【BMW i3】PHEVでも航続距離はついに500km台へ!実際の維持費や実燃費を検証します

2016年のマイナーチェンジにより、BMW i3の航続距離はレンジエクステンダーモデルでついに500km台に到達したと伝えられます。燃費性能の具体的な数値から乗り出し価格や維持費、中古車というところも含め、i3の実力を検証してみましょう。

BMW i3とは

i3の特徴と成り立ち

BMWの電気自動車(EV)部門を受け持つサブブランド「BMW i」から2014年4月に発売となったのが、4人乗りのコンパクトEV「i3」です。大都市圏での日常的な使用を想定したコンパクトなボディを持っています。いわば普及型のEVでして、コンパクトカーにもかかわらずその作り込みにはBMWらしいこだわりが隠されています。特徴的なのがボディ構造、ミニ四駆のように足回り、バッテリー、モーターを取り付けたアルミ製ドライブモジュールに、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で形成した軽量、高剛性のライフモジュールを組み合わせています。こうした技術によりi3は1,260kgという軽さと、50:50という理想的な前後重量バランスを確保しているのです。しかもi3はFR(後輪駆動方式)を採用、走りのBMWが本気で作ったEVといえるでしょう。

PHEVとしての立ち位置

i3にはレンジエクステンダーと呼ばれるモーターとガソリンエンジンの両方を搭載した、いわゆるPHEVモデルが存在しています。プリウスPHEVのような車と比較してみると、大きな違いはモーターとエンジンの関係にあります。

プリウスPHEVなどのHV由来の車は、元々ガソリンエンジンの弱点である発進時の燃費をモーターが補うことで、燃費性能を向上させています。対してi3レンジエクステンダーは元々がEVであり、弱点である短い航続距離を補うために発電用の小排気量ガソリンエンジンを搭載しています。この方式だとガソリンエンジンは発電に専念できるため、従来よりもエネルギー効率に優れているのが特徴です。

EV由来のPHEVはモーターのみでの走行が前提であり、走行コストは極めて安く抑えることができます。それでありながらHV由来のPHEVに負けない航続距離を確保したi3レンジエクステンダーは、2016年現在世界でも最高水準の環境性能を誇っています。

名前の由来は?

BMWの代名詞といえば「3シリーズ」です。3シリーズはBMWのもっとも売れ筋モデルで、立ち位置的には標準モデルと呼べる、BMWの代名詞的な車です。BMWらしさを保ちつつ、多くの人が手にできるモデルというわけですね。

つまりi3とは「BMW i」ブランドの3シリーズ、これからBMWが展開していく「BMW i」ブランドの標準モデルという意味が込められているのです。

エクステリア(外観)

4ドアハッチバックではありますが、ボンネットやリアドアなど多くの場所に黒を使用し、一目でi3とわかるエクステリアに仕上がっています。色だけでなくシルエットも流麗かつダイナミック、19インチの大径ホイールも相まってボディサイズ以上の迫力があります。ホイールベースも長く、フロント・リアともに短いオーバーハング、ワイドなフェンダーのデザインにより、強い存在感を示しています。ドアは観音開きを採用し実用性を確保、リアドアのデザインもノブを隠しボディと一体的なデザインを採用しています。

インテリア(内装)

後輪駆動であるもののドライブシャフトのないi3なので、運転席から助手席へもフラットにアクセス可能です。運転席は実用性重視の高めなアイポイントに設定、短いフロントのオーバーハングも相まって見切りの良い運転席となっています。ダッシュボードには木目調のフラットな部分が採用され、テーブルライクに使用可能となっているのも、これまでのBMWとは違うポイントです。

レンジエクステンダーとは

先にも少し取り上げましたが、i3レンジエクステンダーはEVの弱点である航続距離を伸ばす目的で、発電用の小排気量エンジンを搭載したモデルです。

この発電用エンジンの効果は絶大で、標準モデルで229kmの走行距離が最大300kmに、燃料タンクは9L しかりませんので9Lのガソリンで100km近く走行距離を伸ばしていることになります。

レンジエクステンダーの価格は本体価格5,460,000円、EVモデルが4,990,000円なので470,000円割高ではあります。ですが、日本では補助金がこの価格差を小さくしてくれます。

日本でEVやHVを新車で購入するとクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)というものを受けることができます。このCEV補助金なのですが、ベースモデルのi3が400,000円なのに対しレンジエクステンダーは750,000円と倍近い価格になっています。この補助金を入れると両社の価格差は120,000円となります。

主要諸元

BMW i3 レンジエクステンダー

全長:4,010mm
全幅:1,775mm
全高:1,550mm
ホイールベース:2,570mm
トレッド(前/後):1,571mm/1,556mm
ラゲージ・ルーム容量:260L
車両重量: 1,390kg
定員: 4名
バッテリー種類:リチウムイオン電池
総電力量:18.8kWh

電気モーター 最高出力: 170ps(125kW)
電気モーター 最大トルク:25.5kgf・m( 250N・m)
エンジン種類:2気筒/4バルブ
総排気量:647cc
エンジン:最高出力:34ps(25kW)/4,300rpm
エンジン:最大トルク:5.6kgf・m(55N・m)/4,300rpm

駆動方式:後輪駆動
タイヤ :155/70R19(フロント) 175/60R19(リヤ)

次期i3モデルチェンジ情報

2016年秋のマイナーチェンジで航続距離は500km台に!

