【スズキ RGV250ガンマ】街で目立つラキストカラー! 最後の2stレーサーレプリカ・Vガンマ

パワフルな加速が魅力の2stバイク。そのなかでもレーサーレプリカは最速のバイクとして80年代にひとつの時代を築きました。そして、最後の2stレーサーレプリカとなってしまったのが今回ご紹介するRGV250ガンマです。Vガンマのスペック、SP仕様車、中古車情報に加えて前身のRGガンマ250についても解説していきます!

スズキ RGV250ガンマの概要

RGV250ガンマとは

「RGV250ガンマ」通称Vガンマは1988年から1999年まで生産されたスズキの2ストロークス(2st)250ccバイクです。とにかく「速い」のがこのバイクの持ち味で、特に高回転域での爆発的な加速は多くのファンを魅了しています。

2ストロークス(2st)バイクとは

エンジンには「2ストロークス(2st)」と「4ストロークス(4st)」の2種類があります。2stバイクの国内生産は排気ガス規制によって全滅してしまい、現在国内で生産されているのはすべて4stバイクです。

しかし、いまなお2stバイクは中古車市場で高い人気を誇っています。軽くて馬力があることが特徴で、4stバイクにはない圧倒的な加速を味わうことができるからです。特に、Vガンマを含む250㏄のスポーツタイプの加速は恐ろしいほどだとも言われています。

Vガンマの前身「RGガンマ250」

Vガンマをご紹介するにあたり、まずは前身の「RGガンマ250」のことも知っておきましょう! また、レーサーレプリカ全盛期である80年代の時代背景についても確認していきます。

80年代バイクブームとレーサーレプリカ

80年代の日本は空前のバイクブーム。各メーカーは競い合って次々と新車種を開発しました。そんな時代のなかで、特に人気だったのが「レーサーレプリカ」と呼ばれる種類のバイク。レーサーレプリカとは、メーカーがレースのために開発したバイクを公道用にアレンジして一般販売したバイクのことです。レースで「速さ」を追求して培った技術が市販バイクにフィードバックされていきました。

時代をけん引したRGガンマ

2stレーサーレプリカというと「ホンダ・NSR250」「ヤマハ・TZR250」がまず思い浮かぶ方も多いとは思いますが、ブームの火付け役となったのは1983年に登場するRG250ガンマでした。ガンマは、アルミフレームやフルカウルというレーサーの装備を市販バイクとしてはじめて装着。徹底的に軽量化された車体に上限いっぱいの45馬力というパワーで上級車を凌ぐスピードを誇り、発売されるとすぐにそのスピードから圧倒的な人気を呼びました。

Vガンマ登場

V型2気筒エンジンを搭載しフルモデルチェンジ

衝撃的な登場をしたガンマでしたが、1985年ごろになると次第にNSR250・TZR250に性能で後れを取るようになります。この状況をうけて、1988年にエンジンを並列2気筒からV型2気筒に変更して登場したのがVガンマです。

変わったのはエンジンだけでなく、排気デバイスにはスズキ新開発のAETC(排気効率と充鎮効率を向上させるための装置)、フレームには新開発のアルミフレームなど、随所に最新の技術を投入。性能面での遅れを取り戻し、スズキはこのVガンマで再びレーサーレプリカ市場を巻き返します。

Vガンマ・国内最後の2stレーサーレプリカに

しかし日本では90年代後半にさしかかると、2stエンジンと比べて排気ガスに有害物質の少ない4stエンジンに移行が進んでいきました。そのなかでもスズキはVガンマに改良を重ねたのですが、1998年に排気ガス規制が強化。翌年の1999年に生産を終了し、同車が国内最後の2stレーサーレプリカとなってしまいます。

V型2気筒エンジンとは?

ガンマの転機となった「V型2気筒エンジン」はよく「Vツイン」という呼び方をされ、現在もスポーツバイクからアメリカンバイクにまで幅広く使われているエンジンです。VガンマはRGガンマ搭載エンジンの「並列2気筒」からこのVツインに変更することで大幅に性能を向上させました。

単気筒・2気筒・並列・V型とは?

