RJCカーオブザイヤー2016年(2017年次)は日産セレナがダブル受賞

11月15日にRJCカーオブザイヤーの最終選考会がツインリンクもてぎで行われ、選考委員が各車に試乗したのち投票しました。その結果、今年(2017年次)の国産車のイヤーカーは日産セレナ、輸入車のイヤーカーはボルボXC90、テクノロジーオブザイヤーが日産セレナに搭載されたプロパイロットという結果になりました。(飯嶋洋治/RJC会員)

RJCカーオブザイヤーの最終選考会で3部門のベストが決定!

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既報のように、11月1日にRJCカーオブザイヤーの対象となる、テクノロジー、国産車、外国車の6ベストが選出されましが、11月15日には栃木県・ツインリンクもてぎでテストデイ(最終選考会)が行われました。ここでは6ベストに選ばれたクルマが一堂に会し、ツインリンクもてぎ内の通路や周回路(東コース)を走行したのちに、改めて選考委員による投票が行われ、テクノロジーオブザイヤーを1技術、カーオブザイヤー・インポートを1車種、そしてカーオブザイヤーを1車種選出しました。

テクノロジーオブザイヤーは日産の「プロパイロット」に決定!

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1:プロパイロット(日産セレナ) 282票
2:インテリジェントドライブ(メルセデス・ベンツEクラス) 220票
3:Bサイクル高効率エンジン 184票
3:クリーンディーゼル「BlueHDi」(プジョー308/508、シトロエンC4、DS5) 184票
5:SPORT HYBRID i-MMD用モーター 172票
6:リモート・パーキング 155票

これからの期待も含めて? プロパイロットが受賞

RJCテクノロジーオブザイヤーには、日産セレナに搭載されている「プロパイロット」が選ばれました。今だ発展段階のテクノロジーではありますが、1眼カメラによるシンプルなシステムで車線認識でステアリングサポートが得られること、前車と適切な車間距離を保ちながら追従走行できることなどが評価されたのではないかと思います。2位にはメルセデス・ベンツEクラスのインテリジェントドライブが入ったということで、ついに自動運転の時代に入ったのかな? という感もあります。

新時代のボルボの幕開け? XC90がインポートカーオブザイヤーに!

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1:ボルボXC90 293票
2:アウディA4 254票
3:プジョー308BlueHDi 177票
4:MINIコンバーチブル 172票
5:メルセデス・ベンツEクラス 170票
6:ジャガーF-PACE 131票

ボルボXC90はT8、T6だけでなく、T5の"素の良さ"も目立った!

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もともとボルボXC90とアウディA4の一騎打ちが予想されていたのですが、ふたを開けてみるとボルボXC90が39票の得票差で圧倒するカタチとなりました。ボルボXC90は個人的には持て余すかな? という感もあるのですが、でも以前ご紹介したツインチャージャー+プラグインハイブリッドのT8だけでなく、シンプルにターボエンジンを搭載したT5もXC90の素の良さが出ており、今回の結果につながったのではないかと思います。ボルボの殻を打ち破ったXC90……といったら大げさでしょうか? アウディA4も、エンジンの静粛性の高さと特にA4クワトロのパワー感、前後マルチリンクのしっかりとしたサスペンションなど総合力の高さが光るクルマなのは間違いありません。

乗用車メーカーとしては小規模とはいえ、高い安全性で定評のあるメーカーがボルボカーズです。このところは販売面でも勢いがありますが、新プラットフォームであるPSAや新開発のパワートレインの投入など、さらに勢いが加速する可能性もあります。今回は、SUVのイメージリーダーともいえるボルボXC90T8に試乗する機会を得ましたので紹介します。(飯嶋洋治/RJC会員)

2017年次RJCカーオブザイヤーは大差をつけて日産セレナの頭上に!

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1:日産セレナ 319票
2:スバル インプレッサ 222評
3:ホンダ フリード/フリード+ 200票
4:トヨタ プリウス 176票
5:マツダ アクセラスポーツ15XD 165評
6:ダイハツ ムーヴキャンバス 115票

セレナはどこかが突出している……というよりも、ユーザー目線の使いやすさが好印象!

