市販車との相違点は?

白バイ隊員のバイクの乗り方は独特のスタイルで、そのスタイルに対応するために様々な変更点が加えられています。それは、単にパトライトの設置やスピーカーの設置にとどまらず、ブレーキやオイルシステムなどにも及んでいます。実際にどのような部分が市販車と違うのか、考察してみましょう。

ブレーキシステムの変更

白バイ隊員のライディングスタイルの最も特徴的なものが、リアブレーキを多用するスタイルです。特にターン中に微妙にリアブレーキを引き擦るようにかけることで、いわゆる「白バイターン」と言われるような強烈なターンが可能になります。そこで、リアブレーキのディスクの排熱性を高めるベンチレーテッドディスクへと変更し、前後連動式ブレーキシステムを廃し独立式のABSシステムが搭載されています。それに伴い、リアホイール周りのデザインにも一部変更があります。

ウィンカーシステムの変更

ウィンカーポジションランプは廃止され、より赤色灯の見通しが良くなるように考慮されています。

ハンドルポジション変更

アップハンドルを導入しています。これにより、フロントフォークの長さまで変更するという徹底ぶりを見せています。またステップの位置も変更され、足つき性や、停止を繰り返す際の安全性の確保を行っています。

スピーカー・パトランプ設置

これはもちろん、必要不可欠な設置ですね。パトライト社製の物を搭載しています。スピーカーは隊員の声をヘルメット内のヘッドセットから拡声させる機能です。サイレンアンプは「ピュウイ~ン」という甲高いあのサイレンを出します。

オイルクーラーの大型化

白バイ隊員の走行スタイルは、街中を警らしたり、アイドリングを続けたり、通常速度での走行から一転矢のような加速で違反者や逃走犯を追ったりと、バイクにとってはまさに「酷使」です。そんな環境下ではオイル関連のトラブルは致命的です。オイルが高温になり焼けてしまったり、最悪焼き付きを起こすなど、致命的なトラブルの誘発剤になりえます。そこで、大型のオイルクーラーを設置して未然にトラブルを防いでいます。

ホンダ VFR800インプレッション

ホンダVFR800F(RC79)を試乗した率直なインプレッションですが「ハマるバイク」です。
中央に見やすく配置されたアナログ式のタコメーターはスーパースポーツ譲りの証で、速度よりも回転数を気にするハイエンドなライダーは気に入るでしょう。また速度も向かって左側にデジタル表示され、やはりちらりと視線を向けるだけで、自然と数字が目に入る仕様になっています。

クイックシフターは未装備でしたが、装備された車両に乗っている友人によると、慣れるまで少々時間がかかるようです。
さて、試乗も後半になってくるとある事を感じます。それは、さっきよりも自分のライディングが上達していることです。もちろん、車体になれればだんだんと運転はしやすくなりますが、今までのバイクにはないヒラヒラ感、アクセルの開度を微妙にコントロールし始める自分に気が付きます。所有し、このバイクで何度も峠や高速道路を走ればもっと自分の手足のように使えるのでは、と感じるバイクでした。
また、エンジンがすごい! これに尽きます。V4エンジンは素晴らしいふけ上がりで、なんの突っかかりもなく低回転から高回転まで回っていきます。筆者もいままで数多くのバイクにまたがってきましたが、このエンジンは最高のフィーリングです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? ホンダVFR800のポテンシャルをわかっていただけたかと思います。最後に一言「VFR800は長く乗っている人の多いバイク」であることをお伝えしたいと思います。長く乗っていて、オーナーとして所有する喜びのあるバイクであることを証明しているからです。「乗ってみたいバイク」は数多くあれど「所有したいバイク」と思うバイクは、やはり一味違うポテンシャルや、気品、自分の生活などに結びついた背伸びも縮こまりもしない心に響いてくるものがあるのでしょう。バイク選びに悩んでいる方は、一度新車、中古車含めて検討に加えていただくことをお勧めします。