気筒とは、エンジン内のシリンダーという部品のこと。「単・2」とはこのシリンダーの数を指しており、バイクでは4気筒までが一般的です。単気筒は主に原付などの小排気量バイクでよく使われ、軽くてスタートダッシュが速く、車体もスリムになりハンドル操作がしやすいのが特徴。対して2気筒は振動が少なく、高回転にも強いのですが、車体の横幅が広くなり、ハンドルの操作性も単気筒よりは劣ります。

「並列・V列」とはこの気筒の並び方のことで、並列は気筒が真横に並び、V列は気筒がV字型に角度をつけて配置。結果、V型エンジンは横幅が並列エンジンより狭くなり、車体も単気筒なみにスリムになってハンドルの操作性が向上します。

また構造上、V型エンジンと並列エンジンでは振動が少ないのもV型のほうです。並列2気筒も安定していて中型バイクにも多く使われているエンジンなのですが、このV型のなかでVツインは特に、軽量のスポーツバイクに最適なエンジンだと言われています。

スズキ RGV250ガンマのスペック

【VJ21A】第1世代・1988年~1989年

タイプ・グレード:ノーマル・SP
発売開始年:1988年
排気量:249cc
燃料供給方式:キャブレター
エンジンタイプ:水冷2ストクランクケースリードバルブV型2気筒
エンジン始動方式:キック
最高出力:45ps(33kw)/9,500rpm
最大トルク:3.8kg・m(37.3N・m)/8,000rpm
車体重量(乾燥重量):128kg
車体重量(装備重量):151kg
パワーウエイトレシオ:2.8kg/PS
全長・全高・全幅:1,990mm×1,065mm×695mm
フロントタイヤサイズ:110/70R17 54H TL
リアタイヤサイズ:140/60R18 64H TL

【VJ22A】第2世代・1990年~1995年

タイプ・グレード:ノーマル・SP・SP2
発売開始年:1990年
排気量:249cc
燃料供給方式:キャブレター
エンジンタイプ:水冷2ストクランクケースリードバルブV型2気筒
エンジン始動方式:キック
最高出力: 45ps(33kw)/9,500rpm ※93年~40ps(29kw)/9,500rpm
最大トルク:3.8kg・m(37.3N・m)/8,000rpm ※93年~3.5kg・m(34.3N・m)/8000rpm
車体重量(乾燥重量):139kg
車体重量(装備重量):161kg
パワーウエイトレシオ:3.1kg/PS
全長・全高・全幅:1,980mm×1,070mm×690mm
フロントタイヤサイズ:110/70R17 54H TL
リアタイヤサイズ:150/60R17 66H TL

【VJ23A】第3世代・1996年~1999年

タイプ・グレード:SP
発売開始年:1996年
排気量:249cc
燃料供給方式:キャブレター
エンジンタイプ:水冷2ストクランクケースリードバルブV型2気筒
エンジン始動方式:セル・キック併用
最高出力:40ps(29kw)/9,500rpm
最大トルク:3.5kg・m(34.3N・m)/8000rpm
車体重量(乾燥重量):134kg
車体重量(装備重量):154kg
パワーウエイトレシオ:3.4kg/PS
全長・全高・全幅:1,965mm×1,095mm 695mm
フロントタイヤサイズ:110/70R17 54H TL
リアタイヤサイズ:150/60R17 66H TL

スポンサーカラー

Vガンマにはレースで使用されたスポンサー(ペプシ・ラッキーストライク)カラーのモデルも登場しました。現在も中古車として出回っているので、このモデルにも注目です。

ペプシカラー

白・赤・青の三色のカラーリングが少しレトロな感じのするペプシカラーは、VJ21A(88~89年)の型式に限定で発売されていました。現在の中古車販売状況としては数が少なく、ラッキーストライクカラーよりもレア度は高いです。

ラッキーストライクカラー

白と赤のカラーリングが目を引くラッキーストライクカラーは、VJ22A(90~95年)92年式と94年式に、またVJ23A(96~99年)でも発売されました。このカラーは人気が高く、Vガンマといえばラッキーストライクというイメージも強いのではと思います。

スズキ RGV250ガンマ・ノーマルとSPの違いは?