2016年秋にi3はバッテリー容量をこれまでの60Ahから94Ah、実質1.5倍にアップすると伝えられています。これにより航続距離がベースモデルで300kmにまで延長、レンジエクステンダーモデルも同様にバッテリー容量はアップされ、ついに500kmの航続距離を達成したと報じられています。

バッテリー容量が大きくなり、満充電までの時間が3.5時間から4.5時間まで延長されていますが、自宅での充電であればあまり気にする数字ではありません。CHAdeMO(チャデモ)方式の急速充電器にも対応しているので出先で4.5時間も充電する必要はありません。

フルモデルチェンジ は当分なし?

2016年現在、i3のフルモデルチェンジに関する情報はまだないようです。マイナーチェンジで大きく航続距離が伸びたところですので、新型の発表はまだ先なのかもしれません。

BMW i3の価格帯と値引き情報

乗り出し価格は値引きを含めて

新車の購入となると、気になるのが値引きやディーラーオプションですが、残念ながらBMW i3に関しては一切の値引きはないようです。レクサスなど高級車ブランドでは値引きを一切行わない、裏を返せばそういうことを気にしない客層をメインターゲットにしぼっているようです。そういった層の客層だと購入後のメンテナンスにしろ車検にしろディーラー任せにしてくれるので、長期的な商売を考えると高級車ブランドがそうなってくるのは仕方がないのかもしれません。

ディーラーでの値引き交渉は厳しいものがありますが、i3には国からの補助金やBMWの期間限定キャンペーンなどがあるので、そちらの利用を検討したほうが現実的です。

まず重要なのがクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)です。これによりベースモデルで400,000円、レンジエクステンダーで750,000円の補助を受けることができます。

次に重要なのが期間限定で行われることがあるキャンペーンです。2016年9月現在だと250,000円相当の充電装置やオプションを選択できる購入サポート、1.00パーセントの特別低金利が用意されています。新車でi3を購入するなら、こうしたキャンペーンを狙うのがお得に購入する際のポイントになるでしょう。

BMW i3のオススメグレード

レンジエクステンダー付きで決まり!

i3にはEVであるベースモデルとレンジエクステンダーの2モデルが販売されていますが、レンジエクステンダーモデルが間違いなくおすすめです。そもそもEV最大の弱点である航続距離を約100kmも増やしてくれるというのは凄いことで、これだけでまず候補にあがります。購入金額も新車ならCEV補助金によりベースモデルとの価格差が120,000円、5,000,000円近くする本体価格を考えれば小さな価格差でしょう。

レンジエクステンダーモデルのデメリットとして考えられるのが重量の増加です。ベースグレードの1,260kgに対してレンジエクステンダーは1,390kg、130kgもの重量増となります。ただ、この重量増があったとしても燃費性能への影響はあまりないでしょう。あえていうなら前後重量バランスが若干異なる可能性があります。i3でジムカーナやサーキットでEVとレンジエクステンダーをじっくり比較すれば、違いが感じられるかもしれません。

BMW i3の試乗をしたい方は

2016年なら試乗体感キャンペーン実施中

2016年7月19日から12月18日まで、BMWでは試乗体感キャンペーンを実施しています。期間中キャンペーンに申し込んでi3の試乗を行った方に、抽選でオリジナルグッズをプレゼントするといった内容です。

もちろんキャンペーンを利用しなくてもディーラーで試乗は可能です。公式サイトからBMWディーラーで試乗の予約ができます。「BMW Web Members」という会員になることもできますが、別にならなくても試乗は可能ですので、i3が気になる方は気軽に参加してみてください。

BMW i3試乗体感キャンペーン実施中。スペシャルサイトより応募期間内にi3の試乗をお申込みいただくと、素敵なBMW iグッズを抽選で5名様にプレゼントいたします。BMW初の電気自動車BMW i3をぜひご体感ください。

BMW i3の実燃費は?

レンジエクステンダーモデルの燃費は27.4km/L

夜間の安い電気を使うと,満タン300円程度で150kmほどの走行が可能という計算になる.

出典:review.kakaku.com

借りた時に満充電で120kmでしたがエコ運転に心掛けたところ、次の急速充電の約80パーセントで満充電で130kmとなった

出典:review.kakaku.com

実際に所有している方の絶対数が少ないのか、e燃費にはまだ投稿がないようです。代わりに価格.comの評価から実燃費関する評価を探してみると、航続距離は満充電で何も考えずに走ると120km、エコ運転を心掛けると150kmくらいまでは期待できるようです。

レンジエクステンダーモデルは2016年4月発売モデルのJC08モード燃費が27.4km/L、このモデルに搭載されるエンジンは9Lの燃料タンクを備え、約100km航続距離を伸ばすとされていますので、ガソリンエンジン単体の燃費性能は11.1km/Lとなります。

日常的にi3を利用している方は、通勤時には自宅の深夜電力を利用し、約300円で満充電にされているようです。約300円で120kmからそれ以上運転できる、1ヵ月1,200km運転するのに約3,000円ですむということになります。

BMW i3の維持費や車検代は?

