【日産 新型セレナの試乗レポート】プロパイロットだけでないミニバンとしての基礎体力!

以前もご紹介している新型セレナですが、今回は試乗する機会を得たので、そのインプレッションをお届けします。まずその前に、新型セレナというクルマについて、開発者の方に話を聞けたので、その部分を紹介しておきます。

新型セレナのミニバンの基礎体力の高さとは?

photo by Iijima

新型セレナは同一車線自動運転技術「プロパイロット」が搭載されたことが、どうしても強調されています。実際にはそれだけではなくミニバンの基礎体力を上げてきたという部分がウリです。日産の掲げるコンセプトはは"BIG"、"EASY"、"FUN"としていますが、「この3つの魅力をキーワードに開発してきている」と開発者自身も語っていました。その辺を少し掘り下げてみます。その他の詳細は下記リンクをご覧ください。

まず「BIG」の部分に関連するところですが、現在の傾向として、ミニバンのユーザーは3列目まで使用するということが当たり前になっているという前提があります。つまり単に漠然と広さ感があればいいということではなく、「3列フルにシートを使ったときの居住性ということにはかなり気を配った」ということでした。

クルマ全体の中でシートは特に力を入れた部分!

photo by nissan

そのひとつの現れがシートアレンジの多彩さです。特にセカンドシートは、シートベルトの引き出し口をシートにつけたことによって制約がなくなり、ロングスライドや横方向へのスライドを可能としました。この辺は「EASY」にも関連する部分でしょう。

これによって、セカンドシートを前方右側に寄せて、運転席から後部座席にアクセスしやすくしたベビーケアモードなどが可能となっています。シート自体にシートベルトがついているということでは、安全性が気になるところですが、シートフレームにハイテン材を使用し安全性の確保をしているということでした。

実は大きく開くことはない? デュアルバックドアで利便性を向上!

photo by Iijima

リヤでは「デュアルバックドア」が採用されたことも特徴です。バックドアは、1枚が大きく開くものだと、スペースによっては大きく開けませんし、開いたときに荷崩れして、地面へ落下することも考えられます。今回は、二枚にして上側だけでも開けるようにして、利便性への配慮がされました。バックドアを大きく開けて使うことはほとんどないという現実もあるそうです。こうして上半分が開くことによって、使い勝手を広げたわけです。

バックドアとサードシートの関係性も心配りがされたところです。サードシートを出していても荷物もたくさん積みたいというシチュエーションでは、サードシートにもシートスライドがあるので、後ろから手を伸ばして3ドシートを前にずらすこともできますし、シートの肩口にストラップがついているので、倒してさらに荷室を広げられる工夫もしています。

さらに積みたいときはサードシートを格納するという方法もあります。操作力に関してはガススプリングの機構を調整し、現行の半分の力でできるようになっているということでした。この他にも、サイドのハンズフリーオートドアやフタを開いて給油口にそのままノズルを差し込むことができる、キャップレス給油口がなど「EASY」を象徴している部分でしょう。

photo by nissan

プロパイロットは自動運転ではなく、あくまでも運転支援のシステム

photo by nissan

「FUN」は、やはりクルマですから、走りに大きく関連している部分だと思います。試乗のために運転席に乗り込むと視界の広さをすぐに感じ取ることができました。この辺はAピラーやメーターデザインのスリム化が効いている部分だと思います。軽く動くシートスライドとチルトステアを調整すれば、すぐに満足の行くドライビングポジションを得ることができました。

今回は主に自動車専用道路での試乗ということで、早速プロパイロットを試すべく、ステアリングに装着されたプロパイロットのスイッチボタンを押し、続いてその左下のセットボタンを押してシステムを起動します。

ちなみにプロパイロットのインターフェイスは、セットボタンの上がプロパイロットのキャンセルスイッチでその上がレジュームスイッチを兼ねたプラス方向の速度設定のスイッチ。設定速度をマイナスにするときには、セットボタンがマイナス方向のスイッチを兼ねています。これはわかりやすく使いやすいものだと感じました。

設定速度は30kmから114kmまでとなっていますが、60km/h程度の設定で走行します。前車がいない場合には、そのスピードまで加速しスピードを維持します。フロントの単眼カメラが白線を感知しているときには、ステアリング操作の支援が入ります。車線中央を走行するようにステアリング支援がされるもので、ハンドルに手を添えている状態で中央から外れそうになると、ビクッビクッというような感じでハンドルにインフォメーションが入りラインを調整してくるのがわかります。

ステアリング支援のぎこちなさ? は作動を認識させるための意図的なもの

photo by Iijima

この辺の感覚は、もうちょっとスムーズな感覚でも良いのはなないかと思ったのですが、試乗後、開発者に確認をすると、「開発段階でもそういう話はあったのですが、プロパイロットが作動しているというインフォメーションを伝えるために、あえてそうした」という面があるそうです。注意喚起という意味も兼ねているということでしょう。

このステアリング支援は、白線を認識していればどのようなカーブにも対応するというようなものではなく、大きく回り込んだような場所では道として認識できないために、ドライバーによる操作が必要になるということでした。この辺はやはり言葉通りの「自動運転」ととらえない方がいいようです。

追従機能については、前走車がプロパイロットの設定速度以下だった場合には、一定の車間(三段階に調整可能)を保ちます。プロパイロットでは先行車両が完全停止した場合、自動的にブレーキをかけて停止状態を保持するということでした。今回はそのような状態にはなりませんでしたが、渋滞時などのストレス低減にも役立つ機能だと思われます。

プロパイロットを解除して、普通に運転してみれば、乗り心地もいいですし、おそらく長時間運転しても疲れの少ないミニバンだろうなということは想像できます。プロパイロットがなくても「FUN」を楽しめるでしょう。ただ、加速時にアクセルをぐっと踏み込むとかなりエンジン音がうるさく感じたのも事実です。CVTらしいエンジンの回り方ともいえると思うのですが、これは改良してあるとはいえ、ベースとなるエンジンは前と同じということで、ある程度仕方のない部分なのだろうと思いました。

まとめ

試乗したのは、「セレナ ハイウェイスターG」でした。燃費も気になるところですが、JC08モード燃費では16.6km/Lとなっています。これは電気モーターと組み合わせるエンジンはMR20DDと型式こそ同じですが、圧縮比を11.2から12.5まで高めるなど、高効率を追求したことで達成した数値です。実際に市街地でモード燃費をマークすることはなかなか難しいとは思いますが、自動車専用道でプロパイロットの追従機能に任せた? スムーズな加減速をすれば、モード燃費に近い数値がマークできるのではないかと思います。

photo by nissan