「トライアンフ スピットファイア」英国の小さなスポーツカーと暮らそう!

「英国車と暮らそう!」そう決めたとき、どんな車種を思い浮かべるでしょう。「ミニ クーパー」・「MGB」・「ロータス ヨーロッパ」…。どれも素敵ですが「トライアンフ スピットファイア」はいかがですか? 曲線の美しいオープン2シーターのライトウェイトスポーツカーです。ここでは、その魅力や入手方法を詳しくご紹介します。

人気車のライバルとして誕生、その歴史とは

イギリスの自動車メーカー「トライアンフ社」から1962年にデビューした「スピットファイア」は、「BMC社」の小型スポーツカー「オースチンヒーレー スプライト」と「MGミジェット」のライバル車として誕生。全5世代のモデルチェンジを経て、1980年まで生産されました。日本国内では「スピット」の愛称で親しまれています。

「オースチンヒーレー スプライト」(上)と「MGミジェット」(下)。

車名は、第二次世界大戦中に活躍した英国戦闘機から名付けられています。「スピットファイア」とは火山や大砲の意味を持ちますが、「あばずれ」や「ヒステリックな女性」のスラングでもあります。女性君主の自国を皮肉って名付けた説がありますが、優雅かつ好戦的なスポーツカーと解釈すれば、ぴったりなネーミングですね。

シャシーはトライアンフの大衆車「ヘラルド」のものが流用されました。剛性に優れ、全体の重心を下げられるX字型バックボーンフレームを採用。スイングアクスル式サスペンションやラック・ピニオン型のステアリング機構を備え、安定性が高く軽快な走りを実現させました。

シリーズを通して「ミケロッティデザイン」のボディが魅力

BMC社のスクエアーなボディデザインに対し、トライアンフ スピットファイアはイタリアのカーデザイナー、ジョヴァンニ・ミケロッティを起用。これまでの英国車にはない、艶やかで流麗なボディを備えました。全シリーズを通してミケロッティがデザインを手がけ、多くの自動車ファンを魅了したのです。

小型の輸入スポーツカーを所有したい人にオススメ

「小型の輸入スポーツカーが好き」「クラシックカーに乗りたい」といった人にオススメです。峠道でコーナーをひらひらとかわす軽快なドライブが好きなら、トライアンフ スピットファイアを一度は“飼って”おくべきでしょう。クラシックカーなので手はかかりますが、そのぶん愛着もひとしお。

さらに「オープンカー」の醍醐味も味わうことができます。オープン・エアーに包まれながらキャブエンジンのサウンドを肌で感じる快感は、一度覚えるとやみつきですよ。

意外と簡素な内装、初代「スピットファイア4」

1962年から1965年まで製造された初代は、直列4気筒1,147ccエンジンを搭載。SU(スキナーズ・ユニオン社)のツインキャブレター付きで63馬力を発生しました。内装は意外にも、ゴム製フロアマットにプラスチックのステアリングとミニマムな仕様でした。

1964年からは、ハードトップ(オープンカー用の屋根)もオプション装備に加えられています。後に「MkⅡ」が登場したことから、区別するために別名「Mk1」とも呼ばれています。

出力も走行性能もアップ、二代目「Mk II」

1965年、細かな変更点や改良を経て二代目「MkII」が登場。エンジン性能の向上により67馬力を発生、最高速度は148kmを達成しました。内装もゴムマットからカーペットに変わり、快適さも向上しました。

米国輸出へ向けた改良、そして歴代最速! 三代目「MkⅢ」

1967年に登場の三代目「MkⅢ」は、米国輸出を視野に入れた改良が施されています。フロントデザインは米国の安全基準に合わせ、バンパー位置が高められました。さらにバックランプも標準装備。メーター類は、左右ハンドルの作り分けの事情から中央への配置に変わりました。また、エンジンはボアアップされて1,296ccとなり、75馬力を発生。0-100加速は12.5秒を記録し、歴代最速のモデルとなりました。

リヤデザインを大胆に変更、四代目「MkⅣ」

1970年の終わりに登場した四代目「MkⅣ」。エンジンは1,296ccと変更がないものの、ボディデザインや内装が大きく変更されました。とくにリヤスタイルは、アメリカ車を彷彿とさせるダイナミックで若々しいデザインに。さらにダッシュボードの中央ににあったメーターもドライバーの前に配され、快適性も向上しました。ただ、排気ガス規制の影響で走行性能は低下しています。

もっとも輸出された最終型「1500」

1973年に登場した最終型の「1500」は、完全な米国向けモデルとして登場。その名のとおりエンジンは1,500ccとなり、豊かなトルクで長距離でも快適なドライブが楽しめるようになりました。リクライニングシートの採用や電動ウインドウウォッシャーといった快適装備も追加された一方で、排気ガス対策によって最高出力は53馬力に低下。米国の安全基準を満たすため、車高が高くなった影響で操縦性は低くなっています。そして1980年8月、ついに生産終了となりました。

トライアンフ スピットファイアを中古で手に入れよう!

もちろん新車での入手は不可能なので、できるだけ状態のいい個体に出会えるよう、手を尽くしましょう!

一番タマ数が多いグレードは、最終型の「1500」です。「スピットファイア4」や「MkⅢ」はほとんど市場でも見かけることはありません。運良く出会えるように、アンテナを張っておきましょう。

店頭で買う

一般的な中古車店で見かける機会は少ないものの、輸入車・旧車専門のレストアショップに行くときちんと整備された個体が展示販売されていることがあります。相場はレストア済みでおおまかに140万から250万円ほどで、新しめの中古車が買えてしまう価格です。良い状態とはいえ旧い車です。トラブルのリスクはありますので、見極めが必要です。

オークションで買う

個人売買・オークションで買うという手もあります。よほど慣れている人向けですが、レストアベースの個体を安価でゲットできるチャンスもあります。もしかすると、店頭では出回っていないような仕様の個体と出会えるかもしれません。例えば、別車種のエンジンを換装した仕様だったり…。実際、トヨタの4AG(AE86のもの)エンジンに換装した スピットファイアも存在するそうなので、エンジンにこだわりがなければアリかもしれません。

イベントへ見学に行ってみる

もしかすると、入手するいちばんの近道はここかもしれません。クラシックカーの集まるイベントへ見学に行き、オーナーと知りあうことです。実際に譲ってもらえるチャンスが巡ってくる可能性もありますし、別のオーナーを紹介してもらえる可能性も高いです。ついでに知識も増えていきますよ。

本当に小粋な車ですよね。一生に一度こんな1台を所有してみると、生活にも潤いが出て楽しくなります。車を通して友人も増えますよ。英国の小さなスポーツカー「トライアンフ スピットファイア」と暮らしてみませんか?

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