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RJCカーオブザイヤーは日産セレナに決定しました。6ベスト決定時にはスバル インプレッサと同点となりましたが、最終選考会の投票の結果は97票という大差となりました。テクノロジーオブザイヤーが同車に搭載されている「プロパイロット」であることなどからもわかるとおり、そこだけが注目される感もありましたが、それを抜きにしても日々の使い勝手を考えた分割式のリヤゲート、ハンズフリーオートスライドドア、そして非力な方でも楽にスライドできるシートなど、「日用品」としての良さが決定打となったのかな? と思います。

2位のスバル インプレッサは、最終選考会ではじめて乗ることになったのですが、シャシーの出来の良さは特筆されると思います。水平対向エンジンにAWDというのはスバルの定番ともいえるものですが、軽快感やコントロール性の高さが光りました。全体的にエンジンよりシャシーが勝っている印象なので、もう少しパワーを……と言ったら贅沢でしょうか?

8月24日から日産から「新型セレナ」が発売となりました。何かと自動運転技術としての「プロパイロット」だけが注目されているような状況ですが、ファミリー層向けには頼もしく優しい設計となっているように思います。今後、試乗記を含め取り上げていくこともあると思いますが、今回は軽く? 全体的なご紹介をしておきます。(飯嶋洋治/RJC会員)

以前もご紹介している新型セレナですが、今回は試乗する機会を得たので、そのインプレッションをお届けします。まずその前に、新型セレナというクルマについて、開発者の方に話を聞けたので、その部分を紹介しておきます。

RJCカーオブザイヤーでは、6ベストにトップで選ばれるなど、巷での評価の高い日産セレナ。以前は都内近郊での簡単な試乗記をお伝えしましたが、今回は生まれ故郷ともいえる日産自動車九州を出発し、福岡ヤフオクドームまでのドライブをする機会があったのでご紹介します。(飯嶋洋治/RJC会員)

RJCカーオブザイヤーとは?

RJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)は、毎年カーオブザイヤーを選出しています。該当年次の優れた国産車、外国車、新技術に対して授与されることもあり、年末になると今年のイヤーカーが何になるのか? は少なからず話題となるところです。RJCは1991年に設立され、第1回(1991~1992年次)から第25回(2016年次)までイヤーカーを選出しているのは以前にご紹介したとおりです。

RJCカーオブザイヤーは選考委員会に所属している会員の投票によって決定されます。選考対象は、前年の11月1日から、その年の10月31日までに発表された新型車です。またマイナーチェンジであっても新エンジン搭載などの場合は対象車となります。

どのような過程を経てイヤーカーが決まるのかを説明します。まず選考対象車が第1次選考の締め切り(10月31日)までに出そろいます。その対象車の中から第1次選考会で6ベストが選びだされます。本年(2017年次)の第1次選考会は11月1日(火)に東京・アイビーホール青学会館で行われます。ここでRJCカーオブザイヤーの6ベスト、およびRJCカーオブザイヤー・インポートの6ベスト、テクノロジーオブザイヤーの候補が決定します。

続いて11月15日(火)に最終選考会が行われます。今年の会場は栃木県・ツインリンクもてぎです。この会場には6ベストに選出されたメーカー/インポーターが対象車種を持ち込み、改めて試乗したうえで、会員による投票が行われます。この場でRJCカーオブザイヤー、RJCカーオブザイヤー・インポートが決定し、報道発表は11月16日(水)に東京・自動車産業記者クラブで開催される予定になっています。表彰式は12月19日(月)に東京・アイビーホール青学会館で行われます。

日本カーオブザイヤーとの違いとは?

