【マツダ MX-5 RF】美しいファストバックとオープンの爽快さを両立!

2016年のニューヨーク自動車ショーで「マツダMX- RF(日本名:ロードスターRF)」が展示されましたが、8月5日から7日に幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2016」でも同車が展示されて注目を浴びました。オープンエアを楽しむべきロードスターに電動ハードトップということで、各所で話題となっていますか、ここまでわかった情報をお伝えします。(飯嶋洋治/RJC会員)

マツダ MX-5 RFとは?

オープンの楽しさを損なわずに、クローズドの利便性を併せ持つ

左・山本修弘氏、右・中山雅氏(photo by iijima)

千葉県・幕張メッセで初開催された「オートモビルカウンシル2016」は、いくつかの話題がありましたが、その中で目立ったのがマツダのブースでした。ニューヨーク国際モーターショーで展示された「MX-5 RF」がお目見えしたのです。国内初展示は、本年5月のロードスターのファンイベントである「ロードスター軽井沢ミーティング」でしたが、それに続いての公開となりました。

日本名ではマツダ ロードスター RFとなります。同車は、MX-5が26年間一貫して守り続けてきた「Lots of Fun」の価値を体現した、としています。初代ロードスターからドライバーに与え続けてきた「たくさんの楽しさ」の究極を目指したといってもいいのかもしれません。

マツダは日本のクルマ文化を育みたい!

アンベールに先立って、前田育男常務執行役員が挨拶。「オートモビル カウンシルは、日本の自動車文化の創生を提案して、今年初めて開催されるイベント。マツダも日本に大人の自動車文化を育みたいという共通の想いを持つマツダも協賛しています」と同イベントに期待を寄せるとともにマツダの今後の日本のクルマ文化に対するスタンスも表明しました。「MX-5 RF」はいきなり生まれたクルマではありません。1960年代の日本ではじめてのクーペといえるR360、マツダ初の前輪駆動車ながら、ロータリーエンジンを搭載し美しいクーペとしたルーチェロータリークーペなどの創成期のクルマはもちろん、歴代ロードスター、RX7などスポーツカーとしての美しさを造成してきたいくつかの時代を経て、現在があるわけです。前田氏は「鼓動デザインを経て次のレベル"car as art"、RX-visionに代表されるように、よりアーティスティックな方向性を目指す」ことを示唆、「大人のクルマ文化を醸成する上で美意識を磨いていく」という決意を述べました。

R360クーペ(photo by iijima)

ルーチェ ロータリークーペ(photo by iijima)

マツダ MX-5RFのアンベールは新旧主査の手によって!

ロードスターの新開発責任者の中山氏は生粋のロードスターフリーク!

続いて登壇したのが、現行型ロードスターの元主査で現在は"ロードスターアンバサダー"山本修弘氏。「MX-5 RFは究極の人馬一体。走る喜びを追及するのはマツダの変わることのない姿勢。このクルマで眠っている高ぶりを呼び起こしたい」旨のスピーチを行ない年内の発売を宣言していました。そして、山本氏が第一線から退いた後の新開発責任者として中山雅氏が登壇しました。中山氏はデザイナー出身の主査ということで、これは今までからすると異例のこととなるそうです。挨拶の中で、「マツダの中で最もロードスターを愛してきたと自負している」とも語り、「初代NAロードスターを26年間乗り続けており、現行NDロードスターとともにガレージの中にある」ということで、この辺がバックボーンとなっているのかもしれません。その後、山本氏、中山氏によってMX-5RFはアンベールとなりました。

山本氏と中山氏によってアンベールされるMX-5 RF(photo by iijima)

マツダMX-5 RFのポイントは?

実用上、ハードトップが必要な場合もあるという現実

オープンは、「欲しい」と思っていても、いくつかのハードルがあります。まずは駐車場の問題。屋根付きのガレージがあるのならいいですが、特に都心のアパートなどに住んでいると、屋根付きの駐車場を探すのは困難ですし、あったとしてもかなり高額の賃貸料が必要なケースも多くなります。

photo by iijima

もちろんマツダ ロードスターの幌は、風雨の一定の耐久性も確保されていますが、長期間で考えると劣化は避けがたいですし、冬季は突然の大雪という可能性がないわけではありません。そういう面で購入に思い切りが付かないというかたには、RFは喜ばしい選択になると言えるでしょう。

photo by mazda

マツダMX-5 RFのエクステリアは?