車検代は2回目まで安くて燃料費は1年30,000円!

i3はEVなので、新車で購入するとエコカー減税を受けることができ、その際取得税は非課税、重量税も免税になります。2016年9月現在のエコカー減税の概要では、平成29年4月30日までに新車で購入した車両に限り、初回継続検査(2回目車検)にも免税が適用されることになっています。

車検時の費用は自賠責保険料・重量税・検査料です。i3は初回継続検査時には重量税が免税となるので、かかる費用は以下のようになります。

・27,840円(自賠責保険料)+0円(重量税)+2,100円(普通車検査料)=29,940円

ユーザー車検でない場合だと、ここに車検代行費用や点検費用が加算され、だいたい50,000円から60,000円ほどにの費用になってきます。

3回目以降の車検だと、重量税が上記にプラスされます。そうなると費用は下のようになります。

・27,840円(自賠責保険料)+34,200円(重量税)+2,100円(普通車検査料)=64,140円

ここに車検代行費用や点検費用、メンテナンス費用がかかると金額は80,000円から、タイヤの交換などが重なれば、100,000円以上かかるようになってくるでしょう。

燃費性能については、短距離でも使用がメインなら1,200km走行して3,000円、年間12,000km走行したと仮定すると、1年の燃料費は約30,000円となります。

BMW i3の口コミ・評価・試乗の感想は?

生活自体を変えてしまうかも

【走行性能】 モーターのトルクで,踏んだだけ瞬時にパワーが出るので,公道の制限速度内では最速の部類に入るのではないかと思う.

出典:review.kakaku.com

【燃費】
普通に近くに買い物に出かける程度では発電機のお世話になることはないでしょう。

出典:review.kakaku.com

【総評】 快適な車であり,生活を変える可能性を持っている車だと思う.

出典:review.kakaku.com

乗った直後の感想だと、モーターによる圧倒的な低速トルクがやはり好印象なようです。実際に所有しているユーザーだと買い物や通勤程度なら自宅での充電で事足りるので、ガソリンスタンドで給油するという手間がなくなったぶん、生活が変わったような印象になるようです。

ライバル・競合になる車種は?

日産リーフ:街中で見かけることも多くなりました

i3のライバルといえばやはりこの車でしょう。街中で見かけることも多くなってきました。最大の利点は安さでしょう、メーカー希望小売価格は乗りだし2,803,680円と、なんと2,000,000円台から購入できてしまいます。中古車検索サイトにもも2016年現在9月現在約800台ものリーフが登録され、その価格相場は約1,400,000円。リーズナブルなEVです。

i3と比べると少ないバッテリー容量が少なく、航続距離は短くなっています。バッテリーは使用すればするほど劣化していくので、中古で車両が安かったとしても、バッテリーが劣化していて航続距離が想定以上に短いという可能性もあります。中古のリーフは少し手が出しにくい車でしょう。

新型プリウスPHV:50km走れるEVモードが魅力

2017年発売予定の新型プリウスPHVは、なんと言っても50kmの走行が可能となったEVモードでしょう。i3と比べれば半分にも満たない航続距離ではありますが、通勤や買い物なら十分な数字なので、シティコミュニケーターとして使用する場合はEVモードだけで十分になる可能性があります。

i3の弱点である総合的な航続距離も、元々HVであるプリウスPHVなら問題ありません。ソーラーパネルをルーフトップに装着し、太陽光により充電できるのもトピックで、晴れの日に丸1日充電すると約5kmの走行が可能。平均で2.7kmの走行が太陽光のみで可能というから驚きです。

BMW i3の中古車情報

i3の中古車相場はだいたい3,300,000円

2016年9月に中古車検索サイトに登録されているi3は25台です。価格は平均するとおおよそ3,300,000円ほどで、ほとんどが走行距離10,000km未満の新古車のようなコンディションです。新車販売ではレンジエクステンダーがほとんどいわれるi3ですが、中古車検索サイトにはEVのほうが多く掲載されています。価格もEVのほうが比較的安く、レンジエクステンダーの中古は乗りだし3,500,000円ほどになっています。

登録台数も少ないため、価格はどの車両もほとんど変わりないようです。走行距離50,000kmの車両でも車両本体価格3,500,000円ほどで販売されていますので、現場中古のi3を購入するなら、できるだけ走行距離の少ない新古車を購入したほうがお得です。

まとめ

i3はレンジエクステンダーを用意することでEVの弱点である航続距離をカバーした、先進的な車です。価格としてもCFRP製ボディを採用しながら4,000,000円台となっていますので、そこまで高価というわけでもありません。後はBMWらしさでしょうか、BMWらしい走りを追求したモデルが登場すれば、他社のEVやPHEVと明確な差別化が可能となってくるでしょう。