日本におけるカーオブザイヤーはもうひとつ「日本カーオブザイヤー」があります。これは、もともと三栄書房の「モーターファン」が行っていたカーオブザイヤーをもっと大々的に行おうという趣旨から生まれたものです。現在、雑誌やWEB媒体などが主体となった実行委員会によって運営され、そこから委託を受けた選考委員が投票するという方式となっています。

日本カーオブザイヤーの現在の実行委員会は、「モーターマガジン」、「月刊自家用車」、「ベストカー」、「ahead」、「DIME」、「カーセンサー」、「ザ・モーターウィークリー」、「スタイルワゴン」、「GooWorld」、「オートックワン」、「カービュー」、「ALBA」,、「BRUTUS」、「ノスタルジックヒーロー」、「ワゴニスト」、「CORISM」、「MonoMax」、「サライ」、「週刊SPA!」、「ホリデーオート」、「グッズプレス」、「レブスピード」、「ティーポ」、「カー・マガジン」、「CARトップ」、「レーシングオン」、「オートメカニック」、「Car watch」、「ザッカー」、「Goo」、「レスポンス」、「ヤングマガジン」、「クルマでいこう!」、「ル・ボラン」で構成されています。

RJCカーオブザイヤー第1次選考結果発表、各部門の6ベストは?

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2016年11月1日に東京・青山アイビーホールで2017年次RJCカーオブザイヤーの第1次選考会が行われました。既報のように、ここでRJCの選考委員(56名)による投票が行われ、RJCカーオブザイヤー、RJCカーオブザイヤー・インポート、RJCテクノロジーオブザイヤーの6ベストが選出されました。投票方法はノミネートされた技術、クルマの中から選考委員がそれぞれ6つを選択する方式となっています。投票の結果は以下です。

RJCテクノロジーオブザイヤー・6ベスト発表!

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1:プロパイロット(日産セレナ)49票
2:インテリジェントドライブ(メルセデス・ベンツEクラス)43票
3:クリーンディーゼル「BlueHDi」(プジョー308/508、シトロエンC4、DS4)37票
4:Bサイクル高効率エンジン(アウディA4)35票
5:SPORT HYBRID I-MMD用モーター(ホンダオデッセイ・ハイブリッド)30票
6:リモート・パーキング(BMW7シリーズ)29票
※投票者は55名

テクノロジーは自動運転系が強い!

トップとなったのは、日産セレナに搭載された自動運転支援技術の「プロパイロット」です。日産はやはりセレナに搭載された「ハンズフリーオートスライドドア」「スマートルームミラー」も候補になりましたが、やはりプロパイロットのインパクト? が強かったようです。

2位にも自動運転につながる技術であるメルセデス・ベンツの「インテリジェントドライブ」が入り、自動運転系が1位、2位となりました。ディーゼルエンジンのイメージ回復を狙うPSAグループのクリーンディーゼル「BlueHDi」も根強い支持を受けました。

RJCカーオブザイヤー・インポート・6ベスト発表!

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1:ボルボXC90 51票
2:アウディA4 50票
3:メルセデス・ベンツEクラス 33票
4:MINIコンバーチブル 29票
5:ジャガーF-PACE 18票
6:プジョー308BlueHDi 17票
※得票数ではルノートィンゴが5位ですが辞退のためプジョー308が繰り上がり。

インポートはボルボXC90とアウディA4が僅差!

でも試乗記を紹介しているボルボXC90が1票差でトップとなりました。このクルマは2リッター直列4気筒エンジンを過給するSUVです。中でもT8はモーターと駆動用バッテリーを搭載したプラグインハイブリッドとなっています。

2位にはこれもで2度試乗記を掲載しているアウディA4が入りました。テクノロジーオブザイヤーの候補にもなっていますが、ミラーサイクルエンジンにターボを併用することで燃費と出力を両立させたBサイクル高効率エンジンを採用、よく熟成させたサスペンションの良さ、オールマイティな「クワトロ」など、派手さはないものの、総合点の高さを感じました。

3位はメルセデス・ベンツEクラスです。残念ながら試乗する機会を得ていませんが、クルマ全体の完成度の高さとテクノロジーオブザイヤー候補のインテリジェントドライブの評価が高いように思います。票数ではルノートゥインゴが5位となっていますが、辞退ということでプジョー308が繰り上がりで6ベストとなっています。

RJCカーオブザイヤー・6ベスト発表!

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1:インプレッサ/セレナ 55票
3:プリウス 49票
4:フリード/フリード+ 48票
5:アクセラスポーツ15XD 44票
6:ムーヴ キャンバス 36票

RJCカーオブザイヤーの得票数はインプレッサとセレナが分け合う!