ルーフの装着で全体的なシルエットを壊さずに流麗なファストバックに!

photo by mazda

「オープンカーの楽しさを身近なものにする」という先代のリトラクタブルハードトップモデルが目指した価値を引き継ぎながら、従来の考え方に捉われることなく更なる進化に挑戦した、と言います。エクステリアに関しては、ルーフからリアエンドまでなだらかに傾斜するルーフラインを特長とするファストバックスタイル、独自のリアルーフ形状と開閉できるバックウィンドーによる新しいオープンエア感覚の実現を目指しています。

さらに電動ルーフは、10km/h以下での走行中開閉を可能とするフル電動式へと進化しました。また、限られたスペースにコンパクトかつ効率的に収納できる構造とし、ファストバックスタイルのデザインとソフトトップモデルと同じ荷室容量を両立しています。

photo by mazda

新色「マシーングレー」の採用がRFの特徴を際立たせる

マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」の造形の魅力を際立たせるボディカラー「マシーングレー」を採用したこともエポックとなっています。同色は、魂動デザインを象徴するボディカラー「ソウルレッド」に続いてマツダが導入する特別塗装色となります。

マツダは、「カラーも造形の一部」という思想というこだわりを持っており、魂動デザインを際立たせるカラーの開発を行なっています。マシーングレーは「機械の持つ精緻な美しさの追求」をテーマとなっており、MX-5RFのリトラクタブルハードトップという、メカメカしい機能に似あうような金属質感をもつものとなっているように思います。

質感表現というのは難しいもので、コンセプトカーなどに施すときには、熟練した職人が、極薄のアルミフレークを含んだ塗料を用いて、時間をかけて重ね塗りをすることによってのみ可能なものでしたが、マシーングレーでは、ソウルレッド用に開発した塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」を進化させることで、クリア層、反射層、カラー層からなる塗膜構成での量産化に成功したといいます。

マツダMX-5 RFのパワートレインは?

北米仕様の2リッター仕様は157PSと現行より26psのパワーアップに!

現在明らかにされているところでは、SKYACTIV-Gの1.5リッターと2リッターの設定とされており、特に北米仕様では2リッターユニットが搭載されるとしています。公表されている数値は、155hp(約157ps)/6,000rpm、148ft-lb(約200Nm)/4,600rpmと公表されています。現行ロードスターから馬力にして26ps、トルクでは50Nmのアップとなると、単純に速さという面ではRFに軍配が上がることになるでしょう。これで車重がどのくらいに収まってくるのか? が注目されますが、こだわりのマツダのことですから、結構やってくれるのでは? と個人的には期待しています。

マツダMX-5 RFのデメリットは?

重くなる車重とパワーアップ分がどのように相殺されるのか?

スタイル、オープン&クローズドボディと二度おいしい? と考えられるMX-5 RFですが、デメリットとなる面があるのもまた否定できません。いくら頑張ったとしても車重がかさむことは避けられないでしょう。エンジンが2リッターとなれば、その分は相殺されるのでは? という考え方もありますが、走行性能を考えれば少しでも軽量であることに越したことはありません。

マツダロードスターに限らずですが、オープンを前提に作られているスポーツカーは、クローズドボディのクルマのよりもボディ剛性が劣る傾向になります。フォーミュラカーのような、レース専用マシンでは話が違ってきますが、乗用車の場合大きく頑丈なルーフという固定した蓋があるとないとでは、歴然とした差が出てしまうわけです。それを補うためにうにバックボーンフレームを使ったり、サブフレームで補強したりと、オープンカーの場合、同サイズのクルマとしては決して軽量とは言えない面もあります。

ルーフが重くなることは重心の高さにつながる部分

さらに、ルーフ部分が重くなるということは、クルマの重心位置が高くなるということでもあります。動力性能ならばエンジンでなんとかなりますが、重心が高くなったことによる操縦性への影響はサスペンションセッティングである程度は解消できたとしても、完全に消し去ることはできません。もちろん、一般走行では利便性が勝り、そこまでの操縦性能の違いを体感することはないとは思いますが、サーキットなどでのスポーツ走行をした場合にどうなるか? は注目されるところです。

マツダMX-5 RFの発売時期と価格は?

発売は年内!秋以降が有力か?

オートカウンシルのプレゼンの場で、MX-5 RFの発売時期について、山本氏の口から「年内発売」という言葉がありました。おそらく今秋以降ということになると思います。

価格は現行NDロードスターと比べてどれくらい増えるのか?

価格は発表されていませんが、現行のNDロードスターが249万円~314万円というところですから、350万円を超えるところくらいになることが予想されます。

主要諸元

サイズ

全長 3,915mm
全幅 1,735mm
全高 1,245mm

ボディ形式

オープン(電動ハードトップ)

パワートレイン

エンジンタイプ SKYACTIV-G 2.0
最高出力 155hp/6,000rpm
最大トルク 148ft-lb/4,600rpm
トランスミッション 6EC-AT/SKYACVIV-MT 6MT
駆動方式 2WD(FR)

サスペンション

フロント ダブルウイッシュボーン式
リヤ マルチリンク式

タイヤ

205/45R17

まとめ

2017年には初代ロードスターの部品供給を開始する?

ここまで、MX-5 RFという最新のロードスターのことを中心に書いてきましたが、マツダは旧型のユーザーをないがしろにしているわけではありません。マツダは「クルマ文化を日本に育んでいく」ことを使命として掲げています。その一環として、初代ロードスターのレストアのための部品供給の検討に入ったことを中山氏は宣言しました。このプロジェクトは2017年後半の実現を目指しているそうです。今後もマツダからは目を離すことができません!