【スバル バハ】孤高の存在、光る個性

一見すると日本でもよく目にするレガシー、しかし車両後部に違和感がある。日本ではなかなかお目にかかれない希少車種である『スバル バハ』の魅力と特徴をご紹介します。

スバル バハとは

出典:https://www.openbay.com/maintenance/2003-subaru-baja

製造期間は2003年~2006年、レガシーランカスターをベースに、後部座席(Cピラー)より後ろをトラックのような荷台に変更されたピックアップトラックです。アメリカインディアナ州にあるSIA(スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ)により生産され、北米のみでの販売となります。車名であるバハ(BAJA)とはバハ・カリフォルニア半島に由来し、オフロードなどを連想させる名前であることから、悪路などの走破性が高く、非常にアクティブな印象を与える名前となっています。

ベース車両であるレガシーランカスター概略

ベースとなる車両は、BH系と呼ばれる3代目レガシーツーリングワゴンのランカスター(国外名はアウトバック)で、特徴としては200mmと高く確保された最低地上高と、オールウェザータイヤを装着し、ノーマルのレガシーには無い高い走破性を持つSUVです。

出典:http://www.goo-net.com/car/SUBARU/LEGACY_LANCASTER.html

スバルランカスター(日本国内モデル)

基本スペック(エンジン・ミッション・足回り)

エンジンはNA(自然吸気)と2004年にはターボチャージャー搭載エンジンも登場
2.5L SOHC 水平対向 4気筒 最高出力165PS/5,600rpm 最大トルク23.0kgf·m/4,400rpm(NAモデル)
2.5L DOHC 水平対向 4気筒 最高出力265PS/5,600rpm、最大トルク38.5kgf·m/3,600rpm(ターボモデル)
ミッション:4AT/5MT フルタイムAWD
全長:4,905mm
全幅:1,781mm
全高:1,631mm(2003年~2004年)/1,654mm(2005年~2006年)
ホイールベース:2,649mm
サスペンション:フロント ストラット式 / リヤ マルチリンク式

発売開始当初のエンジンは、当時海外向けの主力エンジンでもあった2.5リッター4気筒水平対向SOHCエンジン、2004年にはDOHCターボチャージャーを搭載したモデルも販売されました。当初SOHCエンジンのみであった背景には、海外向け主力エンジンとしての高い信頼性と、オクタン価の低い燃料を使用できるなどの理由があったからではないかと推測されます。(当時日本国内の2.5リッター水平対向エンジンはDOHCのみでした。)

ミッションについては、5速マニュアルトランスミッションと4速オートマチックトランスミッションでスバル伝統のAWD(四輪駆動)です。足回りに関しては、通常のツーリングワゴンより高い200mmの最低地上高を有し、フロントはストラット方式、リヤはマルチリンク方式を採用し、BH系レガシーツーリングワゴンと共通、高い走破性としなやかで操作性の良い足回りに仕上がっています。

内外装の特徴

ヘッドライトとテールレンズはその他BH系レガシーと共通、前後バンパー、フェンダーアーチ、ドアパネルには専用デザインの樹脂製パネルが装着される事でボリュームアップし、スポーティーで力強い印象になっています。そしてなんといっても外装で目を引く特徴は後部座席後ろからカットされた荷台部分、時に「アウトバック(海外名)のお尻が無くなったようだ」と揶揄される事もあったようです。その他内装は、荷台を照らすカーゴランプのスイッチ以外、北米仕様のランカスターと共通であり、他のSUT(スポーツユーティリティートラック)とは一線を画すような上質な内装に仕上がっています。

この特徴的な荷台については、全長1,055㎜横幅1,245㎜と決して大きく無く、自転車などの大物を積む際にはテールゲートを開けたまま使用することが必要となりますが、荷台を拡張するための柵が用意されています。

また、内装にも共通する特徴として、後部座席の背もたれ部分を前方に倒し、車内からのみ開閉できるハッチ(隔壁)を開けることで1,900mmもの長尺物を載せることができます。

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/monashee61/60730689.html

スバル バハの魅力とは

世界的にヒットし、セダン、ステーションワゴン、SUVと豊富にラインナップされ、どのグレードにおいてもユーザー満足度が高いスバルレガシーの中にあり、なぜピックアップが必要なのか僕なりの考察をしてみたいと思います。

意外に高い実用性

この車両の特徴である荷台については、ベース車両であるランカスターの上質な乗り心地や操作性を維持しつつも、屋根のあるステーションワゴンでは積むことのできない高さのある荷物が積むことができ、時には立て掛けて長尺な物を積むことができるばかりでなく、荷台部分は”車外”であるため、濡れた物や汚れた物を気にすること無く積むことができます。

走行性能はスバルレガシー

荷台部分以外は、通常のランカスターと同じであり、力強く独特のサウンドを奏でるボクサーエンジン、スバルの真骨頂であるシンメトリーレイアウトや成熟した足回り、そして伝統のAWDは健在、走りについては世界的にも評価の高いレガシーアウトバックそのものです。

とにかく光る個性

この車を所有する人の中には、人とは違う魅力や個性を重視する人も少なくないでしょう。好き嫌いがハッキリ分かれるであろうデザインですが、唯一無二の存在であり、SUVやSUTなどのカテゴリーには属さず、『スバル バハ』というカテゴリーが存在するのかと思わせる程の強烈な個性を持っていることこそが、この車両が持つ魅力と言っても過言では無いように思います。

所有するには

ベース車両はレガシーランカスターであるため日本国内での使用には全く問題は無く、殆どの部分が共通部品のため、荷台部分や外装パネル以外の修理については国内のスバルディーラーで受ける事が出来ます。また、当然アフターパーツやカスタムパーツなど多くの部品が国内で手に入り使用できます。

日本国内の中古車市場における現状

ではこの記事を読んでどうしても欲しくなってしまった場合、購入できるか調べてみました。残念ながら2016年現在、大手中古車ネットワークやネットの情報では売りに出されている車両はありませんでした。そして、価格についてですが、過去の記事や情報によれば、同年代のレガシーランカスターに比べかなり高額になっているようです。製造が終了してから10年が経ち、アメリカ本国でもヒットした訳でもありませんので無理はありません。もし購入したいと思った場合、逆輸入車であることを踏まえ、専門ショップなどに相談すると良いかもしれません。

まとめ

2003年~2006年の4年半での販売台数は3万台と言われ、お世辞にもヒットしたとは言えない「スバル バハ」ですが、スバルもメーカーとしてそこまで大きな販売台数は期待していなったようです。ではなぜスバルは売れるか分からない車を作ったのでしょうか? それは、日本で初めて量産車においてモノコックボディを採用したことや、他のメーカーが積極的に導入しなかったAWDへのこだわりなど、スバルはいつの時代も先を見据え、常に新しい技術に挑戦し、積極的に市販車に採用して来たメーカー、スバルとしてのアイデンティティーであり、それこそがこの「スバル バハ」の魅力そのものなのかもしれません。