SPとは

Vガンマにはレース仕様のSPモデルも各型式で存在します。このSPとは「スポーツバイク・プロダクション」の略で、当時のオートレースのカテゴリのひとつのことです。SPモデルのバイクはこのレースの規定に合わせてサーキット向けにつくられており、ギアやクラッチ、サスペンションなどの部品がサーキット仕様に変更されています。性能が高く、ノーマル仕様車の上位機種にあたるバイクです。

ただ、サーキットでの走行に重点を置いているため、ストップ&ゴーが多い公道での走行にはデメリットを感じる部分もあります。また部品の消耗も早く、細かなメンテナンスは必要不可欠。慣れないと扱いが難しいバイクです。しかし自在に扱えるようになれば、高速走行時や峠のライディングで普通のバイクでは味わえない楽しさを感じられます。

クロスミッションと乾式クラッチ

SPモデルに使われる仕様として、操作面で大きな違いを感じるのが「クロスミッション」と「乾式クラッチ」です。

クロスミッション

クロスミッションとは、通常のミッションに比べて1速から6速のギア比がクロス(close・近づいている)しているミッションのことです。ギア比が近づくことによって、シフトチェンジ時のパワーロスが少なくなり、シフトアップの際の加速がスムーズになります。

よってレース走行を想定したバイクにはこのミッションが必須ですが、1速が高く(2速に近く)設定されているため発進が弱く、公道での走行にはストレスを感じやすいです。また、通常のミッションと比べて頻繁なシフトチェンジが必要になります。

乾式クラッチ

乾式クラッチは、クロスミッションと同じようにシフトチェンジの際のパワーロスが少ないので、レース用バイクに使われるクラッチです。ただ、発進時のクラッチの繋ぎが難しく、その点で公道走行にあまり向いていません。また、公道用バイクに使われる「湿式クラッチ」に比べて消耗が早く、細かなメンテナンスも必要です。

VガンマのSPは?

VJ23AはSPのみ

VJ21A、VJ22Aではノーマルモデルの上位機種としてSPモデルが存在している形ですが、最終型のVJ23AではSPモデルのみとなります。購入にあたって、ノーマルモデルをと考えられている方はVJ21A、VJ22Aから探しましょう。しかし、最後まで改良が続けられたVJ23Aは一番性能として高く、また単純に新しいです。せっかくレーサーレプリカに乗るのであれば最終型でSPモデルに挑戦…と考えても良いかもしれませんね。

VJ22AのSPとSP2の違いは?

VJ22Aのバージョンはノーマル・SP・SP2の3種類となります。このうちSP2はレース向けの要素を少し減らしたモデルです。というのは、SP2にはクロスミッションが採用されておらず、ノーマルのミッションとなります。乾式クラッチは使われているので、ノーマルのミッションに乾式クラッチという組み合わせです。SPモデルの購入を考えられている方は、この違いがあることに注意しておきましょう。

スズキ RGV250ガンマの中古車情報

相場は40万円ほど

Vガンマの中古車相場は、平均的にはだいたい40万円ほど。最も高いもので65万円ほど、安いもので25万円ほどとなっています。35万円を切れば安い部類に入るのではないでしょうか。車検は必要ないので本体価格プラス5万円から10万円ほどで乗り出すことができます。

【車両価格:39.8万円】

型式ごとの価格としては、やはり最終型のVJ23Aが高くなりやすいです。特に、VJ23Aのなかでも人気のあるラッキーストライクカラーのものは高額で取引されています。初代のVJ21Aだと、25万ほどの価格のものも見つけることができますね。

【車両価格:25万円】

国内最大級のバイク情報からスズキ RGV250ガンマのバイクを探せます。

古い2stバイクを購入する注意点

年代が古く、そもそも構造的に故障の多い2stバイクということで、乗っているうちにある程度修理が必要になります。安いから…という理由で選んでも結局は修理費・維持費が高くついてしまう可能性は十分にあるので、状態の見極めは慎重に行わなければなりません。まずは必ず現物を見ること、また状態の見極めにあまり自信がないのであれば、詳しい友人に一緒に見てもらうなどして、良い状態のものを探しましょう。

スズキ RGV250ガンマ まとめ

Vガンマは、速さを競って追求していた時代のバイクの最後の姿です。2stレーサーレプリカに乗るなら、ぜひ選択肢に入れてもらいたい1台だと思います。また、いまのバイクにはない楽しさがある2stバイクですが、どれだけ状態の良いものを選ぼうとしても、やはり故障はつきもの。修理しながら乗っていく心構えはあらかじめ持っておいてほしいですね。

それにしても、なぜスズキはホンダ・ヤマハがレーサーレプリカ市場から手を引いていくなか、最後までVガンマの改良にこだわったのでしょうか。最終型が登場した1996年は、もうブームはピークを過ぎていて、売上もあまり伸びなかったようです。やはり、最後の2stレーサーレプリカになるバイクとして、メーカーには特別な思いがあったのかもしれませんね。