1位はインプレッサとセレナが分け合う形となりました。インプレッサはまだ発売間もなく、私自身も試乗していないこともあり、微妙な感もあるのですが、エントリーが8車種でその中から6車種を選ぶ消去法的な部分も影響しているかもしれません。もちろん巷では評価が高いようです。同点で1位がセレナです。これは「プロパイロット」が注目されていますが、実際に乗ってみると必要十分の動力性能、乗り心地の良いサスペンション。そして、分割式リヤゲートやハンズフリーオートスライドドアなど、使用者のことをよく考えたクルマだと感じます。

3位にはハイブリッド車としては一歩先を行っている感のあるプリウスが入りました。

2016年度(2017年次)RJCカーオブザイヤー選考対象車(暫定)

2016年9月9日現在でのRJCカーオブザイヤーの選考対象車は以下となっています。なお、トヨタ/ダイハツのパッソ/ブーンは連名で選考対象車に、ホンダのクラリティ・フューエルセル、NSXは試乗機会が得られないために選考対象外に、スズキはノミネート辞退となっています。

ダイハツ

ブーン
ムーヴ キャンバス

富士重工

インプレッサ

スバル インプレッサ(photo by Iijima)

ホンダ

オデッセィ ハイブリッド
フリード

ホンダ フリード(photo by Iijima)

マツダ

アクセラ スポーツ15XD

日産

セレナ

日産セレナ(photo by Iijima)

トヨタ

プリウス
パッソ

2016年度(2017年次)RJCカーオブザイヤー・インポート選考対象車(暫定)

アウディ

アウディQ7
アウディA4
アウディR8

BMW

BMW M2クーペ
BMW330e
BMW225xe

BMW M2クーペ(photo by Iijima)

シトロエン

シトロエンC4 BlueHDi

DS

DS4 HDi

FIAT

アバルト124スパイダー

FIATアバルト124スパイダー(photo by Iijima)

GM

キャディラックCT6

ジャガー

ジャガーF-PACE
レンジローバー イボーク・コンバーチブル

メルセデス

メルセデス・ベンツGLC
メルセデス・ベンツGLEクーペ
メルセデス・ベンツSクラス・カブリオ
メルセデス・ベンツEクラス

MINI

MINIコンバーチブル
MINIシリーズディーゼル搭載車

MINIコンバーチブル(photo by Iijima)

プジョー

プジョー308 BlueHDi
プジョー508 BlueHDi

プジョー508BlueHDi(photo by Iijima)

ポルシェ

ポルシェ718ボクスター/ケイマン
ポルシェ パナメーラ
ポルシェ911

ルノー

ルノー・トゥインゴ

ルノー トゥインゴ(photo by Iijima)

フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲン・トゥーラン

ボルボ

ボルボXC90

ボルボXC90(photo by Iijima)

まとめ

国産車がやや寂しいのに対して、今年は外国車勢がバラエティ豊かなのが特徴と言えるでしょう。また、日産セレナはプロパイロットでテクノロジーオブザイヤーでも有力という噂もあります。

※11月2日追記
各部門の6ベストが選出されましたが、最終選考会は11月15日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催されます。ここではRJCの選考委員が6ベストに選出されたクルマに再度試乗し、最終的な投票が行われ2017年次のRJCカーオブザイヤー、カーオブザイヤー・インポート、テクノロジーオブザイヤーが決定されることになります。その模様は改めてお伝えします!

※11月15追記
以上、3回にわたってRJCカーオブザイヤーの選考過程、結果をレポートしてきました。再三書いているように、テクノロジーオブザイヤーはついにというべきか、やっとというべきか「自動運転」に注目が集まってきたのは間違いないところです。これからの方向が注目されます。インポートカーオブザイヤーは非常にバラエティに富み6ベストに選ばれるだけでも大変という状況、対して国産車はちょっと寂しいかなという中、日産セレナの良さが際立ったのかなとも思います。次回は国産車が大賑わいとなってほしいというのが、個人的な感想でした。